幻想的で妖しい雰囲気が漂うダークファンタジーの世界。悲劇や残酷さに満ちた世界観に魅せられる人も多いはず。今回はその中でおすすめの人気作をジャンル別に紹介いたします。
片田舎の村で育ったエドワード・エルリック(エド)とアルフォンス・エルリック(アル)の兄弟は幼いころに亡くした母を生き返らせたいという想いから、禁忌の錬金術・人体錬成を行います。結果は失敗に終わり、その代償として兄は左足、弟は全身を「持っていかれて」しまいます。
- 著者
- 荒川 弘
- 出版日
兄・エドのとっさの判断で、自身の右腕と引き換えにアルの魂のみを鋼の鎧に定着させることに成功。そして新たに歩き出すため鋼の義手と義足「機械鎧(オートメイル)」を取り付けた兄・エドが元の身体に戻るため旅に出るダークファンタジー作品です。
無限に奇跡を叶えられる魔法使いではなく、無から有は生み出せない錬金術師をコンセプトにした本作。著者・荒川弘の描くハイクオリティなアクションはもちろん、人間・命・差別・戦争など世界の真理を追究する登場人物達の動きにもぜひ注目していただきたいです。
テレビアニメシリーズや劇場アニメ化、実写映画化もされています。詳しくはTVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイトをご覧ください。
『鋼の錬金術師』の裏話を紹介した漫画『鋼の錬金術師』の知られざる13の裏話!登場人物たちの隠れた設定も!もあわせてご覧ください。
漫画『鋼の錬金術師』の知られざる13の裏話!登場人物たちの隠れた設定も!
コミックス累計発行部数7000万部を超えた『鋼の錬金術師』。この記事ではそんな名作少年漫画の綿密に練られた設定と、魅力溢れるキャラたちの13の秘密についてご紹介します!ネタバレも多く含みますので未読の方はご注意ください。
『進撃の巨人』は、テレビアニメ化や実写映画化もされた、言わずと知れた人気作。城郭都市を舞台に、壁の外側からやってくる謎の生物「巨人」と、人間たちとの戦いが描かれています。
巨人は人間の住む街をただ襲うだけでなく、彼らを捕食することもあり、ぼかさず真に迫った描写は、命を懸けた戦いであることを読者に訴えかけます。
- 著者
- 諫山 創
- 出版日
- 2010-03-17
ある日突如出現した巨人によって、人類は生命を脅かされるようになってしまいました。人を襲い、食らうこともある巨人から身を守るため、高さ50mほどの3つの壁に囲まれた城郭に逃げ込みます。
自由な生活と引き換えにひとまずの安全を手に入れた人類は、壁の内側で文化を築いていきました。
主人公のエレン・イェーガーは、外の世界に憧れている少年です。平和な日々を送っていたころは、なぜ人類は外の世界に出ないのかと疑問を抱いていました。
しかし強大な巨人の出現によって、その考えは脆くも崩れ去ります。巨人に母を奪われたエレンは、幼馴染のアルミンや同居人のミカサとともに、壁の外を調べる「調査兵団」へ入隊しようとまずは「訓練兵団」へ入るのでした。
巨人と戦う人類、という構図ですが、ただ戦っているだけの物語ではありません。巨人はどこからやってくるのか、何者なのか……意外な展開と徐々に明らかになる世界の謎にのめり込んでしまいます。
2021年2月現在、テレビアニメがクライマックスに向かって、ファイナルシーズンが放送されています。詳しい情報は公式サイトTVアニメ「進撃の巨人」The Final Seasonをご覧ください。
『進撃の巨人』の伏線を解説した、下記の記事もあわせてご覧ください。
漫画『進撃の巨人』最新121話までの伏線をネタバレ考察!
『進撃の巨人』には数多くの伏線があり、十数巻またいで回収されるものもあるなど、少年漫画のワクワク感と設定の技巧が光ります。 今回は最新121話までの重要なポイントを考察!ユミルの民とは?九つの巨人とは?アッカーマン一族とは?ネタバレがあるのでご注意ください。 2019年9月現在、あと少しで最終回を迎えると発表されている本作。それまでにこの記事を読みながらまた読み返してみるのもおすすめです!ま
主人公の少年・ゴンがまだ見ぬ父親に憧れ、ハンターを目指し旅立つ冒険ファンタジー漫画です。作者は少年ジャンプで多くの名作を描いた巨匠・冨樫義博。この世界の「ハンター」とは、怪物退治から賞金稼ぎ、遺跡や希少品の探索など、常人ではこなせない様々な仕事を探求する職業として扱われています。
主人公のゴンは旅のハンター・カイトから父親が凄腕ハンターとして活躍している知りプロのハンターとなるためのハンター試験に挑むこととなりますが……。
- 著者
- 冨樫 義博
- 出版日
冒険を始めたゴンが出会う個性的なハンター志望の仲間たち。彼らが切磋琢磨していく姿はこれぞ少年ジャンプというワクワクとした気分にさせられます。しかし、本作の魅力は読者の予想を超えていく鬼才・冨樫義博の描く衝撃的な展開の数々ではないでしょうか。
「〇〇編」と作中の出来事を分けることで、目標を達成しても新たな事件や依頼が舞い込み飽きが来ないストーリーとなっています。また主人公以外の視点・目的で進行する物語も必見です。
テレビアニメ化に加えて、2度も劇場アニメにもなりアニメ作品も人気となっています。詳細な情報はHUNTER×HUNTER|日本テレビをご覧ください。
『HUNTER×HUNTER』については下記の記事で詳しく紹介しています。
漫画「ハンターハンター」最新35巻までを徹底考察!【ネタバレ注意】
ファンからの熱狂的な支持を得ている人気漫画「ハンターハンター」。作者の体調不良によって何度も休載を挟みつつ、常に上位の人気を獲得しています。読者が心酔し続ける魅力や見どころを徹底考察!
舞台は19世紀末期のイギリス。物語の主人公の一人であるシエル・ファントムハイヴは、名門貴族の幼き領主。彼は領地を治めるだけでなく、玩具・製菓会社の「ファントム社」を経営し、その上愛らしい許嫁のリジーもいて、幼いながらも立派に伯爵を務めています。
もう一人の主人公であるセバスチャン・ミカエリスはシエルに仕える執事です。セバスチャンの仕事は何もかもが完璧で、どんな命令でも難なくこなします。
- 著者
- 枢 やな
- 出版日
それもそのはず、セバスチャンの正体はシエルと契約した悪魔。シエルはセバスチャンの力を使い、名門貴族の裏の姿である「女王の番犬」として、不可解な騒動の解明に動きます。
切り裂きジャック事件に始まり、ノアの箱舟サーカス団や、狼の谷の緑の魔女など、19世紀のヨーロッパの妖しい雰囲気漂う事件たち。ふたりはその全てを、時に鮮やかに、時に残忍に解決していきます。たびたびピンチが訪れますが、そこは悪魔のセバスチャン。危機をせせら笑うように脱していくのは格好良いの一言に尽きます。
この漫画の魅力は作りこまれた妖しいキャラクターたち。死神や葬儀屋、蛇人間なども違和感なく登場し、読めば読むほど彼らに惹かれていくこと間違いありません。どのキャラクターも美しく、強く、そして悲しい過去を抱えています。そんな彼らが生きる世界は美麗な絵で彩られ、19世紀イギリスの闇に迷い込んでしまったような感覚にとらわれます。
本作はテレビアニメに劇場アニメ、実写映画化とミディアミックス作品も人気となっています。詳しい情報は黒執事 | アニメ「黒執事」新シリーズ公式サイトをご覧ください。
『黒執事』の魅力を紹介したこちらの記事もおすすめです。
漫画『黒執事』の魅力をキャラクターから考察!【~最新26巻ネタバレ注意】
漫画『黒執事』は、巧妙に散りばめられた謎に多くの読者が虜になっています。いまだ明かされていない謎を含め、これまでの情報を整理しつつその魅力をキャラクターから考察していきましょう。
ある孤児院で暮らすエマが主人公。その孤児院は通常の孤児院では無さそうなことが多くあります。首筋に一人一人違う番号が書かれていたり、テストを毎日行ったり、12歳になるまでに里親に必ず手配されたり。その中でも妙なルールは、近づいてならない場所が2つあるということです。外へ通じる門と森の柵の向こう。
ある日、里親に手配されて孤児院を出た友達コニーの忘れ物を届けに、エマがルールを破って門から外へ出ていってしまいます。そこで見たのはコニーの死体で……。
- 著者
- 出水 ぽすか
- 出版日
- 2016-12-02
そこからの物語は急展開を向かえます。
子供たちは食人鬼に食べられるために育てられていたことが判明。エマたちはこの状況から脱出しようと孤児院を出るための計画を立てます。
子供たちの葛藤が描かれていて、緊張感や恐怖感が伝わり、目が離せません。これからどうなるのと気になり、早く続きが読みたい気持ちになること間違いなしです。
少し描写がグロい部分があるのですが、それでも大丈夫という方にはオススメ。王道バトル漫画や日常を描いた漫画では味わうことができない内容です。普段読んでいる漫画よりも少し変わった漫画が読みたい方は是非読んでみてください。
漫画は2020年6月に最終回を迎えましたが、実写映画の放映にテレビアニメの第2期が放送されるなど人気が衰えません。テレビアニメの情報はTVアニメ「約束のネバーランド」Season 2でチェックしてみてください。
『約束のネバーランド』について紹介したこちらの記事もおすすめです。
『約束のネバーランド』17巻までを紹介!流れが分からなくなったあなたに
2016年から連載を開始した『約束のネバーランド』。略称の「約ネバ」という言葉が「Twitterトレンド大賞2019 アニメ部門賞」にも輝くほど人気を博している、大注目の漫画です。 人間を喰らう「鬼」と、その魔の手から逃れるために奮闘する人間の少年少女たちの姿を描いた脱獄ファンタジーは、手に汗にぎるストーリーが魅力です。しかし物語が複雑で「最初の方のストーリーを忘れてしまった」という人も多いのではないでしょうか。 今回は、物語の流れが分からなくなってしまった人のために、17巻までの流れをポイントごとにまとめて紹介します!
ピッピはヒューマノイド型スーパーコンピューター。彼は地震予知の目的でつくられ、開発者の博士の息子タミオと親友として共に成長していました。しかしある日、タミオが目の前で交通事故に遭い、彼は意思を持ってこう願ってしまうのです。自分のおかげで未来が変わるのならば、僕はタミオを、ひいては世界を救いたい、と。
タミオの死からしばらく情報処理中で意識がなかったピッピは、その間に自分の経験値からタミオをデータとして自分の頭の中につくりあげます。そして頭の中の彼の存在によって物事に「なぜ?」と考えられるようになった彼は、意思を表に出すようになります。そして全世界の情報を司る存在まで肥大し、ついには人類全体の予知をするのです……。
- 著者
- 地下沢 中也
- 出版日
- 2007-05-05
それまでギャグ漫画を主に書いていた地下沢中也の本格SF漫画です。2017年現在既刊2冊で3巻が長年待ち望まれる本作。自分たちの予測できる範囲を超えて成長してしまったアンドロイドと、それに対して人間がどうあるべきかを問うてきます。
ピッピがどんどん神のような存在に近づいていく様子は想像不可能な存在への恐怖を感じさせるもの。そして何より恐ろしいのは彼を絶対的な存在として崇める大多数の人間たち。彼らは発達しすぎたピッピを理解しようとはせず、利用すべき立場であることを忘れてただ彼を絶対的なものとして頼るのです。
思考停止に陥った人々が増え、不穏な時代の波がどんどん大きくなっていく様子に、読者はただ見ているだけしかできない歯がゆさを感じます。未来の私たちにも訪れるかもしれない危機はどんな結末を迎えるのでしょうか?
『預言者ピッピ』の魅力を紹介した下記の記事もおすすめです。
『預言者ピッピ』をネタバレ紹介!3巻の発売が待ちきれない!
1999年に連載が始まった『預言者ピッピ』。2007年に1巻、2011年に2巻が発売されてから、3巻がいつ出るのか長く期待して待たれているこの人気作をキーワードとともにネタバレ紹介!キーポイントをおさらいしておきましょう!
ファンタジー作品には吸血鬼をモチーフにしたものが数多く存在します。彼らは人と同じような姿をしていますが、人の血を養分として生命を維持し、十字架や太陽の光などを苦手とする特徴があるモンスター。
主人公としても敵としても独特のカタルシスがあり、華のある存在です。
本作は、そんな吸血鬼と、吸血鬼を狩るハンターの物語です。
- 著者
- 平野 耕太
- 出版日
時は20世紀末のイギリス。大英帝国では吸血鬼が犯人と思われる不可解な事件が多発していました。
反キリストのモンスターである吸血鬼を討伐するため、国は大英帝国王立国教騎士団、通称「ヘルシング機関」を設立。吸血鬼の脅威から人々を守る備えとしていました。
事件を追っている最中に、自身も吸血鬼となってしまった女性警察官のセラスは「ヘルシング機関」の化け物と称されるアーカードと行動をともにすることになります。
アーカードは吸血鬼でありながら吸血鬼狩りをおこなっている人物で、破格の戦闘能力を持ち、国の切り札となる存在でした。
「ヘルシング機関」に対抗する組織もあらわれ、国家の利権が絡んだ闘争がくり広げられます。とくに驚異的な強さをもつアーカードの戦闘シーンは必見。パワーにあふれた作品です。
本作は2001年にテレビアニメ化もされています。詳しい情報はアニメ「HELLSING」公式サイトをご覧ください。
『HELLSING』の魅力を紹介した下記の記事もおすすめです。
「ヘルシング」の魅力は名言・名セリフにあり!平野耕太のかっこよすぎる世界観【実写化】
ハリウッドでの実写映画化が決まった、平野耕太の漫画『HELLSING』(ヘルシング)。ぶれることのない登場人物たちから独特の言い回しで紡がれる数々の名言こそ本作の最大の魅力です。各場面をまるで舞台のごとく盛りあげる、厨二心くすぐるより抜きの名言を紹介します。
本作は、ライトノベル作家の鏡貴也が原作を手掛けた漫画。同じ舞台で年代や登場キャラクターが異なる小説も発表されており、物語をひとつの側面だけなくさまざまな角度から楽しめるのが大きな特徴でしょう。
作り込まれた世界観と、登場人物の魅力をよりじっくりと味わうことができます。
- 著者
- 山本 ヤマト
- 出版日
- 2013-01-04
突如発生した謎のウイルスにより、人間社会は崩壊を迎えていました。生き残った子どもたちは、地下に都市を築いていた吸血鬼に助けを求めます。
なんとか生きる場所を得ることができましたが、その代わり吸血鬼たちに血液を提供するという、家畜同然の生活を強いられることとなりました。
主人公の百夜優一郎は、そんな生活を憂い、仲間のミカエラたちとともに地下からの脱出を図ります。しかし計画は失敗に終わり、仲間は死亡。優一郎はひとりで地上にたどり着き、強い憎しみを抱いて吸血鬼を討伐する組織「日本帝鬼軍」の門を叩くのです。
そこへ、死んだと思っていたミカエラが、吸血鬼となって優一郎の前に現れるのでした。
かつて家族同然の関係だった優一郎とミカエラが、意図せず敵対関係になってしまうのが本作のポイント。互いに特別な存在だからこそ生じるさまざまな葛藤に、胸が苦しくなります。
小説版は、漫画よりも少し前の時代のお話。本作を読んで気になった方は、そちらも読んでみると登場人物たちの意外な過去を垣間見れるかもしれません。
『終わりのセラフ』は2015年にテレビアニメ化されています。気になる方は終わりのセラフ/Seraph of the End animated TV seriesをご覧ください。
生きとし生けるもの、すべてが生まれた瞬間から老いる運命を持っています。誰も抗うことはできません。老いにはどこか負のイメージが付きまといますが、年齢を重ねることで得られる何かもあるはずです。
本作の主人公は白髪の老兵、ハンス・ヴァーピット、70歳です。
- 著者
- 出版日
- 2015-08-12
近世ヨーロッパ風の建物が美しい街では、かつてヴァンパイアとの争いが起こっていました。戦いに勝利し、平和となったはずの街で、再び怪事件が発生します。惨殺された遺体の身体から、骨がすべて抜かれていたのです。
いったい誰が、なんのために骨を抜いたのか……わからないまま被害者だけが増えていきます。警察はとうとう、ある男に協力を要請しました。
かつて「銀狼」と呼ばれたハンス・ヴァーピット。ハンターとしてヴァンパイアを駆逐し、戦争を終わらせた経験を持つ英雄です。しかし現在は70歳。老兵の最後の仕事として、怪事件に挑んでいきます……。
年齢に反し、ハンスのアクションは迫力満点。老いを感じさせません。また通常の主人公からは考えられない落ち着いた魅力があり、その渋さについついハマってしまうはずです。
『銀狼ブラッドボーン』が気になる方は下記の記事をご覧ください。
漫画『銀狼ブラッドボーン』が無料で読める!魅力を全巻ネタバレ紹介!
『銀狼ブラッドボーン』は70歳の英雄、ハンス・ヴァーピットが謎の怪物グリムを追う物語です。吸血鬼や、かつて一緒に戦った仲間が立ちふさがるなか、果たしてハンスはグリムを倒し、愛する街を守ることができるのか。迫力あるバトルシーンも見どころの作品です。スマホで無料で読むことができますので、この機会にチェックしてみてください!
大学生のつかさはある日、夜に同じ大学の秋村と帰っている時に安斎という刑事の男に出会います。そして秋村が、死者の首に犬歯の跡があり、全身の血を抜かれたという最近話題の「吸血鬼殺人」の犯人だと知らされます。秋村はつかさの血に我を忘れそうになりますが、安斎の阻止によって警察に送られました。
その出会いをきっかけに一緒に過ごすようになるつかさと安斎。しかし、安斎は吸血鬼で、過去のトラウマから「鬼とヒトは別々に生きるべき」と長年思い続けていた人物です。そしてつかさもあることから男性恐怖症になってしまった少女です。しかしどうしてもお互いを思う気持ちは止められず……。
- 著者
- 花田 陵
- 出版日
- 2013-09-20
吸血鬼と人間の関係性を描いたダークファンタジー漫画です。吸血鬼はアドレナリンによって鬼化するので、精神的な興奮や性的な興奮はもってのほか。少しでも興奮で我を忘れると人間の血だけを目指し、欲望のままに暴れるのです。安斎は危険と知りつつ、鎮静剤を打ちながらつかさと付き合います。血なまぐさい事件に囲まれたふたりの様子は、見ていて心が痛くなるものです。
そしてつかさと付き合い始めた安斎の前に、吸血鬼の抹殺を目論むCCC(選ばれた市民の共同体)という組織からの追っ手がやってきます。その戦いの途中でつかさを傷つけられ怒りに震える安斎でしたが、その追っ手にも彼らを殲滅したいと強く思う事情があったのです。
吸血鬼と人間の関係性を恋とその性から見事に描き上げた本作。ぜひ作品でその切ない恋と、「血を欲する存在」を巡って葛藤する人々の様子をご覧ください。
『デビルズライン』は2018年にアニメ化されています。気になる方はデビルズライン|アニメ|TOKYO MXをご覧ください。
『デビルズライン』の見どころを紹介した下記の記事もぜひご覧ください。
漫画『デビルズライン』の見どころを全巻ネタバレ紹介!【アニメ化】
吸血鬼と人間の恋愛を描いた『デビルズライン』。一筋縄ではいかない恋に、読者の心は締め付けられること間違いなしです。けっして「共存」しているとはいえない世界で、彼らはどのように関係を築いていくのでしょうか。アクションあり、ちょいエロありと見どころ満載の本作を紹介していきます。
人間と同じ見た目を持ちながら、人間を食糧とする怪物「喰種」が潜む東京。主人公である金木研が、リゼという女性に想いを寄せるところからこの物語は始まります。同じ作家の小説を愛読していることをきっかけに金木はデートの約束を取り付けることに成功します。
しかしリゼの正体は喰種。楽しかったはずのデートで、彼女は欲望のまま、金木を食い散らかそうと本性を現します。絶体絶命と思われた瞬間、リゼの頭上に鉄骨が落下し、金木はなんとかその場は免れます。それでも受けた傷は深刻で、意識が朦朧としていきます。
- 著者
- 石田 スイ
- 出版日
目を覚ました時、彼は異変に気付きます。今まで食べていたものが、不味く感じる。腐っているのかと思うほどに酷い味がする。何を食べても体が拒絶し吐き戻してしまう。そして、金木は気付いてしまったのです。目の前の人たちが、とても美味しそうに見えることに。金木は医師の判断でリゼの身体の一部を移植されて生き延びていたのでした。
この作品は半人半喰種となった金木が悩みながらも人対喰種の戦いに否応無く巻き込まれていくこと。彼は少女霧島董香と知り合うことで、ただの化け物と認識していた喰種にも彼らの世界があることを知ります。
家族や仲間がいて、人間にまぎれながら異物として生きる苦悩を感じて生きている。喰種も人間とほとんど変わりがないのだと、しかし、少しの相違点が絶望的な溝を作っているのだと痛感させられたのです。そして、喰種の世界にも大事な人たちが出来ていって……。
人間側、喰種側、どちらにも正義があり、どちらにも負けられない理由がある。読んでいると、どちらにも勝ってほしいし、どちらにも負けてほしくない不思議な感覚が襲ってきます。
どちらの者にもなれない金木。果たして彼は人間と喰種どちら側なのでしょうか。笑っているのか、泣いているのか。これほどまでに決着がついてほしくないと思う物語もないでしょう。それほどまでに両陣営に魅力があり、読者もその混然とした戦いに巻き込まれていきます。
『東京喰種』は、続編漫画である『東京喰種:re』の両者もアニメ化された人気作です。気になる方はTVアニメ『東京喰種トーキョーグール』公式サイトをご覧ください。
『東京喰種:re』については以下の記事で紹介しています。
漫画『東京喰種:re』最終回まであらすじを全巻ネタバレ紹介!
人間を食料とする喰種(グール)と人間との戦いや葛藤、さまざまな謎を描いてきた『東京喰種』。物語は新編である『東京喰種:re』にまで続き、喰種に潜む巨大な謎が明かされました。アニメは4期まで放映され、実写映画化も2度された人気作品です。 ここでは喰種を巡るさまざまな謎の解説や考察したあとに、最終回までの見所についてご紹介します。ネタバレを含みますので、気になる方はスマホアプリでストーリーをチェックしてからご覧ください。
世界に47人しか存在が確認されていないという「亜人」の少年を主人公とした物語です。亜人とは、人間に近い姿をしつつも、似て非なる特徴を持った生き物のこと。
彼らは、ある特殊な能力を持っていました。
- 著者
- 桜井 画門
- 出版日
- 2013-03-07
主人公の永井圭は、妹の病気を治すために医師を目指してる頭脳明晰な高校生。初夏のある日、友人と下校中だった彼は、トラックにはねられ死亡してしまいます。
しかしすぐさま復活したことで、圭は自身が「亜人」であると知ったのでした。
17年前にアフリカで発見された「亜人」は、死亡しても瞬時に蘇るという驚異的な再生能力を持った新生物。国の機関などから保護の対象となっていました。
その一方で、希少種であるがゆえに懸賞金を賭けられ、さまざまな思惑を持った人から狙われる存在でもあります。
トラック事故を大勢に見られた圭の穏やかな日常は終わりを告げ、政府や多くの人々から追われる日々が始まりました。
人の姿をしながらも特殊な能力を持った亜人は、人間扱いされず、研究と称しておこなわれるさまざまな実験のむごたらしさに、思わず目を逸らしたくなってしまうかもしれません。人間の業の深さや残忍さを目の当たりにするシーンも多く、気分が沈みがちな時は注意が必要です。
辛く厳しい現実を突きつけてくるからこそ、人間の善性を信じたくなる物語です。
『亜人』は2015年にテレビアニメかされています。気になる方は「亜人」公式サイトをご覧ください。
『亜人』についてもっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
漫画『亜人』を狂った登場人物からネタバレ考察!あらすじや世界観も紹介【映画化】
2017年9月に実写映画化される『亜人』。邪道な主人公と狂った敵というちょっと変わった作品です。しかしそんな作品がなぜここまで人気なのか? 今回は登場人物たちと最新巻の見所からその魅力を探ります!ネタバレを含みますのでご注意ください。
作品の舞台は魔法使いの世界と人間の世界が平行して存在する場所。主人公・カイマンはとある路地で目を覚ましますが、それ以前の記憶がなく、自分の顔がトカゲになっていることに気がつきます。
それから彼の自分の顔と過去の記憶を取り戻すための戦いが始まります……。
- 著者
- 林田 球
- 出版日
本作は奇妙な世界観の中で容赦無くグロシーンが続くのに、どこかおかしみが感じられる不思議な作品です。
大量に流れる血、生首、内臓などはグロ系の漫画にはよくあるものですが、それが細部まで生々しく表現されています。全体的に画面が暗いのはダークファンタジー漫画だからというのもありますが、書き込みの多さからくる独特の作風でもあり、それがいい味を出しています。
そんなダークでグロい世界観のストーリーですが、どこかユーモアを感じられるのが重くなりすぎない秘訣。主人公たちが悲惨なシーンでもどこか淡々としており、その様子につい笑えてしまいます。
生々しいダークファンタジーなのに、どこか笑えるという奇妙な作品の『ドロヘドロ』。ぜひ作品でその世界観を味わってみてください。
映像化不可能と言われていた『ドロヘドロ』は2020年にアニメ化されました。気になる方はアニメ『ドロヘドロ』をご覧ください。
『ドロヘドロ』の魅力を紹介したこちらの記事もおすすめです。
『ドロヘドロ』最終回までの魅力をネタバレ考察!伏線や謎が面白い!カイマンの正体とは?
『ドロヘドロ』という漫画をご存知でしょうか。18年という長期間にわたって連載し、アニメ化も決定している作品です。魔法などが出てくるファンタジーな内容ながらグロテスクな要素、迫力のバトルシーンなどもあり、独特の世界観で根強い人気を誇っています。 今回の記事では、そんな『ドロヘドロ』のあらすじや5つの魅力、登場人物をネタバレ有でご紹介。これを読んで、あなたも隠れた名作を手に取ってみてはいかがですか?
日本にはたくさんの神様がいると言い伝えられていますよね。有名なもので言えば七福神。恵比寿天や毘沙門天などです。あだちとか作の『ノラガミ』は、そういった神様とそれに仕える武器「神器」、そして半分が妖怪の人間「半怪」などが登場し、バトルを繰り広げていきます。
- 著者
- あだち とか
- 出版日
- 2011-07-15
主人公の夜トは七福神のような誰もが知る神様ではない、マイナーな神様。5円の賽銭で人助けをする貧乏な神様です。神様とは思えぬジャージ姿の夜トですが、情に厚く何事にも全力でぶつかっていきます。夜トと行動を共にするのが神器である雪音と、普通の女子高生でありながらなぜか妖怪が見えてしまうひより。さらに、ライバルである毘沙門やその神器の兆麻など、キャラクターもそれぞれ個性があって魅力的です。
夜トと雪音の関係が変わるきっかけとなる場面で、とても心に残るセリフがあります。
「ひとりでいい。唯一無二の誰かを見つけろ」
(『ノラガミ』より引用)
家族や友達がいないことに悩む雪音に夜トが贈った言葉です。最初は夜トに対しても距離を置いているように見える雪音ですが、夜トが自分を想う気持ちに触れ心をひらいていく様子は、誰もが読んでいて温かい気持ちになれるのではないでしょうか。夜トは次第に、雪音にとっての唯一無二の存在になっていくのです。
裏切りや別れに涙する場面もありますが、夜トの前向きな姿勢にどこか励まされる作品です。
『ノラガミ』は2014年にテレビアニメ化されました。気になる方はTVアニメ「ノラガミ」公式サイトをご覧ください。
『ノラガミ』について詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
漫画『ノラガミ』の迫力満点の神々の戦いをネタバレ紹介!【最新19巻】
無名の神、夜トと、ひよりの出会いからはじまり、神々と彼らに仕える神器たちとの戦いを描く『ノラガミ』。因縁が絡み合うたび引き起こされるバトルシーンは必見です。今回は作品の魅力であるキャラクターと、最新19巻までのストーリーから『ノラガミ』の魅力をご紹介します。
『青の祓魔師』は2009年から、ジャンプスクエアにて連載されている作品。悪魔の王であるサタンの子・奥村燐が、育ての父を殺したサタンと戦うために祓魔師(エクソシスト)を目指し、サタンの息子である自分と葛藤しながら成長していく物語です。
祓魔師とは、悪魔祓いを専門として行う職業で、妖怪退治をする職業に似ています。悪魔は人にとり憑き、人間界でさまざまな悪さをするのです。本作での祓魔師は、こうした人にとり憑いた悪魔を祓い、平和を守る仕事をしています。
『青の祓魔師』は、祓魔師を目指す若者が通う塾でのストーリーや、祓魔師が悪魔と戦うため外に出かけるストーリーなどがあり、学園モノとファンタジーの融合が魅力です。
- 著者
- 加藤 和恵
- 出版日
- 2009-08-04
まず、学園ものとしての魅力からご紹介しましょう。主人公・燐のほかに、多くの仲間が登場します。まず燐とは対照的な双子の弟・雪男は、すでに最年少で祓魔師として活躍していて、塾生たちと依頼や事件を解決していきます。
その他の主要な塾生に強面な勝呂(すぐろ)、勝呂と常に行動を共にする志摩、猫丸、雪男。彼らが通う祓魔用品店の娘・しえみ、そして巫女の娘・出雲がいます。
特に学園もの要素が強いと感じるのは、勝呂というキャラクターです。勝呂は強面で図体が大きく、ドラえもんでいう「ジャイアン」なのかと最初は思われます。
しかし、実は思慮深く仲間思いで、真面目な性格の持ち主。家のこと、仲間のことを考え、将来の自分がどのようになりたいのかさえ考えている大真面目な若者でした。ときどき燐とぶつかる様子は「互いに殴り合って、互いを分かり合う」男同士の友情を感じることでしょう。
このほかにも、燐や雪男、しえみの恋愛事情だったり、出雲の女の子同士の友情だったりと、若者特有の思春期の頃に抱える悩みエピソードや、学園祭のような学校独特のイベントなどがストーリーに盛り込まれています。
そしてファンタジー要素の強い部分は、祓魔師が題材になっていて悪魔が出てきたり、魔法(魔術)が出てきたりするところです。祓魔師にも得意分野が各々あり、治癒系、攻撃系、防御系などの得意分野が、登場人物それぞれの個性の一つになっています。
燐は祓魔師の技術だけでなく青い炎を操ることができ、この炎はサタンの息子特有の体質です。青い炎は、すべてを焼き尽くす最強の力なので、この炎を完全に操ることができるようになれば、燐がサタンを倒せる日が近づくのではないでしょうか。
祓魔師として、あるいは祓魔師見習いとして活躍するのに、舞台も京都、島根、青森などとエピソードごとに変わります。それぞれの地域で、登場人物の過去のエピソードや生い立ちが描かれているのです。
祓魔師という西洋的な要素であるにもかかわらず、日本らしい京都や島根、青森といった地域が舞台であるのも、面白い点でしょう。
2011年にはテレビアニメが放送され、その後劇場アニメも公開されました。アニメが気になる方はTVアニメ「青の祓魔師 京都不浄王篇」公式サイトをご覧ください。
『青の祓魔師』について紹介したこちらの記事もおすすめです。
漫画『青の祓魔師』の魅力をキャラから徹底紹介!【最新21巻ネタバレ注意】
「ジャンプスクエア」にて連載されている『青の祓魔師』。ダークな雰囲気で読者を世界に引き込みます。2011年のテレビアニメ化にともない爆発的な人気を得て、2012年には劇場アニメも公開されました。漫画、アニメ、お好きなほうから入ってみましょう。
現代の日本では、憲法で信仰の自由が保障されています。宗教離れといわれて久しいですが、お正月に墓参り、クリスマスなど、さまざまな宗教的行事が季節のイベントのように楽しまれているのも、日本ならではの感覚でしょう。
創作のなかでも、それぞれに信じる神を持つ人々が登場することは珍しくありません。本作の主人公は、神の力を宿すエクソシスト、アレン・ウォーカー。世界の終焉を防ぐために、死力を尽くす戦いを描いています。
- 著者
- 星野 桂
- 出版日
19世紀末のヨーロッパ。謎の人物「千年伯爵」が進める世界終焉計画により、人類は未曽有の危機を迎えていました。
千年伯爵は7000年前から生きているといわれ、死者の魂を材料に兵器「AKUMA」を製造。超人「ノアの一族」とともに、自身の計画を推し進めていました。
そんな彼らに対抗する存在が、「黒の教団」です。ヴァチカンの命令で設立された対AKUMA用軍事組織で、唯一AKUMAを破壊することができるエクソシストたちが、日夜戦い続けていました。
作り込まれた世界には謎が多く、読み進めるごとに明らかになる新事実に飽きることがありません。アレンは穏やかな性格の少年ですが、お金を増やすことが趣味というちょっと風変わりな一面もあり、個性豊かなキャラクターたちにもハマってしまうはずです。
2006年と2016年にはアニメ化されています。気になる方はTVアニメ「D.Gray-man HALLOW」公式サイトをチェックしてみてください。
『D.Gray-man』の魅力を紹介した、こちらの記事もあわせてご覧ください。
漫画「ディーグレイマン」の魅力を登場人物から徹底紹介!【ネタバレ】
仮想19世紀のヨーロッパを舞台にくり広げられる「エクソシスト」と「AKUMA」の戦いを描いた『D.Gray-man(ディーグレイマン)』。ダークファンタジーの傑作ともいえる本作の世界観を支えているのが、さまざまな覚悟を抱いた登場人物たちです。 この記事では、彼らの魅力に迫りながら作品の見どころをお伝えしていきます。
この物語の主人公、姫川若葉はごく普通の女の子でした。優しいお母さん、大好きな友達。平穏で、幸せな、当たり前の日々。
そんなある日、若葉は幼馴染の貴也に告白されます。はい、と彼女が返事をしようとした、その瞬間。気味の悪いうさぎの着ぐるみを着た集団が現れ、ふと若葉が足元を見ると転がっていたのは、上半分と下半分に切断された貴也の姿で……。
- 著者
- 茂木清香
- 出版日
- 2014-08-20
自分もそのうさぎたちに襲われそうになる若葉ですが、つぼみと名乗る一人の少女に助けられます。若葉はつぼみと行動する中で、「つぼみ法」という法律が施行されたこと、それによりある条件にあてはまる子供たちが殺されること、その条件には自分も該当していることを知らされます。
突然、日常を大人たちの勝手な事情でひっくり返され、しかも殺されるという理不尽な展開。若葉当初こそ、子供ならではの怯えや、信頼していた人たちにまで裏切られたショックに打ちひしがれますが、真相が解明されるにつれ、大人に憤り、鬼気迫る姿で現状を打破しようと成長していきます。
この物語は何と言っても可愛い少女と、彼女を取り巻くグロテスクな展開のギャップ。絵柄は可愛らしいのですが、凄い勢いで人が死んでいきます。そしてその描写もリアルで血の匂いと湿度が漂った空気感を感じるようです。
苦手な方には重いかもしれませんが、ダークすぎる社会で戦う可愛い少女たちの姿は怖いけど癖になる独特の世界観があります。
とある秘密を持った空守村を出て、家族から離れ東京でひとり暮らしを始めた匡平。村の閉鎖的な雰囲気と秘密によって定められた運命に嫌気がさした彼は、やっと都会で自分の道を歩めると思っていましたが、そんな彼の元に妹の詩緒がやってきます。詩緒によると、匡平の幼馴染で、かつて村を壊滅的な状況においこんだ阿幾が逃げ出したとのこと。
そして空守村で神と奉られている「案山子(かかし)」を操る「隻」の資格を持つものたちの戦いに戻されていきます。匡平はその資格を放棄して村をでてきたのですが……。
- 著者
- やまむら はじめ
- 出版日
実は、匡平が隻をやめた理由は自分の内なる残虐性を恐れたから。そして阿幾は自分と同じもの匡平に眠っていることを見抜いています。
乱暴に言ってしまうと、ふたりが戦う理由はほぼなく、阿幾が理解されない寂しさゆえに暴走してしまっている状態です。なので本作はアクションシーンが主ですが、人類平和、などの分かりやすいゴールがあるものではなく、心の戦いをえがいたもの。匡平が自分の臆病さを克服し、その強さによって阿幾を癒していくのです。
過去にどんな事情を抱えて傷つき、それを経た今、彼らはどうやって成長していくのか。その軌跡はぜひ作品でお確かめください。
不幸な状況に陥っているとき、誰かに愚痴を言える人はまだ大丈夫。自身のなかにすべてを溜め込んでしまうことは危険です。現在はSNSが発達し、そこかしこで心の悲鳴のようなつぶやきを目にする機会も少なくありません。
「魔法少女サイト」は、そんな少女たちがたどり着いた、地獄への入り口。どん底の果てには、まだどん底がありました。
- 著者
- 佐藤健太郎
- 出版日
中学2年生の朝霧彩は、不幸のどん底にいました。学校ではいじめに遭い、本来であれば安らげるはずの家では兄から理不尽な暴力を受け、逃げ場がありません。
絶望の日々を送っていたある日、彼女のパソコンが突然謎のサイトと繋がります。「魔法少女サイト」の管理人からステッキを受け取った彩は、意図せず不思議な力を手に入れていました。
その後、いじめグループのひとりに追い詰められた彩。思わず魔法のステッキを使ってみると、なんと相手が死んでしまったのです。罪悪感に苛まれつつ、彼女は魔法少女同士の争いに巻き込まれていくのでした……。
本作のポイントは、魔法少女が必ずしも正義の存在として描かれているわけではないというところ。彼女たちは自身の死を回避するために、相手を倒していくのです。
その裏にはサイトの管理人である謎の存在が関わっているのですが……。管理人の目的は何なのでしょうか。そして少女たちが幸せになれる日は来るのでしょうか。
2018年にはテレビアニメ化されました。気になる方はTVアニメ「魔法少女サイト」公式サイトをご覧ください。
『魔法少女サイト』について紹介した下記の記事もおすすめです。
漫画『魔法少女サイト』魅力を全巻ネタバレ紹介!無料【アニメ化】
ダークファンタジーと魔法少女、2つの要素で世界観が構築された『魔法少女サイト』。暗くてグロいのに引き込まれる!2018年にはアニメ化もされている人気漫画の魅力をご紹介致します。 スマホアプリで無料で読むことができるので、気になる方はそちらもチェックしてみてください。
中学生になった15人の少年少女たちが臨海学校で出会ったのは洞窟の穴の中に住むひとりの男。彼らはその男に誘われるままに、彼が開発したという巨大ロボットを操って敵を倒すゲームに参加することになります。
その男が説明した通りに契約し、ふと気づくと気を失って男と出会う前の場所に戻っている15人。帰りながら夢だったのだろうと言い合いますが、彼らの前に真っ黒な巨大ロボットが現れ……。
- 著者
- 鬼頭 莫宏
- 出版日
本作は年端もいかない少年少女がひどい目にあい、とにかくたくさん死んでいくという鬱漫画としても有名な作品です。ロボットが操縦者の命を糧に動くという奇抜な設定でも話題になりました。
主役級の人物がすぐに死んだり、重要キャラが植物状態になったりと読んでいてかなり心理的にくるストーリー。
そして敵ロボットを操縦する人物にもそれなりの事情があるということが明かされてから亡くなったりするなど、完全悪がおらず気持ちのぶつけどころがないところも読んでいて辛いところです。
そんな本作が何より読者の度肝を抜いたのがその終わり方。人によってハッピーエンドかバッドエンドかが別れる衝撃的なものとなっています。
読者を震撼させる問題作、これこそダークの極みと言える暗い雰囲気をぜひ作品で味わってみてください。
2007年にはテレビアニメ化されています。気になる方はぼくらの:アニメ版公式サイト - GONZOをご覧ください。
『ぼくらの』についてはこちらの記事をご覧ください。
漫画『ぼくらの』最終巻まで全巻ネタバレ紹介!5分でわかる魅力!
ロボット漫画の傑作にして鬱漫画の代表『ぼくらの』を詳しくご紹介します。乗ったら死んでしまうというロボット・ジアース。地球を守るためのパイロットとして選ばれたのは、全員子供たちでした。過酷で壮大な戦いの結末とは。
一見、穏やかで何の変哲もない街を舞台にしたちょっぴりダークなファンタジー漫画が『黒髪のヘルガ』です。
街の住民たちに「時期外れ」とあだ名され、1人迫害される少女・ヘルガを主人公に、彼女の親友エッダや若き市長・アードルフ、そして住民たちから「少女」と呼ばれて崇拝される人物など、様々に織りなされる人間模様が物語を彩りながら、展開していきます。
- 著者
- 朔 ユキ蔵
- 出版日
- 2011-08-18
舞台となる世界を創り出した「少女」は、塔の奥で眠っています。
「少女」によって「醜いもの」や「欲深いもの」が統制されたその街の住民たちは、「少女」だけを愛し、他のことは忘れてしまったかのように振る舞っています。
表沙汰にはならない狂気が静かに漂う世界で、日々蔑まれるヘルガですが、彼女には親友もいて、差別せず優しくしてくれる市長もいます。決してすべてが不幸ではないのですが、彼らにもまた人間の業があって……と、リアルな人間世界を彷彿とさせる世界観の演出には唸らされるでしょう。
しかし閉ざされた街にひとたび鐘が鳴り響くと、世界はガラリと変化するのです。
鐘が鳴ることで「醜いもの」も「欲深いもの」も解き放たれた世界の住民たちの姿は「衝撃」のひと言。これが真の姿か、と驚愕すると同時に納得してしまうリアリティあふれる展開となっています。
一体、この世界には何があるのか?ヘルガだけが「黒髪」であることの理由とは?「少女」の秘密とは?と謎多き物語の世界に引き込まれながら、一気に読み進めてしまう1冊です。
こちらは貴志祐介の小説を原作としたコミカライズ作品です。
舞台は1000年後の日本。この世界の人は「呪力」と呼ばれる超能力を持っていました。主人公である渡辺早季は、ある時期になってもなかなか呪力が目覚めず悩んでいました。友達が次々と呪力が目覚めた子供の進む「全人学級」に進学する中、残り二人のうちの一人となってしまった早季。
- 著者
- 及川 徹
- 出版日
- 2014-08-08
それでもようやく呪力に目覚め、友達のいるクラスへと合流します。授業の始まりの時間になり、先生は「今日、最後の卒業生である早季が入って授業も本格化する!」そう言います。そこで早希は疑問に感じます。先生は、最後と言った。でも、もう一人いたはず……?しかし時間とともにそんな疑問も薄れていきます。
大人の助けを借りず、町の外で行う夏季キャンプ。早季は同じ班の5人で八丁標の外の川辺でキャンプを始めました。町では見られなかった満天の星空。そして、幼馴染の瞬からの告白……。キャンプの盛り上がりも絶頂です。
そんな中、人の奴隷をする種族「バケネズミ」が川で溺れているのを見つけ救助しますが、それをきっかけに物語は急展開を迎えていきます。そして「呪力」を体系化して利用している大人たちへの疑念を抱くようになります。そして疑念は確信になり、早季は大人たちが作ったシステムに絶望することとなるのです。
「呪力」とは何なのか。自分たちは何者なのか。自分たちが当たり前だと思っていた前提が揺らぐのは、きっと想像しがたい不安が襲うでしょう。それが崩れるだけでなく、最悪で残酷な事実が突き付けられたなら?物語の核が見え隠れし、早希たちと一緒にそんな疑問が止まらなくなります。
畳みかけるように明らかになる非常な現実たちに、早季たちはどう立ち向かって行くのでしょうか。そして、「呪力」の正体とは? 残酷で非常な世界に、絶望感を覚えながらも読む手が止まりません。読み手の疑念を誘うような描写と設定が面白い、スピード感ある作品です。
『神世界より』は2012年にテレビアニメ化されています。気になる方は新世界より|テレビ朝日をご覧ください。
自分の身長よりも大きな剣を持ったガッツは狂戦士(ベルセルク)と呼ばれるほどの強さを誇る剣士。もともと才能のある彼ですが、次々と「ゴッド・ハンド」という悪の組織の使徒を殺す様子にはどこか鬼気迫るものがあります。
実は彼は過去に友人と愛する人々をゴッド・ハンドに殺されていたのです。そんなガッツがは復讐を成し遂げるため、中世ヨーロッパをモデルとした剣と魔法の世界を進んでいく物語です。
- 著者
- 三浦 建太郎
- 出版日
本作は広大な世界で描かれる人々の心理描写に引き込まれるダークファンタジー漫画。細かい部分まで書き込まれた作画で北欧神話をベースとした物語が進んでいきます。
広々とした草原や壮観な城、何者かが潜んでいそうな森……。その描写力には圧倒されるものがあります。
そんな世界観の中で人々の揺れ動く心が丁寧に描かれるのです。ある時は妬みやそねみ、憎しみなどの負の感情、ある時は愛や情熱、尊敬などの正の感情。それぞれが違いを引き立て合い、物語により厚みを出しています。
『ベルセルク』は2016年にアニメ化されました。気になる方はアニメ「ベルセルク」第2期 公式サイトをご覧ください。
重厚感あふれる世界観と心理描写が見事なおすすめ作品です。
ベルセルクのキャラクターの強さをランク付けしたこちらの記事もおすすめです。
漫画『ベルセルク』の最強キャラランキングベスト25!ガッツは何位?【ネタバレ注意】
思わず目を背けてしまうほどの激しいバトルが魅力的な骨太アクション漫画、『ベルセルク』史上最強の座は誰の手に!? この記事では、血で血を洗うような戦いを繰り広げるキャラクターたちの強さを徹底考察!作中強さランキングを、各キャラクターの魅力とともに見ていきましょう。大剣を携え旅を続ける主人公・ガッツの順位は果たして……!?ネタバレ注意です! 本作はスマホのアプリで無料で読むことができますので、ぜひチェックしてみてください!
この物語に登場する「祝福者」。彼らはそれぞれ、超能力を持っています。主人公のアグニもその一人で、肉体を再生させる能力を持っています。
物語は、そのアグニの腕を切り落とし、妹のルナと二人で村人たちに食料として分け与える、という衝撃的なシーンから始まります。世界は氷の祝福者である「氷の魔女」によって、雪と氷に覆われていました。食料は少なく、人々はじりじりと追い詰められながら生活していました。
- 著者
- 藤本 タツキ
- 出版日
- 2016-07-04
ある日、ベヘムドルグ王国の兵士たちが、食料や燃料などの物資を奪いに村を訪れます。ところが、兵士たちのリーダーであるドマは村人たちの家に人間の腕が食料として保存されているのを知ると、人食い村は野放しにはできないと言って、炎の祝福の力で村人に火を放ちました。
ドマの炎は燃え尽きるまで消えることのない祝福を受けています。しかし再生の祝福を受けたアグニは、燃え尽きない。燃えて、再生して、燃えて、再生して、燃えて、再生して……。その間、何度も痛みは続くのです。
その痛みの波の中で、生きることを諦めてしまえば再生が起きないことに気づくアグニ。しかし妹の生きて欲しいという願いに、その気力を振り絞ります。そして数年後。彼は炎を抑え、操る術を身に着るのです。妹と村人の仇を討つために。
この物語は派手に血しぶきがあがる系統の漫画ではありませんが、じわじわと燃え広がるような悲惨さと残忍さが私たちの目をくぎ付けににさせます。人の情念が炎のようにくすぶり、消えないダークファンタジーの名作となっています。
『ファイアパンチ』について詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
『ファイアパンチ』衝撃作の魅力を全巻考察!【最終8巻ネタバレ注意】
本作は、2016年9月に宝島社から発表された「このマンガがすごい!」ランキングの「オトコ編」で1位に選ばれた作品です。少年漫画とは思えないような、過激なテーマを扱っており、話題を呼んでいます。今回は、そんな本作の魅力を紹介していきます。 ネタバレも含みますので、ご注意ください。
歴史には、人気のある時代や人物、物語の題材となりやすい事件などがあります。日本でいえば、織田信長や豊臣秀吉などの武将が活躍した戦国時代が人気です。
世界の歴史を見てもさまざまな人物が存在しますが、彼女ほど強烈なセリフとともに記憶されている人物はいないのではないでしょうか。
フランス王妃マリー・アントワネットは、フランス革命が起きる直前の18世紀に、隣国オーストリアから嫁いできた美しい少女です。贅の限りを尽くし、「パンが無いならケーキを食べればいい」と言ったとか言わなかったとか……。
- 著者
- スエカネ クミコ
- 出版日
- 2018-01-12
本作は、マリー・アントワネットがフランスへ嫁ぐ、まさに運命の日から始まる物語です。そこには、歴史には描かれていない、もうひとりの人物が存在していました。
彼の名はアルベール。マリーの双子の弟で、瓜二つの容姿をしています。彼は幼少期から姉の身代わりをさせられるなど、辛い日々を過ごしていました。本作でも、2人が馬車に乗って移動している最中に、謎の化け物に襲われてしまいます。
当時のフランスでは、死者が蘇る「甦り病」が蔓延しており、大きな問題となっていました。彼らを襲ったのもその集団です。その夜、もう1度マリーは命を狙われますが、実際に襲われたのはアルベールでした。
王宮内には陰謀が渦巻き、身代わりのアルベールも安全が保障されているわけではありません。フランスならではの華やかさと、流血のダークさが妙にマッチし、ゴシックな魅力にあふれた作品になっています。
男性とは思えないアルベールの美しさも、じっくり堪能してみてください。
『ベルサイユオブザデッド』について詳しく知りたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
『ベルサイユオブザデッド』が無料!2巻までの見所をネタバレ紹介!
歴史にホラーにファンタジーなど、さまざまな要素が楽しめる漫画『ベルサイユオブザデッド』。この記事では物語に散りばめられたたくさんの謎と魅力についてひとつずつご紹介していきます。
こちらも鏡貴也の原作小説のコミカライズ作品です。少女だけが罹る奇病「迷宮病」。この病気にひとたび罹れば、発病者は自身の周りに迷宮を形成し、侵入した人間を殺してしまう、そんな病気です。治療法は存在せず、迷宮を消し去り被害をなくすためには、迷宮の中にいる発病者を殺すしかありません。
- 著者
- ["ようこ", "鏡 貴也", "加藤勇樹(アークシステムワークス)"]
- 出版日
物語は、主人公・有栖真之介が「都立吉祥寺高校迷宮病少女殺害科」へ編入してくるところから始まります。彼の目的は、迷宮病に罹った妹を救うこと。迷宮から切り離し、一人の少女へ戻すことでした。
迷宮病の治療は不可能とされ、真之介が行なっている世界を救う少女殺しとは真逆の行為です。ですが、治療法を探すためには、迷宮病に罹った少女たちを殺さないといけない。真之介は己を殺し、迷宮を攻略し続けます。
この物語は世界観が魅力的です。魔法をデバイスにインストールして使用する。インストールできる魔法は容量の制限がある……というゲームと魔法の組み合わせのような設定が非常に冒険心を煽ります。そして魔法がどれも格好良い。きっと中学生の頃にこの本に出会っていたら、自分の魔法なんて考えてただろうなぁ、などと思わずにはいられないような、魔法に憧れる心をくすぐるリアルで世界観が確立された作品です。
「勝てば官軍、負ければ賊軍」という言葉があるように、勝ったほうが正義と言われるのが世の常です。また歴史は生き残った者が自身の都合のいいように伝えるものであり、すべてが真実なわけではありません。
本作の主人公は、「負け」とされた少年。真実を求め、復讐を誓います。
- 著者
- 塩野 干支郎次
- 出版日
妖精や魔物が住み、魔法が存在する世界「サーランディエン」にあるサーラント帝国。結界の向こう側から現れる魔物に、人々の生活は脅かされていました。
そこで皇帝は、14人の選ばれた勇者に聖なる槍を持たせ、魔物を封じるように命じます。
かくして、戻ってきたのは7人。3人が道中で討たれ、4人は仲間に裏切られて死んでいました。7人は「七英雄」と呼ばれ、人々から称えられるようになります。
しかし、真実はまったく違うものでした。殺された4人が魔物を封じ、英雄とたたえられている7人は怖気づいて逃げ出していたのです。自身の名誉のため4人を殺した「七英雄」に復讐するため、かつてアシェリートと呼ばれていた剣士は、亜人の少年ケインツェルとして蘇りました……。
裏切り者として殺された「本物の」英雄の復讐の物語ですが、ケインツェルを裏切った英雄たちが各国と共謀し、国家間戦争にまで発展していきます。復讐劇のため殺伐とした空気もありますが、ケインツェルは仁儀を重んじる本物の英雄。
これぞダークファンタジーという世界観とともに、彼らの道のりを見守ってください。
本作は、重税に苦しむ村の少年が都会に出てくるところから始まります。
田舎の少年が街に出て、重要な出会いを果たし、冒険に巻き込まれるという展開は王道なものですが、本作はかなりダークテイスト。夢を持った純粋な少年を待ち受けているのは、重く過酷な運命でした。
- 著者
- 田代 哲也
- 出版日
- 2011-01-22
圧政による重税に苦しむ故郷から、幼馴染のサヨとイエヤスとともに、帝都を目指していたタツミ。しかしその道中で夜盗に襲われ、離れ離れになってしまいました。
帝都に到着してからもお金を騙しとられるなど、まさしく踏んだり蹴ったりで、途方に暮れていました。そんな時、アリアという貴族の少女に助けられます。彼女の護衛という職を手に入れたタツミでしたが、ある晩、何者かに襲撃されてしまうのです。
アリアを狙っているのは、殺し屋集団「ナイトレイド」。そこに所属している黒髪美少女のアカメは、アリアを標的とする明確な理由をタツミに語りました。
そしてアリアが裏でしていた行動と帝都に潜む闇を知ったタツミは、「ナイトレイド」の仲間となり、アカメとともに帝都に巣くう腐敗を正していくことになるのです。
美少女がたくさん登場しますが、描かれるのは人の尊厳と生を奪う残忍なもの。グロめの描写もあるので、苦手な方はご注意ください。
恋愛に疎いタツミが、どの少女と結ばれるのかも注目です。
2014年にはテレビアニメが放送されていました。気になる方はTVアニメ『アカメが斬る!』公式サイトをご覧ください。
『アカメが斬る!』については下記の記事で紹介しています。
漫画『アカメが斬る!』が無料!登場人物の魅力を最終15巻までネタバレ紹介
暗殺者として育てられた少女・アカメが腐りきった政治家たちを葬っていきます。ダークヒーローとも呼べる主人公には、様々な過去があり……。暗く残虐な要素とSF要素を織り交ぜたダークファンタジーとも呼べる作品『アカメが斬る!』。今回は、本作に登場する人物たちの魅力と、どんな事情があったのかを紹介していきます。ネタバレも含まれますので、未読の方はご注意ください。 スマホの無料アプリでも公開されています。気になった方は、まずはそちらからどうぞ。
私たちの心を掴んで離さない、ダークファンタジー。残酷な闇の世界を覗き見るのはなんともぞくぞくしてしまいますね。新しい世界を見つける手助けになれば幸いです。