鈴木亮平が出演した映画、テレビドラマをとことん紹介!役作りにかける比類なき熱意

更新:2021.12.9

爽やかで落ち着きのある大人の魅力がありながら、トークの時はお茶目。そして見事な肉体美を誇る俳優、鈴木亮平は多くの話題作に出演する人気俳優です。実写化作品でも役柄を完全再現し、ファンを驚かせてくれました。こちらの記事では、鈴木亮平が出演した原作付き作品を、全て解説付きでご紹介いたします。

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鈴木亮平のプロフィール

作品に触れる前に、鈴木亮平がどのような人物なのかプロフィールを見ていきましょう。

鈴木亮平(すずきりょうへい)は、1983年3月29日生まれ、兵庫県西宮市出身です。中学生の時に映画を好きになったことがきっかけで、俳優を志しました。2002年に東京外国語大学へ進学。演劇サークルに所属し、最初の公演の時の経験から、役者を一生の仕事にしようと決意したそうです。

芸能事務所に所属しようと履歴書を送りましたが、50社以上に断られるという思わぬ苦境を経験。そのうちの1社から、身長186㎝という体格を生かし、モデルをやってみてはとアドバイスされてモデル事務所に所属、友近亮平名義で活動していました。その後所属事務所が現在の事務所と業務提携し、現在はホリプロ所属になっています。

大学卒業後の2006年に、演劇学校「アクターズクリニック」に所属。モデルの活動をしながら演技を学んでいたところ、同年5月に男性用水着をPRするキャンペーンボーイに選出されました。同年7月にはドラマ『レガッタ~君といた季節~』で俳優としてデビューします。

その後は様々な作品に出演。2013年に半裸で下着を被って戦う主人公が登場する、コメディーアクション漫画を原作とした映画『HK/変態仮面』で主演を務めたことで、注目を集めました。2014年上半期放送のNHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』では、吉高由里子演じる主人公の夫村岡英治に抜擢。2018年には、NHK大河ドラマ『西郷どん』で主人公の西郷隆盛を演じ、視聴者に強い印象を残しました。

外国語大学卒業ということもあり、特技は英会話。外国語記者クラブの会見でも流暢な英語を話します。英語に最初に触れたのは映画でしたが、勉強しようと思ったのは家族でロサンゼルス旅行に行ったことがきっかけなのだとか。中学生の時に2度の留学を経験しています。また、高校の時にはドイツ語スピーチコンテストで優勝した経験もあり、英語だけでなく他の語学も堪能のようです。

筋肉がすごい俳優としても知られている鈴木亮平ですが、ボクシングや身体を鍛えることとがお好きという、かなり納得できる趣味をお持ちです。トレーニングの様子など、インタビュー記事や特集番組で見ることもできますが、出演作品で見事な筋肉美を堪能することができます。

鈴木亮平の魅力!筋肉だけじゃない、知性もある男

多彩なジャンルの作品に出演し、どの作品でも圧倒的な存在感を見せている鈴木亮平。映像作品には欠かせない俳優として、さらなる活躍が期待されています。こちらでは、爽やかで清潔感あふれる容姿と穏やかな人柄から幅広い年代から支持される鈴木亮平の魅力を、あらためて語っていきます。

まず大きな魅力となっているのは、高身長かつ筋肉質で男性らしい体型ではないでしょうか。身体を鍛えることが趣味というだけあって、盛り上がった美しい筋肉を持っています。作品でも見ることができますが、2014年には『FIRST PHOTO BOOK 鼓動』を発売しており、じっくり眺めたい方におススメです。

著者
平岩享
出版日

筋肉はもちろん魅力ではありますが、身体をただ鍛えているわけではありません。実は役柄によって体型を調節しているのです。ドラマ『天皇の料理番』では20㎏の減量、映画『俺物語!!』では主人公の体型に合わせて30㎏の増量など、見た目からもこだわった役作りを行っています。身体を鍛えるという趣味からも、自分に厳しくできる人柄であることはうかがえますが、仕事に対するストイックさも魅力の1つといえるでしょう。

演技力も抜群で、「アクターズクリニック」所属時は塩谷俊に師事し、演技力を磨きました。役柄によって印象が変わるのも、体型だけではなく演技力があるからこそできること。多彩な役を任されるのも、役者という仕事に対する意識の高さと、実力を兼ねているからなのです。 
 

身体を動かすことが好きですが、体育会系かといえばそういうわけでもありません。外国語大学卒業で語学が堪能だったり、世界遺産検定一級を持っていたりと、実は文武両道。日本だけでなく、世界を活躍の場として見据えた視野の広さの持ち主だといえます。 
 

鈴木亮平の魅力が伝わったでしょうか。次からは出演作品のなかでも、原作付きのものをピックアップ。鈴木亮平が演じた役や見どころをご紹介していきます。

 

【映画原作】『日日平安』(2007年)

映画『椿三十郎』は、山本周五郎の小説『日日平安』を原作とした作品。江戸時代、上役の不正を晴らそうと奮闘する若侍9人と謎の浪人椿三十郎が、攻防をくり広げていきます。2007年に公開された映画は、1962年に公開された黒澤明監督の『椿三十郎』を元にリメイク。脚本はそのまま使用されており、一部映像の演出で、現代の感覚が取り入れられました。

鈴木亮平が初めて出演した映画作品が本作です。演じたのは、上役の不正を暴こうと奮闘する若侍の1人、関口信吾。主人公たちと行動をともにする機会が多いので、初々しい演技を目随所で堪能することができます。実は監督の森田芳光と役者になる前に面識があり、オーディションや撮影時の様子が本人のブログで語られています。

著者
周五郎, 山本
出版日

【映画原作】『賭博黙示録カイジ』(2009年)

原作『賭博黙示録 カイジ』は、福本伸行の漫画作品。独自のルールで行われる、命と大金をかけた極限のゲームと、独特の表現で人気を集めています。自堕落な日常を送っていた主人公伊藤開司(カイジ)はある日、友人が失踪したことで保証人となっていた自身が、多額の借金を背負ってしまったことを知ります。カイジは借金を返済するため、金融会社が運営するギャンブル船に乗り込むのでした。

ルールはシンプルながら、参加者たちの攻防と心理戦に手に汗握る本作。映画は3作公開されていますが、1作目は比較的原作に忠実にストーリーが展開されています。鈴木亮平は、香川照之演じる帝愛グループの最高幹部の1人、利根川幸雄の側近である黒服です。限定ジャンケンの時には、参加者の中年男性に凄むという場面をみることができます。

本作の名言や効果音など、人気の秘密をより詳しく解説したこちらの記事もおすすめです。

漫画『賭博黙示録カイジ』を名言、効果音などからネタバレ紹介!無料で読める

著者
福本 伸行
出版日
1996-09-03

【映画原作】『ふたたび swing me again』(2010年)

矢城潤一の小説が原作の『ふたたび swing me again』は、ハンセン病を患い50年もの長い間隔離された生活を送っていた健三郎が、退院してきたところから物語は始まります。迎え入れる貴島家は困惑。特に孫の大学生の大翔は、突然の祖父がいたこと自体が初耳でした。そんな中、健三郎はかつて自身が所属していたジャズバンドの仲間探しを旅に出ると言い出し、大翔がついていくことになります。

鈴木亮平が演じたのは、健三郎の孫である大翔。往年の名俳優たちに囲まれても、堂々とした演技を見せており、トランペットを吹く姿も披露しています。祖父と孫のロードムービーという、心温まる物語ではありますが、ハンセン病への差別や偏見を扱うなど、秘められたテーマは重いもの。エンターテイメントや映画の在り方について、鈴木亮平に大きな影響を与えた作品になりました。

著者
矢城 潤一
出版日

【映画原作】『阪急電車』(2011年)

兵庫県宝塚市の阪急宝塚駅から西宮市の西宮北口駅を経由し、阪急今津駅までを結ぶ所要時間14分ほどの短い路線が運行されている、阪急今津線が舞台。原作は有川浩の同名小説で、電車の中で始まる恋の行方や、真っ白なドレスを着て結婚式に討ち入りに行く女性など、乗客たちの様々な人生が交差していきます。

阪急電車は西宮市を走る電車でもあるので、鈴木亮平にとっては地元に関連する作品に連続して出演という嬉しい状況。演じているのは、中谷美紀演じる高瀬翔子の元婚約者羽田健介です。結婚式のシーンにも登場するので、白タキシード姿は必見ですよ。

著者
有川 浩
出版日
2010-08-05

【映画原作】『究極‼変態仮面』(2016年)

なぜこれを実写でやろうと思ったのか、笑いとともに疑問が尽きない本作は、あんど慶周の漫画作品『究極‼変態仮面』を原作としています。ストーリーはほぼオリジナルですが、設定は原作と変わりません。主人公の色丞狂介は、パンティを頭にかぶると警察官の父譲りの正義の血と、SM嬢をしている母の変態の血が同時に活性化し、超人的なパワーを発揮することができます。狂介は思いがけず入手してしまったパンティを被り、「変態仮面」として様々な悪と対峙していくのでした。

頭にパンティを被り、股間だけ隠してほぼ全裸。足は網タイツにスニーカーと、変態の名にふさわしい恰好をしているのが、変態仮面です。まず、この格好からして実写化はまずないだろうと思いきや、実写になった上に演じたのは鈴木亮平。本作で主演を務めたことで、名前が広く知られるようになりました。

あまりのインパクトに一瞬思考が停止しますが、ほぼ全身の筋肉を余すことなく見ることができるのは、本作以外にあり得ないでしょう。第2作では、撮影の合間にも筋肉を鍛えていたのだとか。変態なのにヒーローらしい力強さに加え、爽やかさすら感じられます。

著者
あんど 慶周
出版日

【映画原作】『ホットロード』(2014年)

1980年代に連載され、現在も多くの読者の支持を集めている『ホットロード』は、紡木たくの漫画作品です。主人公の宮市和希は14歳。2年前に父が他界し母と2人暮らしですが、母からの愛情を感じることができず、誰からも必要とされないという不安を抱えていました。ある日和希は、家を出てガソリンスタンドのアルバイトで生計を立てる少年、春山洋志と出会い、惹かれていきます。

映画は原作の紡木たくが脚本の監修を務めており、主人公2人の心の機微が丁寧に描かれています。鈴木亮平が演じたのは、玉見トオル。暴走族「Nights」のリーダーを務めています。鈴木亮平自身は、別の映画の撮影後だったこともあり、身体が大きいことを気にしている様子ですが、原作の雰囲気を損なわず頼れるリーダーの風格を醸しだしています。

著者
紡木 たく
出版日
1995-08-18

【映画原作】『TOKYO TRIBE』(2014年)

若者たちがトライブ(族)を組んで街を暴力で支配し、縄張り争いを続ける架空の町、トーキョーを舞台にした、井上三太の漫画作品『TOKYO TRIBE』。映画の原作は続編である『TOKYO TRIBE2』が原作となっており、利権をめぐって争う若者たちの戦いと恋や友情を描きます。出口海はムサシノSARUのメンバーでしたが、ある日仲間がブクロWU-RONZに暴行され凄惨な死を遂げたことで、周囲の状況が一変してしまうのでした。

無国籍な空気漂うトーキョーという街を舞台にした物語は、性と暴力が赤裸々に描かれています。鈴木亮平が演じたのは、主人公である海と敵対するトライブのリーダーであるメラ。原作ではスキンヘッドですが、映画では金髪姿で狂人的なところのあるキャラクターになっています。作中では引き締まった肉体はもちろん、ラップも披露されました。

著者
井上 三太
出版日

【映画原作】『くちびるに歌を』(2015年)

NHK全国学校音楽コンクールは通称Nコンと呼ばれている、小中高生を対象とした合唱コンクールです。中学校の部では近年課題曲にポップスが採用されることも多く、2008年第75回大会の課題曲となったのが、アンジェラ・アキの「手紙~拝啓十五の君へ~」でした。曲とドキュメンタリーを元に中田永一が小説化したのが『くちびるに歌を』です。長崎県の五島列島にある中学校の合唱部を舞台に、臨時講師と中学生たちの奮闘が描かれます。

音楽学校を卒業し、ピアニストとして活動しながらも、とある理由でピアノから離れ、故郷の中学校に臨時採用されることになった主人公、柏木ユリ。そんな彼女の婚約者役を、鈴木亮平が演じています。とはいっても、姿は登場せず声だけの出演というレアケース。会話ではなく、留守番電話のメッセージだけではありますが、恋人を心配し見守ろうとする温かい気持ちが感じられます。

著者
中田 永一
出版日
2013-12-06

【映画原作】『風に立つライオン』(2015年)

『風に立つライオン』は、元々さだまさしが長崎熱帯医学研究所に所属し、ケニアに派遣されていた実在の医師、柴田紘一郎のエピソードにインスパイアされ、作られた曲です。さだまさしと親交の深い俳優の大沢たかおが感銘を受け、実写化プロジェクトを開始。楽曲を元に2013年小説版が発売され、2015年映画が公開されました。映画は小説同様フィクションとなっており、長崎大学からケニアに派遣された医師と、少年兵の心の交流が描かれます。

ケニアが舞台の作品ですが、鈴木亮平が演じる田上太郎が登場するのは、日本のパート。主人公の恋人貴子は日本に残り、長崎県の離島にある父親の病院の跡を継ぐことになります。その貴子に惹かれていくのが、漁師の田上。鈴木亮平はケニアに行けなかったことを残念がっていたものの、地元の漁師の漁に同行して役作りをばっちり行ったそうです。

著者
第26回宮崎医科大学すずかけ祭医学展ライオン企画
出版日

【映画原作】『予告犯』(2015年)

SNSや動画サイトが身近な存在になった現代社会。筒井哲也の漫画『予告犯』は、そんなインターネットを利用し犯罪予告を繰り返す男と、警視庁のサイバー犯罪対策課の攻防を描いていきます。ある日、動画サイトに新聞紙を被った男が、食品加工会社放火を予告する動画がアップロードされました。幾度となく犯罪予告を繰り返す男を「新聞男」と名付けた警察は、男の正体を探っていきます。

ネットを駆使し正体を隠して犯罪を繰り返す謎の人物と、警察の手に汗握る攻防が描かれる本作、物語は原作を元に映画独自の解釈が加えられています。鈴木亮平は、物語の鍵となる謎の男とかかわりのある人物、カンサイこと葛西智彦を演じています。カンサイは、大阪出身の元バンドマン。関西弁の明るいキャラクターで、自身もハマり役と明言するほど自然体な姿を見ることができます。

より詳しく知りたい方には、こちらの記事もおすすめです。

『予告犯』全3巻の見所ネタバレ紹介!社会派ダークヒーロー漫画に泣ける!?

著者
筒井 哲也
出版日
2012-04-10

【映画原作】『海街diary』(2015年)

『海街diary』は吉田秋生の漫画作品。神奈川県鎌倉市に暮らす4人の姉妹の物語です。3人で暮らす香田姉妹の元に、幼い頃に離婚して家を出た父の訃報が届きました。父の存在に実感のわかない次女の佳乃と三女の千佳でしたが、長女幸の頼みもあり、葬式に赴きます。そこで、異母妹となる中学1年生のすずと出会いました。すでに自身の母を亡くしていたすずを、姉妹は引き取り一緒に暮らすことになります。

4姉妹を人気女優が演じたことでも注目を集めた本作、物語は原作のエピソードを軸に姉妹が家族の絆を育んでいく姿が描かれました。鈴木亮平は四女すずが鎌倉に来てから所属することになるサッカークラブ「湘南オクトパス」のコーチで理学療法士でもある、井上泰之役。スポーツマンならではの爽やかさと、子どもたちを見守る大らかさが感じられます。

著者
吉田 秋生
出版日

【映画原作】『俺物語‼』(2015年)

世にイケメンとはすなわちイケてるメンタルの持ち主のことである、と知らしめた河原和音原作、アルコ作画の漫画作品『俺物語‼』は、常人離れした身体機能と正義感を持つ男子高校生が主人公のラブコメディです。剛田猛男は身長2m体重120㎏という巨体の持ち主。正義感に溢れ、困っている人を見るとつい助けてしまう、優しい心の持ち主です。ある日、痴漢から女子高生の大和凛子を助け一目惚れをしてしまうのでした。

猛男の外見は熊やゴリラを彷彿とさせ、優男風イケメンとはかけ離れた外見をしています。しかし、誠実で正義感に溢れた人柄は男女問わず慕われており、これがイケメンタルと呟かずにはいられません。外見を似せることが不可能と思われた猛男役を演じた鈴木亮平ですが、約30㎏の増量をして撮影に臨みました。まさしく漫画のままの姿でピュアな猛男を真剣かつコミカルに演じています。

結末までの内容は、こちらの記事でより詳しく紹介しています。

漫画『俺物語!!』の魅力を全13巻ネタバレ紹介!

著者
アルコ
出版日
2012-03-23

【映画原作】『彼岸島』(2016年)

松本光司の漫画作品『彼岸島』は、森と海しかない離島「彼岸島」を舞台とした物語です。宮本明は青果店の次男。2年前に行方不明になった兄を探すため、友人たちとともに彼岸島を訪れます。しかし島は吸血鬼たちに支配されていました。兄を探し出し、島を脱出するために、明たちは吸血鬼と戦うことになります。

2013年『彼岸島』、2016年『彼岸島 Love is over』としてドラマ化されており、2016年のドラマ放送後に合わせて映画が公開されました。ドラマは設定やストーリーの一部が変更されており、明や篤だけでなく独自の選択をする登場人物もいるため、原作とは展開が異なる部分があります。映画版はドラマの続編という作りなので、原作とは違った『彼岸島』の終わりを迎えました。

鈴木亮平が演じていたのは明の兄、宮本篤です。運動神経抜群で頭脳明晰、涼子という婚約者もおり順風満帆な日々を送っていましたが、ある出来事をきっかけに状況が一変、弟とも対立する立場となってしまいます。戦闘シーンではCGが使用されており、撮影中は目に見えない敵との戦いで苦労もあった様子。視聴の際は、敵が見えない動きであることを意識すると、より動きの凄みが伝わるはずです。

気になった方には、より詳しく紹介したこちらの記事もご覧ください。

漫画『彼岸島』のホラーでギャグな魅力まとめ!【〜最新14巻ネタバレ注意】

著者
松本 光司
出版日
2003-04-04

【映画原作】『海賊とよばれた男』(2016年)

『海賊と呼ばれた男』は、石油類の精製や販売を行っている出光興産と創業者、出光佐三をモデルとした歴史小説です。百田尚樹の作品で、2013年の本屋大賞を受賞しました。1945年8月、終戦を迎えた東京。街は瓦礫の山となっており、人々は疲弊し失意の中にいました。国岡商店の店主、国岡鐵造は国岡商店の再建を目指し、数少ない社員たちとともに奮闘していきます。

物語は国岡鐵造の生涯と商店の歴史を、時間を前後しながら描いていきます。鈴木亮平が演じたのは、国岡商店の店員となる武知甲太郎。元陸軍中野学校の教官という経歴の持ち主で、英語が堪能です。鈴木亮平自身も語学が堪能ですが、特技をいかんなく発揮する通訳シーンは必見。また、ブログでは映画では登場しなかった幻の衣装を着用した写真をアップしています。

著者
百田 尚樹
出版日
2014-07-15

 

【映画原作】『忍びの国』(2017年)

明瞭かつ軽快なテンポで進む物語に、歴史小説の新たなブームを巻き起こした作家、和田竜。『忍びの国』は、織田氏と伊賀惣国一揆の戦いである天正伊賀の乱を題材とした作品です。戦国時代、伊賀国では百地三太夫は小競り合いに勝利して伊勢を落とし、織田家と国境を接することになりました。国中で評定を行った結果、織田家の軍門に下ることになったものの内部の反発もあり、信長の次男信雄は伊賀攻めを決定してしまいます。

忍びたちの国である伊賀と、天下統一を着々と進める織田家との戦いを描いていく本作。映画はオリジナル要素や省略されている部分はあるものの、原作に忠実に作られています。鈴木亮平が演じたのは下山平兵衛。織田家が伊賀攻めをおこなうきっかけを作る人物です。アクションが多い作品で、身体を鍛えていても撮影は相当過酷だった様子。迫真の忍びアクションは見逃せません。

この映画にわずかながら出演している女優さんが本作をおすすめしたこちらの記事では、より熱量高く魅力を語っています。ぜひご覧ください。

便乗商法!和田竜『忍びの国』をおススメしたい

著者
和田 竜
出版日
2011-02-26

【映画原作】『羊と鋼の森』(2018年)

2016年に本屋大賞を受賞した宮下奈都『羊と鋼の森』は、ピアノの調律師を題材とした物語です。静謐でありながらも豊かな自然と音楽の描写に、多くの人が魅了されました。主人公、外村直樹は高校2年生だったある日のこと、体育館にあったグランドピアノを調律する調律師の仕事を目撃します。調律師という仕事に魅了された外村は、調律師となって故郷北海道の楽器店に就職します。

緑と音楽が美しい本作、鈴木亮平は調律師となった外村を指導する先輩調律師、柳伸二役を演じています。頼れる先輩オーラが全身から滲み出ている鈴木亮平ですが、本作では外村同様悩みながらも、先輩として成長していく様子を演じました。ピアノの調律以外にも楽器を演奏するシーンを見ることができます。

著者
宮下 奈都
出版日
2018-02-09

【映画原作】『燃えよ剣』(2020年)

『燃えよ剣』は歴史小説の大家、司馬遼太郎の作品。幕末最強の武装集団と謳われた新選組の副長、土方歳三を主人公とした物語で、武蔵国多摩郡で喧嘩と女遊びに明け暮れ「バラガキ」と呼ばれていた少年期から、函館戦争までが描かれています。人気のある作品で、現在まで幾度も映画やドラマ、舞台で演じられてきました。2020年版は5月22日に公開が予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響により公開延期となっています。

新選組は人気の題材で、様々な媒体で演じられ数多くの役者が新選組を演じてきました。鈴木亮平は、近藤勇を演じます。新選組局長であり、土方歳三の盟友でもある近藤勇。朴訥とした人間的な魅力で、人々を引き付けた人物です。鈴木亮平の大柄な体は貫禄たっぷり。公開された黒い着物のカットでも局長としての風格が感じられます。

本作を土方歳三の魅力とともにより詳しく紹介したこちらの記事では、名言も読むことができます。

小説『燃えよ剣』土方歳三の生きざまを見よ!魅力が詰まった名言も紹介

著者
司馬 遼太郎
出版日

【映画原作】『ルドルフとイッパイアッテナ』(2016年)

実写映画を見てきましたが、ここでアニメ映画を1作品ご紹介いたしましょう。『ルドルフとイッパイアッテナ』は、斉藤洋の児童文学作品です。小学生のリエちゃんに飼われていた主人公の黒猫ルドルフは、うっかり長距離トラックに乗って岐阜から東京まで運ばれてしまいます。途方に暮れていたルドルフは、野良猫の親分と出会いました。顔が広いという親分の名前を「イッパイアッテナ」であると勘違いしたルドルフは、親分と一緒に生活することになります。

猫を主人公とした成長と冒険の物語、子どもの頃に読んだことのある方も多いのではないでしょうか。2016年8月に3DCGの劇場アニメ作品として公開されました。鈴木亮平は野良猫の親分、イッパイアッテナを演じています。茶虎柄で身体の大きいイッパイアッテナはまさしく親分という風格。鈴木亮平の低音ボイスは頼りがいのある親分猫にぴったりです。ドスをきかせた声と優しさがにじみ出る声の違いも感じてみてください。

著者
斉藤 洋
出版日
1987-05-20

【テレビドラマ原作】『レガッタ〜君といた永遠〜』(2006年)

レガッタとは、手漕ぎによるボート競技のこと。『レガッタ~君といた永遠~』は原秀則の漫画作品で、大学のボート競技部を舞台にしています。高校で槍投げをしていた主人公、大沢誠は自身が投げた棒でボート部員が怪我をしたことがきっかけで、ボート競技をやることになりました。竜王大学に進学し、かつてライバルだった倉田健二とコンビを組んだ大沢はオリンピック候補とまで呼ばれていましたが、倉田が事故死したことで競技から離れてしまいます。

ボート部を舞台にした青春ラブストーリー。原作は高校時代のエピソードから始まっていますが、ドラマでは倉田の事故死から2年後の物語として大沢を中心とした恋物語が描かれました。鈴木亮平のドラマデビュー作ですが、メインキャストではありません。水着のキャンペーンボーイから俳優に転向したという時期なので、おそらくボート部員として登場するのではないかと思われます。

著者
原 秀則
出版日

【テレビドラマ原作】『生徒諸君!教師編』 (2007年)

『生徒諸君!』は庄司陽子の漫画作品。素直で快活な性格のナッキーこと北城尚子が、聖美第四中学校に転入してきたことがきっかけで巻き起こる騒動と、恋や友情を描く学園物語です。成長した尚子を描くシリーズが展開されており、ドラマの原作になったのは大人になった尚子の物語。『生徒諸君!教師編』では、中学校教師になった尚子が、問題児ばかりのクラスを担当し、生徒たちと向き合いながら葛藤し成長していく姿が描かれました。

原作では『教師編』とつきますが、ドラマでは『生徒諸君!』とそのまま。原作とは大幅に違う設定を持っている生徒もおり、原作が未読でもドラマを楽しめるようになっています。鈴木亮平は、尚子が勤める学校に赴任してくる新任教師、南田役。尚子の後任というポジションなので、短いながらもしっかりとした出番のある役となっています。

著者
庄司 陽子
出版日

【テレビドラマ原作】『花ざかりの君たちへ』(2007年)

中条比紗也の漫画作品『花ざかりの君たちへ』は、アメリカ育ちの主人公芦屋瑞樹が偶然見た憧れの走高跳の選手、佐野泉に会うために男装し、男子高校に入学し寮で生活するというラブコメディ。2007年、2011年とメインキャストを変更してドラマ化がされており、どちらも原作のエピソードを厳選しストーリーが作られています。

副題を見てもわかるとおりイケメンばかり登場する本作、鈴木亮平は2007年放送版に登場する、第一寮所属の明石総一郎役。主人公とは寮が別なので登場回数がものすごく多いというわけではありませんが、所属寮がはっきりとしているので探しやすいのではないでしょうか。筋トレ大好きという、本人とも通じる役柄です。

その他の登場人物については、こちらの記事で詳しく魅力を紹介しています。

『花ざかりの君たちへ』登場人物の魅力をその後までネタバレ紹介!

著者
中条 比紗也
出版日

【テレビドラマ原作】『忘れられない恋のうた ガソリンスタンドガール』他(2007年)

忘れられない人との恋の出会いを思い出させようというコンセプトのウェブサイト「初恋ネット・ドットコム」に寄せられたメッセージを元に、小説化したのが小原信治『忘れられない恋のうた ~Sweet & Bitter~』と『忘れられない恋のうた ガソリンスタンドガール』です。収録されたエピソード1~2話にまとめられ、オムニバスドラマとして放送されました。 

著者
["小原信治", "花坊/写真", "小原信治"]
出版日

鈴木亮平が登場するのはエピソード1「初恋」です。現在は主婦をしている川瀬菜津子が大学生の頃に付き合っていた恋人、黒田悠二を演じました。大阪と東京で遠距離恋愛をしている年上の恋人という役柄、落ち着いた雰囲気にも恋人を大切に想う様子を丁寧に演じています。

【テレビドラマ原作】『秘書のカガミ』(2008年)

スーパー秘書加賀見優の活躍を描く、堀戸けいの漫画『秘書のカガミ』。法律の知識を豊富に持ったスーパー派遣秘書、優が運命の相手との出会いを求め、様々な企業を渡り歩き、問題を解決していきます。現代企業の闇を暴く勧善懲悪なストーリーに加え、お色気シーンもふんだんに入った痛快娯楽作品。ドラマと原作では一部設定が異なっている部分はありますが、原作より娯楽に特化した作りになっています。

鈴木亮平が演じたのは、マッシュルームカットの気弱な青年鮫島哲也。冴えない青年ですが実は内閣調査室所属のエリート国家公務員で、総理大臣の密命を受けて経済に悪影響を及ぼす企業の調査を行っているのです。正義感に溢れたイケメンエリートな姿はもちろん、お色気シーンでも登場。そちらも意外な姿ですが、注目したいのはマッシュルームカット姿です。印象ががらりと変わり驚かされます。 

著者
堀戸 けい
出版日

【テレビドラマ原作】「シバトラ」シリーズ(2008年~2010年)

『シバトラ』は、安童夕馬原作原案、作画を朝基まさしが担当している漫画作品です。22歳で生活安全課少年係に所属している警察官であるにもかかわらず、童顔すぎて中学生にしか見えない主人公、柴田竹虎。竹虎が少年犯罪に立ち向かい、非行少年の更生に尽力していく姿を描きます。2008年にテレビドラマシリーズが放送され、2009年にはスペシャルドラマ『シバトラ〜童顔刑事! 史上最大の危機スペシャル〜』、2010年に『シバトラ〜さらば、童顔刑事スペシャル〜』が放送されました。

ドラマは原作のエピソードを厳選しつつ、オリジナルストーリーを展開。登場人物の設定も一部変更されています。鈴木亮平が演じたのは、武良広海。ヒロインの宝生美月が通う本牧高校のクラスメイトです。2008年のシリーズ第3話をはじめとしてメインエピソードに絡みますが、高校生らしからぬ存在感に圧倒されます。ネット配信されていたミニドラマ『裏トラ』のスペシャル版『裏トラ2』では、鈴木亮平自身が監督と脚本を務めました。

結末までのより詳しいストーリーは、こちらでご覧いただけます。

漫画『シバトラ』の魅力を最終回までネタバレ紹介!無料で読める!

著者
朝基 まさし
出版日
2007-05-17

【テレビドラマ原作】『メイちゃんの執事』(2009年)

イケメンに傅かれ、お世話されたいという乙女の願望が形になったのが、宮城理子の漫画作品『メイちゃんの執事』です。うどん屋を営んでいた両親の元で暮らす平凡な少女でしたが、両親の事故死をきっかけに実は大富豪本郷家の孫娘だったことが発覚して生活が一変。女生徒1人に必ず執事が付くという超お嬢様学校、聖ルチア女学園に入学することになったメイは、本郷家から送られたイケメン執事柴田理人とともに学園生活を送ることになります。

原作では中学生だったメイですが、ドラマでは高校生になっているのをはじめとして、キャラクターや学園の設定が一部異なっています。ストーリーは概ね原作に忠実ですが、ドラマ独自の展開と最終回を迎えました。お金持ちのお嬢様と男性執事がワンセットという本作、鈴木亮平はIQ300の天才児麻々原みるくの執事、大門を演じています。周囲は高校生ですがみるくは13歳未満。良きお兄ちゃんでありながら、幼い主人を守る誠実かつ男らしい姿を見ることができます。

著者
宮城 理子
出版日
2006-11-24

【テレビドラマ原作】『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(2009年)

全200巻という大記録を打ち立て、完結を迎えた秋本治の漫画作品『こちら葛飾区亀有公園前派出所』は、『こち亀』という愛称で親しまれているギャグマンガの名作です。東京都葛飾区の亀有公園前派出所に勤務する警察官、両津勘吉を主人公に騒動をコミカルに描き人気を博しました。超人的な身体能力を持ち、金儲けにがめついところはあるものの、義理人情に厚く人脈もある両津のキャラクターが魅力の1つです。

実写化というと驚きを隠せませんが、香取慎吾主演でドラマ化されました。葛飾区を主な舞台とし、様々な有名人がゲストとして登場しています。鈴木亮平は最終話となった第8話にゲスト出演。銀行強盗犯役で登場しました。

著者
秋本 治
出版日

【テレビドラマ原作】『岡部警部シリーズ』(2009年)

岡部和雄は人気作家内田康夫のミステリー小説に登場する、警視庁捜査一課の警部です。以前は室町署の警部補でしたが、長野県で発生したバラバラ殺人事件を解決したことで警視庁に栄転、以後はその推理力をいかんなく発揮し、いくつもの難事件を解決に導きました。『岡部警部シリーズ』は、岡部警部が難事件を解決していく一連のシリーズを指し、ドラマでは5人の役者が演じました。

著者
内田康夫
出版日

鈴木亮平が出演しているのは、2007年から2009年の間放送された近藤正彦版です。2009年、「シーラカンス殺人事件」に登場する恵木学役を演じました。南アフリカに派遣されたシーラカンス捕獲チームの周辺で起こる殺人事件を調査していく本作。恵木は犯人と目されている一条の妹、万里子の大学時代の後輩でテレビ局に勤めています。事件の関係者という立場であり、テレビ局のスタッフとして動き回る姿を見ることができます。

 

【テレビドラマ原作】『ヤンキー君とメガネちゃん』(2010年)

古河美希の漫画作品『ヤンキー君とメガネちゃん』は、現役ヤンキー少年と元ヤンキー女子高生を中心に、高校生たちの熱い友情と成長を描く青春コメディです。品川大地は無器用な性格で、周囲に誤解されがちな少年です。ある日、足を挫いた足立花を助けますが、そのことがきっかけで、花と仲良くなります。三つ編みに眼鏡の花ですが、実は最強と恐れられていた元ヤンキーなのでした。

高校生が主人公の物語、原作とは一部設定が変わっているキャラクターもいます。鈴木亮平が演じる練馬青雲は大地の幼馴染で、大親友。喧嘩が強く、高校は別になってしまいましたが大地を応援する友情に厚い人物です。2010年当時、鈴木亮平は20代後半でしたが、実年齢を感じさせない、ちょっとヤンチャな演技が目を引きます。

著者
吉河 美希
出版日
2007-02-16

【テレビドラマ原作】『逃亡弁護士 成田誠』(2010年)

弁護士を題材にした作品は数多くありますが、主人公の注釈に「元弁護士」とつく作品は多くありません。剛英城原案、髙田優が作画を担当している漫画作品『逃亡弁護士 成田誠』は、無実の罪を着せられた元弁護士。成田誠の逃亡と真犯人を探していくサスペンスミステリー。ドラマでは、逃亡中の成田が様々な人の手を借りながら自身の事件の調査をおこなう中で、困っている人々を法律で助けようと奮闘します。

弁護士でありながら、殺人事件の犯人とされてしまい逃亡している主人公、という奇抜な設定が、他の弁護士ものとは一線を画する本作。鈴木亮平は、成田を尾行し監視している謎の男、黒川竜一を演じています。実はあっと驚く設定の持ち主で、物語の鍵となる重要な役柄。眼光の鋭さが黒川の隠された真相を物語っています。

著者
["高田 優", "剛 英城"]
出版日

【テレビドラマ原作】『探偵倶楽部』(2010年)

作品の多くが実写化され、人気となっている作家東野圭吾。『探偵倶楽部』は、会員制調査機関、通称「探偵倶楽部」のメンバーが、VIP会員から寄せられた依頼を迅速に解決していく短編集です。原作では探偵倶楽部のメンバーとして堀の深い顔立ちの30代の男性1人と20代の女性2人が登場しますが、ドラマでは冷静でダンディな実力者二階堂匠と、類稀な記憶力を持つ漆原こずえが調査を行いました。

収録されている短編のうち、『偽装の夜』を主な原作としてスペシャルドラマが放送されました。一部原作とは設定が異なっています。鈴木亮平は、殺害された会社社長の長男で専務の正木友弘を演じました。元々落ち着いた大人のイメージを持つ鈴木亮平ですが、役柄とマッチして、より一層できる男の風格が漂っています。

著者
東野 圭吾
出版日

【テレビドラマ原作】『その街の今は』(2010年)

『その街の今は』は、柴崎友香の同名小説が原作です。大阪に暮らす28歳の歌は、勤めていた会社が倒産したため、現在はカフェでアルバイト中。初めて参加した合コンは散々でしたが、年下の良太郎と出くわし親交を深めていきます。原作を元に一部設定や物語の展開が変更されている部分もあり、ドラマ独自の大人の青春ラブストーリーとして楽しむことができます。

鈴木亮平は、歌が友人の智佐と訪れたクラブで出会う年下の男性、良太郎役を演じました。酔った勢いで歌が交際宣言をしたことで交流が生まれるのですが、同じものを好むなど趣味が似通っているため、徐々に変化が現れ心を寄せていく様子を繊細に演じました。大阪が舞台なので、鈴木亮平のナチュラルな関西弁を聞くことができます。

著者
柴崎 友香
出版日
2009-04-25

【テレビドラマ原作】『同期』 (2011年)

警察を舞台とした小説を数多く執筆してきた作家、今野敏の人気シリーズの1つが『同期』シリーズです。宇田川亮太と蘇我和彦、大石陽子という3人の同期の警察官が、暴力団組員の発砲事件をきっかけに、警察組織の闇にのまれていく友情サスペンス。ドラマでは陽子の存在は無くなっており、宇田川と蘇我を中心とした陰謀と友情の物語が展開されています。

鈴木亮平は宇田川や蘇我と同期の警察官、宮下幸助を演じています。もう1人の同期という立場で、蘇我が失踪した件について宇田川から相談を受け、独自で調査を行いました。宇田川蘇我という同期を心配しつつ、組織の中の立場について釘をさす、友人たち想いの温かい演技が光ります。

著者
今野 敏
出版日
2012-07-13

【テレビドラマ原作】『本日は大安なり』(2012年)

日本の暦には、その日の吉凶を記載するという文化があります。暦注のひとつ、六曜は最も身近で、葬式は友引を避けるなど、今でも利用されています。その中で大安とは何事も成功しないことはない日、というスペシャルな1日。結婚式は大安に行われることが多く、辻村深月『本日は大安なり』も舞台は結婚式場。式で入れ替わりを計画する双子の姉妹や、浮気相手との結婚式を開催することになってしまった男など、4組のカップルの様子が描かれています。

ドラマでは結婚式は5つになっており、式場に脅迫状が届くというドタバタサスペンス仕立て。その中に、原作の設定やエピソードが織り交ぜられています。鈴木亮平はウエディングプランナーの岬恭介役。数少ない男性職員で、陰から主人公の多香子を支えていきます。結婚式場というトラブルの宝庫でも冷静さを失わない姿に、視聴者の心も落ち着きを取り戻すことでしょう。こんな職員に担当してもらいたい、と感じるはずです。

著者
辻村 深月
出版日
2014-01-25

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辻村深月の書籍をジャンル別にランキングで紹介!文学賞、映像化、初期、短編

辻村深月の書籍をジャンル別にランキングで紹介!文学賞、映像化、初期、短編

思春期の少年少女の心理を描くことで、定評のある辻村深月。作風は、透明感のある文章と、各作品で登場人物がリンクしているのが大きな特徴と言えるでしょう。直木賞や本屋大賞を受賞し、多くの作品が映画・ドラマ化されている彼女の著作をジャンル分けして紹介したいと思います。

【テレビドラマ原作】「防犯探偵・榎本」シリーズ(2012年)

何かと物騒な昨今、防犯への関心は日に日に高まっていきます。ドラマ『鍵のかかった部屋』は、貴志祐介の推理小説シリーズ『防犯探偵・榎本』シリーズを原作とした作品。防犯グッズショップの店長で防犯コンサルタントという肩書を持ちながら、本職は泥棒だという主人公で探偵役の榎本を中心に、難事件を解決していきます。タイトルはシリーズ3作目からとられていますが、エピソードはシリーズ全作から厳選されています。

ドラマでは榎本が泥棒だと明言されていないなど細かい設定や、オリジナルキャラクターやりて弁護士の芹沢豪が登場するなど、相違点が多くあります。鈴木亮平が登場するのは第9話です。反社会的な空気の漂う貿易会社の社員八田三夫役なのですが、八田は犯人と疑われながら、遺体となって発見されてしまいます。あまり見ることのない死亡シーンはもちろん貴重ですが、美沙という可愛い娘を可愛がる父親の姿を短い時間ながら見せました。

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『鍵のかかった部屋』原作「防犯探偵・榎本」シリーズの魅力を紹介!

著者
貴志 祐介
出版日
2012-04-25

【テレビドラマ原作】『ベッドの思惑』(2012年)

田辺聖子『ベッドの思惑』は、31歳の女性あかりが主人公。キャリアを積み、念願かなってマンションのワンルームで1人暮らしを開始しました。自分磨きに勤しみ、恋の相手も引く手あまたなのに、なぜか結婚には至らない。ドラマではあかりの友人たちも登場、4人の独身女性の恋愛模様が描かれています。

どきりとするタイトルではありますが、基本は大人の恋愛物語。鈴木亮平が演じるのは、塾講師の吉崎久太。隣のビルにある進学塾の講師で、あかりは日夜怒鳴り声を耳にしています。ゴミ捨て場にあったソファがきっかけであかりと知り合い交際するようになるのですが、久太は自分の道を突き進むタイプ。他の作品でみるよりも少し幼く感じられます。

著者
田辺 聖子
出版日

【テレビドラマ原作】『泣いたらアカンで通天閣』(2013年)

『泣いたらアカンで通天閣』は、坂井希久子の同名小説が原作。大阪の下町、新世界の商店街を舞台にした人情ドラマが展開されます。新世界の北側、空き店舗が目立つ商店街の一角に、「味よし」という一軒のラーメン屋がありました。主人公千子は母を早くに亡くし、不器用で喧嘩っ早い父と祖母と3人で暮らしています。ある日、東京から幼馴染が返ってきたことで、千子の周辺に変化が表れ始めるのでした。 

大阪の下町が舞台ということもあり、威勢のよい掛け合いが見所のひとつ。鈴木亮平は千子の幼馴染カメヤこと亀谷雅人を演じます。惹かれあい恋人関係になっていく2人のラブシーンは多め。千子と父親のケンカシーンは勢いがすさまじく、カメヤと千子シーンの激甘な空気との温度差は激しいですが、糖分過剰摂取でも問題ないという方は、ぜひじっくりご堪能ください。

著者
坂井 希久子
出版日

【テレビドラマ原作】『空飛ぶ広報室』(2013年)

自衛隊は国防を担っている組織ですが、一般人には内部がどうなっているかはよくわかりません。有川浩の作品を読んで、自衛隊を身近に感じた読者も多いのではないでしょうか。『空飛ぶ広報室』は、航空自衛隊の広報室を舞台にした物語。交通事故による負傷で、戦闘機パイロットから航空幕僚監部広報室に移動となった主人公、空井大祐と元報道記者稲葉リカの再起と恋を描いていきます。

ドラマでは細かい設定の変更があります。また、作中には現役自衛官がエキストラ出演していることも話題となりました。鈴木亮平が登場するのは、第7話。レスキュー最後の砦といわれる航空救難団、通称メディックの隊員佐伯役です。出演自体は短いですが、日々厳しい訓練を行い、人々を救助する隊員の凄みを伝えています。ちなみに鈴木亮平以外のメンバーは全員現役のメディック隊員だったのだとか。体格を見ても遜色ないところはさすがの一言に尽きます。

著者
有川 浩
出版日
2016-04-12

【テレビドラマ原作】『天皇の料理番』 (2015年)

生きていれば誰だってお腹は減るもの。食事をとるという行為は、必要不可欠です。家庭では自分や家族が料理を作りますが、天皇家では専属の料理人が食事を作ります。杉森久英の『天皇の料理番』は、明治から昭和を生きた料理人、秋山徳蔵の生涯を描いた小説作品。秋山が宮内省大膳職司厨長になるまでを描いています。原作は実在した秋山徳蔵の人生をモデルに描かれていますが細部はフィクションで、名前の漢字表記が変更されています。ドラマでは「秋山篤蔵」という名前で表記されました。

過去何度かドラマ化されていますが、2015年版は原作に忠実に映像化されました。明治から昭和にかけて、街並みを精巧に再現したセットも見所の1つです。鈴木亮平は、主人公秋山篤蔵の兄、兄やんとして親しまれる周太郎を演じました。周太郎は弁護士を目指していましたが、病に倒れ夢を絶たれてしまいます。作中では病によって徐々にやつれていく姿を、撮影に合わせて体重を落とすことで表現するという、驚異的な役作りを見せました。クランクインから落とした体重は20㎏、その後別の作品で増量したところを見せ、周囲を驚かせています。

著者
杉森 久英
出版日

【テレビドラマ原作】『お迎えデス。』(2016年)

人間にはわからない事がたくさんありますが、死後の世界もそのひとつ。実際にその時にならなければ、誰にもどうなっているかはわかりません。あの世の妄想は捗りますが、田中メカの漫画作品『お迎えです。』も死後の世界と現世を舞台にした物語。あの世に存在する会社、極楽送迎(GSG)で、未練を残した霊をあの世に送り届けるアルバイトをすることになった主人公、堤円とGSG社員たちの日常とお仕事をコミカルに描いていきます。

ドラマでは各キャラクターの設定の細部に変更があるほか、テレビ局内のコラボレーションにより、実在の人物がそのまま登場する場面もありました。鈴木亮平が演じているのは、GSGの社員で死神のナベシマです。上司の命令によりピンクのウサギの着ぐるみを着用しており、登場シーンの多くは首から下が着ぐるみという若干シュールな姿で笑わせてくれます。チャラい性格ですが重い設定の持ち主なので、シリアスシーンとのギャップは見逃せません。

著者
田中 メカ
出版日

【テレビドラマ原作】『警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官』(2016年)

警察を舞台にした作品は数多くありますが、女性を主人公にした作品です。梶永正史のミステリー作品『警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官』は、ノンキャリアの女性警察官郷間彩香が主人公。着実にキャリアを積み重ね、警視庁捜査二課に配属された彩香が、渋谷の銀行で発生した立てこもり事件をきっかけに、警視庁内部の大きな陰謀に巻き込まれていきます。

スペシャルドラマとして放送された本作、ドラマでは彩香が知能犯専門の課に配属されているなど、細かい設定の編子があります。鈴木亮平は警察庁刑事局組織犯罪対策部国際捜査管理官の吉田透を演じました。役職名が長いことからわかるとおり、キャリア警察官。二面性がある人物で、様々な顔を見ることができます。警察官的な活躍はもちろん、衝撃的なお色気シーンも見所の1つ。突然やってくるので、注意してご覧ください。

著者
梶永 正史
出版日
2015-01-08

【テレビドラマ原作】『東京タラレバ娘』(2017年)

あの時ああだったら。あの時こうしていれば。過去のことは変えられませんが、つい考えてしまうものです。そんな、あの時の話を積み上げすぎて、33歳で独身という女性3人の物語東村アキコ『東京タラレバ娘』。仕事も恋愛もうまくいかない倫子、美人で夢見がちな香、しっかり者の小雪3人それぞれの恋模様が、コミカルに描かれました。

原作は33歳でしたが、ドラマ版では3人とも30歳と年齢が引き下げられています。そのほか細かい設定の違いはありますが、物語自体は概ね原作どおりに展開されました。鈴木亮平は、ドラマ制作会社に勤めるプロデューサー、早坂哲朗役。倫子にフラれた過去の持ち主ですが、倫子を陰ながら見守っており、大人の男性の大らかさの中に、一途な男性のいじらしさがにじみ出ています。

より詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。

大人恋愛漫画『東京タラレバ娘』がリアル!【8巻ネタバレ注意】

著者
東村 アキコ
出版日
2014-09-12

【テレビドラマ原作】「守り人」シリーズ(2017年~2018年)

目に見える人間の世界「サグ」と目に見えない精霊の世界「ユナグ」が存在する、架空の世界を舞台にしたファンタジー大作が、上橋菜穂子の『守り人』シリーズです。川に流された新ヨゴ皇国の第二皇子、チャグムを救った女用心棒バルサ。水の精霊の卵を宿したチャグムは父帝から命を狙われることになり、バルサはチャグムを守りながら旅をすることになるのでした。

日本とはまったく違う文明や文化を持ったファンタジーを実写化するということで、驚いた原作ファンも多いのではないでしょうか。長大な物語のため3年にわたって放送されましたが、シーズン1は原作に忠実に描かれ、2からは原作を大きくまとめて再構成した形で制作されました。

鈴木亮平が登場するのは、シーズン2『悲しき破壊神』から。南の大陸にある大国、タルシュ帝国の密偵ヒュウゴを演じています。ヒュウゴの生い立ちはなかなか複雑で、生まれ育った国が滅ぼされ戦災孤児となった過去を持っています。ヘアスタイルやアイラインの影響か、一見するとワイルドな雰囲気。意外と硬派で存在感は抜群、チャグムやバルサたちとも絡む、重要な役どころです。

気になった方は、こちらの記事もご覧ください。シリーズの他の作品も紹介しています。

「守り人」シリーズの魅力とは。『精霊の守り人』や新刊のあらすじもネタバレ

著者
上橋 菜穂子
出版日
2007-03-28

【テレビドラマ原作】『宮沢賢治の食卓』(2017年)

原作『宮沢賢治の食卓』は、魚乃目三太の漫画作品です。宮沢賢治は、謂わずと知れた有名な童話作家。『銀河鉄道の夜』や『風の又三郎』、詩の『雨ニモマケズ』など、触れたことがある方も多いのではないでしょうか。宮沢賢治は妹トシの病気をきっかけに、東京から故郷花巻に帰省し、稗貫農学校の教職員になりました。トシの看病をしながら、農家の理想と現実のギャップに苦悩する姿が描かれます。

著者
魚乃目 三太
出版日

鈴木亮平は、主人公の宮沢賢治を演じました。鈴木亮平自身も驚いたそうですが、多くの人が抱くような、清貧で耐える人という印象は覆るでしょう。明るく朗らかで、裕福な家庭に育ったおおらかさが感じられます。教師らしく子どもと向き合うところはもちろんですが、見所は妹と接するときの、優しい兄としての表情です。最愛の妹との日々を目に焼き付けてください。

【テレビドラマ原作】『テセウスの船』(2020年)

近年、リアルタイムでドラマを視聴し、犯人や展開の考察で盛り上がる作品が増えました。『テセウスの船』は東元俊哉の漫画作品。1989年、北海道の小さな小学校で、児童と教職員含む21人が死亡する事態となった、無差別毒殺事件が発生しました。駐在所の警察官、佐野文吾の自宅から青酸カリが発見され、犯人とされましたが文吾は容疑を否認しています。28年後、文吾の息子である田村心は、事件のわだかまりを抱えつつも自分と大切な人の生活を守ろうと考えていました。しかし、妻由紀の死をきっかけに、事件の真相を探っていくことを決意、現場となった村でタイムスリップをしてしまうのでした。

過去にタイムスリップをし、事件の真実を暴き出していく本作。事件の発生した1989年という変更はないものの、現代は現実と同じ時間である2020年となっています。鈴木亮平が演じているのは、心の父親佐野文吾。正義感溢れる警察官ですが、無差別殺人事件の犯人の容疑者とされてしまいます。駐在所の警察官なので、頼れる町のおまわりさん的な親しみやすさがあります。心とのシーンでは協力者や父親など、様々な面を見せますが、見逃せないのは腹踊りのシーン。割れた腹筋に愛嬌のある顔が描かれています。

より詳しく知りたい方には、こちらの記事もどうぞ。

『テセウスの船』のあらすじと考察ポイントを紹介!ドラマ化決定

著者
東元 俊哉
出版日
2017-09-22

どの作品にも熱意を注ぐ鈴木亮平。その出演作品一覧

プロフィールを見ると、早い段階から役者を一生の仕事にしようと決意していたようです。努力を怠らず真摯に役者という仕事に取り組んできた様子が伺えたのではないでしょうか。こちらでは、そんな鈴木亮平が出演した作品を、一覧でご紹介いたします。

いかがだったでしょうか。役作りと身体つくりを=で結ぶという、役作りの概念を根底から覆すプロ意識の高さと実行力は、鈴木亮平の誰にも真似できない武器だといえるでしょう。原作に触れることで、鈴木亮平がどれだけ役のことを考え、表現しようと苦心しているか感じることができます。次はどんな役柄を演じるのか、楽しみにしながら今までの作品にも触れてみてください。

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