佐久間宣行「ずるい仕事術」を元ライブ制作者が【刺さった点だけ】ずるい要約!

更新:2022.6.22

2022年、日本中の書店の売上ランキングを占拠し続けている本があります。『佐久間宣行のずるい仕事術 僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた』(以下「ずるい仕事術」)です。 「ゴッドタン」などでお馴染みのテレビプロデューサーの佐久間宣行さんが、自身のテレビ東京社員時代の経験を土台に「上手に自分のやりたい仕事を実現していくコツ」をまとめたもの。佐久間さんのテレビを特別見たことがない人でも、ビジネスマンなら読んでいただきたい(そしてこんなアツくて面白いエンタメがあったのか!と舌を巻いてほしい)書籍です。 この記事では「ずるい仕事術」の、ライターの刺さったポイントだけ「ずるい要約」を試みます。ライターは元ライブ制作者のホンシェルジュ編集者。「佐久間宣行のオールナイトニッポン0」の放送当初からのリスナーでもあり、「エンタメに携わる者」として本作を読みました。

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「ずるい仕事術」をずるい要約①不機嫌大人はエンタメに不要

 

まず刺さったのは、第1章の1番最初の章で綴られるこの言葉。

組織にいるうえで、不機嫌でいるメリットなど一つもないのだ
(「ずるい仕事術」第1章仕事術編 1「楽しそう」を最強のアピールにする より引用)

思い通りにいかないとすぐキレる、下の立場の人間に対し大柄な態度を取る……いわゆる「不機嫌な大人」という存在。そんな人が好きなんていう人は誰もいないはずなのに、特に「現場」と呼ばれる仕事場には大変多いですよね!

「現場」には本番があったり、大勢の人が見ていたりと、失敗が許されないため気が張るのはわかります。タレントさんがいれば所属事務所に、スポンサーがいれば関係者各位に、と気を遣う相手が多いのもわかります。

そんな「不機嫌な大人」にライターがモノ申したい、と思っていたことは1つでした。

「なんでエンタメ作ってる人が1番楽しくなさそうなんだよ?」

佐久間さんが得意とする「お笑い」も、あるいは音楽や芸術でも、心に訴えるものを売りにした商売ってとっても繊細なものだと思います。月曜オールナイトニッポンを務めるCreepy NutsのR-指定氏の歌詞を引用するところの、「ヒトの感情以外は何一つ生み出さぬ仕事」というやつです。

1人でも不機嫌な人がいると、それが他のスタッフ演者さんにも伝わってしまうもの。ひいてはお客様にも伝播してしまうということを、劇場でイベントの現場にいたライターは身をもって感じてきました。

だから佐久間さんがこの日本中で爆売れ中の書籍で、

「キレる人はキャパシティが狭い。仕事ができないこととイコールだ」
(「ずるい仕事術」第4章マネジメント編 6「問題児」には先手を打つ より引用)

と名言してくれてとても気持ちがよかった。この本を読んだ人から順番に実行して、みんなで気持ちのいい世の中に変えていきたい!と思います。

著者
佐久間 宣行
出版日

自分はイライラしないように気を付けていても、身近にそういう人がいて改善にならないという方もいるでしょう。佐久間さんは新しいチームを立ち上げる時に、そういう人が発生しない方法も具体的に書いてくれています。自分にチームの空気を作っていく主導権がある方はすぐに真似したい内容です。

また、自分にその権限がないという方も、どうしようもなくはありません。これからは「不機嫌な大人」を、1つ上のステージから客観視してみてはいかがでしょうか。自分から乖離させて、「ああこの人はキャパシティが小さいな」と冷静な視点で捉えるだけでも少しは心が楽になるはず。

それに、なんたってこっちには佐久間さんの裏付けがあるのです。「あの佐久間さんが言ってたぞ」「この人は未来の佐久間さんにはなれない器の人間」と心の中で唱えて、純粋にエンタメと向き合う自分の心を全力で死守しましょう。

別の章では、オファーが成立するための過程として

「だれよりも自分(企画者)がこの企画を面白いと思っている」ということが伝わるかどうか
(「ずるい仕事術」第5章企画書編 8「ラブレター」を渡すには? より引用)

が1番大事だと述べられています。まず自分から楽しいを始めることが、楽しいエンタメを届けることにつながるのです。

「ずるい仕事術」をずるい要約②裏方は「演者の才能」に食わせてもらっている

 

刺さったポイントの2点目。このこと自体がメインのテーマの章というわけではなかったものの、何気ない一文に演者さんへのリスペクトを深く感じ、共感しました。

「チーム編成」のコツをまとめた章で、一緒に番組や企画を作る「演者とのチームの組み方」について語られています。佐久間さんにとってヒットする企画の演者を選定する方法とはつまり、「売れる人の見極め方」ということになります。

それはズバリ「俺、こんなもんじゃねえぞという顔をしている人」なのだそう。

それを見極めることができるのも佐久間さんの経験ゆえだとは思いますが、佐久間さんが一流なのは「才能を発掘して終わりにしない」ことです。

「その人にどんな場を提供したらもっと活躍してもらえるか」「どうすればもっと面白くなってもらえるか」を考える。

これも演者の才能に食わせてもらう人間としての大事な役目だと思うのだ。
(「ずるい仕事術」第3章チーム編 6「イラついている実力者」と組め より引用)

演者さんと一緒にコンテンツを作っている裏方にとって、常に忘れてはいけない感覚だと思います。

この感覚は劇場の現場にいて、直接お客様のチケット代で自分の時給が発生しているのを目の前にしているとひしひしと感じます。反対にテレビやwebのようにお客様が見えづらい業界では忘れがちかもしれません

また新人の頃はそう思っていても、古株になればなるほどフレッシュな感覚は失われていくでしょう。この感覚を常に持ち続けている佐久間さんは改めて本物の裏方だと感じました。

我々記事編集者も、執筆者の生み出した文章を1番魅力的に見せ、届けるのが仕事。今、佐久間さんの著書を紹介することで佐久間さんの才能に「食わせてもらっている」のだから、次にはこの記事をどう届けるべきか真剣に考えなくては。ここから、私は私のエンタメを始めたいと思います。


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