杉咲花が出演した作品一覧!実写化した映画、テレビドラマの原作作品の魅力を紹介

更新:2021.12.11

幼い頃からテレビドラマや映画などで子役として活動してきた杉咲花。その培ってきた演技力で、さまざまな少女の姿を表現してきました。2020年の朝ドラ『おちょやん』のヒロインにも抜擢されています。そして少女から女性へ、さらなる進化をも予感させる注目の女優です。 この記事では杉咲花の演じた役柄と作品について紹介します。

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杉咲花のプロフィールを紹介!朝ドラや話題作での演技力への評価がうなぎのぼり!

杉咲花は1997年10月2日生まれ、22歳(2020年7月現在)。強い意志を感じさせる瞳や、特徴的な耳の形が印象的な女優です。

母親は、テレビアニメ『マクロス7』に登場する、ヒロインの歌唱部分を担当したことでも知られるチエ・カジウラ、父親はバンドユニット・レベッカの初代リーダーの木暮武彦です。杉咲はもともと芸能界に興味があったそうですが、これは両親の影響かも知れませんね。

梶浦花という名義で子役として活動していましたが、2011年に研音に所属したことを機に、芸名を杉咲花に変更。その後、味の素のCMで回鍋肉を美味しそうに頬張る姿が可愛らしいと話題となりました。

2013年のテレビドラマ『夜行観覧車』では母に暴力を振るう娘役を好演し、2016年の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』で日本アカデミー賞の他、各映画賞の助演女優賞を受賞。可愛らしい容姿だけでなく、幅広い役柄をこなす演技力が評価されています。

2016年の朝ドラ『とと姉ちゃん』でヒロインの妹・美子役を演じましたが、2020年の朝ドラ『おちょやん』では待望のヒロイン役に抜擢され、今後の活躍がますます楽しみです。

2018年にはラジオ番組『杉咲花のFlower TOKYO』が開始され、初回放送を受けて、600通以上のメッセージが届いたという反響の大きさからも彼女の人気が窺えます。

テレビドラマ初主演となった『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』では、人気アイドル平野紫耀と共演し、恋の行方が気になる展開で話題を呼びました。2020年公開の映画『青くて痛くて脆い』では、吉沢亮と共にダブル主演を務め、イケメン俳優の輝きにも負けない魅力を発しています。

「娘役」のイメージも変幻自在。負の感情を巧みに表現する杉咲花の魅力

人々を惹きつける杉咲花の魅力の本質とは、どこにあるのでしょう。

容姿や笑顔が可愛らしいのはもちろんですが、子役時代から養ってきた演技力を持つ彼女は、ただ可愛らしい女の子を演じるだけではありません。その「可愛いだけじゃない」ところが彼女の最大の武器ではないでしょうか。

『夜行観覧車』ではコンプレックスを抱えて母親につらくあたる娘を、『トイレのピエタ』では感情の起伏が激しい少女を、そして『十二人の死にたい子どもたち』では、自らの死をもって社会に訴えようとする少女を演じています。いずれも感情の不安定さやフラストレーションを抱えている役どころです。

どんなに可愛らしい女の子でも、誰でも内側には何かしらの負の感情を抱えているものです。安易に求められがちな可愛い少女ではなく、正も負も併せ持つ1人の人間としてキャラクターを捉え、彼女たちのマイナスな側面や感情をありのままに表現しているからこそ、演技にリアリティが生まれてくるのでしょう。

マイナスを恐れず全力で表現するからこそ、視聴者の目を惹きつけ、作品にプラスの評価をもたらす……まるで磁石のような魅力が彼女にはあるのです。

そんな杉咲花のファースト写真集『ユートピア』では、ノーメイクや私服で限りなく自然体な彼女の姿を見ることができます。2017年の20歳という節目に製作されたこともあり、少女から大人への成長も感じさせる一冊です。

著者
熊谷 直子
出版日

【ライターおすすめ】杉咲花が1番輝く『十二人の死にたい子どもたち』

タイトルからしてショッキングな本作。ネットを通じて自殺志願者の12人の子どもたちが集まりますが、集合場所にはすでに眠りについている1人の少年が……。予想外のできごとに戸惑いながら、12人の子どもたちは謎を解決するために話し合いを始めます。

杉咲が演じているアンリは、集まった12人のうちの1人。長い黒髪に凛とした目つきが印象的です。全身に黒い衣装を纏って、どこかミステリアスな雰囲気も感じます。

話し合いでも率先して議長のような役割を担い、クールなキャラクターと思われましたが、後半では自らの壮絶な過去と、この自殺の集いに懸ける想いを告白。内に秘めた激情を吐き出す苛烈さは、まさに彼女の演技力の本領発揮と言えるでしょう。

原作の紹介はこちらもご覧ください。

【映画原作】妖艶な女子高生が惨劇を引き起こす『吉祥天女』(2007年)

転校生の叶小夜子は美人で頭も良く、人を惹きつける魅力の持ち主。しかも叶家は地元の有力者で、跡取りとなる小夜子は財産を受け継ぐことになっています。

そんな彼女を、周りの男性たちが放っておくはずもありません。しかし、小夜子の身の回りでは次々と不審な事件が起こり始めるのです。

小夜子と関わって破滅していく男性たちの姿にはゾッとするものがあります。そして、彼らを惑わす小夜子の美しくも怪しげな魅力に、読者は翻弄されていくことでしょう。

跡取りでありながら親戚の家で育てられたという小夜子の過去にまつわる謎や、彼女が心に抱えている闇の正体が気になります。

当時は梶浦花という芸名だった杉咲が演じているのは、小夜子の友人である浅井由似子の幼少時代の姿です。短いながらショッキングなシーンなので驚かされます。

著者
吉田 秋生
出版日

【映画原作】手作りで仕立てる一生ものの服『繕い裁つ人』(2015年)

祖母の小さな洋裁店を継いだ主人公・市江。オーダーメイドで「一生添い遂げられる服」を作ることに情熱を注いでいます。

市江のもとにはさまざまな客が訪れ、その人間模様が見どころです。杉咲が演じる女学生・ゆきも、母のワンピースを市江に仕立て直してもらいます。デートや夜会などの大切なイベントに、特別な服を着ていきたいという人たちの姿を見ていると、読者も自分の一生ものの服が欲しくなるかもしれません。

市江の服をブランド化したいと企画を持ちかけている営業マン・藤井とほのかな恋愛関係がどうなっていくのかも気になります。

著者
池辺 葵
出版日

【映画原作】杉咲花が余命わずかな男と出会う『トイレのピエタ』(2015年)

生前の手塚治虫が日記の最後のページに描いていた構想を原案とし、松永大司が製作した作品です。

画家という夢に挫折した主人公・宏は、癌が見つかり、余命わずかと宣告されます。そんな彼が、残り少ない人生を使ってアパートのトイレに描いたものとは……。

死を目前にし、残された短い時間のなかで成長していく宏の姿が眩しくもあり、切なくもあります。

杉咲が演じる宮田麻衣は、偶然出会った宏に「妹のフリをしてほしい」と頼まれ、その後も彼と交流を持つように。宏に厳しいことも言いますが、心の内では彼のことを心配し、大切に思っていることが感じられるでしょう。

著者
松永 大司
出版日

【映画原作】積み上げるごとに愛情が溢れる『石を積む人』(2015年)

原作はアメリカの小説で、年老いたジョーゼフを主人公とする物語です。ジョーゼフは愛する妻・アンからの頼みで、作りかけだった石の塀を完成させようと1人で塀作りに取り組み始めます。

物語の途中、アンはジョーゼフを遺して旅立つのですが、死後も彼女の愛がジョーゼフを支えていくところが感動的です。

また、ある事件からジョーゼフは2人の少年に石塀作りを手伝ってもらうことに。自らの人生も残り少ないなか、塀作りを通じて若者たちに何を伝えられるのか……夫婦愛と隣人愛に溢れる物語に、あたたかさと切なさを感じるでしょう。

本作の舞台を北海道に変更した映画『愛を積むひと』では、杉咲は上田紗英を演じています。主人公の石塀づくりを手伝うことになる青年・徹の恋人です。

著者
["エドワード・ムーニー・Jr.", "七重, 杉田"]
出版日

【映画原作】警察組織の闇を壮大なスケールで描く「百舌」シリーズ(2015年)

千枚通しを凶器に使い、殺害現場に鳥の羽根を残していく謎の殺し屋・百舌。彼が引き起こす事件と、それに関わる警察内部の闇を描き出すサスペンスシリーズです。警察だけでなく、暴力団や政治家が陰謀に関係していることもわかっていき、壮大なスケール感に圧倒されるでしょう。シリーズが進んでいくと、一度は姿を消した百舌が再び現れるので、その正体も気になるポイントです。

映画『劇場版MOZU』では大規模な2つのテロ事件が起こり、その黒幕として都市伝説的存在「ダルマ」が関わっていると噂されます。事件に巻き込まれた倉木・美希・大杉の3人がダルマの正体に迫っていくというストーリーです。

本作で、杉咲は大杉良太の娘・めぐみ役で登場しています。

著者
逢坂 剛
出版日

【映画原作】杉咲花が不死身の用心棒と共に仇討ちを誓う『無限の住人』(2017年)

主人公は不死の体をもつ隻眼の剣士・万次(卍)。両親の仇討ちを誓う少女・浅野凜に、旅の用心棒を頼まれた万次は、剣客集団・逸刀流との戦いに身を投じていくことになります。

江戸時代が舞台ですが、奇抜な武器、現代語も用いたセリフなど、単なる時代劇に留まらない独特の世界観が読者を引き込んでいくでしょう。グロテスクな描写も多いですが、次々に現れる強敵との戦いは手に汗握る展開です。

杉咲はヒロインである凜を演じていますが、万次の妹・町役も兼ねています。

万次は凛に亡き妹の面影を見て依頼を受けるので、この2人を杉咲が演じることで、万次が凛を守ろうとする行動にも説得力が生まれています。

原作の詳細が気になる方は原作『無限の住人』5分でわかる6つの魅力!不老不死の隻眼剣士が大立ち回り【全巻ネタバレあり】の記事もご覧ください。

著者
沙村 広明
出版日
1994-09-19

【映画原作】杉咲花が福士蒼汰と共に死神に!『BLEACH』(2018年)

 霊感が強い男子高校生・黒崎一護は、悪霊退治に来たという死神・朽木ルキアと出会います。戦いに巻き込まれ、ルキアから死神の力を譲り受けた一護は「死神代行」として悪霊・虚(ホロウ)たちと戦うことに……。

本作の死神は和風の衣装で、刀を武器にして戦います。また、死後の世界・尸魂界(ソウル・ソサエティ)や、そこで働く個性的な死神たちなど、独創的な世界観やキャラクターの魅力に読者は引き込まれていくでしょう。 スタイリッシュな必殺技名やセリフ、モノローグも、読んでいて心に残ります。 

杉咲は実写映画では朽木ルキア役。相棒・一護役の福士蒼汰と、息のあったコンビネーションが見どころです。

原作の詳細が気になる方は、漫画「ブリーチ」の主人公・黒崎一護の10の魅力!新しい卍解とは?の記事もご覧ください。

福士蒼汰のその他の出演作が知りたい方は、福士蒼汰の出演映画、テレビドラマを解説!イケメンだけじゃない実写化キャラに注目の記事もおすすめです。

著者
久保 帯人
出版日

【映画原作】杉咲花が車椅子の男性との恋に苦悩する『パーフェクトワールド』(2018年)

杉咲が演じるのは、インテリアデザインの会社に勤める主人公・川奈つぐみ。

彼女は高校時代に好きだったクラスメート・鮎川樹と、仕事を通じて再会します。しかし、鮎川は事故で脊椎を損傷し、車椅子の生活をしていたのです。好きだった人の思いもよらない変化につぐみは驚きますが、再び彼に惹かれていき……。

2人の恋愛を通して、障害を持つ人とそれを支える人、それぞれの苦悩や葛藤が描かれています。日常生活に困難を抱えている人を支えるのは、綺麗事ではありません。

それ故に、つぐみと鮎川はお互いを大切に思っていながら、何度もすれ違ってしまします。その姿に読者は切なさで胸が詰まりそうになるでしょう。

原作の詳細が気になる方はこちらの記事もご覧ください。

原作『パーフェクトワールド』が泣ける!見所を最新9巻までネタバレ解説!

著者
有賀 リエ
出版日
2015-02-13

【映画原作】杉咲花が集団自殺に志願!?『十二人の死にたい子どもたち』(2019年)

webで集団自殺に応募し、廃病院に集まった12人の子どもたち。しかし、集合場所では誰も知らない「13人目」の少年がベッドに横たわっていました。

既に死んでいるらしい彼の正体は何者なのか、集まったメンバーの中に彼を殺した犯人がいるのか?謎を解決しなければ、集団自殺を決行できません。12人の子どもたちは話し合いを始めます。

13人目の正体や事件の真相だけでなく、子どもたちが本当に自殺してしまうのか、結末が気になって最後まで目が離せません。

また、話し合いが進むにつれ、それぞれの死にたい理由が少しずつ明らかになっていきます。

杉咲は自殺志願者の1人、アンリ役。クールで知的な雰囲気の少女ですが、壮絶な過去を抱え、死をもって社会に伝えたいことがあるようです。

原作の詳細が気になる方はこちらの記事もご覧ください。

小説『十二人の死にたい子どもたち』あらすじ、結末などをネタバレ!映画化!

著者
冲方 丁
出版日
2018-10-06

【映画原作】心の闇が人を罪へと追い詰める『犯罪小説集』(2019年)

実際に起こった事件をモチーフに、5つの短編が収録された作品集です。

登場人物がなぜ罪を犯すに至ったのか、精神的に追い詰められていく過程が描かれています。彼らは根っからの悪人ではなく、だからこそ心の闇に呑まれていく様子が恐ろしく感じられるでしょう。些細なきっかけで日常が崩れていくことを思い知らされ、ゾッとします。

本作の中にある2作品「青田Y字路」と「万屋善次郎」というエピソードを組み合わせて、映画『楽園』が製作されました。

杉咲が演じている湯川紡は、12年前に起こった誘拐事件の被害者の親友。友達が誘拐されてしまったのは、直前まで一緒にいた自分のせいではないかと苦しんでいます。

原作の詳細が気になる方は、こちらの記事もご覧ください。

映画『楽園』の原作『犯罪小説集』を結末までネタバレ!実話がモデルの衝撃作

著者
吉田 修一
出版日
2018-11-22

【映画原作】杉咲花が立ち上げたサークルの行く末は?『青くて痛くて脆い』(2020年)

コミュ障である主人公・田畑楓が大学で出会ったのは、杉咲が演じる秋好寿乃。明るいけれど周りから浮いてしまう痛さも持っている秋好は、楓とは正反対の性格です。しかし理想と情熱を掲げる彼女に感化され、2人は秘密結社「モアイ」を結成します。

最初はボランティア活動などをおこなってたモアイですが、規模は次第に大きくなり、いつのまにか楓が思い描いていた姿とは違うサークルになっていました。

そして物語の序盤で早々に秋好は姿を消してしまい、彼女の身に何があったのか気になります。そして失われた秋好と、変わってしまったモアイに絶望し、暴走していく楓。現在のモアイを壊滅させようと目論む彼の行動から目が離せません。

原作の詳細が気になる方は、こちらの記事もご覧ください。

『青くて痛くて脆い』が100倍面白くなる!映画、原作小説の解説【ネタバレ注意】

『青くて痛くて脆い』が100倍面白くなる!映画、原作小説の解説【ネタバレ注意】

『青くて痛くて脆い』という小説をご存じでしょうか? 映画化もした『君の膵臓をたべたい』が代表作の人気小説家、住野よる自身が現時点での最高傑作だと語っている作品です。 2018年に刊行された後、オリコンの文芸書ランキングで初登場で1位、2019年には「2018年二十歳が一番読んだ小説ランキング」で1位を獲得しました。2020年8月には映画の公開も予定されており、注目を集めている小説です。 今回は、そんな本作のあらすじをご紹介したあと、読むうえでさらに面白くなるポイント、誕生秘話などをご紹介します。

楓を演じた吉沢亮が実写化した作品についてまとめた、こちらの記事もおすすめです。

吉沢亮が出演した映画、テレビドラマの原作作品の魅力を紹介!

吉沢亮が出演した映画、テレビドラマの原作作品の魅力を紹介!

メキメキと頭角を現し、人気俳優に仲間入りした吉沢亮。その実力は多方面で高く評価され、2019年の朝ドラではヒロインの幼なじみ役、2021年大河ドラマでは主演に大抜擢されました。彼の活躍の場は、とどまるところを知りません。この記事では、そんな吉沢亮が演じた役柄と作品についてご紹介します。

著者
住野 よる
出版日
2018-03-02

【劇場アニメ原作】湖の屋敷で不思議な少女と出会う『思い出のマーニー』(2014年)

ロンドンから田舎の町へやってきたアンナは、湖の近くにある屋敷で不思議な少女・マーニーと出会います。

マーニーの不思議な魅力に惹きつけられて、アンナはうち解けていき、彼女のことを好きになっていきます。自らの生い立ちや家庭環境のせいで孤独を抱えていたアンナですが、マーニーとの交流で少しずつ心が解れていく様子に心があたたまるでしょう。

そしてマーニーの正体が明らかになる時、驚かされるとともに彼女の深い愛を感じ、胸を打たれます。

映画では舞台が日本の北海道に変更され、アンナも日本人の少女・杏奈に変更されています。杉咲が声を担当した彩香は、原作ではプリシラに相当するキャラクター。湿地屋敷に新たにやってきた家族の娘で、マーニーをきっかけに杏奈と仲良くなっていきます。

著者
ジョーン・G. ロビンソン
出版日
2014-06-27

【劇場アニメ原作】魔法の花が少女を冒険へと導く『小さな魔法のほうき』(2017年)

映画『メアリと魔女の花』の原作です。主人公のメアリ・スミスは11歳の女の子。大叔母の家で夏休みを過ごしていたある日、黒猫に導かれて紫色に光る不思議な花を見つけます。「夜間飛行」と呼ばれるその花は、触れたものに魔法の力を与えるものでした。

普通の女の子が、ある日突然魔法を使えるようになるという展開にワクワクさせられます。空飛ぶほうき、魔法学校への入学、マザーグースを彷彿とさせる呪文など、魔法の世界をたっぷり堪能できる世界観です。

杉咲は映画で主人公・メアリの声を担当しています。少し幼さを感じさせる純真な演技でキャラクターに命を吹き込みました。

著者
["メアリー スチュアート", "赤星 亮衛", "Mary Stewart", "掛川 恭子"]
出版日

ここからは、テレビドラマの原作を紹介していきます。

【テレビドラマ原作】杉咲花はクラスメートのお嬢様『ちびまる子ちゃん』(2007年)

作者・さくらももこの少女時代をモデルに、小学3年生のまる子の日常を描いたコメディ漫画です。

作者の思い出だけでなく、理想の家族像や漫画的な誇張も混ぜられているので、多くの個性的なキャラクターが登場します。

素朴でほのぼのとした絵柄が可愛らしいですが、毒舌セリフやブラックなユーモア、シュールな笑いのシーンも多いです。そのギャップが本作の魅力でもあります。

杉咲はまる子のクラスメートの1人、城ヶ崎姫子役で登場。裕福な家のお嬢様で、2つに結った巻き髪が特徴的な女の子です。

原作の詳細が気になる方はこちらの記事もご覧ください。

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著者
さくらももこ
出版日

【テレビドラマ原作】「自分らしさ」を追求するラブコメディ『オトメン(乙男)』(2009年)

剣道部主将で「男の中の男」と言われている主人公・正宗飛鳥。しかし、じつは少女漫画や可愛いものが好きで乙女チックな趣味を持っています。

そんな彼の前に現れたのは、転校生の美少女・都塚りょう。可愛い見た目とは裏腹に、豪快で力仕事もこなす男性らしさを感じさせる彼女に、飛鳥は一目惚れしてしまうのです。

本作には飛鳥の他にも多くのオトメンが登場します。彼らとりょうは、ステレオタイプな男性らしさ・女性らしさとは真逆なキャラクターですが、それを「自分らしさ」として認め合い、受け入れられているところが心地よく感じられるでしょう。

当時子役だった杉咲は、ドラマ第3話でりょうの思い出話に登場する女の子・マリ役です。小学生時代のりょうと仲良くなりますが、じつは幽霊だった……という展開に、背筋が寒くなってしまうかも。

原作の詳細が気になる方はこちらの記事もご覧ください。

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著者
菅野 文
出版日

【テレビドラマ原作】高校の部活でホストクラブを運営!?『桜蘭高校ホスト部』(2011年)

裕福な生徒ばかりが通う私立桜蘭高校に、特待生として通っている庶民の女子生徒・藤岡ハルヒ。ある日、迷い込んだ部室で高価な壺を割ってしまい、その弁償のためにホスト部で働くことに……。

中性的な容姿や天然な言動を活かし、ハルヒは男装してホストを務めます。そして、ホスト部のメンバーも個性的な男子ばかりです。 高校生の部活としては非現実的なホスト部という環境で、ハルヒと仲間たちがワイワイ青春を謳歌する様子を楽しめるでしょう。 

杉咲は黒魔術部に所属する伽名月麗子役で出演しています。黒魔術という不穏な空気を感じさせる彼女ですが、ホスト部のメンバー・ハニー先輩に恋する姿は可愛らしいです。

原作の詳細が気になる方は、漫画『桜蘭高校ホスト部』イケメンをランキングで紹介!魅力をネタバレ!の記事もご覧ください。

著者
葉鳥 ビスコ
出版日
2003-08-05

【テレビドラマ原作】さまざまな職業に触れられる『新13歳のハローワーク』(2012年)

国語や社会、体育など、好きな教科を入り口に、さまざまな職業を紹介した書籍。職業の百科事典でもあり、エッセイでもあります。

中学生の読者は、学校の勉強がどんな職業に繋がっていくのかを知ることができるので、将来の進路を考える材料としても有効でしょう。もちろん大人の読者も、自分の知らない職業を知ることができ、読み物としても楽しめる一冊です。

ドラマ版では、仕事に不満を持っている主人公・鉄平が2012年から1990年にタイムスリップし、未来の自分を変えるために子供の自分を教育しながら、さまざまな職業に触れるというストーリーになっています。

杉咲は1990年の中学生・佐伯千里役で第2話に登場。ナット工場の娘で、幼いながらに父の仕事に興味を示しています。

著者
村上龍
出版日
2010-03-25

【テレビドラマ原作】杉咲花が反抗期の少女の感情を爆発させる『夜行観覧車』(2013年)

ひばりヶ丘の高級住宅街で起こった殺人事件。殺されたのは医師の高橋弘幸で、犯人はその妻・淳子でした。近所では評判の良かった家族の事件に、近隣住民は動揺を隠せません。

なぜ妻は夫の殺害に至ったのでしょうか。物語は事件の当事者である高橋家、その向かいに住む遠藤家、そして地域の婦人会に属する小島さとこの3つの視点から語られています。もしかしたら読者の身近でも起こってしまいそうなリアリティがあり、そこはかとない恐ろしさを感じるでしょう。

杉咲は遠藤家の娘・彩花役。受験の失敗によるコンプレックスや母親の無理解に苦しみ、心が荒れています。暴力的に感情を爆発させる演技が秀逸で話題になりました。

著者
湊 かなえ
出版日
2013-01-04

【テレビドラマ原作】日常に潜む闇を追うミステリー「杉村三郎」シリーズ(2013年)

主人公・杉村三郎がさまざまな事件に遭遇するミステリーのシリーズ作品です。

杉村は妻子を大切にしているサラリーマン。性格は温和で、困っている人に親身に接します。しかしその性格ゆえに、事件の深い部分まで踏み込んでしまうのです。

事件の真相を追うミステリー要素も楽しいですが、事件の背景に関わる社会問題や、日常に潜む悪意も描き出されており、考えさせられる部分もあります。

各作品に美空ひばりなどの昭和の名曲が登場するところは、遊び心として楽しめるでしょう。

杉咲が演じている古屋美知香は、連続毒殺事件の被害者の遺族。犯人として母親が警察に疑われ、自分も母を疑ってしまう気持ちに苦しみます。

著者
みゆき, 宮部
出版日

【テレビドラマ原作】杉咲花はミステリアスな転校生『なぞの転校生』(2014年)

主人公・岩田広一の中学校に転校してきたのは、まるでギリシャ彫刻のような美少年・山沢典夫。成績優秀でスポーツもできる典夫ですが、不思議な雰囲気をまとっているのが気になります。

じつは典夫は別の世界からきた人間だったのです。典夫たちの世界は科学技術がはるかに進み、核戦争が起こっていました。自分たちの世界を捨て、理想の世界を求めて次元を移動し、放浪していたのです。

別の世界から来たという典夫の設定にはワクワクしますが、彼の口から語られる科学文明の行く末、核戦争の恐ろしさなどは読んでいて胸が痛みます。科学による便利な生活と、それに付随する環境破壊について、考えさせられる作品です。

杉咲が演じるアスカは、典夫に続いて広一たちの学校に転校してきた少女。典夫のいとこだと言いますが、広一の妹にそっくりなので不思議です。果たしてその正体は……?

著者
["眉村 卓", "れい亜"]
出版日

【テレビドラマ原作】アウトロー刑事が残酷な事件を追う『執着 捜査一課・澤村慶司』(2014年)

「捜査一課・澤村慶司」シリーズの第3作目となる小説。警察官の主人公・澤村慶司が事件に挑んでいきます。苦い過去を背負い、警察の仲間さえ信用せず、命令無視や単独行動にもためらいがない澤村の刑事としてはアウトローなキャラクターが魅力的です。

本作で彼が追うのは、ストーカー被害を訴えていた女性が殺害された事件。そして、続いて彼女の同級生も殺されてしまいます。 被害者を車に閉じ込め、生きたまま焼き殺すという残酷な殺し方や、犯人の異常性にゾッとするでしょう。 

杉咲は澤村の過去に関わっている少女・狭間千恵美役です。声を失っている彼女は手話で会話します。喋らずとも手話を駆使して気持ちを伝える演技に注目です。

著者
堂場 瞬一
出版日

【テレビドラマ原作】爆破テロと記憶喪失の男が意外な形で繋がる『百舌の叫ぶ夜』(2014年)

先に紹介した「百舌」シリーズの1作目となる作品で、ドラマ『MOZUSeason1〜百舌の叫ぶ夜〜』の原作となっています。

能登半島の岬で発見された記憶喪失の男性と、新宿で起きた爆破テロ。一見関係ない2つの事件が絡み合い、やがて巨大な陰謀へと繋がっていく物語です。

物語の中心人物となるのは、新宿のテロ事件で妻を失った倉木尚武、記憶喪失の男・新谷和彦、新谷を追っていた公安の刑事・明星美希、事件の謎を追う叩き上げの刑事・大杉良太の4人。

視点が入れ替わりながら物語が進むので、最初は混乱もあるかもしれません。しかし、それぞれの視点の情報が少しずつ繋がっていくところが面白いです。記憶を失いながら、命を狙われている新谷和彦の正体も気になります。

暴力団との癒着など、警察内部の闇の存在が感じられ、気になる要素が盛りだくさんです。

前述の映画同様、杉咲は大杉の娘・めぐみを演じています。

著者
逢坂 剛
出版日
2014-03-20

【テレビドラマ原作】死んだはずの男が再登場?『幻の翼』(2014年)

「百舌」シリーズの2作目となる本作は、『百舌の叫ぶ夜』から1年3ヶ月後の物語で、ドラマ『MOZUSeason2〜幻の翼〜』の原作となっています。こちらでも杉咲は大杉めぐみ役です。

前作の最後に起こった事件で、殺し屋・公安・暴力団の多くの人間が死亡したにもかかわらず、うやむやのうちに捜査が打ち切られそうになります。納得できない倉木たちは、大杉の知り合いを通じてマスコミに事件の全貌を知らせようとするのですが……。

前作で死んだはずの新谷が再び登場するという謎や、倉木が罠にはめられてピンチに陥るなど、ハラハラが止まらない展開が続きます。殺し屋・百舌の真実には驚かされることでしょう。

著者
逢坂 剛
出版日

【テレビドラマ原作】死期を知らせ、人間の生を見つめる『死神くん』(2014年)

死期が近い人間の前に現れ、その死を見届け魂を霊界に導く死神くん。彼とともに老若男女さまざまな人間が生と死を見つめる、1話完結のヒューマンドラマです。

死神くんは、人間に死の運命を受け入れるよう諭すこともあれば、逆にその運命を覆そうと奮起を促すようなこともあります。たびたび死神の規則を破って怒られることも。死神という仕事をしながらも、人間と生命に対する愛情を持っているように見えるのです。

死神としては問題があるかも知れませんが、人間の人生に向ける優しい眼差しをあたたかく感じるでしょう。

杉咲は第3話に登場し、病弱な令嬢・西園寺瞳を演じています。死ぬ前に一人で出かけたい、海を見たいという彼女は、その願いを叶えられるのでしょうか。

著者
えんどコイチ
出版日

【テレビドラマ原案】歴史ある雑誌を立ち上げた女性の人生を描く『「暮しの手帖」とわたし』(2016年)

朝ドラ『とと姉ちゃん』の原案。雑誌『暮しの手帖』を作り上げた大橋鎭子が、自らその半生を語った一冊です。

ともに雑誌を支えた花森安治との出会いや、雑誌を創刊するまで、そして創刊してからの苦労など、さまざまなエピソードが収録されています。

長く多くの人に愛されている雑誌の歴史と、それを支え続けた人の情熱の重みを感じ取ることができるでしょう。丁寧さを感じさせる語り口から、著者の人柄を窺い知ることもできます。

ドラマでは著者をモデルにした小橋常子が主人公となり、杉咲はその妹・美子役です。

著者
大橋鎭子
出版日

【テレビドラマ原作】未解決事件の謎を追う『モンタージュ 三億円事件奇譚』(2016年)

1968年に起きた三億円強奪事件をモチーフにしたミステリー漫画です。

主人公の鳴海大和は、瀕死の老刑事から自分の父親が三億円事件の犯人だと告げられます。その数日後、父親が遺体で発見されて……。

未解決のまま時効を迎え、今なお多くの謎が残る事件を扱っていることもあり、真相がどのように描かれているのかが気になって読み進めてしまうでしょう。事件に関係があるらしい人物たちが、それぞれの思惑のもとに行動していくので目が離せません。

杉咲が演じているのは高校生の中野夏美。大和たちを手助けしてくれる塾講師・鈴木泰成の生徒です。彼女も大和たちに協力してくれますが、危険な人物に目をつけられてしまいます。

著者
渡辺 潤
出版日

【テレビドラマ原作】過去の事件の意外な真相に迫る『リバース』 (2017年)

主人公はしがないサラリーマンの深瀬和久。恋人ができ、ささやかな幸せを感じていましたが、ある日彼女のもとに「深瀬は人殺しだ」という告発文が届きます。

じつは、深瀬は学生時代の旅行で、友人の広沢に飲酒運転をさせ、それが原因で彼を死なせてしまったのです。そして、旅行に行った他のメンバーたちにも、深瀬と同様の告発文が届いていました。

告発は広沢の死に恨みを持つ人物によるものなのか?なぜ今になって行動を起こしたのか?不安を抱えながら、深瀬は告発文の犯人を探し始めます。

調べを進めていくと、深瀬は親友と思っていた広沢のことを意外と知らないことに気づかされます。ミステリーとしてだけでなく、人間ドラマとしても楽しめるでしょう。

そして、告発文の犯人の意外性に驚かされますが、さらにその後、深瀬が辿り着く真実も衝撃的です。最後までお見逃しなく。

杉咲はドラマの最終話にカメオ出演しており、役柄としては『夜行観覧車』の遠藤彩花として登場しています。

著者
湊 かなえ
出版日
2017-03-15

【テレビドラマ原作】事件を通して心の歪みを描く『刑事ゆがみ』(2017年)

主人公は刑事・弓神適当(ゆがみゆきまさ)。名は体を表すという言葉の通り、テキトーな性格でちゃらんぽらんな一面があります。しかし事件に対する勘や推理力は本物です。些細な手がかりや証言の矛盾から、執念深く真相に迫っていきます。

犯人をどのように追い詰めていくのかも見どころですが、それ以上に読者の心を掴むのは登場人物たちの心理描写です。 どうして事件が起こるに至ったか、関係者の背景や心情を紐解いていくと、社会や人の心の「ゆがみ」を感じ、考えさせられます。 

杉咲は第1話に登場する坂木望役。 痴漢事件が起こった駅の駅員で、弓神とコンビを組む若手刑事・羽生の同級生でもあります。 

原作の詳細が気になる方は、こちらの記事もご覧ください。

漫画『刑事ゆがみ』が最高!『弁護士のくず』作者の新作を名言でネタバレ紹介

著者
井浦 秀夫
出版日

【テレビドラマ原作】杉咲花の庶民生活から始まるラブストーリー『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(2018年)

『花より男子』の続編で、杉咲は主人公・江戸川音を演じています。セレブが集う英徳学園に通っている音ですが、父親の会社が倒産したことで生活は一変。貧乏になったことがバレると、学園を仕切るC5(コレクト5)によって退学させられてしまうため、遠くのコンビニでアルバイトを始めます。

しかし、アルバイト先に現れたのはC5のリーダー・神楽木晴。秘密の趣味の荷物受け取りのため、彼が利用したコンビニが音のバイト先だったのです。こうして知り合った2人は、お互いの秘密を守る約束を交わすのですが……。

利害関係から始まった2人ですが、神楽木が徐々に音に惹かれ、好きになっていく様子には思わず頬が緩みます。しかし、他の女子からもモテる神楽木、もともと婚約者がいる音、2人はそう簡単には結ばれません。すれ違う関係がじれったく、続きが気になります。

原作の詳細が気になる方は、こちらの記事もご覧ください。

『花のち晴れ』の魅力を全巻ネタバレ紹介!ドラマ化漫画が面白い!

著者
神尾 葉子
出版日

【出演作品一覧】杉咲花が映画・テレビドラマで役の幅を広げてきたことが一目瞭然!

【出演作品一覧】杉咲花が映画・テレビドラマで役の幅を広げてきたことが一目瞭然!

こうして振り返ると、杉咲花が幼いころから多彩な役を演じてきたことが改めてわかります。ちょっとした脇役の作品でも、原作ではより掘り下げて描写されているものもあるので、ぜひ読んでみてください。

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