青年向け、少年向け、少女向けと幅広いジャンルで活躍しているPEACH-PIT。可愛らしい絵から紡ぎだされる現実の過酷さにあなたもきっと魅入られるはずです。彼女らの独特な世界観に溺れてみたくはありませんか?今回はPEACH-PITのおすすめ作品を4つご紹介いたします。
PEACH-PITは千道万里とえばら渋子のふたりで構成される女性漫画家ユニットです。彼女らは小学生ころから友人で、まさに竹馬の友といっても過言ではないでしょう。
千道が全作品のシナリオ・プロットを、えばらが全作品のネームを担当しており、メインキャラの作画はふたりで分担して書いています。
可愛らしい絵柄とは裏腹なダークな内容のマンガが多く、そのギャップも彼女らの人気の秘訣と言えるのではないでしょうか。
月刊コミックバーズにて連載されていた作品で、続編に『ローゼンメイデン』、『ローゼンメイデン0-ゼロ-』があります。
「まきますか まきませんか」そう記された怪しげなダイレクトメッセージを受け取った中学二年生の桜田ジュンは、内容については深く考えず「まく」ことを選びました。すると翌日、大きな革製の鞄が送られてきたのです。その中にはとてもきれいなアンティークドールが入っていました。興味本位でドールについていたねじを回すと、なんとそのドールは動き始めたのです。
- 著者
- PEACH-PIT
- 出版日
突然動き出したドールは優雅なしぐさで一礼し、自らのことを「ローゼンメイデン 第五ドール 真紅」と名乗りました。真紅は尊大な態度でジュンに自分と契約を交わすように言いますが、上から目線で「下僕になれ」と言われたのでは反発してしまうのが人間の性というものでしょう。ジュンは真紅のそんな言動に腹を立てますが、そんな彼をあざ笑うかのようにトラブルは起こり続けます。
ジュンは窓から侵入してきた「ローゼンメイデン 第一ドール 水銀燈」と名乗るアンティークドールにどういうわけか命を狙われてしまうのです。対処のしようがないジュンはなし崩し的に真紅と契約を結ぶこととなりました。
軽い気持ちで答えたダイレクトメールの選択によって「薔薇乙女」と呼ばれるアンティークドールたちの争い「アリスゲーム」に巻き込まれてしまうジュンはこれからどのような人生を歩んでいくのでしょうか。
「ローゼンメイデン」シリーズのキャラクターを紹介した<漫画『ローゼンメイデン』が懐かしい!キャラからその魅力をネタバレ考察!>の記事もおすすめです。
月刊Gファンタジーにて連載されていた作品です。
眼鏡をはずすと死期の近い人間の首に黒い輪が見えるという能力を持った紀多みちるは偶然廊下で、陸橋陥没事件の際無傷で生還したという赤月知佳と橘思徒にぶつかってしまいます。その後友人たちとお昼を食べていると、ぶつかったときに落としたパンを拾い、ふたりが届けてくれたのです。
友人たちの悪ふざけで眼鏡をはずされてしまっていたみちるは知佳と思徒の首にくっきりと黒い輪をみつけました。みちるはせっかく無事生還したのに死んでしまうなんて可哀そうだと同情心を覚えます。彼らは本当に命を落としてしまうのでしょうか。
- 著者
- PEACH-PIT
- 出版日
「死神の目」と呼ばれる能力をもつ紀多みちるは、知佳と思徒のふたりにZローンという場所に連れてこられます。そこでふたりの借金返済に協力させられることとなりました。
借金返済のための仕事内容は「ゾンビとなって現世にとどまっている人間をみちるの目で探し、葬送する」というものです。死神が人を殺すための目印とされている首の黒い輪をつけたまま生き続けていられる人間などいるはずがなく、その死んでいるはずの人間を殺していかなければならないのです。
みちるは最初「人殺しの手伝いなんてできない」と反発しますが、二人の真意に少し触れ、協力することに決めました。
知佳と思徒は無事に借金を返済し終え、目的を果たすことができるのでしょうか。
なかよしにて連載されていた作品で、もともとは『クギ子さん』というシリーズで不定期掲載されていたものが連載となったものです。続編に『クギ子ちゃんがいる!』があります。
つい嘘をついてしまう悪い癖をもった小学生の女の子トモちゃんは、噂なんて信じないと大見得を切ってしまい、話題のクギ子さんを呼び出す羽目になってしまいました。すると本当にクギ子さんは召喚されてしまい、トモちゃんと強引にトモダチになったのです。
- 著者
- PEACH-PIT
- 出版日
- 2012-12-19
クギ子さんは日本各地で目撃されていて、あいまいな部分も多くあるけれど「右目に眼帯をしており、クギのぎっしり詰まったランドセルを背負っていて、金づちを片手に持っている」という情報は一致していました。
クギ子さんに出会った時の対処法はいろいろなものがいわれてはいましたが、実際はどれも意味がなかったようで、「鍵を投げる」という方法は、クギ子ちゃんに鍵の落とし物だと思われていました。
クギ子ちゃんは親切心で鍵を家に届けてあげましたが、クギ子ちゃんのことを気味悪がり引っ越してしまいます。友達になれなかったと切なそうに語る姿は普通の小学生のようで、さみしいだけなのだと同情心のわき始めたトモちゃんでしたが、結局クギ子ちゃんは鍵を届けていった家に自分が来たとわかるようにクギを大量に打ち付けてきたというのです。
やはりふつうの子供とは少しずれた感性を持っているクギ子ちゃんはたくさんの友達を作り、孤独を埋めることができるのでしょうか?
なかよしにて連載されていた作品で、『しゅごキャラ!アンコール!』というスピンオフ作品もあります。
クール&スパイシーと評判の小学生日奈森亜夢は実際にはかわいいものが好きな普通の小学生です。本当の自分になりたい、そう願いながらベッドで眠りにつくと翌朝、亜夢の傍らには3つのたまごがうまれていました。
- 著者
- PEACH-PIT
- 出版日
- 2006-07-06
そのたまごはこころのたまごと呼ばれているもので、たまごがかえると中からしゅごキャラという小人がうまれます。しゅごキャラはなりたい自分の具現化なのですが自分はだめだと自らの心に×をつけてしまう人もいます。
亜夢が通っている聖夜学園には生徒会のような組織「ガーディアン」が存在しています。それぞれKチェア、Qチェア、Jチェア、Aチェアと役職が割り振られており、例外的にジョーカーという「×たま」の浄化任務をこなす特別役職があります。
亜夢はガーディアンのジョーカーとして自分に自信を無くし、なにもできないとふさぎ込んでしまった心の具現化である「×たま」の浄化任務を受け負うことになりました。
その中でなんでも願いをかなえてくれるという真っ白なたまご「エンブリオ」を狙う組織「イースター社」との戦いに巻き込まれていってしまうのです。
私はPEACH-PITのマンガを読むと「実はこれ、本当に現実で起こっているんじゃないの?」といつも思ってしまいます。絶対にありえない非現実の中にも一瞬信じてしまいそうになるリアリティが含まれていて、夢ばかりを見ていない、でも辛い現実ばかりじゃない絶妙なバランスが保たれています。確かに起こっていることはありえないことだけど、そこで動いているキャラクターたちは本当に人間なんだと思わされ、どんどん物語に引き込まれていきます。
さて、今回はPEACH-PITのおすすめ作品を4つ紹介してきました。なにか一つでもあなたの心に引っかかるものがあればとおもいます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
『しゅごキャラ!』については<漫画『しゅごキャラ!』のガーディアンのしゅごキャラたちを考察!>dで紹介しています。。気になる方はぜひご覧ください。