いつの時代も人気の漫画ジャンルといえば、やはりスポーツ漫画。メジャーからマイナーな競技まで様々なものが題材にされ、夢を追う少年少女たちの青春を描いてきました。今回は、そんな中でも特におすすめの漫画をご紹介します。
野球チームのチームメイトである国見比呂と橘英雄敦は実力を認め合う良きライバル。中学野球の地区大会では二連覇を果たすなど、将来も有望な実力者でしたが、比呂は肘に爆弾を抱えており、もうすぐ野球はできなくなると医師に告げられてしまいます。
結局比呂は野球を諦め、高校も野球部のない千川高校へと進みました。一方、英雄は野球の名門校へ進み、バラバラの道を歩み始めたのですが……。
- 著者
- あだち 充
- 出版日
- 2004-08-06
『タッチ』で有名なあだち充の傑作。知名度は『タッチ』のほうがあるかもしれませんが、本作も根強い人気と賞賛の声の多い作品です。ストーリーとしては、主人公の比呂を中心に高校生達が甲子園を目指していく爽やか系のスポーツ漫画。こう書くとよくある物語のような気もしますが、本作の魅力はやはり登場するキャラクターの親しみやすさと、その人間関係描写の繊細さです。ちなみに、比呂は物語序盤で医師から野球ができなくなると告げられますが、実はあるどんでん返しがあり、再び野球の世界へと舞い戻ってきます。何があったかはぜひ本編を読んでみてくださいね。
野球漫画ではありますが、読者の心に残るのはどちらかというと恋愛パートの方かもしれません。ヒロインは比呂の幼馴染の雨宮ひかりと、比呂のいる野球部のマネージャーである古賀春華の2人。自ら思春期が遅かったという比呂は、中学の頃にひかりを英雄に紹介しており、物語当初からひかりは英雄と付き合っています。しかし、その後でひかりに対する恋心を自覚してしまった比呂は、自覚すると同時に失恋するという何とも切ない感じになってしまいました。
一方、ひかりのほうも英雄と付き合いながらも、幼馴染ゆえに見えていなかった比呂への気持ちが芽生えてきて心が揺れています。もちろん2人の他に、英雄や春華の気持ちなども絡んでくる複雑でピュアな少年少女の恋愛が、野球を通して描かれています。
スポーツの爽やかさと恋愛の切なさの両方を楽しめる良作です。
『H2』に関しては以下の記事でも詳しく解説しています。
『H2』5分でわかる魅力!英雄たちの野球と恋の青春漫画【ネタバレあり】
『H2』は1992年から「週刊少年サンデー」で連載されていたあだち充の作品です。同じ名前の由来を持つ2人の少年と、彼らに関わる2人の少女を軸にした青春野球漫画となっています。高校野球の面白さ、四角に交錯する恋心、熱さと切なさがギュッと詰まった名作。本作の要素を1つずつ見ながら、その魅力をお届けしましょう。
埼玉の西浦高校へと進学した三橋廉が主人公です。彼は球速は遅いものの、バックスピンのかからないまっすぐな球を投げられるという特技を持つ投手。主人公ながら卑屈でマイナス思考という点もこの作品のスポーツ漫画らしからぬ面白い部分でしょう。
- 著者
- ひぐち アサ
- 出版日
- 2004-03-23
主人公とバッテリーを組む、データを基に戦う頭脳派捕手の阿部隆也、23歳という若さで西浦高校野球部監督を務めるモモカンこと百枝まりあなど、個性的なキャラクターが物語を盛り上げていきます。
本作品は各キャラクターの緻密な心理描写やスポーツ漫画でありながらスポ根ではないという、野球漫画に革命をもたらした漫画としても有名です。2007年、2010年にアニメ化もされ、そこから原作漫画を読みだしたという読者も多い人気作品をぜひお手に取ってみてくださいね。
『おおきく振りかぶって』に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
『おおきく振りかぶって』の魅力を最新刊まで徹底ネタバレ紹介!
『おおきく振りかぶって』は内気な主人公、三橋が所属する西浦高校が甲子園優勝を目指して奮闘する青春野球漫画です。各キャラクターの性格や思考が丁寧に描かれており、自分に似たお気に入りのキャラクターも見つかると思うので、ぜひ読んでみてください!
小学生の一条龍は、幼い頃からサッカーの才能を開花され、周りからも将来を有望視されているサッカー少年です。本人もいずれサッカーの日本代表になることを夢見ており、実際に試合で結果を出しJリーグのユースチームからのスカウトも受けました。
しかし、スカウトを受けた直後、事故で瀕死の怪我を負ってしまいます。それはサッカーどころか日常生活を送るのにも支障をきたすような大怪我でした。
- 著者
- 田中 モトユキ
- 出版日
- 2011-06-17
2015年に小学館漫画賞を受賞した作品。天才的なサッカーセンスの溢れる小学生編から始まり、中学生編、高校生編と続いていきます。スポーツに青春を捧げるスポーツ漫画でもあり青春漫画でもありますが、同時に、予測不可能な事故でいきなり思い描いていた未来を断ち切られるしんどい部分もある漫画です。
主人公の一条龍は、子供の頃から将来はサッカー選手になることを夢見て、実際にその才能も実力もある少年でした。しかし、事故で瀕死の重傷を負い、2年間ものリハビリ期間を過ごすことになります。元天才が不慮の事故で全てを失い……と書くと、フィクションとしてはありがちな設定のようにも思えますが、事故に遭う前と後との落差の描き方が上手く思わず引き込まれてしまいます。リハビリを始め、彼が血の滲むような努力をする姿に感動する方も多いはず。そんな彼の姿に、龍の幼馴染の双子の兄妹・青梅優人と優希を始め、周りの人間も影響されていくことになります。
ですが、そんな龍の熱心さは、時に周りとの軋轢を生むことも。チームでプレイをしようと熱心になるあまり身勝手と評されてしまった龍が、「自分が王様になりたいのではなく王様の必要のないサッカーを目指したい」と言うのは印象的ですね。サッカーが1人の優秀な選手、つまり王様のためにあるのではなく、サッカーはチームプレイなのだという当たり前のことを改めて実感させてくれます。
サッカーの描き方はリアリティ路線。戦術などについても描かれていて、初心者にもわかりやすいようにはなっていますが、経験者の方はより踏み込んで楽しめるかもしれません。
中学ではいじめられていた何のとりえもない少年の柄本つくしが主人公。つくしはファーストフード店で不良にからまれたところを、ある人物に助けられます。助けてくれた相手はつくしをフットサルに誘います。ここから運命の歯車が動き出していき……。
- 著者
- 安田 剛士
- 出版日
- 2013-07-17
つくしを不良から助けた、孤独なサッカーの天才風間陣、チームの大黒柱である主将水樹寿人、超貧乏ながら成績は学年トップの君下敦、潜在能力だけならNO.1でありながらおバカさが残念な大柴喜一。個性的な彼らとの部活動の中、つくしはサッカープレイヤーとして、そして人間として大きく成長をしていきます。不器用ながら一生懸命に取り組むつくしのひたむきな姿は読む人に感動を届けてくれることでしょう。
2016年7月よりテレビアニメが放送された本作は、2018年にはテレビシリーズ完結編となる第2クールまで続きました。
『DAYS』に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
漫画「デイズ」の魅力を最新26巻までネタバレ紹介!
運動音痴な柄本(つかもと)つくしが、サッカーの強豪・聖蹟高校サッカー部で、チームとともに全国優勝を目指していく様を描いた名作『DAYS』。サッカー初心者にも関わらず、忍耐力と向上心でチームから認められ、成長していく姿は、私たちに勇気を与えてくれます。今回は、そんな本作のあらすじや、見所、登場人物などを分かりやすくご紹介します。なお、ネタバレも含みますのでご注意ください。
千葉県にある市立蘭山高校。この高校のサッカー部は、高校サッカーの強豪がひしめく千葉県において最強と言われていました。ただしサッカーではなく喧嘩が。そんなサッカー部を立て直すために顧問としてスカウトされた、元代表候補の黒木は、喧嘩で中学最強と呼ばれていた4人を軸に、チームを再建しようと試みます。
しかし、学校から条件が提示されます。それは「冬の選手権県予選」において、ベスト4に入らなければサッカー部は廃部というもの。黒木率いる市立蘭山高校サッカー部は、見事この難問を解決することができるのでしょうか。
- 著者
- 古谷野 孝雄
- 出版日
- 2007-09-07
サッカー経験は皆無でも、身体能力抜群でチームに貢献する不良。中学時代に有名選手ではあったものの、とある理由からサッカーを辞めてしまっていた不良。不良ではなく肉体的にはチームでも下位だが、精神力とそのサッカーへの愛情から、チーム内で一目置かれるキャプテン。など一癖も二癖もあるチームメイトたち。
そんなチームメイトたちが、どんどんサッカーにのめり込み、実力をつけていくという超王道漫画です。サッカー版『ROOKIES』といったところでしょうか。とにかく熱い燃えるサッカー漫画が読みたい時にはおすすめです。
東京・山谷に暮らす矢吹丈(やぶきじょう)、通称ジョーは、貧乏な毎日に嫌気がさし、毎日喧嘩三昧の日々を送っていました。そんなある日、ジョーはひょんなことから丹下段平という男と出会います。世界一のボクサーを育てると豪語する段平をジョーは馬鹿にしますが、段平はジョーにボクシングの才能を見出していて……。
- 著者
- ちば てつや
- 出版日
- 2000-06-01
こちらもそのタイトルくらいは耳にしたことがある方は多いはず。かつて社会現象までも巻き起こした名作で、今でも幅広い世代に愛されている作品です。貧乏長屋に暮らし、日々のうっ憤を晴らすように喧嘩三昧で暴れん坊の不良少年ジョーが、段平と出会い、ボクシングを通して生きる意味を見出していくスポーツ漫画の決定版。
ボクシングで世界を目指すというスポ根ものではありますが、同時に、人生のどん底にいたジョーがボクシングを通して自分自身の人生を見つめ直し、生きる意味を見つけていくという人生漫画でもあります。そういった意味でも、スポーツの爽やかさだけではなく、貧しさから抜け出せない人間や裏切り行為など、思わず目を背けてしまいたくなるような人間の暗い部分も描かれており、作品を奥深いものにしています。
「立て…! 立つんだジョー!」も、タイトル同様とても有名な台詞です。実はこの台詞、声に出された台詞ではなく、段平の心の声の台詞として描かれたもの。強敵を相手に倒れてしまったジョーを見ていた段平の台詞ですが、ジョーの才能を信じる段平だからこそ出た言葉ですね。漫画というと基本はひとりで読むものですが、本作は幅広い世代に浸透している漫画なので、多くの人と熱い感想をわかちあえることもあるかもしれません。
1970年にテレビアニメ化された本作は、大変な話題となり、続く10年後に描かれた最終回まで人気を博しました。
母子家庭で育った幕之内一歩は、家業を手伝うためになかなか友達を作る機会はなく、小学校から高校までいじめられっ子でした。ある日、帰り道で暴行を受けていたところ、ロードワーク中だった新人ボクサー・鷹村守に助けられます。
鷹村にボクシングジムへ連れてこられ、彼に渡されたボクシングの映像を目にした一歩は、自分にボクシングを教えてほしいと鷹村に懇願します。そして、鷹村に与えられた条件をクリアした一歩は、ボクサーへの道へと歩んでいくことになったのです。
- 著者
- 森川 ジョージ
- 出版日
- 1990-02-09
いじめられっ子だった一歩がボクシングを通して心身ともに強くなっていく物語です。名台詞といったらやはり「強いって……一体どんな気持ちですか?」という、一歩が鷹村に向けて、絞り出した言葉。
殴ることが強さとイコールになるのでしょうか?もちろんそれだけではないですよね。鷹村の話の引き合いに出されたマイク・タイソンと自身を重ね、いじめられっ子な自身を変えたいという気持ちから発された台詞なのです。
元々が温厚な一歩はボクサーには向いていない性格と言えるでしょう。しかし、生まれ変わるため、自分の長所である爆発的なパンチ力を使って試合に挑みます。ジムへ、リングへ向かうその後ろ姿に、いじめられっ子の面影はありません。
ボクシングを通して心も強くなっていく一歩は、物語の途中でかつてのいじめっ子である梅沢という同級生と、あろうことか親友のような仲になります。彼らがいじめ、いじめられてしまった理由は、心のなかにある弱さが原因だったのかもしれません。
「強さとは何か」をテーマに、主人公が希望を見せてくれる、日本屈指の長編漫画です。
2000年から約2年間かけて75話がアニメ放送された本作は、当時では驚異的な最高視聴率6.1%を記録するほどの人気でした。
桜木花道は、身長が188cmもあるうえに赤い髪という非常に目立つ風貌の、実にわかりやすい不良です。神奈川県立湘北高校に入学した花道は、ひとりの少女・晴子に出会います。
彼女は花道の恵まれた体格を見込んで、花道をバスケ部へと勧誘してきました。バスケなんてやったことのない花道でしたが、晴子にひと目惚れしてしまった彼はバスケ部に入部することにして……!?
- 著者
- 井上 雄彦
- 出版日
読んだことはなくてもタイトルは知っているという方がほとんどかもしれません。不良の少年・桜木花道を主人公にしたバスケットボール漫画です。花道は傍若無人で凶暴、暴れたら誰も止められないという根っからの暴れん坊なのですが、なぜか憎めないのはどこか純粋な性格をしているからかもしれません。実際、バスケットボールを始めた彼は、初心者でありながら次第にバスケを好きになり、熱心に練習を繰り返していくようになります。大口を叩くなど調子もののところはありながらも真面目に練習に取り組み、次第に強くなっていく姿はスポーツ漫画ならではの爽やかさを楽しめるでしょう。
バスケットボールのルールを知らなくても、花道が初心者ということもあって、ルールなどもストーリーを楽しみながら自然と理解していくことができます。もちろん経験者であればもっと細かい描写や台詞の意味深さを感じることができるかもしれません。初心者と経験者どちらも楽しめるのはいいですよね。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ…?」という台詞は聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。これは、花道たちの部活の顧問である安西光義が言った台詞です。強敵を相手に戦意を欠いてしまった花道はこの台詞で奮起し、チームを勝利へと導きました。これは、ただ諦めるなというだけのメッセージではなく、花道たちが勝機を見いだせなかった試合に安西は見出していたという事実も意味していました。そんな事実をあえて諦めるたら終わりという言葉で伝える監督と、言葉の裏にあるその事実に気が付く花道との信頼関係が読み取れる台詞ですね。
とはいえ、そういう信頼関係に感動できるのは、やはり読者がそれまでのストーリーを読んでいるからこそ。多くの人がハマった本作の魅力は、ぜひ手に取って確認してみてください。
1993年から3年ほどの間で全101話がテレビアニメ放送された本作は、2013年の20周年記念でHDマスター版の放送が行われるなど、連載が終わった今も人気が続いており、2021年には、原作者である井上雄彦のツイッターで劇場版の新作アニメ制作が発表されました!
『スラムダンク』に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
漫画「スラムダンク」を徹底考察!名言・物語の続き?作者の才能、豆知識…
爆発的人気を誇るバスケットマンのバイブル『SLAM DUNK』(スラムダンク)。連載終了から20年以上経ってもその人気は衰えず、いまもなお愛され続けている漫画です。心に残る名言の数々があり、ファンのなかにはオリジナルの続編を語る方たちもいるほど。ここでは「スラムダンク」が残した名言や作者について紹介し、物語の「続き」も考察していきます。
高校に入学した丸尾栄一郎は、子供の頃から成績はオールA。名前とその成績で周囲からは「エーちゃん」なんて呼ばれる、いたって普通の生徒でした。
ある日、栄一郎は、運動不足解消目的でテニスクラブの無料体験レッスンに参加します。そこには、クラスメイトの鷹崎奈津の姿が。クラブに所属している奈津は、プロのテニスプレイヤーを目指していたのです。奈津の影響もあって栄一郎は本格的にテニスを始めることになりますが……?
- 著者
- 勝木 光
- 出版日
- 2008-02-15
全くのテニス初心者である高校生の栄一郎が、クラスメイトの奈津と共にプロのテニスプレイヤーを目指す爽やか系スポーツ漫画です。全47巻で完結しています。普通、プロのテニス選手というと幼い頃から特訓して、才能があって……というものをイメージしがちですが、本作の場合、栄一郎は高校生まで、テニスはもちろんスポーツ経験さえもほとんどない超初心者。それでプロになんかなれるの? と思ってしまう方もいるかもしれません。でも、だからこそ本作は面白くなっています。
栄一郎独自の才能と、何より真面目で几帳面で成績優秀という彼の特徴がテニスにいかされ成長していく流れはとても自然に読むことができます。また、経験が浅いからこそひたむきにコツコツと努力する栄一郎の姿に、思わず応援したくなってしまう方も多いはず。
「頑張れば強くなれるのかな? コツコツやるしかできないけど」という栄一郎の台詞も、そういう努力ができる彼だからこそのものでしょう。シンプルな言葉ではありますが、何だか自分ももっと頑張れそう、もっと努力しようと思わせてくれる台詞です。
テニス自体はリアリティ路線で、実際にテニスをやっている方からも支持されることが多いという本作品。テニスを始めてみたいな、と思っている方にもおすすめな作品です。
2014年から第1シリーズ、続けて翌年に第2シリーズがテレビアニメ放送されました。
『ベイビーステップ』に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
『ベイビーステップ』47巻までの見所を徹底紹介!【ネタバレ注意】
『週刊少年マガジン』で連載中の漫画『ベイビーステップ』は、アニメ化もした大人気作品です!綿密な取材と作者の経験をいかした本作は、地道な努力や戦略で試合を勝ち進むテニスプレイヤーの成長物語。今回は47巻までの見どころを紹介します!
私立泥門(でいもん)高等学校に入学した小早川瀬那(こばやかわせな)は、その気弱な性格のせいでどこへ行ってもパシリにされる人生を送ってきました。
ある日、不良に絡まれてしまった瀬那は、隙を見て駅まで猛ダッシュで逃走! その速さは目にも止まらぬものです。その爆走っぷりを偶然目撃していたアメフト部の主将・蛭魔は、瀬那にアメフト選手としての可能性を見出し……。
- 著者
- 稲垣 理一郎 (原作), 村田 雄介 (漫画)
- 出版日
- 2002-12-01
気弱で体も小さい瀬那が、巨漢だらけのアメリカンフットボールの選手を相手にフィールドを爆走する疾走感が楽しいアメフト漫画です。全37巻で完結しています。
主人公の小早川瀬那、通称セナは気弱な少年。その性格がたたってこれまでの人生のうち10年はパシリをさせられていました。しかし、早く買って帰らないと怒られる……というパシリ生活は、セナに人間の限界速度に達するほどの脚力を与えます。そんな猛スピードを生み出す脚力を武器に、セナはアメフトの世界に飛びこんでいきます。
もちろん最初はアメフトなんかやるつもりもなく、部活に入ることになった時も自分は選手ではなく裏方の仕事をするつもりでした。それが蛭魔の思惑で選手をやることになってしまったのです。そんな経緯があるので最初は試合の途中で逃げ出そうとするくらいのセナでしたが、次第に勝ちたいという気持ちが強くなり、アメフトと向き合うようになっていきます。
「逃げる? 違う! 勝つんだ!」というセナの台詞は、そんな彼の決意や気持ちの変化を端的に表しています。短い言葉の中に力強さを感じる方はきっと多いのではないでしょうか。アメフトの試合はかなり迫力があります。セナを始めとした疾走感はもちろん、タックルの力づやさや緻密に描かれた細部などは圧巻。アメフトを知らない方でも熱くなること請け合いの作品です。
2005年から3年間に渡り、全145話がテレビアニメ放送されました。
ペコとスマイルは幼馴染の男子高校生。幼い頃から共に卓球をやっている2人の実力は確かなものでしたが、ペコは自信過剰でうぬぼれ屋、スマイルは無口で無愛想となかなか周囲とは打ち解けません。
ある日、卓球部に中国人が留学してきたという高校へ偵察に行くのですが、ひょんなことから当の中国人留学生と卓球対決をすることになって……!?
- 著者
- 松本 大洋
- 出版日
映画が有名なのでそちらは知っているという方も多いかもしれませんね。2014年からアニメ化もされている本作は、 東京アニメアワードフェスティバル2015、テレビ部門でグランプリを受賞し、卓球漫画の決定版とも言える人気作です。
星野裕(ほしのゆたか)、通称ペコは、卓球の才能に恵まれ実力も確かなのですが、そのために部活の先輩を見下したり、練習も真面目に行わなかったり、さらには素人相手に賭け卓球をやって金を稼ぐなどと自堕落な生活を送っていました。しかし、そんな日々の中でひょんなことから中国人留学生のチャイナと対戦、惨敗します。この挫折をきっかけに、ペコは良いほうにも悪いほうにも変化していくことになります。
一方、ペコの幼馴染の月本誠、通称スマイルは、そのあだ名とは正反対の無口で無愛想で冷静沈着な少年です。スマイルというあだ名は、かつてペコが笑わない彼に対して付けたものでした。スマイルは、家庭の事情から人とコミュニケーションを取るのが得意ではなく、そのためにからかわれたり邪険にされたりしていたのですが、そのたびにペコに守られていました。そのためかスマイルのペコに対する信頼感はとても強いようです。
特徴的な絵は好みがわかれるかもしれませんが、躍動感溢れ作画からはキャラクター達の生き生きとした息遣いを感じることができます。キャラクター達それぞれの背景や人間関係、キャラクター達の癖や個性など、暗い部分も明るい部分も絵から伝わってくるようでとても魅力的です。
「I can fly!」という台詞は、ペコが発した台詞です。お調子者で大口ばかり叩くペコですが、それも裏返せば自分の力を心から信じているということ。簡単そうで難しいことをあっさりやってのけるペコは、やっぱり大物なのかも……なんて思えるわかりやすいけど印象深い台詞です。この台詞は映画版でも見ることができるので、気になる方はぜひそちらもチェックしてみてくださいね。
主人公は、小柄な少年ながらどんな劣勢でも戦い続ける精神力を持つ日向翔陽。そして、通称「コート上の王様」影山飛雄や、チームの大黒柱となる澤村大地、ガッツ溢れる田中龍之介など、個性的な烏野高校のメンバーと共に翔陽は全国大会を目指します。
- 著者
- 古舘 春一
- 出版日
- 2012-06-04
本作の主な舞台は東北の宮城県です。仙台駅や仙台市体育館など実際の施設も多数登場し、作者の地元である岩手を含め聖地巡礼をするファンもいるほどです。
「繋ぐスポーツ」と呼ばれるバレーを通して、少年たちはぶつかりあいながらも心も繋いでいきます。友情を繋ぎ、ボールを繋ぎ、少しずつ見えてくる「おれ独りでは決して見ることのできない景色」。少年たちの成長は読む人に青春時代の大事なものを思い出させてくれることでしょう。
2013年からアニメ化された本作は、勢いが止まることなく、2020年には第4期が放送されました。そしてスポーツ漫画ながら舞台化もされていることでも有名な人気作品です。
『ハイキュー‼︎』に関しては以下の記事でも詳しく解説しています。
漫画『ハイキュー!!』最新刊27巻までの見所を徹底紹介!【ネタバレ注意】
「週刊少年ジャンプ」で連載中の大人気バレーボール漫画『ハイキュー!!』。主人公、日向翔陽の成長を通して描かれる高校バレーの魅力と名台詞の数々にハマる人が続出しています。この記事では最新刊27巻までの見どころを紹介します!
毎週秋葉原に通うオタク・小野田坂道は、中学校でオタク仲間を作れなかった分、高校ではアニメ研究部に入ろうと決めていました。しかし、肝心のアニメ研究部は部員数不足で廃部になっており、小野田は部員を5人集めてアニメ研究部を再建しようとします。
ちょうどその頃、中学時代から自転車レーサーとしての才能を発揮していた1年生の今泉俊輔は、傾斜率20%の坂道を鼻歌をうたいながら、しかもママチャリで登る小野田を目にして驚愕します。小野田に興味を持った今泉は自転車レースを持ち掛け、自分が負けたらアニメ研究部に入るという条件まで提示してきたのです。
- 著者
- 渡辺 航
- 出版日
- 2008-07-08
オタクである小野田の、自転車の速度が速い原因がなんともしょうもないんです。それは、小学校3年生のときから、往復90km以上ある道のりを自転車で走って秋葉原に行っていたから。しかも、その自転車は小野田の母親の細工により距離が進まないようにこぎにくくされたものです。
結果的に自転車競技部に入部した小野田は、小学生のときから鍛えられたペダルの回転率と自転車に特化した身軽さ、そして目的のためなら足を止めないメンタルの強さで才能を開花していきます。
彼はレースの終盤、「ボクにできることはひとつしかないです」「皆さんに託されたこのジャージを精一杯ゴールに届けることしかできないんです」と心の中でアツイ気持ちをこぼしていました。
過酷なレース、体力の限界、肺が悲鳴を上げている中、今までオタク文化にしか心をささげてこなかった小野田が必死の表情を浮かべて自転車を走らせます。今までのハードな練習シーンを目にしている読者にとって、これほど手に汗握って主人公を応援したくなるシーンはないでしょう。
仲間たち、ライバルたちとともに自転車を走らせる小野田。1年生から2年生へと進級し、どこまで成長していくのか、今後の展開に目が離せません。
2013年から18年の間でテレビアニメが第4期まで放送された本作は、永瀬廉が主演で2020年に実写映画化したことでも記憶に新しいでしょう。
『弱虫ペダル』については、以下の記事でも解説しています。
漫画『弱虫ペダル』の魅力を既刊54巻までネタバレ紹介!
『弱虫ペダル』は自転車競技部に所属する小野田坂道をはじめとする総北高校のメンバーの自転車に懸ける青春を描いた作品です。インターハイ優勝を目標に掲げた各高校の熱いバトルに心を動かされます。自転車を知らない方でも楽しめますよ! 2020年8月にはKing & Princeの永瀬廉主演で実写映画化もされ、話題になりました。
主人公の篠崎ミコトは高校1年生。幼いころの事故が原因で自転車に乗ることができない彼ですが、中学生のころからの憧れの女の子である深澤ゆきに「自転車部に入らない?」と誘われて快諾してしまいます。苦難の末に自転車に再び乗れるようになったミコト。自転車部でロードレースに青春を捧げる高校生活が始まりました。
- 著者
- 安田 剛士
- 出版日
- 2005-09-16
作者は『DAYS』や『一瞬の風になれ』(原作は佐藤多佳子の小説)など、様々なスポーツ漫画を描いている安田剛士。この作品は、漫画界でもなかなか見かけない、ロードレースをテーマとした作品です。
ロードレース漫画と言えば『弱虫ペダル』が最も有名かもしれませんが、こちらも名作と言って良いでしょう。主人公は自転車に乗れない状況から、努力してどんどんと成長していく様は、王道スポ―ツ漫画の持つ熱さや感動できる要素を強く感じることができます。
2007年にはテレビアニメが放送されています。
鹿鳴館高校に入学した土屋雅春は、小学生の時に好きな女の子に手汗を指摘されたトラウマで、女子とあまり関わらない学生生活を送っていました。高校ではどうにか改善したいと思っていた矢先、部活動紹介で競技ダンス部の激しいパフォーマンスに目を奪われます。
露出度の高い女性の衣装にも目がいったという男子高生ならではの理由で競技ダンス部を見学しに行った土屋は、流れのままに入部することになります。土屋と同じく競技ダンス初心者の亘理英里とパートナー関係になり、大会や競技会、文化祭に向けて日々特訓を重ねていくことになったのです。
- 著者
- 横田 卓馬
- 出版日
- 2015-11-04
主人公の土屋は、女の子が苦手なだけでなく低身長ということもあり、中身も見た目もどうも頼りない少年です。部長は体がでかいがオネエ口調のアフロ男だったり、2年生の先輩は金髪でイケメンの強気な男だったり、他の登場人物と比べてみても弱弱しく思えます。
しかし、物語が進むにつれて、土屋のパートナーである亘理とお互いに触発されながら成長していきます。実は亘理にもとあるトラウマがあり、最初の競技ダンスの大会で、派手な衣装を身にまとった途端、呼吸が荒く足元も覚束なくなってしまいました。
ダンスするどころかまともに立っていることもできない亘理。絶体絶命な状況で、土屋は今まで見せたことのないようなリード力を発揮するのです。
スタートを切り直し、「大丈夫……!!大丈夫だから……!!」と心の中で亘理を思いやりながら力強く亘理を支え、ダンスにノっていく土屋は、教えの通り笑顔を浮かべながら最後まで踊り切りました。
その後も、土屋と亘理は文化祭で再びトラウマとぶつかります。また、3年生にとって大切な夏の大会も迫り……。個性豊かなキャラクターたちによる、バトルマンガのような描写で魅せられる競技ダンスに注目です。
『背すじをピン!と』に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
競技ダンス漫画『背すじをピン!と』の魅力を分析!
2011年に読み切りが発表されてから約4年を経て「週刊少年ジャンプ」で連載開始となった、競技ダンス漫画『背すじをピン!と』のあらすじと人気の秘密をご紹介します!
栄和泉高校の水泳部に所属する大和圭介は、同じ水泳部である二ノ宮亜美とは因縁の仲でした。というのも、二人の実家が和菓子屋であり、祖父の代からのライバルだからです。
彼らが利用する寮の伝統で大和と二ノ宮がデートするはめになったり、実家の因縁の正体を知ったり、実は2人は昔会ってことを思い出したりしたことで、以前まで抱いていた2人の敵対心が徐々に薄れていきます。大和と二ノ宮、そして二ノ宮が慕う競泳選手・仲西弘樹との間に三角関係が生まれ……。
- 著者
- あだち 充
- 出版日
あだち充といえば、『タッチ』や『H2』のような野球漫画が頭に浮かびやすいですが、この競泳漫画も大変評価の高いものとなっています。
スポーツ漫画でありながら、胸が締め付けられる青春色が強い本作で、大和が「今度おぼれた二ノ宮を助けるのは絶対に俺でありたい……それだけなんです」と言うシーンがあります。
二ノ宮との仲も水泳の記録も、仲西に勝てない大和を駆り立てる強い思い。それは二ノ宮への恋心でもあるのです。タイムで負けていても、せめて二ノ宮への思いは負けたくない、純粋でまっすぐな高校生の気持ちに、キュンとしない読者がいるでしょうか?
大和と仲西が対決するはずだった競泳の試合で、どういうわけか仲西が姿を現しません。その理由とは?そして二ノ宮が選択するのは大和なのか仲西なのか?自分との戦いであるスポーツが絡むからこそ、一筋縄ではいかない高校生の恋愛模様に、自分の青春時代を思い出さずには読めない作品です。
シセは、「伝説の海の子」と呼ばれるフリーダイバー。酸素ボンベなしに、息が続く限り海へ潜ります。しかし、スポーツとしての記録を伸ばせば伸ばすほど、海面は遠くなっていきます。それは同時に「生」が遠のいていくということ。そんな自分の「死」をかけたバトルにシセは飛びこんでいくのですが……!?
- 著者
- たなか 亜希夫
- 出版日
タイトルは、「グロコス」と読みます。全4巻で完結済です。フリーダイビングという競技をご存じでしょうか? 文字通りダイビングの一種ですが、通常のダイビングが酸素ボンベを使うのに対し、フリーダイビングは自分の息だけを頼りに海へ潜る競技です。
一言でフリーダイビングといってもいろいろな種目はあり、本作で登場するのは主に「コンスタントウェイトウィズフィン」、「スタティックアプネア」、「ノーリミッツ」という3種類です。何だか難しい言葉ですが、いずれもひと息で海に潜ることは変わりません。それぞれの細かいルールはぜひ本作でチェックしてみてください。
主人公のシセは、ポリネシア生まれの少年。海で生まれて海で育った彼のダイビングの才能は確かなものでした。それを見出したのはフリーダイビング世界記録保持者のクロードという男で、彼と共にシセは本格的にフリーダイビング競技の世界へ足を踏み入れることになります。
本作の特徴は、やはり海です。繊細かつ力強い筆致で描かれた海はとても美しく、特に海中の様子は自分も水の中にいるかのような気分になれるほど。海好きな方はそれだけでも必見です。もちろん海だけはなく、フリーダイビングという死と隣り合わせの競技ゆえの危険と魅力が描かれます。
ダイビング初心者でも充分も理解できるように描かれてはいますが、経験者であれば役に立つことも書いてあります。初心者も経験者もフリーダイビングや海の魅力を感じることができる作品です。
白川朗は幼い頃からフィギュアスケートに打ち込み、将来も有望視されていましたが、母の死をきっかけにフィギュアの世界から離れてしまいます。
両親のいなくなってしまった朗と双子の妹の春名は、親戚を頼り北海道にやってきました。ある日、朗は近所の池が凍っていることに気が付き、何気なく滑ってみるのですが……。
- 著者
- 野田 サトル
- 出版日
成り行きでアイスホッケーを始めた朗が、次第にその魅力に目覚め、アイスホッケー・プレイヤーとして勝利へ向かっていく姿を描いた作品。主人公の朗は、人一倍プライドが高く潔癖症な性格。短気で喧嘩っ早いところもあり、そんな性格が起こしたトラブルが、アイスホッケーを始めるきっかけにもなりました。
一方で、自分のためにフィギュアを辞めさせられた妹・春名のことを気にするなど繊細な部分もあります。春名というのは朗の双子の妹で、かつては一緒にフィギュアスケートをやっていました。しかし、フィギュアスケートをやるためのお金を2人分は用意できず、母に才能豊かな朗のためにフィギュアを辞めさせられてしまったのでした。そんなこともあり、2人は仲が良いようでどこかギクシャクしているようにも見えます。
アイスホッケーというと、名前は知っていてもルールはあまり知らない……という方も多いかもしれません。初心者でもルールや用語がわかるように工夫はされていますが、アイスホッケーの試合描写はかなり激しく、頭でわからなくても勢いでわかってしまうような迫力があります。挫折を経験した朗を始め、他のキャラクターも様々な理由で挫折を味わったり、敗北に涙をしたりします。そのたびに努力を重ねて起き上がる朗たちの姿に心が揺れる方も多いのではないでしょうか。
中でも、「このドン底も挫折も最後に勝てば単なる過程だ」という、後に朗も所属することになるアイスホッケーの強豪校の監督・二瓶利光(にへいとしみつ)が言った台詞に感動する読者は多かったようです。二瓶のその言葉を受けた朗達は、見事勝利へと食らいついていくことになりました。他にも力強くて心に残る台詞がいっぱいあるので、ぜひ手に取って確認してみてください。
高校1年生の東島旭(とうじまあさひ)は、背も低くてメガネをかけていることから、周りから「ボンヤリメガネ」や「メガネザル」なんて呼ばれるくらいのぼんやりしたタイプの女の子です。
そんな旭は、高校入学をきっかけに何とか自分を変えようと、薙刀部に入部することを決意します。しかし旭は、なわとびを10回も飛べないほどの運動音痴。練習にもまったくついていけない旭が取った行動とは……?
- 著者
- こざき 亜衣
- 出版日
- 2011-04-28
2015年に小学館漫画賞を受賞した作品で、薙刀というマイナーな部活を題材に女子高生達の奮闘を描いたスポーツ漫画です。
物語の舞台となる二ツ坂高校はもともと女子高で女子生徒の比率が多く、旭達のいる薙刀部も部員は女子しかいません。そのため物語の登場人物のほとんどが女子なのですが、男にも負けない男勝りな女子がいるなどバラエティに富んでいて飽きることはありません。また、可愛い女の子ばかりとはいえ、薙刀の試合シーンなどはスポ根漫画に匹敵する迫力。きらきらの可愛いだけじゃないのがこの作品の魅力です。
主人公の旭は、背も力も運動神経もない、曲者揃いの薙刀部の中ではまったく丸腰のような状態です。先輩からも辞めたほうがいいと忠告されるくらいのダメっぷりですが、それでも旭は持ち前の不屈の根性で努力を重ね、少しずつ成長していきます。
「負けていると思うなら、少し休んで、また前へ進むしかありません」という台詞は旭が言ったものですが、こういった台詞に旭のコツコツ頑張れるキャラクター性が隠れていますね。
そんな旭の気持ちを支えていたのは、1つ上の先輩・宮路真春への憧れでした。幼い頃から薙刀をやり実力もある彼女は、薙刀の世界では有名な存在。その整った容姿もあって人気の高い人物。彼女のカッコイイ姿は旭だけではなく、読者にも薙刀のカッコよさを伝えてくれます。薙刀というあまり馴染みのないスポーツを知るきっかけにもなる作品です。
2017年には、乃木坂46の西野七瀬が主演となり、実写映画化もされた人気作です。
『あさひなぐ』に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
薙刀漫画『あさひなぐ』のキャラ名シーン紹介!【27巻ネタバレ注意】
2017年に映画化、舞台化が決定した『あさひなぐ』。冴えない少女が薙刀という武道を通して成長していくストーリーです。今回はそんな作品のキャラと名シーンをご紹介!熱くなること間違いなしの本作の魅力をお伝えいたします。最新27巻のネタバレを含みますのでご注意ください。
元サッカー部の櫻井玄哲(つねのり)は、オーバーワークが原因で膝を壊してしまい、またそれが理由でサッカー部も退部してしまいます。ある日、同じクラスのラクロス部員、豊口深空(みそら)が自主練中に足を挫いている場面を見た櫻井は、シュートの仕方を豊口に教えてあげます。
今まで一度もシュートを決めれたことがないという豊口でしたが、櫻井のほんの少しのアドバイスでシュートを決めることができました。それに感動した豊口は、櫻井をラクロス部のマネージャーに勧誘します。はじめは拒否する櫻井でしたが、不幸な事故からそれを拒否できなくなってしまい……。
- 著者
- KAITO
- 出版日
非常に珍しい、ラクロスを題材にした漫画。作者KAITOの、商業誌初連載作品になります。一応は豊口と櫻井のダブル主人公ですが、ラクロス部員全員の成長を描いているので、ラクロス部員全員が主人公と言っても過言ではないでしょう。
非常に技術のあるサッカー選手として期待されていたが怪我で選手生命を絶たれてしまった櫻井。とてつもないへたくそですが、楽しくやろうというスタンスでラクロスをやっていた豊口。2人が出会うことで、豊口の考え方は「上手くなりたい」というものにシフトしていきます。
全5巻と非常に短い漫画ですが、だからこそ濃密な内容で、スポーツと向き合うとはどういうことか、ということを考えさせてくれる作品です。
子どものころから野球一筋だった野球少年、波多野憲二は高校生活最後の夏の甲子園に出場することができずショックに打ちのめされてしまいます。しかし、身長160センチ、体重50キロ台前半という高校球児としてはとても小柄だった彼に、顧問たちは競艇選手としての才を見出します。そして憲二は顧問らに連れられ、競艇の体験に行くのですが、そこで見た「モンキーターン」に魅了され、競艇の道に進んでいくことになり……。
- 著者
- 河合 克敏
- 出版日
度胸と長年の野球で培われた身体能力を武器に、波多野憲二が競艇選手になり、また選手としてどのような人生を歩んでいくかを描いた作品で、ターンに関しては天才的なものを持っているが整備や調整は苦手という、なんとも熱血漢な主人公です。そんな彼が努力して苦手も克服していき、更に得意分野は更に得意にしていきどんどんと成長していくのですから、読んでいて熱くならない訳がありません。
ちなみにこの作品、「『モンキーターン』を読んだのがきっかけで競艇選手になった」と言っていたプロもいるほどの作品で、競艇選手募集のポスターにキャラクターが使われていた時期もある人気作。
プロですら魅了されるこの熱い作品を、是非1度読んでみてはいかがでしょう。
2004年から全50話がテレビアニメ放送されました。
いかがでしたか? 心を揺り動かされる台詞が多いのもスポーツ漫画の醍醐味の1つですね。マイナーな競技の漫画は思いがけない魅力を発見できる喜びもあるので、これを機会にぜひ読んでみてください。