自転車がテーマの漫画おすすめ5選!部活青春からほのぼの系まで

更新:2021.11.27

数あるスポーツの中で密かに、そして着実に人気を集め始めている自転車。日常生活の中ではなかなか気づくことのできない魅力も漫画であれば疑似体験をするように感じ取ることができます。今回は初心者から自転車通まで楽しめる漫画を5つ集めてみました。

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独特の世界観の虜に『かわうその自転車屋さん』

かわうそ店長と羊のヨウコさんの2人が切り盛りする自転車店「ストラーデ・ビアンケ」を舞台に、可愛らしい動物たちが物語を展開していきます。はじめは自転車店として売り出している「ストラーデ・ビアンケ」ですが、美味しいピザが食べられるカフェとしても人気のお店に。

そんなお店に集う動物たちの中にはキツネザルで漫画家の輪尾先生など魅力的なキャラクターも多く、動物どうしの可愛らしい掛け合いも見逃せません。それぞれのキャラクターにはしっかりとした性格があり、ほっこりとした笑いを提供してくれる漫画です。

著者
こやまけいこ
出版日
2014-10-16

イラストレーターのこやまけいこが手がける漫画だけあって、動物たちの可愛らしさには抜群の魅力があります。さらに、羊のヨウコさんはなぜか輪尾先生には手厳しいなど、可愛らしさとのギャップに笑える場面も。もちろんロードレースや自転車マナーなど自転車に関する知識も抑えているため、自転車通も楽しめる内容になっています。

自転車に関する知識がまだないという方でも、イラストの魅力に取りつかれて、独特の世界観に入り込んでしまうこと間違い無しの作品です。

社会風刺的な漫画?『のりりん』

車を運転する主人公の丸子一典が、女子ロードレーサーを織田輪あやうく轢きかけるというシーンで幕を開ける物語。侘びと弁償のために輪の実家に訪れ、和解のために輪の母が提示してきた「ロードレーサーに乗れば修理代も値引きする」という提示を頑なに拒む一典。

結果、車の鍵を走る軽トラの荷台に投げ込まれてしまい、ロードレーサーに乗る羽目になるのですが、なぜそこまで頑なにロードレーサーへの乗車を拒んだのか。そんな疑問を読者に投げかけることから、物語が進展していきます。

著者
鬼頭 莫宏
出版日
2010-07-23

本作は『なるたる』『ぼくらの』という超がつくほど個性的な作風で人気を集める鬼頭莫宏が描く自転車漫画。自転車を題材にしているため、ロードレーサーやバイクレースの魅力が感じられることには間違いがありませんが、本作の魅力は社会人に向けられた漫画であるという点です。

作中には自転車漫画であるにも関わらず、「自転車を趣味にしている人間をどう思う?」というテーマに議論する場面も登場します。そんな問いに禅寺というキャラクターは、「結局、女にモテるため」と一刀両断。「もしかすると、自分もそんな理由かも」と読者をドキリとさせる特徴的なシーンです。

大人向けのスポーツ漫画として、どこか心理をつき、痛快さを感じさせてくれる、そんな魅力が本作にはあります。

常識では測れない?『はやめブラストギア』

主人公の女子高生円城寺はやめはヒルクライムの最中に、ロードレースの闇の世界であるデストライドに足を踏み入れてしまいます。一度のヒルクライムバトルに一つのパーツを賭け、敗者は自転車の重要なパーツを手放すというのがこの世界の掟。そんな世界の中でも、はやめは持ち前のバランス感覚で勝ち星を重ね、ライバルを蹴散らしていきます。

さらに勝負の度に入手できる自転車のパーツには、失踪した父に繋がる手がかりが隠されおり、謎解きの要素も。ロードレースに賭ける想いとヒルクライムを教えた父への想いを胸に、勝負に挑むはやめの姿を描いた作品です。

著者
竹山 祐右
出版日
2016-11-30

本作は自転車漫画でありながらバトル漫画の要素や謎解きの要素も備えた、新たなジャンルの漫画です。自転車漫画としては、勝負の度に登場するパーツの働きや自転車への影響を解説し、ロードバイクのデザイン性の高さから実際に販売するという動きもあるほど。

また、バトル漫画としても坂道を上る速度を競うヒルクライムでありながら、小石を相手にぶつける、枝で相手を攻撃するなどのシーンもしばしば登場し、スピード感のある展開も楽しめます。少年漫画としてのエッセンスがありながら、自転車の知識もしっかりと描かれており、勝負にかける想いにどこかドキドキさせられてしまう作品です。

自転車の本質?『じこまん~自己漫~』

作者である玉井雪雄が本人を主人公として、ロードバイクの魅力にハマっていく過程を描いた作品。物語の冒頭では40歳の90キロもある男性がダイエットの一環で、ロードバイクと関わりを描いています。しかし、自転車との出会いによって、男性にとって価値のあることが想い入れのあるものと過ごす時間であるという事実に気付かされ、自転車との関わり方にも変化が訪れます。

もともとはダイエット目的だった自転車との関わりを、自己満足を叶えてくれる相方として昇華させていく過程、馴染みのなかったロードバイクを選びからウェア選びやレースへの参加までの道のりを描いた作品です。

著者
玉井 雪雄
出版日
2012-11-17

作者が「99.9%実話」と明言するほど、経験から学んだことしか描かれていないのが本作の最大の魅力です。本作の中で登場する、「100g=10,000円の法則」や「富士ヒルクライムは究極のじこまんイベントである」などのセリフには、経験談だからこその説得力を感じることができます。また、40代のダイエット目的という、誰もが共感できるきっかけで自転車を始めたという点も初心者には心強く感じられるはず。

なにか新しいことを始めるにあたり、そのものを勉強しようとするよりも関わり方を知っておくべきという、見落とされがちな観点にスポットを当てた斬新な作品です。

『じこまん~自己漫~』については<『じこまん』のロードバイクへの愛が熱い!>で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。

王道の自転車漫画『弱虫ペダル』

千葉県立総北高等学校の新入生であり、主人公の小野田坂道は秋葉原をこよなく愛するオタク少年。そんな坂道ですが、アニメ研究部は部員不足を理由に活動休止中状態という現実を突きつけられます。そんな状態でもアニメへの熱意から、自ら部員募集を開始。そんな折に出会う同級生の今泉俊輔を勧誘する際に、ガシャポンのために秋葉原までの1時間上の道のりをママチャリで移動していることを話します。

中学生時代は県内屈指の自転車レーサーとして活躍し、自転車競技のために進学した今泉はそんな坂道を相手にしませんが、斜度20°の坂道を鼻歌を歌いながら上る坂道の姿を見たことで、アニメ研究部への入部をかけた勝負をしかけます。そんな正反対の成り立ちをもつ2人の出会いから始まる、青春スポーツマンガです。

著者
渡辺 航
出版日
2008-07-08

『弱虫ペダル』は自転車漫画の中でも、団体競技のスポーツとしてロードレースを題材としたスポ根漫画。主人公でオタクの坂道をはじめ、ロードレースの申し子である今泉、浪速のスピードマン鳴子章吉など、多くの人気キャラクターが登場します。総北高等学校の自転車競技部が日本一を目指すチームとして、ライバル校との戦いの中でそれぞれの長所や短所に気づき、成長してく姿が一番の魅力です。

さらに高校を舞台に展開されるため、愚直なまでにまっすぐに勝利を目指す総北高等学校のメンバー。自転車競技を始めたばかりでありながら、どんな壁にも挑んでいく坂道の姿勢には、多くの人が影響されてしまうはずです。

今回おすすめした5つの自転車漫画はどれも、初心者でも自転車通でものめり込むことのできる魅力的なものです。漫画を楽しみながら、自転車の知識を身に着けたい、選手たちが抱く心理を感じたいなどの欲求に合わせて、お気に入りの一冊を見つけてみてはいかがでしょうか。

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