クリスマスディナーのお供に読みたい。ほっこりストーリー

更新:2021.12.6

クリスマスはどんなイメージがあるでしょうか。 デートする日? 家族の日? ごちそうの日? 人それぞれだとは思いますが、私は深い優しさを思い出す日だと思っています。 1年に1度、ふわふわのパンみたいな優しさに包まれたい、そんな時はクリスマスディナーのお供にこちらはいかがでしょうか?

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『お腹を満たす前に心を満たす1冊を』

クリスマスをめいっぱい楽しんで、さあ夕食。テーブルに食べ物が出てくるまでの間、待ち遠しくて仕方ありませんよね。1冊目にご紹介したいのはそんなときに読みたい心を満たしてくれる本です。

こちらを読んだ後にディナーを味わうとさらに美味しく感じるはずです。

短編集で、すぐに読めてしまい、すごく物語が展開する!といった内容ではないにも関わらず、どんどん読み進めたくなっていき、お腹がグーと鳴る頃に心は良い意味で一杯になって読み終わっている小説です。

続きが気になるドキドキするようなお話は、一度読むとなかなか再読しようとはなりにくいものも多いですが、こちらは何度も読みたくなり、ずっと本棚に入れておきたいような1冊です。

気持ちなんだか分かるなーと言いたくなるような物語が、江國香織先生の手によって何倍も魅力的に描かれています。

きっとお気に入りの月とお気に入りの一皿が見つかることでしょう。

著者
["江國 香織", "柳生 まち子"]
出版日

『クリスマスの定番本』

さあ、クリスマスディナーの始まりです。クリスマスチキンを食べながら、なにか物足りないと感じた時の味付けにおすすめの1冊です。。

この物語は毎年クリスマスが近づくと読みたくなります。クリスマスが恋人の日みたいになってしまったのはいつからでしょうか?
私はクリスマスは家族や、深い優しさの日だと思っています。
そんなことを思い出させてくれるお話です。

とても有名なお話です。
なにを今更といった感じかもしれませんが、思い出せば、読んだのは学生の頃などではないでしょうか? 名作というのは、何度読んでも色あせず、その時の自分の歳、環境などに合わせて新しい発見があるものです。

この物語はたくさんの方が訳されています。その中で今回は、村岡花子さん訳の本をチョイスしてみました。村岡花子さんといえば、NHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」でご存知の方もさらに増えたのではないでしょうか。私もそんな1人で、このドラマを見て、初めて詳しく知り、ファンになったので彼女の訳を選びました。

村岡先生の訳は古風だと言われる方もいますが、昔の訳にしては読みやすく、原文への愛を感じる訳だと思いました。なので、この素敵な物語を日本語で読むならこれかなと思っています。

この物語は最初はほっこりとは程遠いようにも感じられますが、最後にほっこりの意味が分かり、涙が出てしまうのです。毎年、この年末に読めば、今年の自分を悔い改め、優しい気持ちでクリスマスを迎える事が出来ます。

なんとなく知っているけれど、まだ小説は読んだことがないという方にはさらにおすすめです。早く読んでいれば良かったとなるかもしれません。
 

著者
ディケンズ
出版日

『デザートには優しい甘さの物語を』

美味しいディナーで満たされた後は、甘いデザートで締めたくなりますよね。
そんな時はこの1冊です。

じんわり心に優しい甘さが染み渡るお話です。

毎日の忙しさの中でクタクタになった時に読むと、さらに北海道の美しい情景とパンの美味しい香りが心に広がっていきます。年末年始を忙しく仕事に追われていた時期が私にもあったので、そんな時でもサクサク読み切れ、それなのになにかしら心に刻まれて、読んで良かったと思える物語だと思います。

優しい人たちに触れるとこちらまで優しくなってしまいますよね。不思議なパワーがあります。毎日に疲れてくるとそんな人に会いたくなります。

たくさんの魅力的な登場人物たちが、主人公の営むカフェ・マーニにやってきます。それぞれに悩みを抱えていたりしているのですが、重い雰囲気で書かれている訳ではないので、どんどん読み進めることが出来ます。そして気付けば、登場人物たちに幸せになってほしいと願ってしまっていることでしょう。

映画から先に出来た物語のようですが、やはり細かい心の動きなどが描かれていて、気になる所で本を一度閉じて、物思いにふけることの出来るこの小説の方が、より大自然の風や、コーヒーとパンのいい香りを感じられる気がしました。

最後に主人公2人のお話になります。
読み終わった後は、少し前と違う考え方が芽生えているかもしれません。

優しい人に出会いたい方におすすめの1冊です。

ちなみにこちらの本には、物語の中で出てくる「月とマーニ」の絵本も収録されていますので、1冊で二度美味しい本となっています。

著者
三島 有紀子
出版日
2011-12-06

1年とは早いものですね。 
クリスマスと年末という心が満たされる月に、さらにほっこりココアでも飲みたくなるような物語を今回はセレクトしてみました。

年末年始だからといって、のんびりの方々だけではないと思います。私もこの時期は休みもなく、とても忙しくしていた頃があります。そんなハードな方でもサクッと読み切れて、読んで損をしない作品たちだと思います。

私もこの優しさに触れ、今年の心の疲れを洗い流して、温かい気持ちで新年を迎えたいと思います! 
ごちそうさまでした。

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