誰もが知っている王道マンガもいいけど、シュールなマンガを読んでみたくはないですか?ちょっと変わった設定から生まれるシュールな笑いは、読めば読むほどはまってしまうはず。ここでは特にシュールでおもしろい作品を5つご紹介いたします!
隣の席にいる「関くん」は、授業中いつも何かで遊んでいます。授業中遊ぶ人は良くいますが、他よりはるかにレベルが高く、かつ斜め上を行くものばかりです。囲碁やチェス、編み物、さらにはかんなを持ち込んで机磨きをしたり、どこからか連れ込んだ猫と戯れたりもします!
本作は、関くんの隣に座る女子・横井さんの視点から、関くんの自由すぎる授業中の遊びを描いた作品です。
- 著者
- 森繁 拓真
- 出版日
- 2011-04-20
作品のすごいところは、「授業中の遊び」という非常にピンポイントなテーマでありながら、なんと100種類以上の関くんの遊びが描かれているところです。時にはクラス中の手紙の配達を請け負う「仕事」のようなことをすることもあります。読んでいて飽きません。
また主人公の横井さんは、授業中を全く聞こうとしない関くんを注意しつつ、関くんの自由な遊びワールドにいつの間にか引き込まれていきます。そのため関くんはもちろん、横井さんも全く授業を聞けなかったことも少なくありません……。
舞台は基本的に授業中の教室ですので、横井さんも関くんもほとんど話しません。しかし遊びに本気で熱中する関くんと、気付くと関くんの遊びを楽しんでしまっている横井さんの様子は、読んでいてワクワクしますし、ほのぼのします。
この作品を読めば、本気で遊んでみたくなるかも!?ぜひ読んでみてください。
入学式早々、全校生徒の注目を集める男子高校生がいました。彼の名は「坂本」。坂本にかかれば、反復横跳びは「秘技レペティションサイドステップ」に、上級生のパシリは「最上級のおもてなし」に大変身!
本作は、坂本のスタイリッシュすぎる高校生活をどこかシュールに描いた作品です。
- 著者
- 佐野 菜見
- 出版日
- 2013-01-15
坂本はどんなときでもスタイリッシュに生きることを忘れません。女子からモテモテの坂本をねたみ、男子は坂本がいるトイレの個室の上から水を浴びせようとします。しかし坂本はどこからか傘を取り出し、「やれやれ…にわか雨…ですか」とスマートに水を回避。
また坂本に恥をかかせようと、いじめっ子が坂本の机といすを教室の外に投げ出します。しかし坂本は一切動じることなく、窓辺に優雅に腰掛けて「……僕はここで結構ですから」とさわやかな風をあびながら授業を受け続けます。凡人にはまねができないクールさです……。
女子たちは坂本のスタイリッシュさに惚れ惚れし、ときにはヤンキーを改心させ、同級生の母親に恋心を抱かせてしまうほど!ツッコミ不在の中で坂本が輝く様子は、紹介する5作品の中でも抜群のシュールさです。気になる人はぜひ手に取ってみてください。
マンガに出てくる「女子高生」は、かわいくて優しくて、女子力たっぷりのステキな女の子が多いですよね。しかし、そんなキラキラした「女子高生」はこの作品には全く出てきません……。
元々はニコニコ静画に掲載されていましたが、シュールなおもしろさが注目を浴び、ついにコミック化!「女子高生」の貴重な時間を全力で浪費する日常を描いた、ほのぼの学園コメディです。
- 著者
- ビーノ
- 出版日
- 2016-04-07
作品に登場するキャラクターは、どれも個性的。空気を一切読まない型破りな問題児・田中望は、誰もが認めるバカという理由で「バカ」というあだ名がついています。
他にもBL好きの腐女子・菊池茜は「ヲタ」、無感情で冷血な天才少女・鷺宮しおりは「ロボ」、長年重度の中二病をわずらう山本美波は「ヤマイ」など、あだ名まで個性的!
幼いころに書いた意味不明なマンガや女子トイレの中の出来事、バカの理想の運命の出会いなど、あらゆる日常が1話完結の形で描かれていきます。つっこみどころがたくさんあるのに、淡々とストーリーが進んでいく様子がなんともシュール!
「女らしさ」を捨て、毎日をありのままに生きる彼女たち。下らなさに失笑してしまう人もいれば、全力で下らない毎日を送る彼女たちをうらやましく感じる人もいるはず。ちょっぴり百合要素も含まれていて、気軽に楽しめます。「下には下がいる」と安心したい人にはうってつけの作品です!
人気歌手の星野源が、ラジオで良書と絶賛していた『変身のニュース』。1つ1つのストーリーが不思議な雰囲気をまといながら、読者の心に切なく、しっとりとなじんでいきます。
全部で9編の短編は、1つ1つが言葉にできないような「さみしさ」を感じさせます。
たとえば「水平線JPG」は、エミリという妹を持つ兄弟の物語です。エミリは心を病み、常に妄想の世界に入り込んでいます。兄弟は、月に一度はエミリの住む療養施設に会いに行っていました。
- 著者
- 宮崎 夏次系
- 出版日
- 2012-11-22
ある日、兄弟たちにエミリの退院が告げられました。エミリは素直に喜ぶ一方、兄弟はどこか浮かない表情……。兄弟二人はエミリのことを大事に思っている一方、エミリの退院を素直に喜べない兄弟たち。その後エミリに驚くべきことが起こるとも知らず……。
人間のダークな部分にしっかり目が向けられていますが、繊細でやわらかなタッチとストーリーにより、決して暗い雰囲気にはなりません。読み終わると、心があたたまるような感覚が味わえます。
短編の中には、ハッピーエンドともバッドエンドとも考えられるような作品もあります。ギャグマンガではないシュールな作品が読みたい方、繊細で切ないストーリーを楽しみたい方にはぜひおすすめです。
『中間管理録トネガワ』は、シリーズ累計2000万部を超える『賭博黙示録カイジ』のスピンオフです。シュールなおもしろさにハマる人が続出し、なんと累計100万部(2016年12月時点)を突破!本編で描かれる残忍さとは異なり、シュールでくすっと笑えるギャグが満載です。
物語の舞台である「帝愛」グループは、債務者に対して非人道的なゲームを執り行う、超絶ブラック企業。そして主人公は、「帝愛」の幹部・利根川幸雄。
利根川は、暴君である会長・兵藤の気まぐれな要望に応えなければいけません。一方大勢の部下である黒服を束ねる必要もあります……。兵藤会長と黒服の間に挟まれ、悪戦苦闘する利根川。この作品は、中間管理職の立場である利根川の苦悩と葛藤をありありと描いた作品です。
- 著者
- ["福本 伸行", "橋本 智広", "三好 智樹"]
- 出版日
- 2015-12-04
作品の中で、本編では決して見ることのできない利根川の姿が描かれています。区別が難しい黒服たちの名前を一生懸命覚えたり、会議で意見が出やすいよう時にはギャグを言ったり……。
時には兵藤の圧力に負け、部下の前で醜態をさらしてしまいますが、汚名を返上するために豪華すぎる社員旅行を企画するなど、利根川の涙ぐましい努力が多く見られます。本編では味わえないシュールさが楽しめます。
またカイジ独特の世界観の中で、利根川たちのリアルな日常が描かれ、最高にシュールです。社内でインフルエンザ対策を率先して行ったり、昼休みに大盛チャレンジに挑戦したり、部下の結婚式でフラッシュモブに参加したり……。
悪役らしからぬほのぼのとした日常に、おもわずにやっと笑ってしまうはずです。原作ファンはもちろんのこと、原作を知らない方でも楽しめる作品です。