複雑すぎる現状に疲れた方、いませんか?そんな時は種村有菜作品のファンタジックであざと可愛い世界に行って、少女時代のきゅんきゅんした気持ちをチャージしましょう。あの頃の気持ちと新しい解釈がある名作少女漫画は、女子の心のオアシスです!
1978年、愛知県出身の少女漫画家。1996年「りぼんオリジナル」の『2番目の恋のかたち』でデビューしました。
その後「りぼん」本誌では1997年『かんしゃく玉のゆううつ』で初掲載、同年『イ・オ・ン』で初連載となります。そして1998年代表作『神風怪盗ジャンヌ』を連載し、この作品はアニメ化もされました。
その後も2012年に「りぼん」から離籍するまで同誌でヒット作を生み出し、以降は「マーガレット」などで作品を書いています。種村有菜の作品は、その美しい世界観が人気です。羽や花、リボンなどの女の子らしいモチーフや書き込まれた背景、キャラクターの大きな瞳、豊かな髪、腰のライン、長い足など、その後の少女漫画に影響を与えた独特な絵にファンが多くいます。
主人公は歌手を目指す12歳の神山満月。彼女は命に関わる喉の病気で手術を勧められますが「私…死ぬのはこわくないです。1回死んでみたいと思ってたし。でも歌えなくなるのはすごく怖い」とどこか悟ったように言います。
そんな彼女の前に「タクト」と「めろこ」の2人の死神が現れ、なぜか満月は彼らが見え、3人は出会います。当初は魂を取ろうとしていた彼らも満月の夢への想いを知り、余命である1年間だけ彼女を応援することにしますが……。
- 著者
- 種村 有菜
- 出版日
- 2002-06-14
この作品は「死」にまつわる暗い話の中で、希望の光が満ち欠けする物語です。大人の裏側や登場人物たちの過去が、少女漫画にしては少しビターな内容になっています。アニメ化されたのでよく目にしていた方も多いはず。
意外と大人な内容と、王道の少女漫画らしさ。甘いだけじゃ楽しめない大人でも、読みたい内容となっています。
『満月をさがして』については<『満月をさがして』が泣ける!魅力を全巻ネタバレ紹介!【胸キュン少女漫画】>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
作者の、初連載漫画作品です。
粒依音(つぶらぎ いおん)はごく普通の女子高生。生徒会長の白石広貴にアプローチされますが、「恋するなら夢を目指している男の子」と運命の人を探しています。
ある日、広貴から逃げているところをクラスメイトの宝来帝に助けられます。IQ170の天才少年の帝が研究分野の超能力について無邪気に語る様子に、依音は惹かれます。ある日、帝の研究に使われている小屋にあった不思議な石のようなものを触ってしまってから、超能力を使えるようになって……。
- 著者
- 種村 有菜
- 出版日
ファンの中でも、この原点の作品を1番好きという人が多いように、種村有菜の濃厚な世界観が確立する予兆のようなものを感じることができます。
「りぼん」ではこのようなモノローグや絵のタッチが珍しく、漫画好きな女の子は憧れ、真似して描いた方も多いはず。彼女の漫画にあまり親しみがない方にとってもこの作品は読みやすく、程よく独特なギャグや絵柄を楽しめます。初めて種村有菜の漫画を読む方におすすめです。
王道少女漫画街道を、みんな大好き!な要素てんこ盛りでジェット機のように駆け抜けていく、そんな学園恋愛漫画です。とにかく種村有菜的可愛いの勢いと濃さでは、この作品が1番ではないでしょうか。約4年、作者最長の連載作品です。
- 著者
- 種村 有菜
- 出版日
- 2005-02-15
主人公は元名家で、借金のカタに養女となった乙宮灰音。物語は「今日も元気な15歳です」という自己紹介と、朝の登校シーンから始まります。
彼女が憧れるのはイケメンで成績優秀な学園の王子、東宮閑雅。登場人物たちは、ドジっ子天然主人公に、ツンデレ訳あり王子、笑顔の腹黒王子、おどけながらも頭のキレるミステリアスボーイ、無表情な美少女など、これでもかと特徴が盛られています。
さらにそこに名門一家の秘密、過去のトラウマ、BL、百合、男の娘、教師と生徒の禁断の恋、義姉への初恋など、ツボを突いた設定も。
そのうえ種村有菜の得意分野、リボンにフリル、可愛い女の子、ちょっとドキドキなシーンが絶妙にマッチ!女子の欲望を凝縮した一冊となっています。ツッコミながら読みつつ、それでもやっぱりキュンキュンしてしまうこと請け合いです!あなたもこの作品で、甘い世界観に酔ってみませんか?
『紳士同盟クロス』については<『紳士同盟クロス』はキャラが最高!あらすじと魅力をネタバレ紹介【無料】>で紹介しています。
少女向け小説雑誌「Cobalt」に連載された、種村有菜のエッセイ漫画です。彼女の作品を読んだことがある方は、あとがきや柱で見る独特なキャラや語り口調に、普段はどんな人物なんだろうと気になっていた方も多いはず。
これは漫画家を志した頃の話や日常生活、趣味などについて書かれたもので、彼女の独特なキャラが伝わる本です。
- 著者
- 種村 有菜
- 出版日
- 2012-01-13
ギャグ路線で書かれた作品ですが、正直オチが弱い……。でもそれを許してしまうほど、なんたって可愛い!どうしてそんなに可愛いんだ種村有菜!
目つきの悪い猫耳自画像「アレ」がアシスタントさんとはしゃぐ姿や、ひとり遊びを楽しんでいる様子が愛らしく、彼女の漫画の世界観の秘訣が感じられます。子供の頃には分からなかった作者の人柄に触れてみるのも面白いですよ!
成績優秀で料理も運動もでき、友達想いのパーフェクトガール、日下部まろん。彼女には怪盗ジャンヌという裏の顔があり、魔王が潜ませた絵画の中の悪魔を、神様の命で回収しています。
そこに、怪盗シンドバッドというライバルが出現。彼の正体は同じクラスのイケメン転校生、名古屋稚空でした。その正体を知らずに、まろんは彼に少しずつ惹かれていきます。しかし、まろんが大切にしているジャンヌの仕事を、彼は辞めさせようとしてきて……。
- 著者
- 種村 有菜
- 出版日
何でもできるけど自分の弱さを見せられなかった女の子が、友情や愛に一歩踏み出して強くなっていく物語です。
まるで絵画のような魅力的なイラストに、大人なストーリー、ちょっとエッチなシーン、まっすぐなモノローグなどは、思わず昔に戻ってドキドキさせられてしまいます。デビューして間もない頃ですが、この頃は種村有菜の乙女チックな世界観とシリアスなストーリーのバランスが、とてもよくマッチしていました。
特に4巻の高土屋全とのエピソード、5巻の平和な蜜月からの急展開は、ファンの中でも人気のあるもの。物語は怪盗の由縁が解き明かされていくのと同時に、まろんが孤独感や愛、友情をひとつずつ解決していく、前進感溢れたものとなっていきます。
少女漫画誌のなかでも、本格派なストーリーと大人っぽさが魅力だった、当時の「りぼん」を代表する作品のひとつです。
『神風怪盗ジャンヌ』については<種村有菜『神風怪盗ジャンヌ』は乙女の永遠バイブル!名言を全巻ネタバレ紹介>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
いかがでしたか?種村有菜の作品は王道のテイストに彼女の個性的な世界観が相まって、とても濃いものとなっています。その鮮烈な雰囲気は当時を思い出すと同時に、異世界にのめりこめること間違いなしです!彼女のキラキラな世界観に浸って、乙女心に栄養をあげてみませんか?