万城目学の文庫化された作品おすすめランキングベスト6!

更新:2020.12.10

「万城目ワールド」とよばれる独特な世界観をもつ万城目学。ファンタジー作家ではありますが、ファンタジーだけではないんです。ここではファンタジーだけじゃない万城目学作品をランキング形式でご紹介します。

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「万城目ワールド」を展開する万城目学とは?

万城目学は1976年生まれ、大阪府出身の小説家です。2006年に『鴨川ホルモー』で第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビューしました。『鹿男あをによし』『プリンセス・トヨトミ』他、直木賞候補作品を多数生み出しています。

実在の事物や日常の中に、非日常で独特な世界観を持たせる通称「万城目ワールド」を展開するファンタジー作家です。

6位:万城目学が中国古典を大胆アレンジ!『悟浄出立』

本作は、西遊記をベースにした作品です。猿の孫悟空、豚の猪八戒、河童の沙悟浄が三蔵法師を守りながら旅をするという物語で、乱暴者だけれども強くて機転が利き頼りになる孫悟空と、食いしん坊でお調子者の猪八戒の2人が主に原作の物語を盛り上げていますが、本作は西遊記では特に目立つところのない沙悟浄を主役に描かれています。

ある日、三蔵法師の一行は孫悟空の留守中に敵の妖怪に捕らえられてしまいます。縛られて閉じ込められている間、沙悟浄は昔から気になっていた猪八戒の過去の事を聞いてみることにしました。

沙悟浄が以前に天界の人々から聞いた話によると、猪八戒は豚の妖怪に転生する前は、神々の世界で「天蓬元帥」と呼ばれ天の川の水軍を従える無類の戦上手の武将だったのですが、酒席で酔った勢いで天女に言い寄ったため罰として下界に落とされたのだというのです。今の猪八戒を見る限り到底信じられないという沙悟浄に、猪八戒は自分の過去を話し始めるのでした。

著者
万城目 学
出版日
2016-12-23

表題作の「悟浄出立」の他、中国の史記や三国志などの古代中国の物語に着想を得た短編が続きますが、どの話も共通して原作では脇役もしくはほとんど描かれていない人物を主人公にしています。

原作の脇役にスポットを当てて別角度から原作を解釈する作品は珍しくありませんが、歴史をモチーフにした作品に定評のある作者は、それぞれ原作の意外な所に着目し、原作を存分に生かしつつ巧みなアレンジを織り交ぜ、独特な面白さと新たな感動を作り出しています。

巻末に「著者解題」として万城目学が原作を簡潔に紹介していますので、この部分を先に読んでから本作を読むのも楽しいかも知れません。知的好奇心を高めてくれる一冊です。

5位:琵琶湖にまつわるファンタジー『偉大なる、しゅららぼん』

関西地方を中心に描かれる万城目学作品ですが、この作品では滋賀県の架空の街、石走を舞台に描かれます。

石走では琵琶湖のご神水によって特殊な「力」をもった日出家と棗家が敵対していました。

主人公の日出涼介は日出家の分家の息子でしたが、高校進学と同時に本家で暮らすようになります。

涼介の通う高校には、日出家本家跡取りの淡十郎や、宿敵棗家の棗広海も通っています。ひょんなことから淡十郎は広海を石走から追い出そうと決意をするのですが、そんな折、日出家・棗家の両家を脅かす存在が現れたのでした。

敵対していた両家は団結して新たな外敵と戦うことになります。
 

著者
万城目 学
出版日
2013-12-13

本作は、何小説とカテゴライズしにくいいろいろな要素を持っています。ひとつは万城目学作品に共通するSF・ファンタジーですが、他にも琵琶湖をテーマとした地元の伝承や地域性などの歴史的背景や、高校生活における青春小説な部分なども持っています。

いろいろな側面からアプローチしてくる本作は、読み応えがある作品です。ぜひ読んでみてください。
 

4位:心温まるファンタジー『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』

新書では初の直木賞候補となったこの作品。小学1年生のかのこちゃんと猫のマドレーヌ夫人のファンタジックなお話となります。

万城目学作品でよく扱われる、SFチックなバトルものではなく、心温まるファンタジーというのが本作の特徴です。
 

著者
万城目 学
出版日
2013-01-25


かのこちゃんは小学1年生ながら「やおら」、「すこぶる」など難しい言葉が大好きです。そして刎頚の友(ふんけーの友)と出会い、一歩ずつ大人への階段を登っていきます。

外国語が話せる猫のマドレーヌ夫人は犬の玄三郎と夫婦になります。そしてマドレーヌ夫人に起こる不思議な出来事。この2匹の種別を超えた愛がいとおしいのです。

出会いと別れを通して成長していくかのこちゃんの姿がかわいらしいこの作品、是非読んでみてください。

3位:ニート忍者見参!『とっぴんぱらりの風太郎』

世は豊臣から徳川へ天下が移ろうとする頃。ひょんなことで伊賀を追い出され、仕事をなくした風太郎(ぷうたろう)はニート忍者となってしまいます。

そんな風太郎のもとへ仲間の黒弓が不思議なひょうたんを持って現れます。のらりくらいとひょうたんを育てて過ごす日々を送る風太郎でしたが、謎のひょうたんに誘われ大坂の陣へと赴くことになります。組織に属さない風太郎は人生について葛藤しながらも、天守閣での死闘を繰り広げるのです。
 

著者
万城目 学
出版日
2016-09-02


本作は万城目学初の歴史小説となり、他作品の『プリンセス・トヨトミ』にリンクしている部分があります。

また万城目ならではのファンタジックな作品となりますが、史実は全く変えずに描かれています。そのため歴史小説を読みながら、ファンタジーを楽しめる作品です。是非一度お読みください。

2位:万城目ワールドの原点『鴨川ホルモー』

万城目学のデビュー作となるのがこの作品。歴代最高年度と名高い2007年の本屋大賞第6位にランクインしています。

京都大学新入生の安倍はサークルの新歓コンパで居合わせた女子に一目惚れし、そのサークル「京都大学青竜会」に入ることにします。

京都大学青竜会では謎の競技「ホルモー」が行われています。「ホルモー」とは「オニ」(体長20センチほどの式神)を使って10人一組で戦う競技です。ひとり100匹の「オニ」率い、相手チームを全滅させるか降参させるかすると勝ちになります。

最初は「オニ」が目に見えないため半信半疑な安倍ですが「オニ語」の練習など特訓をして「オニ」が見えるようになり……。
 

著者
万城目 学
出版日
2009-02-25


『鴨川ホルモー』は万城目ワールドの原点です。言ってしまえばアホ丸出しの大学生の話なわけですが、そこが絶妙におもしろいわけです。思わず笑ってしまうような作品となってますので、電車の中などで読むのはおすすめできません。

1位:万城目学の最高傑作!『鹿男あをによし』

主人公の「おれ」は2学期限定で女子高の教師となります。それまでは教員免許はもっていたものの大学院で研究をする生活だったため、女子高生との接し方はわかりません。

生徒の堀田は初日から遅刻してきた挙句、わけのわからないことを言い出す始末。これを機に「おれ」と堀田の仲は険悪になります。

10月のある日、奈良公園の大仏殿裏を歩いている「おれ」の前に現れた鹿が、人間の言葉で「おれ」に話しかけてきました。そして鹿は「おれ」にあるミッションを与えるのです。鹿はそのミッションを果たさないと「おれ」ひとりの力では覆せない結果になると脅します。

そして次の日鏡をみた「おれ」の顔には鹿の耳が生えていて……。
 

著者
万城目 学
出版日


この話は鹿になりかけた「おれ」がミッションを果たすために奔走する話です。舞台は奈良で、卑弥呼の時代が絡んでくる歴史的側面も持っています。

ミッションを果たす際に序盤に険悪な関係になっていた生徒の堀田も活躍するのですが、最初の険悪さはどこへやら、かなりいい関係になるのです。是非その2人の様子を見てください。

 

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