ハードボイルドに憧れる男性は少なくないと思います。その行動や発言は、やはりかっこいいですよね。ハードボイルドなキャラを生かしたギャグ漫画から本格バトルアクションまで、数ある作品の中からベスト7を選んでみました。
宇宙と書いてコスモと読む主人公は、幼稚園に通う4歳児です。『ハードボイルド園児 宇宙くん』は、この宇宙くんが日々の出来事をなんともハードボイルドに捉えるギャグ漫画になっています。
- 著者
- 福星英春
- 出版日
- 2016-01-15
4歳児にして、既に社会を斜に構えて見ている宇宙くん。幼稚園のことを収容所と呼んだり、まわりの園児の幼稚さに呆れたり、好きな俳優は松田優作、好きなものは黄昏時の静寂だったりと、相当なハードボイルドっぷりを発揮してくれます。
そんな宇宙くんですが、思考がかなり大人びている為、幼稚園児向けの簡単ななぞなぞでは考えすぎるあまり苦戦してしまいます。「上は洪水、下は大火事、これなーんだ」というなぞなぞに対して、「富裕層には洪水のごとく金が溢れ、貧乏人の家計は火の車」という格差社会に象徴される「にっぽん」という答えを導きだしてしまうのです。
幼稚園児の為、悔しければ泣いてしまいますし、おもらしだってしてしまいます。そんな、見た目は可愛い宇宙くんと相反するその思考回路に、爆笑必至です。イラストも可愛く、1話完結のストーリーなので、空いた時間にさらっと1話だけ読めてしまうところもいいですよね。
『ハードボイルド園児 宇宙くん』について紹介した<『ハードボイルド園児宇宙くん』が面白い!園児が渋いギャグ漫画をネタバレ!>の記事もおすすめです。
このグルメ漫画は、松重豊が主演を務め、実写ドラマ化され話題になっている作品です。
主人公の井之頭五郎という独身の中年男性が、延々と食事を楽しむ様子を描いていて、しかも登場人物は主にこの主人公だけ、というシンプルでわかりやすい内容です。
そんな内容だからこそ、主人公の魅力が引き立っています。
井之頭五郎は、職業柄からかとにかく自由な、出向いた先のごはん屋さんに入って、好きな物を好きなだけ食べ、一人の時間を満喫している、ハードボイルドなオジサンです。
- 著者
- ["久住 昌之", "谷口 ジロー"]
- 出版日
また、センス抜群の自虐ネタも持っており、東京大学にある学食へ向かう際、学食までの道のりの構造が複雑で、張り出されてある東大生が作成したであろう地図を見るのだが、理解できず、思わず。
「東大生とは頭脳が違うんだな。脳のCPUが。俺の脳味噌の性能って、電卓程度の気がしてきた。」
(『孤独のグルメ』より引用)
とつぶやくシーンなども面白いです。
もちろんこのグルメ漫画に出てくるお店は実在するものばかりで、しかも主人公が行くお店は、よくある定食屋や居酒屋、ラーメン屋など気軽に行けるお店ばかりが紹介されているので、一人でも行きやすいです。
こんな自由な生き方の主人公に、憧れを抱く方も多いのではないでしょうか。
主人公のような生き方は出来ないかもしれませんが、井之頭五郎のように食事ぐらいは自由に!人目を気にせず!一人で食事にでかけよう!と思える漫画になっています。おすすめです。
『孤独のグルメ』の名言を紹介した<漫画『孤独のグルメ』の名言20選からお一人様の流儀を学ぶ!>の記事もおすすめです。
常人なら持ち上げることもできない大剣・鉄塊を片手で振り回す、義手の黒い戦士ガッツの呪われた人生を描く、名作ダークファンタジー漫画です。
- 著者
- 三浦 建太郎
- 出版日
生まれたばかりの頃に傭兵に拾われ、戦うことだけを教え込まれて生きてきた主人公・ガッツは傭兵団「鷹の団」のカリスマ団長・グリフィスと出会います。その後、鷹の団へ入団したガッツは切り込み隊長となって仲間やグリフィスと絆を育んでいき、武勲を上げた鷹の団はついには国家正規軍の地位にまで上り詰めていきますが……。
各章ごとにガッツの出生・青春時代・友情・愛など、を掘り下げていく人気作品です。主人公の持つ大剣「鉄塊」は他作品、ゲームなどでコラボされることも多く本作を代表するメインウェポンとなっています。『ベルセルク』という作品に触れたことがない方でも「鉄塊」という大剣は知っている、という方も多いかもしれません。
1989年の連載開始からアニメ化・映画化など様々な広がりをみせる本作。読者だけではなく多くのクリエーターにも影響を与えた衝撃的なストーリーや、主人公・ガッツの男らしい魅力には憧れる方も多いのではないでしょうか。シリアスなダークファンタジーが好きなら読まないと損な作品です。
『GANGSTA.』は、マフィア・売春婦・汚職警察官など、あらゆる犯罪が蔓延る街エルガストルムにて、便利屋としてあらゆる仕事を請け負うウォリックとニコラスが主人公の物語です。
- 著者
- コースケ
- 出版日
- 2011-07-08
『GANGSTA.』には、黄昏種(トワイライツ)と呼ばれる人々が存在します。彼らはかつて戦争で身体能力増強のために薬物を投入された人たちの子孫で、異常な身体能力や反射神経を持っています。
しかしその反面、身体的に不具合があり、「アッパー」「ダウナー」と呼ばれる薬品を定期的に口にしなければ生命活動を脅かされる身体なのです。しかし、それらの薬品は依存性を持つ劇物であり、そのせいで中年まで生きていると「長生き」と言われてしまうほど極端に寿命が短くってしまいます。
主人公のひとりニコラスも黄昏種と呼ばれる一人で、彼は飛び抜けた身体能力の代償として耳が聞こえません。物語が進むにつれ、普通とは違うと恐れられ、差別を受ける黄昏種の過去と秘密が徐々に暴かれていきます。マフィア同士の闘争に巻き込まれながら、ウォリックとニコラスはどのようにこの町を生き抜いていくのか見ものです。
また、本作の主人公ウォリックとニコラスですが、この二人がおそろしくかっこいいのです。三枚目のウォリックとクールなニコラスの絶妙なタッグは何度見ても飽きません。ぜひ皆様もこのアウトローな世界を体感してみて下さい。
『GANGSTA.』について紹介した<漫画「ギャングスタ」を読もう!キャラ萌え重視の方に渋いおじさんたちをご紹介>の記事もおすすめです。気になる方はあわせてご覧ください。
『BANANA FISH』は、整った容姿と優れた頭脳を併せ持つ少年アッシュ・リンクスが主人公のハードボイルド漫画です。別冊少女コミックで掲載されていた作品で、全19巻完結なのですが、少女漫画らしからぬそのストーリーは男女関係なく楽しめます。
- 著者
- 吉田 秋生
- 出版日
- 1986-12-15
1973年、ベトナム戦争の最中、アメリカ人兵士グリフィンが突如錯乱し、仲間の兵士3人を射殺してしまいました。このグリフィン、実はアッシュの兄で、ベトナムから帰ってきてからはアッシュがかくまっています。そんな兄が発した意味の分からない言葉「バナナフィッシュ」。その言葉をアッシュは別の場所でも耳にしたのです。
アッシュは「バナナフィッシュ」の謎を追い始めるのですが、時を同じくしてカメラマンの助手としてアメリカに訪れた日本人の少年英二と出会います。共に「バナナフィッシュ」の謎を追い始める2人ですが、マフィア、華僑の裏社会、果てはアメリカ合衆国までをも巻き込む戦いに発展していくのです。
「バナナフィッシュ」とは一体何なのか、アッシュの過去になにがあったのか、様々な謎を紐解きながら巨大な組織と戦い続け、傷つく2人。アッシュの求めるものとはなんなのか。ただの戦闘漫画では終わらない、ヒューマンドラマこそがこの物語の醍醐味と言ってもいいのではないでしょうか。
登場人物たちが主人公のアッシュも含めとても魅力的に描かれていて、読んでいて飽きがきません。多少同性愛的な内容もあったりはしますが、謎を紐解いていくというサスペンス満載のストーリーにどんどんと引き込まれていきますよ。
「バナナフィッシュ」については<漫画「バナナフィッシュ」の登場人物、名言をネタバレ紹介!不朽の名作!>の記事で紹介しています。
20世紀末の英国が舞台の『HELLSING』は、「ヘルシング機関」と呼ばれる大英帝国の王立国教騎士団が吸血鬼と戦うバトルアクション漫画です。アニメにもなっている人気作品で、コミックは全10巻ですがとても密度の濃い内容になっています。
- 著者
- 平野 耕太
- 出版日
20世紀イギリスのとある村で不可解な行方不明事件が頻発していました。ある日、目撃者の証言により、教会の牧師が犯人だと踏んだ警官と村人たちは教会に押し掛けるのですが、実は吸血鬼だった牧師に全滅させられてしまいます。
そこに現れたのが、この作品の主人公であるアーカード。彼はヘルシング機関に属していますが、彼自身もまた吸血鬼だったのです。吸血鬼の倒し方を熟知しているアーカードによって無事事件は解決と思われたのですが、アーカードは婦警のセラスを吸血鬼にしてしまいました。そこからはセラスも吸血鬼としてヘルシング機関に属し、吸血鬼退治に参加します。
ナチスや宗教間の対立など、大人向けな舞台背景はとても過激で、ダークファンタジーの世界に一瞬で引き込まれます。また、圧巻の戦闘シーンも見どころで、読み始めたら止められません。個性豊かな登場人物たちはみな驚くほどに狂っていて、独特のセリフ回しは何度読んでも楽しめます。10巻完結ですので、時間のある時に全巻一気読みがおすすめです。
『HELLSING』の魅力を紹介した<「ヘルシング」の魅力はキャラの名言にあり!平野耕太のかっこよすぎる世界観>の記事もおすすめです。
スペースバトル漫画『COBRA』の主人公はタイトルの通りコブラ。彼の左腕にはサイコガンがついており、宇宙海賊として活躍するのです。アニメ化、ゲーム化、更にはパチンコにもなっている本作は、アメコミを思わせる重厚な作画と奇抜なストーリーで大人気の作品になっています。
- 著者
- 寺沢 武一
- 出版日
舞台は、はるか未来に人類が自家用宇宙船で宇宙に行くことが可能になった時代です。口の悪いアンドロイドと暮らす、平凡なサラリーマンのシャンソン。しかし、ふとしたことをきっかけに、彼自身のシャンソンという名は偽名で、自分がかつて銀河系で海賊コブラとして名を轟かせた一匹狼の宇宙海賊だったことを思い出すのです。
かつて海賊ギルドとの果てのない闘争に疲れ切ったコブラは、自身の死を偽装して、整形をして記憶までも書き換えて平凡に暮らしていたのです。
しかし、せっかく整形した顔も海賊ギルドにばれてしまい、記憶と本能を取り戻したコブラは、相棒のアーマイド・レディと共に再び海賊家業に身を投じることになりました。
莫大な懸賞金を掛けられ、宇宙や次元を旅するコブラのハードボイルドっぷりに心酔すること間違いなしの漫画『COBRA』。出てくる女性陣はみなとてもセクシーでかなり大胆な格好をしています。それだけでも魅力的ですが、普段は三枚目キャラなコブラが本気を出した時の格好良さはその比ではありません。ハードボイルド好きなら、ぜひ一度は読んでいただきたい漫画です。
ハードボイルド漫画なだけあって、どの作品も主人公の口からかっこいい名言が飛び出しますよね。もしかしたら、明日使えるような名言もでてくるかも?ぜひ、この独特の世界観をお楽しみください。