2024年もホラー漫画の人気は衰えることを知らず、モクモクれん『光が死んだ夏』アニメ化の速報が飛び込むなど、熱狂的なファンの存在を知らしめました。 今回はそんなホラー漫画の中から、2024年夏におすすめしたい12選をご紹介していきます。 面白いホラー漫画をさがしている方はぜひ参考にしてください。
- 著者
- 永椎 晃平
- 出版日
まず最初はヤングマガジンで連載していた永椎晃平『スケアリー・キャンパス・カレッジ・ユニバーシティ』。
本作は天然お人好しな大学生・千嵐まひなが、大学構内を騒がす心霊絡みの事件に巻き込まれるホラー漫画。
見所は若者の欲望に付け込む怪異の設定で、洒落怖や既存の怪談に依存せず、オリジナリティーを追求する姿勢に好感が持てました。
ホラーとエロスの配分も素晴らしく、おバカでちょろくてかわいいヒロイン、略してチョロインな千嵐のお色気シーンが展開に緩急を付けています。
まひなとバディを組む怪異の専門家・間久部薫は、タトゥーピアスゴリゴリのヤカラ系の見た目からは想像できない礼儀正しい好青年でギャップ萌え。
ヤリサー・パチスロ・美容整形・パパ活・サークル合宿・コンビニバイト・学祭運営と、学生が陥りやすい罠や共感できるシチュを怪異の発生源として取り上げ、日常と隣り合わせの非日常を描き出す構成も見事。
七巻のラップバトルは必見です。
評価 ★25点満点中20点
- 著者
- モクモク れん
- 出版日
ヤングエースUP連載のモクモクれん『光が死んだ夏』はBLとホラーが融合した異色作。アニメ化も決定し、熱い注目が集まっています。
地方の集落で暮らす平凡な中学生・よしきと、その幼馴染・光の体を乗っ取った「何か」の日常を描く本作は、因習村の気配を濃厚に漂わせる湿度の高いホラー描写が魅力。
本来は手書き表現の擬音を敢えて無機質なフォントに置き換えることで読者に生理的違和感を生じさせ、日常が非日常に反転したような、不気味な雰囲気を醸し出します。
現在ヤングエース連載中の本編では、ノウヌキ様の秘密が明らかになるのに伴い田舎町で怪事件や不審死が連続。
よしきと光の周囲を嗅ぎ回る胡散臭い霊能者も登場し、今後の展開から目が離せません。
大注目のホラーオカルトBL モクモクれん『光が死んだ夏』レビュー
2021年8月にwebコミックサイトヤングエースUPで連載スタートするや話題沸騰し、第一巻の単行本が即重版されたモクモクれん『光が死んだ夏』。 本作はBLとオカルトホラーを融合させた傑作であり、読者の背筋をぞくぞくさせる演出や謎多きストーリーが注目を集めています。 今回はそんな『光が死んだ夏』のあらすじや登場人物、魅力をご紹介していきます。
評価 ★25点満点中21点
- 著者
- 龍 幸伸
- 出版日
ジャンプ+連載龍幸伸『ダンダダン』は霊媒師の祖母と暮らす女子高生・綾瀬桃と、宇宙人マニアな高校生・高倉健の凸凹コンビが、オカルト関連のトラブルに巻き込まれていくバトル漫画。
ターボババア・くねくね・アクロバティックさらさら・カシマレイコなど、洒落怖生まれの怪異を大胆にアレンジし、ドラゴンボールのフュージョンよろしくメインキャラと合体させる中二炸裂の発想が秀逸!
第一話にて桃を拉致監禁した、セルポ星人の圧倒的キモさも特筆に値します。
週一連載とは信じ難い圧倒的画力も見所で、見開きシーンのダイナミックな躍動感は、読者の心を掴んで離しません。
ホラー描写はしっかり怖く、怪異のバックボーンはやるせないものの、綾&健を筆頭に気持ちいい奴が揃っているので読後感は爽快でした。
このマンガがすごい!を最短ワードでおすすめ!2022オトコ編1位~10位
漫画好きのみならず、注目の集まる漫画賞の1つである「このマンガがすごい!」。この記事では「このマンガがすごい!2022」オトコ編の1位から10位までの作品を、一言のワードでサクサクおすすめしていきます。
評価 ★25点満点中22点
- 著者
- 押切 蓮介
- 出版日
- 2010-09-24
押切蓮介『サユリ』は、曰く付きの戸建てに引っ越してきた一家に降りかかる惨劇を描くホラー。2024年には実写映画も公開され、『貞子VS伽椰子』『鬼談百景』を手掛けた、白石晃士が監督を務めました。
父親の変死を皮切りに不幸が相次ぎ、崩壊に瀕した家族の間に充満する息苦しいプレッシャーと、諸悪の根源の地縛霊・サユリのおぞましい存在感に圧倒されます。
責め苛まれる弟の悲鳴が壁の中から響き渡るシーンはトラウマになるかもしれません。
されど『サユリ』を怪作足らしめているのは後半の展開。身も蓋もない言い方をすれば、前半と後半でガラッとジャンルが変わり、ギアが一段上がるのに応じて怖さの質が変化。
後半で注目してほしいのは、認知症から奇跡の復活を遂げた祖母の暴走。
息子・嫁・孫を殺された復讐に駆り立てられ、サユリを仕留める為なら何だろうと利用し尽くすおばあちゃん無双シーンに、「実体を持たない幽霊より生きている人間のほうが怖い」と思い知らされました。
押切蓮介おすすめ漫画ランキング10作!ホラーでも感動漫画でも人の底を映す
シュールな絵柄と独特のセンスで描かれる押切蓮介の作品は、どれも個性的。ホラーギャグを中心に描かれる物語の数々は、押切にしか出せない味わいに満ちています。具体的にどんな味の作品なのでしょう。今回は押切作品をランキング形式でご紹介していきます。
評価 ★25点満点中19点
- 著者
- 綿貫 芳子
- 出版日
ヤングジャンプ連載綿貫芳子『となりの百怪見聞録』は、ゲイの装丁家・片桐甚八と日本画の巨匠・原田織座の年の差バディが彼岸を垣間見る話。
怪異を引き寄せる体質の甚八と妖や心霊に造詣が深い織座、二人のコミカルな掛け合いが面白いです。
綿貫芳子の美麗な絵は和風ホラーと相性バッチリで、怪異の造形も秀逸。願いを叶えてくれる自販機や神出鬼没の屋台など、ちょっと不思議な出来事から風呂敷を広げる、題材の選び方も刺さります。
何かと食べるシーンが多いのもポイントで、読んでいてお腹がすいてしまいました。
ゲイの装丁家×ロマンスグレーの老紳士が怪異と交わる 綿貫芳子『となりの百怪見聞録』
現在ヤングジャンプで連載中のホラー漫画、綿貫芳子『となりの百怪見聞録』。気難しい中年ゲイとダンディーな老紳士の異色コンビが活躍する本作は、美麗な絵柄が生み出す本格的な怪異の描写や、日常と非日常のコントラストの鮮やかさが特徴です。 今回は『となりの百怪見聞録』の簡単なあらすじや登場人物、魅力をご紹介していきます。
評価 ★25点満点中20点
- 著者
- 近藤 憲一
- 出版日
ジャンプSQ連載近藤憲一『ダークギャザリング』はアニメ化もされた人気作。
幽世を双瞳に映す小学生・寶月夜宵が、怪異に好かれやすい体質のヘタレ青年・幻燈河螢多朗やその幼馴染・寶月詠子の力を借り、事故死した母の霊をさらった元凶を追跡する本作には実在の心霊スポットが多く登場。
心霊スポットに詳しい方なら即「あそこだ!」とわかる為、ぞくぞくする臨場感を出すのに一役買っています。
悪霊を集めて鍛えて強化する戦法、霊同士の相性が勝負の行方を左右する展開は、フレキシブルなポケモンバトルを彷彿とさせました。
暴力と機転でずる賢い悪霊ども従えるフィジカル特化型幼女、夜宵の活躍も痛快です。
フィジカル霊能幼女の全国心霊スポット行脚 近藤憲一「ダークギャザリング」ネタバレあらすじレビュー
2023年夏にテレビアニメ化されたジャンプSQ連載中のホラー漫画、「ダークギャザリング」。今回は背筋も凍る本格的ホラー描写と、悪霊の相性で勝敗が決まる斬新な趣向が話題の本作の魅力を、徹底的に掘り下げながらあらすじを紹介していきます。
評価 ★25点満点中22点
- 著者
- パレゴリック
- 出版日
くらげバンチ連載パレゴリック『ニクバミホネギシミ』は、オカルト雑誌の記者だった叔母・犬吠崎しおいの変死の謎を解くべく、生前の彼女と行動していたカメラマン・浅間博鷹としおいの甥が組む話。
毛髪が抜けて骨格が壊れたしおいの遺体を映す、第一話冒頭からインパクト絶大!
見た目からして醜く歪んだ怪異のおぞましさは言うまでもなく、路上を埋め尽くす虫の死骸や髪の毛を食べる描写など、これでもかと生理的嫌悪を煽ってきます。
ストーリーはもちろん、絵で恐怖を感じたい方におすすめ。
評価 ★25点満点中16点
- 著者
- 長乃 あきら
- 出版日
長乃あきら『シャラクナ~怪奇心霊見聞録~』は、生真面目な担当編集とオカルトマニアのホラー作家バディが、取材と称して様々な心霊スポットに突撃する話。
いわゆるホラーミステリーもので、探偵役の写楽とヘタレ助手の和兎の愉快な掛け合いにクスリとします。
反面、オカルトに対する写楽の執念には狂気すら感じるほど。
死体を埋める現場に立ち会ってもまるで動じず、常に「本物」だけを求めてがむしゃらに突き進む様子は、幽霊すら避けて通る奇天烈な凄味を含んでいました。
評価 ★25点満点中16点
- 著者
- 的野 アンジ
- 出版日
サンデーうぇぶり連載的野アンジ『僕が死ぬだけの百物語』は小学生のユウマくんが一日一話、夜寝る前に怖い話をしていくホラー漫画。
オカルトからヒトコワまで網羅した話のバリエイションの豊かさは言うに及ばず、次第にユウマくんの家庭の異常さが際立ち、彼が視線を向ける対象や両親の奇行に猜疑心が募っていきます。
読者の視点が正面に固定されているのも重要なポイントで、フレームアウトしたユウマくんが何をしているか見えず、前後の状況や会話で補うしかない、余白の使い方が上手いです。
人気ユーチューバーも注目!珠玉のオムニバスホラー 的野アンジ『僕が死ぬだけの百物語』
サンデーうぇぶりで連載中の漫画、的野アンジ『僕が死ぬだけの百物語』。意味深なタイトルや演出、本格的なホラー描写で連載当初から話題沸騰の本作は、残すところあと三十話となり、クライマックスを迎えています。 今回は『僕が死ぬだけの百物語』の魅力やあらすじ、登場人物をご紹介していきます。怖い話が好きな人は必見です。
評価 ★25点満点中17点
- 著者
- 今 市子
- 出版日
- 2007-10-01
Nemuki+連載今市子『百鬼夜行抄』は、偉大な怪奇小説家を祖父に持ち、物心付いた頃から怪異と戯れてきた青年・飯島律が主人公。
しっとり趣深い和風ホラーが好きなら読んで損がない本作は、彼岸と此岸、怪異と人間を相容れない存在として対置し、両者の価値観の断絶や隔絶を描いているのがポイント。
基本一話完結で怪異や呪物に憑かれた人々の顛末が語られており、山奥から飯嶋家の敷地に移動する池のエピソードなどは、漆原友紀『蟲師』に近い雰囲気があります。
筆者のイチオシは六巻収録の『人形供養』。蔵におさめられた人形の呪いが平凡な一家を破滅に導く、傑作ホラー回です。
『百鬼夜行抄』でおなじみ今市子のタイプ別おすすめ漫画5作品!
丁寧な描写とストーリー展開が魅力的な今市子。特に代表作『百鬼夜行抄』は妖怪たちのキャラクターや伏線のあるストーリー展開などの完成度が高い名作です。今回はそんな『百鬼夜行抄』を含む、今市子のジャンル別おすすめ漫画を5冊ご紹介いたします!
評価 ★25点満点中23点
- 著者
- ぬじま
- 出版日
くらげバンチ連載ぬじま『怪異と乙女と神隠し』は、落ち目の女性ホラー作家と本屋バイトの少年コンビが、怪異と乙女と神隠しが絡む事件に挑むホラー漫画。
台湾で有名な赤い少女(紅衣小女孩)の怪、洒落怖でお馴染みの異界駅、Vチューバ―と信者の思念が結実した新時代の神など、古今東西のオカルトを幅広く取り扱っているのが本作の肝。
各エピソードのヒロインもそれぞれキャラが立っていて魅力的。
嘗て主人公に助けられた人物が仲間となってピンチに駆け付ける、王道展開が熱いです。
登場人物のトラウマと怪異の絡め方、解決へ導く落とし込み方も上手く、エモい心理描写に引き込まれました。
評価 ★25点満点中22点
- 著者
- ["加藤 和恵", "小野 不由美"]
- 出版日
ジャンプスSQで連載されていた加藤和恵『営繕かるかや怪異譚』は小野不由美の同名小説のコミカライズ。
建物の修繕を承る「営繕かるかや」の青年・尾端と、曰く付きの家で暮らす住人たちの体験を描いた本作は、原作の雰囲気をしっかり引き継いだ和風ホラーに仕上がっています。
天井裏で発見された河童の体の一部、箪笥で塞がれた開かずの間、謎の老人が徘徊する借家……。
衣食住の「住」にフォーカスした怪現象の数々は、レトロな事故物件好きにはたまりません。
初めての小野不由美!初心者向けおすすめランキングベスト6!
小野不由美、という作家を知っているでしょうか。背筋がぞっとするようなホラー、精緻に作られたファンタジーといったジャンルをまたにかけ、魅力ある作品を生み出す作家です。 今回は話には聞くけど、何を読んでいいか分からない、そんなあなたに向けておすすめ作品をご紹介します。
評価 ★25点満点中19点