BL初心者におすすめ5作品!切ない醍醐味を楽しめる漫画ランキング

更新:2021.11.25

「男同士の恋愛なんて分からないし、エッチなシーンも多めだし……」そんな理由で興味があってもBLを手に取れない方は多いのではないでしょうか。そんな方にこそおすすめする、エッチなシーンが少なめでもBLらしい切なさを楽しめる作品をご紹介します。

ブックカルテ リンク

5位:王道の学園BLが切ない『ひとりじめボーイフレンド』

構成要素:高校生、幼馴染、王道

高校に入学した健介は、昔絶交した大親友の支倉と再会します。気まずく思いながらも何とか関係を修復したいと思う健介は、支倉に「もう1回絶交と俺に抱かれるの、どっちがいい?」という2択を迫られてしまいました。支倉に流されるままの健介でしたが、それでも支倉と話せなくなるのが嫌な自分の気持ちに気付いていきます。

著者
ありい めめこ
出版日
2010-11-15

学園もの、高校生、幼馴染の恋愛と王道の設定ですが、ヘタレ不良の同級生や教師としてやってきた健介の兄、そして支倉と顔がそっくりの姉という個性豊かなキャラクター達が勢揃いしていて、ストーリーに変化が生まれています。また、ヘタレ不良の同級生が主人公のスピンオフも連載化し、ドラマCDも発行された人気の漫画です。

王道の恋愛ものが好きな方、学園物ものが好きな方におすすめします。この作品が気に入った方はぜひ、スピンオフストーリー『ひとりじめマイヒーロー』も読んでみてください。こちらも気に入ること間違いなしです。

4位:人間同士が理解し合うことの難しさが切ない『ひだまりが聴こえる』

構成要素:二人の間の障害、大学生、ノーマライゼーション

金欠になった大学生の太一は、弁当を作ってもらうことと引き換えに難聴の大学生航平の授業ノートを取ることになります。その中で太一が航平の抱える事情を知っていく一方で、航平は自分が難聴であることを忘れてしまうほど自然に接してくれる太一に少しずつ惹かれていくのでした。

著者
文乃 ゆき
出版日
2014-10-27

ジャンルはBLですが、その内容のほとんどはBLというよりも青春友情ストーリーに近く、エッチなシーンもありません。また、難聴の人が抱える問題、他の人と接する上での困難や社会との様々な壁も省かずに描かれています。そのため、BLとしてだけでなく青春漫画や難聴の人のことを知れるノーマライゼーションの考え方を持つ漫画としても楽しんでもらえるでしょう。

人と関わる上での障害、BL、青春。どれか1つでも興味があれば、ぜひ手に取ってもらいたいです。ストーリーの中心は難聴を患う主人公とその周りの人との関係性ですが、理解し合うことの難しさは誰にでも共通する悩みです。共感できる人は多いのではないでしょうか。続編も出版され、映画化もされた人気作品で、楽しんでいただけること間違いなしです。
 

3位:人外との恋愛が切ない『マウリと竜』

構成要素:神様、ファンタジー、ほのぼの

各地を巡り、居付いた土地で恵みをもたらす巡り神たち。彼らは思いが通じ合った相手と同じ姿になってしまいます。村を訪れた竜と生贄として差し出された男の生活を描いた表題作、昔から思いを寄せる相手に素直になれない2人を描いた『雨降らしの神様』、春を知らせる鳥と鳥を守る狩人を描いた『常春の狩人(前編)(後編)』、平原を駆ける遊牧民と少年との出会いを描いた『めぐりゆくもの』、そして『マウリと竜』の外伝を含めた4カップルの計5話を収録した短編集です。

著者
元 ハルヒラ
出版日
2013-05-10

登場する神様は火を噴いたり気を生やしたりする能力を持っています。しかしその反面、嫉妬深かったり、ヤキモチを焼いて意地悪したり、とても人間臭いです。そのギャップがいい味を出していますね。あまり人間と人外がイチャついているのを見るのが慣れない方でも大丈夫です。神様は思いが通じ合った相手と同じ姿になるため、ストーリーの中ではほとんど人間の姿をしています。

人外との恋愛やラブファンタジーがお好きな方にはぜひ読んでいただきたい作品です。エッチなシーンもなく、人気の作品でドラマCDや続編も出版されています。

2位:高校生たちの抱える孤独やすれ違いが切ない『それから、君を考える』

構成要素:高校生、孤独、幼馴染、離婚

東京の大学を目指す幼馴染に思いを打ち明けられない……。表題作をはじめ、同級生との倒錯した関係を描いた「最後の命令」、コンプレックスを抱え人間関係に悩む高校生の葛藤を描いた「Young oh! oh!」、バラバラな家族の中で傷付いた幼馴染との関係を描いた「夜明け前が一番暗い」。4つの物語を集めた短編集。

著者
小松
出版日
2015-07-27

周りとの人間関係や自分のやりたいことの中で、まだうまく生きられない高校生たちの孤独やすれ違いが描かれている作品です。社会の中で生きるには、何かを我慢しなければいけなくなります。しかし我慢しなければいけないことを我慢し、その中で自分のやりたいことをできるような大人には短い時間ではなれません。まだ大人になり切れない高校生たちが抱える葛藤は、誰にでも覚えがあるのではないでしょうか。

ストーリーももちろん素敵ですが、主人公たちの詩的なモノローグに心を打たれます。4組はそれぞれ関係性の違うカップルですが、それぞれが持つすれ違いや葛藤がモノローグに表れ、味を出しているのでしょう。「夜明け前が一番暗い」以外は完全なプラトニックになっているので、初心者の方におすすめです。

1位:切なさと葛藤を描く青春恋愛!高校生の純粋さが切ない『ギヴン』

構成要素:高校生、バンド、オルタナティブ

インディーズバンドでギターを演奏している上ノ山は、ギターを抱えた真冬と出会い、その歌声に引かれてバンドに誘いますが、断られてしまいます。しかし、その裏には真冬が過去に抱えていた事情が関係していました。

著者
キヅ ナツキ
出版日
2014-11-29

その一方で、真冬が過去に男と付き合っていたこと、その男が自殺しているという噂を耳にします。それを聞いてモヤモヤした気持ちになった上ノ山は、やがて自分が真冬の声だけでなく真冬自身に惹かれていることに気付くのです。音楽を始めることに複雑な気持ちを抱える真冬と、真冬の声やそこに込められた気持ちに惹かれずにいられない上ノ山。彼らの複雑な気持ちがうまく絵で表現されています。

高校生の恋愛ならではの繊細さや、男同士の恋愛ならではの葛藤も上手に描かれているため、BLの面白さが伝わりやすい作品の1つでしょう。更に、プラトニックラブとして描かれていてエッチなシーンがほとんどないため、初めての方でも抵抗なく読みやすくなっています。

音楽が好きな人はもちろんですが、青春ラブストーリーが好きな方にもおすすめしたい作品です。ストーリーが面白いのは言わずもがなですが、漫画の中で彼らが見せる様々な表情もこの作品をおすすめするポイントの1つですね。

いかがでしたでしょうか。短編から連載まで、様々な内容のものを集めてみましたので、少しでも興味を持ってどれか1つでも手に取ってくだされば幸いです。そうして気に入るものがあれば、別のBLにもチャレンジしてみてくださいね。


『ギヴン』については<『ギヴン』青春バンドBLが尊い。4巻までの見どころをネタバレ【アニメ化】>の記事で紹介しています。気になる方はあわせてご覧ください。

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