日本一の販売数を誇る少女漫画『花より男子』は、テレビドラマに映画、ミュージカルで演じられる程、大人気!この作品で、神尾ファンになった方も多いのではないでしょうか?今回は『花より男子』以外にも神尾ワールドが存分に楽しめる漫画をご紹介します。
1966年6月生まれの神尾葉子は、東京都出身の漫画家です。デビューしたのは1986年で、最大のヒット作は、皆さんご存知の『花より男子』。少女部門での第41回小学館漫画賞を受賞したのもこの作品です。売り上げは、6100万部ともいわれ、日本の少女漫画の売り上げでは、2017年1月現在で1位! 世界中でも販売されていて、多くの人々に受け入れられました。
10代のキュンキュンする恋愛を多く描く彼女。ときにコミカルに、ときにシリアスに、ときにアクションも交えながら読者をどんどん神尾ワールドに引き込んでいきます。逆境に負けない芯の強い主人公を多く描くのも特徴の一つといえるでしょう。
女性にも男性にも人気のある彼女の漫画家は、少女漫画だけではなく、少年漫画にも連載をしていました。子どもの頃は、少年漫画を読んだり模写をしていたそうです。『あしたのジョー』が好きだったのは意外ではないでしょうか? プロレスも大好きだったそうですよ。そんな彼女の根底にある少年のような部分が、女性男性問わず、幅広い年齢層のファンが支持する作品を生み出すのかもしれません。
高級車で登校するというセレブが通う英徳学園。生徒たちの会話もセレブそのもの。しかし、F4が去ってから2年たった英徳学園は、少し様子が違います。この物語は、そんなF4が去った2年後の英徳学園から始まります。
F4といえば、『花より男子』で登場した、大金持ちの家で生まれ育ち、頭もよく、栄徳学園の誰もが従うというイケメン4人組ですよね。そのF4に値する存在がこの物語では、コレクト5(C5)と呼ばれるイケメン4人と気の強い女の子1人の5人組。その5人組は、学園に寄付できない生徒に「栄徳学園には庶民はいらない」と、退学を薦める庶民狩りをしていきます。
『花より男子』での主人公で、庶民の家庭で育っている女子高生の牧野 つくしの役割は、江戸川音という女の子。つくしのような正々堂々とした強さを持った女の子とは違い、弱いところも持ち合わせています。さて、音とC5との関係はどのようになっていくのでしょうか。
- 著者
- 神尾 葉子
- 出版日
- 2015-07-03
本作は『花より男子』のスピンオフともいわれている作品です。『花より男子』ではF4にキュンキュンした方も多かったと思います。皆さんの周りに、顔も頭も良し、強くてお金持ちのF4やC5のような男性はいますか? 普通に暮らしていたら、そんな男性に出会う確率の方が低そうですが……。もし、そんな彼に性格の悪いところがあっても、自分にしか見せない顔があったり、自分だけに優しくしてくれたりするとキュンキュンしますよね。現役女子高生のみなさんは、思う存分楽しめて、明日から学校に行くのが楽しみになりそうです。
『花より男子』のファンの方はもちろんのこと、『花より男子』を知らない方にもおすすめです! 学生だけでなく、もう一度、あの頃のようなピュアな恋愛を味わいたいという全ての大人にも読んでいただきたい漫画。好きな人がいる人も、恋愛から遠ざかってしまっている人も、『花のち晴れ』を読み終わったあとにはもっと恋愛をしたくなることでしょう。
全て備わっている男性たちに守られたい! 大切にされてみたい! そんな願いを抱いている女性たちの夢を、この漫画は叶えてくれるかもしれません。
『花のち晴れ』については<『花のち晴れ』の魅力を全巻ネタバレ紹介!ドラマ化漫画が面白い!>で紹介しています。気になる方はあわせてご覧ください。
羽生まつりという女子高生が主人公。まつりという変わった名前は、「おまつりみたいな人生をと5年前に出て行った母がつけたらしい」ということです。
彼女の父親がまごころプロレスを経営しているのですが、まつりは素性を隠し、ハニープリンセスという名前で、仮面をつけプロレスラーとしてリングに上がっています。
同じクラスの諸角渉に恋をしているまつり。隣の席には、重松荒太という、極悪高校の生徒を半殺しにしたなどと噂をされた転校生が座っていて……。渉も荒太もイケメンなのですが、神尾ワールドならでの主人公の女の子とイケメンたちの恋愛という展開になるのでしょうか?
- 著者
- 神尾 葉子
- 出版日
現役女子高生プロレスラーが主人公という珍しい設定の漫画。プロレスラーになるかは別として、女性の皆さんは、身を守るにしても自分が強かったらと思ったことはありませんか?強い女性はちょっとという男性の方も、さっぱりしていて可愛いところがある性格のまつりをきっと気に入るのではないでしょうか。
少年漫画の雑誌で連載されていたので、ギャグ満載!とにかく笑えて面白い漫画です。読んでいて元気をもらえますよ。プロレスが大好きだった作者ならではの技の描き方や、体の鍛え方がリアルで楽しめますよ。4巻完結なのですが、もっと描いて欲しかったという声が多い漫画。少女漫画のちょっとどろどろした恋愛漫画が苦手な人には、特に楽しんでいただける爽やかな1冊です。
主人公は、女子高生の鳥沢美以。両親を小学生の時に亡くし、祖母に引き取られました。美以は、祖母と一緒に「ひまわり」という定食屋を営んでいます。ある日、互いを「トラ」と「おおかみ」と呼び合うイケメン2人が「ひまわり」にやってきました。美以が作った料理を美味しいと言って食べる「トラ」と、絶対食べない「おおかみ」ですが……。「トラ」と「おおかみ」は、神尾作品に必ず登場するイケメンで、とにかくかっこいい!そして、素敵な2人は美以とは特別な関係になっていくのです。幸せと困難がジェットコースターに乗っているかのようにやってくる本作は、一斉風靡した『キャンディーキャンディー』を彷彿とさせます。
- 著者
- 神尾 葉子
- 出版日
- 2010-05-25
「トラ」と「おおかみ」、そして美以の関係もドキドキハラハラでしたが、脇を固めるキャラクターが個性的でいい味をだしています。
特に「別名デストロイヤー紅子 幸せそうにしている奴を見つけたらタゲロック ぜんぶ取りあげてボロボロになるまで追いつめるらしい」と地元で有名な紅子は、こんなえげつない事するの?と思う程、美以を陥れ、追い詰め全てを奪おうとします。「トラ」と「おおかみ」に守られている美以を妬み、嫉妬しているのでしょうか。可愛い顔をして、美以にこんなひどい事をするなんて! と、とにかく強烈なキャラクターを前面に出してきます。
逆に、とても癒される存在もいます。お祖母ちゃんです。にこにこして、温かくて優しくて面白いお祖母ちゃん。お祖母ちゃんの存在がどんな緊迫した場面も優しいものにしてくれていました。
テンポよく話が進んでいき、とても読みやすい作品。辛いことが多いけど、こんな恋愛いっぱいの学生時代もいいなと思わせてくれる作品でした。
16歳の女の子、青山恵都が主人公の物語。恵都は、大活躍していた人気の子役でした。しかし、スポットライトは浴びながらも、日常では友だちが誰1人もおらず寂しい日々を送ります。あるとき、舞台でのダブルキャストに子役の園田奈子と共に選ばれました。奈子は上手く演じる事が出来ず落ち込みます。そんな奈子に演技を教える恵都でしたが、最終的には裏切られ……。恵都は、やっとできた友だちだと思っていた奈子に裏切られることにより、大きく傷つき、芸能活動や日常の生活も失い、学校にも行かなくなりました。
- 著者
- 神尾 葉子
- 出版日
- 2011-07-15
人は、傷つけられるのも人だけれど、助けられるのも人なのだと改めて感じた作品です。不登校の子たちが通うエル・リストンスクールに通い始め、人の温かさに触れ立ち直っていく恵那の姿に感動します。またこの漫画には、珠玉の言葉がちりばめられています。考えさせられたり、ふっと気づかされたり……。その中でも、恵那が仕事を始め、実家から旅立つ時の言葉がぐっと心にきました。
「暗闇から少しずつ光に目を慣らしていった はじめは何も見えなくて長い間よくわからなくて いまはもうちゃんと家族の輪郭が見える」(『キャットストリート』より引用)
挫折したり、悩んだりしてそれを乗り越えた事がある人は、胸に迫ってくる言葉ではないのでしょうか。
やっと越えたと思っても、何度でも、悩みや苦悩がやってくることもありますよね。時に、その暗闇が長いことも。しかしそんなときには、恵那のこの言葉を思い浮かべ、いつかそのトンネルを抜けると信じて前に進みたいと思いました。いろいろな世代の方に読んでいただきたい大切な物語です。
女子高生の深海のばらは、他の人にはけっして見えない不思議なものが子どもの頃から見えていました。親切に友だちに教えてあげても気味悪がられて、孤独な日々を過ごします。誰とも親しくならず、我が道を行くのばら。そんなのばらは、16歳の誕生日を前にルシ男というイケメンの悪魔と出会うのでした。
- 著者
- 神尾 葉子
- 出版日
- 2013-10-25
物語では、人が恨んだり、妬んだりするマイナスの感情は、黒い煙となり、それが珠となって悪魔の餌になるそうです。現実ではどうなのでしょうか?漫画に出てきたクラスメイトのように露骨に表情には出さなくても、マイナスの感情は黒い煙を呼んでしまうのかもしれませんね。
ルシ男のセリフ「映画でも現実でも本当の悪人は善人の仮面をつけて現れるもんだよ」には、妙に納得してしまいます。人間の心の闇の部分をチラッチラッと見せながら、のばらとルシ男の関係の変化には心が温かくなることでしょう。ファンタジーとも少し違う、不思議な世界の漫画をぜひ読んでみてくださいね。
日本の少女漫画界では、知らない人はいないと言われる程有名な神尾葉子作品を5作品、ご紹介しました。神尾作品は、現実ではなかなか味わえない世界を漫画で疑似体験できる素晴らしい作品ばかり。夢をみたいとき、トキメキを思い出したいとき、元気をもらいたいときなど、漫画を読んでエネルギーをもらい、明日からの力に変えたいですね。