センスがいいよねと言われる人、まわりにいないだろうか? その人が特別なわけではなく、実は誰でもそう言われる可能性はある。 センスは誰でも磨くことができる。ちょっとした意識と行動さえあれば。 この5冊には、ヒントがたくさんちりばめられている。ぜひ、参考にしてみてほしい。
言葉が豊かな人、工夫ができる人、センスのいい人、品のいい人…。
こんな大人になってくれたらいいねという想いが込められたのが『「センスのいい子」の育て方』だ。
なんでもすぐに吸収する柔らかいスポンジに例えられる、子ども。センスいい人になるためにできることはたくさんあるわけで、簡単に読めるのに奥深いことが紹介されている。改まって読むというより、リラックスしながら読みたくなる。
たとえば、子どもが自分の言葉で一生懸命なにかを表現しようとしているとき、大人は邪魔をしないのが一番ですよとアドバイスしてくれる。言葉がでてくるのを待ってあげることで、子どもは自分らしい言葉を見つけていくのかもしれない。どんな言葉を選ぶかって、まさにその人のセンスが表れる。
同じように、ファッションやインテリアにも、センスの良しあしって表れる。これだけモノが溢れる世の中だからこそ何を選ぶかが重要になるのだけど、単に流行を意識すればいいわけではなく、自分がいいと思うものを身につけているかが大切なのだ。本書では、キャラクター商品とどんなふうに付き合う?友達への贈り物をどうする?など、なるほどと大人も参考になるコンテンツばかり。
日々の楽しみ方もセンスの磨き方も教えてくれるから、大人にもおススメ。
- 著者
- 宮崎 祥子
- 出版日
- 2008-06-17
どんなに忙しくても、いろんな店や人に出会うことはできる。街歩きを心がけるだけで。
『ビジネスパーソンの街歩き学入門』の著者もそうだった。いつもの道を5分意識して歩くだけでも必ず発見がある、仕事の質が変わるという。
具体的には①感性力②世の中の流れを見抜く力③人脈力④考える力⑤発見力⑥審美眼と六つの能力が5分の街歩きだけで身に付くとか。どれもビジネスマンにほしい力だ。
いつも行っているスーパーも、意識して商品をみてみたら、実はアイデアの宝庫だという。パッケージはデザインの宝庫だし、服のコーディネートの参考になるものも多いとのこと。
感性を磨くのにぴったりなのが、セレクトショップ。いい店か見分ける二つの条件は、「面白い名物店長がいること」「裏通りにあること」。ほかにも、商店街の明暗を分けるものは何か、生き残る高級ブランドの共通点とは、などの課題も見つめることもできる。そう、街歩きは世の中の流れさえも掴めてしまうのだ。
では、人脈をつくるには? ズバリ、「お店の常連になること」と明かしている著者。とはいっても、人脈をつくるのが目的で常連になってはいけない。
街歩きをしながら、いろんな発見をしつつ、世界を広げる。とにかく行動あるのみ。そうすればだんだん人脈ができて、センスも身に付いてくるのだ、きっと。
- 著者
- 藤巻 幸夫
- 出版日
- 2010-12-10
「人を美しくするものは、『美意識』です。どんな服を着るのか、どんな言葉を話し、どんな映画を観るのか…」。
おしゃれの基本に役立つ本、映画、芝居に音楽、インテリアとさまざまなテーマを取り上げたのが、『美輪明宏のおしゃれ大図鑑』である。
おしゃれコラムでは、中原淳一の本やロマンあふれる名曲、恋の名作映画などを紹介しており、男性にもぜひ見てほしいページである。自分の興味あることにとことんはまるのもいいけれど、こんな素敵なものもあるんだと気付くことも大切。いろんなものを知ることで、美意識は育っていく。
本書を読んだら、好奇心をきっと刺激されるはず。
- 著者
- 美輪 明宏
- 出版日
- 2005-08-26
美しいモノや人生を豊かにしてくれるモノって、どうやって探したらいいかわからない。そんな悩みを持つ方にも、おススメだ。紹介されている本や音楽、映画などは時代を超えて受け継がれていくものばかりだから、親世代も懐かしい気持ちで一緒に楽しめるはず。これ、いいかも!と思うものが見つかれば、そこからあなたの世界は今までよりも広がっていくでしょう。
大人になったからもういいやではなく、何歳になっても挑戦したり成長したいもの。挑戦や成長のこころは、大人になった、なおさら必要なのだ。
「好奇心や向上心を失わないでください。学ぶことを諦めないでください」。人一倍努力家で人一倍美意識の強い著者からのメッセージは、心にまっすぐ響いてくる。
アンティーク、モダン…。様々なデザインの階段はどれも美しく目を奪われ、建築家の斬新なアイデア、そして職人さんの腕が伝わってくる。
「いい階段40選」「いい階段の見どころ」の二章から成り立つ本書『いい階段の写真集』をパラパラめくりながら自分の好みの階段を見つけるのも楽しいし、一つひとつの説明をじっくり読み込むのも楽しい。
美術館にいくにもいいけど、写真を眺めるのもセンスを磨く方法といえよう。
- 著者
- BMC
- 出版日
- 2014-01-21
例えば足を乗せる段は、踏面・踏板。段と段の間の高さは、蹴上げと呼ぶ。そんな豆知識や階段鑑賞のツウなポイントも紹介してくれる。前から見るのと横から見るのだと、また違う表情を見せてくれるから、階段は飽きることがない。
Ⅱ章では、色つやの変化や継ぎ目の場所など木製手すりの見どころについて書かれている。いつも何気なく使っている階段も、これからは隅々まで見たくなりそうだ。
遠くに行かなくても、私たちの身近にあるものでもちょっと視点を変えて眺めてみれば、いろんな気付きがある。そうやって日常に楽しみを見つけていくことで、楽しみ上手にもなるしいい情報をキャッチできるようになるのだろう。
センスがいい人は、ただ受身でじっとしているのではない。何かしら行動しているから、気付きがある。身近にある「階段」ですら、こんなにも楽しめるのだ。好奇心のアンテナはいつも張っているようにしたい。
まず、表紙の写真の女の子をみてほしい。その表情に惹きつけられるだろう。
毅然としていて、少女と女と両方の面を感じる。「カップル」をテーマに、様々な国でとった写真はどれもキュートだったり官能的だったり心があったかくなったり。ポストカードにして飾り、毎日眺めたくなるような写真ばかり。
- 著者
- エリオット アーウィット
- 出版日
たとえば年老いたカップルがダンスをしている最高にほほえましい写真があるのだが、年老いてもいきいきしてエネルギッシュな感情が伝わってくるのだ。歳を重ねるって、生きるってなんてすてきなんだろう!と言わんばかりに。
素っ裸での結婚式の写真もあるけど、エロティックというより開放的な感じ。これからの二人の明るい将来が見えるよう。キッチンでキスをしているカップルの写真も、たまらなくいい。
「私の写真には頭ではなく、心で反応してもらいたい。良い写真は、それが何についての写真かわかる前に感動できるものなのです」と著者。どんなシチュエーションでとったものかわからなくても知らない人であっても、いい写真は理屈抜きで良いのだ。
飾らずに自分のありのままの姿を見せる人たちには、嫌味がない。魅惑的な肉体に、魅惑的な表情。ふとしたときに見せる表情こそ、その人らしさが表れる。きっと毎日を楽しんでいたら、自然といい表情になるはず。この写真集『ふたりのあいだ』の被写体の彼らのように。
センスって一日や二日ですぐに身に付くものじゃない。でも、誰でもセンスは身に付く。
音楽でも映画でも本でもなんでもいい。いいものに触れることで、自分自身も磨かれていく。
魅力的な人たちと付き合うことで、自分自身を高めていく。センスいい人になるには、
近道はないのである。むしろ、遠回りすればするほど、いいのかもしれない。