独特な世界観と頭を使う娯楽として知られる麻雀。娯楽の中でも、闘牌の緊張感は多くの人々を惹きつける魅力があります。今回は、そんな麻雀を題材にした作品を5つご紹介。技術を高めるものからギャグセンスの高いものまで、楽しみ方もさまざまです。
主人公の大学生・沖本瞬は本物の麻雀打ちを目指すため大学をやめ、新宿の雀荘を転々とします。多くの闘牌により経験を重ねる中で、日本一の麻雀職人と称される黒沢義明と出会い、その人柄に惚れ込み弟子入り。黒沢から麻雀のイロハを一から学び、持ち前の引きの強さと牌を瞬時に記憶する天賦の才能を活かし、着実に成長していきます。
- 著者
- 来賀 友志
- 出版日
数ある麻雀漫画の中でも、それぞれのキャラクターの麻雀を通した人生観を垣間見れる点が最大の魅力。作中で最強の雀士として描かれる黒澤は、人間としての魅力も備え、多くの人間から親しまれるキャラクターでもあります。
また、隆は酒屋の息子で芳一はボンボンの現役東大生など、主要人物の設定がしっかりと決まっているため、闘牌にかける想いや人生観なども共感しやすい作品でもあり、麻雀と人生観の関わりを楽しみたい方におすすめです。
第43代アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュに麻雀を教えてほしいと頼まれ、初心者をカモにしてやろうという魂胆でジュンイチローを招き、麻雀大会を開催したタイゾー。この対極は首脳会談の3日間に及び、ブッシュが惨敗するという結果に終わります。
しかし、この対局は初めからブッシュがジュンイチローをおびき出すために仕組まれたものであり、国際情勢を変化させるという意図のあるものだったのです。この南海の劇戦と名付けられた対局を期に、国際舞台で繰り広げられる対局が描かれていきます。
- 著者
- 大和田 秀樹
- 出版日
- 2008-09-05
規格外と言って良いほど、麻雀や漫画の常識をことごとく覆している点が本作の魅力です。まず、麻雀が開催される理由も独特。国際情勢をテーマにしており、第41代アメリカ合衆国大統領のパパ・ブッシュやロシアのウラジーミル・プーチン大統領などの各国の主要人物が登場し、国をかけた戦いを展開していきます。また、「この作品はフィクションです。実在の人物とは“あまり”関係ありません」という注意書きがあり、ギャグ漫画としても非常にユニークなものに仕上がっています。
そんな国際情勢とギャグ漫画という相反するものを融合させ、アツいバトル要素を含んだ麻雀漫画に仕上げた作品です。
『ムダヅモ無き改革』については<『ムダヅモ無き改革』が無料!カオス麻雀漫画を最終回までネタバレ紹介!>で紹介しています。異色の麻雀漫画をぜひご覧ください。
容姿を理由にイジメを受ける主人公の武田俊が、山口愛との出会いを通じて麻雀を始めます。その後、愛がメンバーであり、風間巌が率いる高校生代打ち集団ZOOの入園試験をクリアしたことで、俊もZOOに加入することに。はじめは金色に近い茶髪で青い目の見た目を理由にイジメられ、麻雀も初心者として描かれる俊ですが、経験を重ねるごとに独自の能力を開花させ、ZOOのエースとして成長していきます。
- 著者
- 伊藤 誠
- 出版日
本作の魅力はなんといっても個性豊かなキャラクターにあるでしょう。
危険察知能力を持つ「兎」こと武田俊、豪運を誇る「園長」こと風間巌、ありえないほどドラが乗る「ジャッカル」こと久坂明など、それぞれ特殊能力を持ったキャラクターが活躍していくさまは、麻雀の知識がそれほどない方でもなんとなく楽しめるものになっていると思われます。ありえない設定もありますが、麻雀が強い人は、本作で描かれる特殊能力に近いものを有しているでしょう。そういった意味で、麻雀の強さをわかりやすくデフォルメした作品でもあります。
株の損やギャンブルで300万の借金を抱え、返済のためにヤクザである竜崎を相手に命がけの麻雀をしていた南郷。あまりの窮地に牌をつもるという動作すら行えない男の横に、いつの間にかひとりの青年が立ち、代打ちを申し出ます。その青年が主人公の赤木しげるであり、ヤクザ相手に大金のかかった勝負で、さらに麻雀のルールもままならない状態でありながら、最終的には竜崎を下してしまいます。
そんな天才的な才能と状況に動じない能力をもつアカギの闘牌を、細かい心理描写を中心に描いた作品です。
- 著者
- 福本 伸行
- 出版日
福本伸行が連載していた『天 天和通りの快男児』の作中で、圧倒的な人気を誇っていたキャラクターがアカギです。その多くの人を惹きつける個性でスピンオフ化され、本作の連載が始まりました。最大の魅力は物語冒頭から続く、闘牌の緊張感です。アカギが登場するシーンでは、ヤクザ相手に300万円もの大金をかけた闘牌が。さらに、鷲巣麻雀と呼ばれる人気のエピソードでは、金品ではなく血液をかけた闘牌が繰り広げられます。
このような、命をかけた闘牌の中に描かれるキャラクターの心理描写は、麻雀に詳しくなくとも熱中してしまうこと間違いなしです。
アカギについては<漫画「アカギ」の魅力を最終回までネタバレ紹介!約27年続いた名作!>でより詳しく紹介しています。
雀荘のどら道楽で麻雀打つ3人の大学生・鉄壁保、当大介、九蓮宝燈美の前に、主人公である爆岡弾十郎が現れます。鉄壁や大介は、メンツをかけて爆岡と勝負しますが、敗北。その後、爆岡は万利休という老人の推薦を受け、麻雀界の三大タイトル戦に挑戦。相手の手牌を読み切った上で余り牌を狙うという天才的な打牌で、タイトルホルダーである稲瀬功一すらも破ってしまいます。その後も、圧倒的な強さで勝ち続ける爆岡の前に、研究に研究を重ねた鉄壁が立ちふさがり、2人の麻雀理論が展開されていきます。
- 著者
- 片山 まさゆき
- 出版日
本作は、もともとはギャグ漫画的な要素が強い麻雀漫画を描くことの多い片山まさゆきが、麻雀ライターの馬場裕一とタッグを組んだことで、説得力のある麻雀理論を描くことに成功した作品です。他の麻雀漫画では、主人公が少しずつ成長していく姿を描くことが多いのに対して、本作は冒頭で爆岡が日本のトップに立つため、日頃の努力や人間性が描かれることはありません。
しかし、日本一という水準まで主人公を高めた上で、鉄壁が爆岡を下すために展開するさまざまな理論は、作者が「実践をした上で漫画化した」というだけあって説得力は軍を抜いています。麻雀を知り尽くしている人も、これから勉強する人にもおすすめの漫画です。
『ノーマーク爆牌党』については<麻雀漫画の頂点『ノーマーク爆牌党』がすごい!雀士の熱い名言ネタバレ紹介!>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。