タイプ別ゾンビ漫画おすすめ5作品!ギャグから大ヒットした名作まで

更新:2021.11.23

いつの時代もホラー作品は人気が出ます。その代表の1つが、ゾンビホラーです。映画だけでなく、漫画でも楽しませてくれるゾンビですが、今回はただのホラーではない、一風変わったゾンビ漫画をタイプ別にご紹介します。

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学校の屋上で女子高生たちが立ち往生!ギャグ系ゾンビ漫画!

『アリス イン デッドリースクール』は原作を麻草郁、漫画を小島アジコが担当する4コマ漫画です。もともと舞台で上演されている作品を、漫画化したものになります。

平凡な日常、女子高生たちはいつもと変わらず、他愛ない会話を交わしていました。何人かで屋上で過ごしているとき、ふと地上を見てみると、なんと人が人を食す惨劇が広がっていたのです。その後、ゾンビから逃げて屋上にまた一人二人と増えていく女子高生。どうやらゾンビたちは階段を上れないよう。こうして集まった17人の女子高生たちはこの状況から脱出できるのでしょうか……
 

著者
小島アジコ
出版日
2015-06-26

主役は女子高生17人という大所帯。みんな特別な能力があるわけでもない普通の女の子です。普通はパニックになったり内部で揉めたりとしてしまいそうですが、この漫画は「とりあえず笑ってごまかしておこう」という、緩い考えを持つ登場人物が多くいます。漫才をしてみたり、わざと死亡フラグの台詞を口走ってみたり、地上で起こっていることが嘘かのような平和ボケっぷりがたくさん見られる作品です。

絵柄についても、時々キャラクターがデフォルメで描かれるほどの、ゆるかわ系女子たちです。とはいえゾンビ漫画ですので、噛まれて脱落していく女の子や、そんな友達を見捨てられない女の子が登場します。

最初の雰囲気から徐々にシリアスになっていく過程と、4コマというテンポの早さで彩られた本作を、ぜひお楽しみください。
 

江戸時代でゾンビ武士現れる!?歴史系ゾンビ漫画!

『姫路城リビングデッド』は、作者漆原玖による、web漫画雑誌の「くらげバンチ」で掲載された全2巻、歴史×ゾンビという異色の作品です。

時は17世紀初頭。七尾虎次は城そのものをこよなく愛するちょっと変わり者の農民。ある日、姫路城に侵入し勝手に人を案内していたことにより、スマキをされた状態で城の外に放り出されました。そのとき、地面から現れた謎の死体に襲われます。間一髪助けてくれたのは、謎の武士梟司でした。自分の身体の2倍の高さはありそうなゾンビが人々を襲う中、城の周りを見てみると、武田信玄など既に死んだはずの武将および兵たちに囲まれていて…

著者
漆原 玖
出版日
2014-06-09

登場人物は、七尾虎次のようにオリジナルの人物もいますが、宮本武蔵や本多忠刻といった実際の歴史上の人物もいます。歴史ファンの人にも、いつもとは違ったアングルから楽しめるでしょう。

人間模様や心理描写など、相当歴史を学んでいないとここまでリアリティあるSFフィクションは描けません。細かい設定も丁寧に作られた作品です。
 

憧れの美少女ゾンビと共同生活?ラブストーリー系ゾンビ漫画!

『さんかれあ』は作者はっとりみつるによる、2010年から2014年にかけて「別冊少年マガジン」で連載された、全11巻の作品です。2013年にはアニメ化もされました。

降谷千紘は、ホラーが大好きで、生きている女の子よりゾンビ娘が好き!という変わった趣向を持った高校生。彼は、死んでしまった愛猫ばーぶを生き返らせるため、死人を生き返らせる薬の実験を、夜な夜な繰り返していました。やがて彼はひょんなことで出会ったお嬢様散華礼弥と共に「秘薬」を完成させます。そんな中、父親の歪んだ愛情に嫌気がさした礼弥は、秘薬を服用。その後、崖から転落しますが、彼女はゾンビとして生き返り……
 

著者
はっとり みつる
出版日
2010-07-16

最初のうちは、人間に優しいゾンビであった礼弥が次第に「愛する者を食べたい」衝動に駆られていく姿には、切なさを感じます。ゾンビと人間には越えられない溝があるのです。はたして降谷は、そんな礼弥のゾンビ化を止められるのか、自身を襲ってきたらどうするのか。ゾンビからは目をそらしても、どうか最後の話までは目をそらさずに、ご覧ください。

死体と暮らす女子学生の夏。感動系ゾンビ漫画!

『花と嘘とマコト』は作者あさのによる、web漫画雑誌の「champion!」で掲載された、全1巻の作品です。

舞台は、「中枢神経代行症候群」という、死んだ人間がまた動き出す謎の病が流行している世界。夏休み前に死んだマコトは、「中枢神経代行症候群」で生き返ります。マコトをかくまうのは、クラスメイトの花。2人は一緒に暮らしていました。噛みつき防止のマスクをつけさせられ、記憶を失っていたマコトは徐々に声を出すようになり、花のことを思い出していきます。しかし本来死体であるマコトの身体は徐々に腐敗していき……
 

著者
あさの
出版日
2015-02-06

生き返ったマコトの振る舞いは、ゾンビ漫画で常道の狂暴さはありません。うまく食べれずにこぼしてしまったり、お風呂ではじっとできずにバタバタしてしまったり、まるで幼い子どものような振る舞い。そんなマコトに世話を焼く花の言動には、微笑ましささえ感じられます。

表紙だけ見ると、女の子同士の恋をテーマにする百合漫画を連想する方もいるかもしれません。この2人はそういうわけではなく、友情で結ばれています。ただマコトに対する花の必死な思いは、読者の胸を締め付けることでしょう。

柔らかい、優しさが伝わる絵柄で、刻々と削られる残り時間の残酷さが際立ちます。後半にはショッキングなシーンや台詞も。よくあるゾンビホラーとは一味違う、感動を呼ぶゾンビ漫画です。
 

王道パニックホラー!名作のホラーゾンビ漫画!

『アイアムアヒーロー』は作者花沢健吾による、2009年から「ビックコミックスピリッツ」で連載中です。既刊21巻(2017年1月時点)です。2016年には、映画化もされました。

売れない漫画家鈴木英雄35歳は、子供の時から幻覚が見え、突然現れる幻の人間たちのせいで毎晩恐怖に震えていました。そんな彼を支える彼女の徹子は、何かと売れっ子漫画家になった元カレと自分を比較してくる始末。そんな中、世界では噛みつき事件が増え、街中には警察も増えていました。しばらくすると、ZQNという感染者になった者たちが人間を襲いはじめ、徹子もその犠牲者となります。英雄は逃げた先の富士の樹海で、早狩比呂美と出会い、この世界を生き延びようと協力し合うことになり……
 

著者
花沢 健吾
出版日
2009-08-28

他の作品とは異なり、主人公がさえないおじさんです。この時点で、「えっ、生き残れるの?」と思う方もいるでしょう。英雄とライフルのミスマッチ感は拭えませんが、第1巻表紙のようにライフルを持った英雄は、かっこよくゾンビを倒していくのでしょうか? 自分のことで精いっぱいだった英雄は、世界がおかしくなって初めて、自分を含めた世界全体を見るようになり、アウトレットで仲間たちと合流したり、身近にあるものを武器したり、生き残るためにはどうするべきかと考えます。

台詞の不可解さなどにゾッとするかもしれませんが、ぜひ本作でゾンビの世界を覗いてみてくださいね。
 

以上、タイプ別ゾンビ漫画おすすめ5作品でした。今回ご紹介した漫画は、ただ怖いだけではない、読んだ後に考えさせられる作品ばかり。死人が動く世界をお楽しみください。


『アイアムアヒーロー』については<漫画『アイアムアヒーロー』が無料で読める!多くの謎をネタバレ考察!>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。

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