松山ケンイチは実写化がハマる!出演映画、テレビドラマの魅力と原作作品を紹介

更新:2021.11.22

松山ケンイチが出演したテレビドラマや映画を、一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか?その実力は若手俳優としてはトップクラスで、まるで憑依したかのような演技で老若男女問わず親しまれています。クセのあるキャラクターの実写化にまさにもってこいの俳優。 この記事では、そんな松山ケンイチが演じた役柄と作品について紹介します。

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松山ケンイチは映画『デスノート』のエル役で大ヒット!【プロフィール】

 

松山ケンイチは、1985年3月5日生まれ。身長180㎝、体重60㎏で、テレビやスクリーンではあまり分かりませんが意外と高身長です。ホリプロに所属し、出身地は青森県。郷土愛に熱く1日でも休みがあれば、地元に帰る程だとか。

松山ケンイチは、親の勧めで芸能界に進みます。ホリプロ男性オーディション「New Style Audition」で16,572人の頂点に立ち芸能界デビューを果たします。

俳優デビューは2002年のテレビドラマ『ごくせん』。映画デビューは翌年の『アカルイミライ』でした。ブレイクするきっかけの1つにもなった映画『デスノート』とそのシリーズでは、「エル」役を演じ、その独特のキャラクターも大きな話題になりました。

その後も『デトロイト・メタル・シティ』の「根岸崇一」のようにクセの強いキャラを実写化。「憑依型」俳優とも称されその地位を確立しています。また、NHK大河ドラマ 『平清盛』に主演するなど実力にも定評があります。

プライベートでは、2011年に女優の小雪と結婚しました。出会いのきっかけは松山ケンイチが主演を務めた映画『カムイ外伝』。小雪はヒロインでした。嫁の方が8歳上という年の差カップルですが、3人の子供に恵まれ、良き父親でもあります。インスタグラムにはこれまで出演した作品画像が多数あり、ファンページも人気を博しています。

 

変幻自在、ただし曲げないところは曲げない。松山ケンイチは覚悟が魅力

 

松山ケンイチの魅力は、第一に変幻自在な役づくりができる事ではないでしょうか。原作のイメージを潰さず、しかしコピーでもない演技によって作品全体を魅力的なものにしています。

特にクセの強い役では本領発揮。映画『デスノート』の「エル」としては異様な空気をまとった天才を見事に実写化しました。また『デトロイト・メタル・シティ』では、垢ぬけない主人公「根岸崇一」が「ヨハネ・クラウザーⅡ世」としてデスメタルバンドのボーカルに豹変するという役どころもこなしています。  

映画『NANA』では、バンドのベーシスト役を演じるため、一晩でベースを弾きこなせるように練習しました。映画『GANTZ』では体重を7Kg、さらに映画『聖の青春』では20Kg増量し、役に合わせるというストイックぶりで驚かせました。

そんな柔軟なイメージと反対に、1つこうだと思うと突き進む性格でもあります。演技の事になると非常に熱く、現場で監督やスタッフとぶつかる事も多々あったということです。思い切った実写化が成功するのは、「もう誰に嫌われてもいい」という覚悟があるから。家族には愛されているという保証があることが、彼を強くしているのです。

元々祖父が農家であったこともあり、お金に頼らず土から採ったものを頂く生活がしたいという願望があるそう。松山ケンイチの飾らない演技や親近感は、そういった育ちが影響しているのかもしれません。

松山ケンイチの魅力をもっと知りたい方は、彼自身の書き下ろしたエッセイを手に取ってみてください。『平清盛』の撮影をしながら、結婚・第一子誕生といった人生の局面を迎えた彼が何を考えていたのか、赤裸々に綴られています。

 

著者
松山 ケンイチ
出版日

【ライターおすすめ】松山ケンイチの魅力を知るなら『うさぎドロップ』

 

松山ケンイチの魅力を知る上でおすすめの作品は『うさぎドロップ』です。ほっこりするような愛情に溢れた物語。サラリーマンの河地大吉と、大吉に引き取られた少女りんの奮闘記です。

どれも魅力的な松山ケンイチ出演作品ですが、本作は特に彼のイメージそのままを映画にしたような作品。2人に起こる出来事も身近で親近感が倍増し、大吉とりんを応援せずにはいられなくなります。

その愛情たっぷりの主人公を演じた松山ケンイチ。滲み出てくる優しさや親近感は、どんな俳優にもできることではありません。国民のお兄さん的な松山ケンイチを感じることができる点がおすすめです。

まだ観たことが無い方は、ぜひ本作をご覧ください。また、程よい敷居の高さで読みやすい原作のおすすめはこちらから。

ここからは、松山ケンイチが実写化した作品を、原作とともに紹介していきます。『デスノート』や『デトロイト・メタル・シティ』以外にも、ハマり役がたくさんありますよ。

 

【映画原作】松山ケンイチのもはや貴重な暴力的な役『秘密の地下室 完全なる飼育』(2003年)

 

原作は、実際の犯罪の裏側を描くことを得意としている松田美智子が書いた同名小説。本作も実際に発生した事件をもとにした内容で、アブノーマルな愛をいろいろな設定で描いた「完全なる飼育」シリーズ映画の4作目です。飼育女優と呼ばれる主演女優のヌードや濡れ場が売りの作品ですが、本作は性的描写は少なめ。

物語は、主人公・高山梨里が彼氏のヒトシに殴られるところから始まります。暴力を振るわれ捨てられた梨里は、タケルという男に拾われ監禁されてしまいます。言葉と記憶の一部を失ったタケルは、梨里を監禁しながらも梨里への気遣いも見せます。

しだいにタケルへの関心が出てくる梨里と、謎に満ちたタケルの過去に迫る展開。シリアスな作品がお好きな方におすすめの作品です。

松山ケンイチは、冒頭の梨里に暴力を振るうヒトシ役で出演していて、松山ケンイチにはあまり無い役柄で話題にもなった作品です。

 

著者
松田 美智子
出版日

【映画原作】奇想天外なトラブル続きの『偶然にも最悪な少年』(2003年)

 

CMディレクターでもあるグ・スーヨンの小説が原作で、映画の脚本は、実弟の具光然が手掛けています。在日韓国人の男子高校生ヒデノリが、日本人と在日朝鮮人の双方からいじめを受けるも、旅を通じて人生をポジティブに捉えていく変化を描いた青春映画です。

手首を切って自殺してしまった姉のナナコの遺体とその仲間で祖国を目指し、その行く手で起こる様々なトラブルが見所の作品です。しっかりしたストーリー且つ、奇想天外なドタバタ劇で没入できるおすすめ作品です。

本作品序盤のゲームセンターのシーンで、主人公のヒデノリの頭を後ろから鷲掴みにする朝鮮高校生役で、松山ケンイチが出演しています
 

 

著者
グ スーヨン
出版日

【映画原作】17歳で夭折した青年の遺作が語り掛ける物語『かまちの海』(2004年)

 

原作は、山田千鶴子の『かまちの海』で、群馬県出身のロックバンドBOOWYとして活躍する氷室京介・松井恒松の同級生である山田かまちの半生を描いた作品です。

絵に詩にギターに熱中するアクティブな中学生・山田かまち。17歳という若さでこの世を去ってしまいますが、生前作成した1,000枚を超える絵画や詩が死後有名になります。彼の親友達は大人になり、その子供達世代の複雑な社会問題に直面します。

映画は、山田かまちが遺したメッセージをふくめながら、子供たち世代の緒問題に対峙していく内容。山田かまちが死をもって生きることを伝えてくれているような作品で、見応え十分です。

松山ケンイチは、本作品でパチンコ屋の男を演じています。雰囲気のある役作りと演技で映画を盛り上げています。

 

著者
山田 千鶴子
出版日

【映画原作】松山ケンイチが線が細い美少年ベーシストを一晩で完コピ『NANA』(2005年)

 

矢沢あいの同名漫画が原作で、当時大人気を博した作品です。テレビアニメ・映画も大人気となりました。

東京にいる彼氏と同棲するために上京する主人公の小松奈々が、新幹線で偶然同じく上京する大崎ナナと出会います。ナナのバンドと、ナナの彼氏のバンドの2つのバンドメンバーを中心にくり広げられる恋愛青春ストーリーです。

映画では、ナナ役に中島美嘉をはじめ、松田龍平や玉山鉄二等の豪華キャスト。ナナのバンドのベーシスト、シン役で松山ケンイチが出演しています。金髪やピアスというロックないで立ちの彼を見ることができます。ベース未経験ながら一晩で一とおり弾けるように練習したという逸話も。

見所は、ミュージシャンとして成功する夢と、もつれる恋愛感情が交錯し、若者ならではの心の葛藤が繊細に描かれている点です。自己実現に悩む男女のバイブルとして、長年愛される作品です。

原作についてもっと知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

<漫画『NANA』登場人物の名言をネタバレ紹介!再開が望まれる名作!>

 

著者
矢沢 あい
出版日
2000-05-15

【映画原作】人生相談のラジオも人気のヤンキー先生『不良少年(ヤンキー)の夢』(2005年)

 

義家弘介の自伝『不良少年の夢』が原作の映画です。テレビドラマ「ヤンキー母校に帰る」で有名になったヤンキー先生・義家弘介自身を描いていて、文部科学省選定作品にもなりました。

愛情を知らず、いつも敵対心剥き出しの高校生・義家弘介は、居場所を求め、見知らぬ北の地にある北星学園に編入します。最初は、騒動ばかり起こす義家でしたが、今までいなかったタイプの熱いクラス担任や、親身になってくれる寮の滝本夫妻に触れ、しだいに心の氷が解けていきます。

そして義家にも卒業が訪れるのです。

主人公・義家弘介を演じたのが松山ケンイチ。前向きに変わっていく主人公像を絶妙に演じています。義家を中心に周りの生徒も同調するように変わっていく様子や、義家が影響を与えられ、また与えることになる美紗緒との関係が見所です。

 

著者
義家 弘介
出版日

【映画原作】知られざる原作で当時を知る『決定版 男たちの大和』(2005年)

 

あまり知られていませんが、映画『男たちの大和/YAMATO』は辺見じゅんの『決定版 男たちの大和』が原作。終戦60周年を記念して制作されました。第2次世界大戦で、日本が敗色濃厚となる中、日本海軍の象徴であった戦艦大和を中心に、捨て身の水上特攻作戦に向かいます。

戦艦大和を舞台に戦時中という非日常のなか、若者やその家族が何を思い、いかに暮らしたのかを描いた本作。現代を生きる我々とまったく異なる時代を生きた先人達の証を知るという意義を感じるのも醍醐味です。

全長263m、乗員約3300名もの超巨大戦艦での戦闘シーンや、艦内の生活の様子をリアルに再現している点も見逃せません。

松山ケンイチは、海軍特別年少兵・神尾克己を演じました。大和の砲手要員として迫りくる米軍機に対し、仲間達と命を懸けて迎え撃つ大迫力のシーンなどに登場します。

 

著者
辺見 じゅん
出版日

【映画原作】松山ケンイチのエルが話題に!『DEATH NOTE』(2006年)

 

原作は大場つぐみ・作画小畑健による少年漫画が原作です。このコンビと言えば、『バクマン。』や『プラチナエンド』など数々の人気作品を世に出したヒットメーカー。本作も大ヒットの話題作となりました。

名前を書いた人間を死なせることができる「デスノート」を使い犯罪者を抹殺していく夜神月(やがみ らいと)。謎に満ちた名探偵L(エル)が夜神月の仕業を暴いていく物語です。

天才同士が罠をしかけ合うように程よく「捻り」が入っていて、次の展開が予測できないハラハラ感に夢中になった方も多いでしょう。

松山ケンイチは、クセが強く怪しげな登場人物であるエル役を演じ、主人公の夜神月役の藤原竜也共々話題になりました。「デスノート」の所有者になった者に見える、死神のリュークにも注目です。

原作から考察を深めた、こちらの記事もおすすめです。

<漫画「デスノート」の社会的影響は。キラキラネームのきっかけ?>

 

著者
["大場 つぐみ", "小畑 健"]
出版日
2004-04-02

【映画原作】松山ケンイチが眼鏡坊主役を演じたホラー『親指さがし』(2006年)

 

山田悠介のホラー小説が、原作の映画です。

「親指さがし」という都市伝説のゲームが、子供たちの間で話題になります。12歳の夏、親指探しをした子供達。6人のうちの1人がゲームをきっかけに失踪してしまいます。8年後に同窓会で再会した5人は、失踪した1人を見つけるために、もう一度「親指さがし」をする事になるという物語です。

松山ケンイチは、ゲームをした6人のうちの1人で、第2被害者となる五十嵐智彦役を演じています

レンタルビデオの返却の帰りに殺されてしまう智彦をはじめ、残る5人には、次々と不可解な事件が発生していきます。呪いによる事件に見せかけて、心の闇が原因で事件が起きる点が興味深いポイント。事件の真相に迫っていくストーリーが見事です。

原作とは登場人物に若干の変更がされていて、映画ではその登場人物がストーリーのキーマンとなっています。

 

著者
山田 悠介
出版日

【映画原作】夏目漱石が伝えたかったこととは『夢十夜』(2007年)

 

夏目漱石の小説『夢十夜』が原作のオムニバス作品です。その第十夜を映画化した『ユメ十夜』において松山ケンイチが主人公・庄太郎役で主演を努めています

好青年でマジメ、どんな女性にも等しく接すると周囲から関心されていた庄太郎。実は、不細工な女を次々と殺し埋めていたのでした。彼は目の前に現れた美しい女に付いていき悲惨な目に遭います。その悲惨な目と言うのは、見た目に拘る庄太郎を戒めるものでした。

文豪夏目漱石の原作とあって、取り上げられる事柄は小さくても、実に奥の深いストーリーになっています。『夢十夜』は第一夜から第十夜までそれぞれが1つの夢として描かれており、本作以外もまるで夢の中の世界を味わうような感覚でいながら、メッセージが込められている名作です。

原作についてもっと知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

<5分でわかる『夢十夜』ラストの第十夜は意味不明!?名作をネタバレ解説!>

 

著者
夏目 漱石
出版日
1986-03-17

【映画原作】モンゴルでのロケで歴史を壮大に描いた『地果て海尽きるまで 小説チンギス汗』(2007年)

 

森村誠一の小説が原作の、日本とモンゴルの合作映画『蒼き狼 〜地果て海尽きるまで〜』。モンゴルの英雄チンギス・ハーンの生涯を描いた作品で、彼の生い立ちから史上最大の帝国・モンゴルを築き上げるまでの人生を描いた歴史大作映画になっています。

蒼き狼の生まれ変わりとして成長するも、待ち受ける過酷な人生が壮大に描かれます。また、30億円の製作費を投じ、ロケは全てモンゴルで敢行するという力作でもあります。

チンギス・ハーン役を反町隆史が演じ、松山ケンイチは、チンギス・ハーンの長男ジュチ役を演じています。ジュチは、史実上チンギス・ハーンの後継問題に影響を及ぼす重要な登場人物で、男気の溢れる演技を披露しています。

 

著者
森村 誠一
出版日

【映画原作】落ちこぼれの音大生を松山ケンイチ、演奏はあの清塚信也!『神童』(2007年)

 

さそうあきらの同名漫画を原作に制作された、クラシック映画です。「香港フィルマート」で1本だけ上映されるジャパンプレミアに選出された作品でもあります。幼い時から神童と呼ばれた天才ピアニスト・成瀬うたと、音大を目指す浪人生・菊名和音の青春ストーリー。

うたは、指を保護するため球技を禁止され、手袋を常時着用。膨らむのは周囲の大人の期待ばかりという窮屈な生活を送り、自分は本当にピアノが好きなのか分からなくなります。しかし、和音との出会いで音楽の真の楽しさを知っていくのです。

音楽は好きですが才能に恵まれない浪人生・和音役を松山ケンイチが演じました。言葉が無くとも音楽で通じ合うというように、台詞だけでは表現できない2人の距離感を演技で表現していています。

ピアノの演奏の吹き替えはタレントとしても活躍する清塚信也が担当している点にも注目。青春ストーリーの王道の展開は、音楽のみならず元気をもらえます。

 

著者
さそう あきら
出版日

【映画原案】松山ケンイチがイルカと触れ合う『もういちど宙へ : 沖縄美ら海水族館人工尾びれをつけたイルカフジの物語』(2007年)

 

世界最大級と謳われる沖縄の美ら海水族館。そこで生まれた人間とイルカの交流を描いた、心温まる感動ストーリー映画です。本作品は、実話が基になっているのがポイントです。

尾びれが懐死してしまった人気のバンドウイルカ・フジ。新米獣医の植村一也は、「もう一度泳がせたい、ジャンプさせたい」との想いから、世界初のイルカ用人工尾びれを開発するプロジェクトを立ち上げます。

周囲の人々の助けを借りながらプロジェクトは進んでいきますが、幾多の困難が立ちはだかるのです。

水族館の獣医は飼育員も兼ねるという方針どおり、忙しく働く獣医の植村一也役を松山ケンイチが演じました。フジとの触れ合う姿で、魅了してくれています。
 

 

著者
岩貞 るみこ
出版日

【映画原作】家族のキャラクターに注目『サウスバウンド』(2007年)

 

奥田英朗の直木賞受賞第一作である小説が原作で、爽快な家族ドラマになっています。主人公は、元学生活動家の父を持つ上原二郎。映画は次郎の視点から描かれていて、二郎は、疑問に思ったら見境なく盾突く父を恥ずかしく思っていました。

ギクシャクした家族の関係のなか、母・さくらの提案で一家は、故郷である沖縄県西表島へ移住することにします。島の人に温かく迎えられる一家でしたが、そこでも観光開発事業者に盾突き戦う事に。物語は、移住を通し変化していく家族の絆と、二郎の成長を描いています。

主役から脇役まで、登場人物の魅力が最大限に引き出されているのがおすすめのポイントです。原作にはない、父・一郎の「ナンセンス」という口癖もその1つ。

西表島駐在所の新垣巡査役を、松山ケンイチが演じ、魅力のある登場人物として演じています。一家の長女・洋子に一目惚れをする役でもあります。

 

著者
奥田 英朗
出版日
2005-06-30

【映画原作】生きる意味について真剣に悩まされる『日日平安』(2007年)

 

『椿三十郎』は山本周五郎の小説である『日日平安』が原作の映画。1962年に黒澤明監督の同名映画を元に再映画化されています。

上役の汚職を暴こうと9人の若侍が密談していると、椿三十郎という浪人が現れます。彼は陰謀の黒幕を見抜いてしまい、敵・室戸半兵衛と戦うという物語です。松山ケンイチは井坂伊織、9人の若侍の中心人物という大役を力強く演じています

本作は、ダイナミックな殺陣のシーンが見所で、1962年映画版の脚本を敢えていじらず、そのまま使用しています。当時とは違うカット割りや独特なリズムで演出された、すばらしいリメイク作品です。

原作は短編集で、それぞれの話の展開が一気に楽しめます。生きていく上での人生訓を押し付けるのではなく、読み手に委ねるような心地よい作品です。

 

著者
周五郎, 山本
出版日

【映画原作】『人のセックスを笑うな』(2008年)

 

文藝賞受賞、芥川龍之介賞の候補作にもなった、山崎ナオコーラの恋愛小説が原作です。しかも驚くことに、これが彼女のデビュー作品です。

少し過激なタイトルとは違い、内容は純粋な恋愛ドラマ。19歳の男性主人公・磯貝みるめと、39歳の女性・ユリとの歳の離れた恋愛模様が描かれています。ほろ苦い恋愛作品がお好きな方におすすめの作品です。

見所は、純朴な19歳のみるめの喜怒哀楽と、年上の女性に憧れるリアルな感情表現。その主人公みるめ役を、松山ケンイチが演じていて、演技の上手さからハマり役となっています。松山ケンイチが「松山みるめと言っても過言ではない」というほど。ぜひどんな役柄なのか原作も確かめてみてください。

 

著者
山崎 ナオコーラ
出版日
2006-10-05

【映画原作】過激な名言を松山ケンイチがシャウト!『デトロイト・メタル・シティ』(2008年)

 

「DMC」とも略される若松公徳のギャグ漫画が原作の映画です。大分から上京した根岸崇一は、ポップミュージックを愛する平凡で純朴な青年ですが、自身の音楽は世に認められません。

その反面、ひょんなことから悪魔系デスメタルバンド、デトロイト・メタル・シティのフロントマン「ヨハネ・クラウザーⅡ世」として活動することになり、これがファンを熱狂させるという思わぬ才能を開花させます。自分がやりたい音楽と、本意で無い音楽とのギャップに悩む崇一の姿を描いた作品です。

作品では、世間の間違えたハードロック・ヘヴィメタルのイメージを助長するようなバンド像になっていて、これが面白さを最大限引き出されているスパイスになっています。面白おかしく笑いたい時におすすめの作品です。

素の根岸崇一と、キッスや聖飢魔Ⅱを彷彿させる白塗りの悪魔ヨハネ・クラウザーⅡ世。この相反する難役のキャラクター像を松山ケンイチが演じ切っています

原作についてもっと知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

<漫画『デトロイト・メタル・シティ』が無料!再読したい名作をネタバレ紹介!>

 

著者
若杉 公徳
出版日
2006-05-29

【映画原作】現代では放送禁止⁉往年の名作を主演『カムイ外伝』(2009年)

 

白土三平の同名漫画が原作の映画。1969年に放送されていたテレビアニメは、現代では放送禁止になるような過激な用語が飛び出していました。

松山ケンイチが主人公のカムイを体当たりな熱い演技で逞しく務めています。乱れた髪や、厳しい表情でカムイになりきりました。

17世紀の日本が舞台。貧しいカムイは伊賀の忍びとなりますが、自由を求め掟破りでもある抜け忍となります。迫り来る追手とたった1人で戦い生き抜く姿を描いた作品です。

ある日半兵衛と言う漁師に出会い、その家族に歓迎され一時の平安が訪れます。しかし村人に密告され再び追われる身となるカムイ。その悲しき宿命が見所です。第一部は60年代に連載されていた作品ですので、懐かしいという方も多いのでは。

 

著者
白土 三平
出版日

【映画原作】藤原竜也と2年ぶりに再共演!『賭博黙示録カイジ』(2009年)

 

福本伸行の人気コミックが原作の映画が『カイジ 人生逆転ゲーム』です。

自堕落な生活を送る主人公・カイジは、友人の借金の保証人になり多額の負債を抱える羽目になります。一夜にして大金を稼ぐチャンスがあると持ち掛けられたカイジが、人生を逆転させようと命懸けで奇想天外なゲームに挑戦し戦う姿が描かれた作品です。

ゲーム中は、カイジが人生の逆転、生きるために必死に考える臨場感、息をのむような緊迫感のゲームの行方が見所で、ハラハラドキドキな作品がお好きな方におすすめの作品です。

松山ケンイチは、佐原誠という同じくゲームに参加する人物として友情出演しています。セリフも多くゲーム後半まで生き残る重要人物で、作品を盛り上げました。

原作についてもっと知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

<漫画『賭博黙示録カイジ』を名言、効果音などからネタバレ紹介!無料で読める>

 

著者
福本 伸行
出版日
1996-09-03

【映画原作】松山ケンイチがチンピラに『笑う警官』(2009年)

 

佐々木譲のベストセラーになった警察小説が原作。ヒットメーカーの角川春樹が11年ぶりにメガホンを取った話題の社会派サスペンス映画です。

北海道警察が舞台。女性警察官変死事件が発生し、主人公で警官の佐伯の元同僚が容疑に掛けられてしまいます。事件の真相に迫ろうとする佐伯が、信頼できる仲間と秘密裏に捜査し奮闘する姿を描いています。

事件の真相に迫るにつれ、彼らは北海道警察内部に隠された大きな闇に踏み込んで行き、そこに立ちはだかる苦難に立ち向かう警官たちの姿が見所です。

松山ケンイチは、足の悪いチンピラ役として出演。短い出演ながらに存在感のある演技で作品にアクセントを加えています。時間にすればたった一夜のできごとを、ドラマチックに描いた原作の躍動感もおすすめです。

 

著者
佐々木 譲
出版日

【映画原作】半分英語という斬新な映画『失くした記憶の物語』(2010年)

 

『誰かが私にキスをした』の原作はガブリエル・ゼヴィンの恋愛小説です。

階段から落ち、そのショックで4年間の記憶を失くしてしまう主人公・ナオミ。誰かとキスをしたかすかな記憶。ナオミは、それが誰なのか思い出せません。影のある先輩ユウジ、同級生のミライ、米国人のエース、3人の間で揺れるナオミの心。作品はそんな4人の四角関係を描いています。

しだいに自分自身を見つけていくナオミ。本当に愛しているのものに迫っていく姿が見所になっています。松山ケンイチは先輩ユウジ役で、ナオミ役の堀北真希とともに主演を務めました、ナオミから見る大人の男を演じています。

本作品は、本来米国での撮影・制作が予定されていました。しかし敢えて文化の違う日本で制作することになったのは、文化のぶつかり合う深みのある物語にするという監督の考えのもと。その影響で、原作で舞台となるハイスクールはインターナショナルスクールに設定変更され、映画の50%が英語と言う異色の作品となっています。

 

著者
["ガブリエル ゼヴィン", "Zevin,Gabrielle", "志野舞, 堀川"]
出版日

【映画原作】松山ケンイチは何を物語るのか『ノルウェイの森』(2010年)

 

村上春樹の代表作で、ベストセラーにもなった小説が原作です。主人公・ワナタベトオルがドイツ行きの飛行機の中で、ビートルズの「ノルウェイの森」を聞き、昔を回想するシーンから始まります。

ワタナベは、唯一の親友だったキズキを自殺で失い、その喪失感の中、誰も知る人のいない東京の大学へ進学します。ワタナベとキズキのかつての恋人で心の病に侵されている直子、その2人の関わる女性と「愛と性」や「生と死」を叙情的に描いています。

登場する人物それぞれの複雑な感情を繊細に描写していますので、俳優の演技で見たあとに原作の表現でと照らし合わせてみるのも楽しみ方の1つです。松山ケンイチは、心に傷を持つ主人公という難役を独特の雰囲気を醸し出し演じています

原作についてもっと知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

<『ノルウェイの森』を分かりやすく解説!残酷な愛の物語がそこにはあった⁉>

 

著者
村上 春樹
出版日
2004-09-15

【映画原作】手に汗握るSFの世界を松山ケンイチが『GANTZ』(2011年)

 

奥浩哉の漫画が原作になった映画作品です。

高校1年生の玄野計と、小学生時代の親友・加藤勝は、駅のホームに落ちた酔っ払いを助けようとしますが、2人は電車に轢かれて死んでしまいます。しかし死んだはずの2人は、マンションの1室で目が覚めます。そしてその部屋にあったガンツと呼ばれる球体に星人を倒す指令をされます。

ミッションを完了するごとに、元の世界で再生できるというのです。異なる性格の2人の青年がガンツというミッションを通じ、リアルな「生」を感じていくという内容です。

2人の中心人物が、それぞれの「生」を感じ理解していく様子が見所です。映画開始から約40分は息を飲んだままの展開が続きますが、程よい緊張感で作品を面白くしています。

松山ケンイチは、玄野と一緒に死んでしまい、一緒に戦う加藤勝を演じました。SFの世界観を演じる松山ケンイチも必見です。

 

著者
奥 浩哉
出版日

【映画原作】学生運動の時代を生きた2人の青年の覚悟と挫折『マイ・バック・ページ』(2011年)

 

評論家である川本三郎の同名小説が原作になっています。

学生運動が盛んに行われていた時代に、ジャーナリストの沢田雅巳と学生活動家の梅山、お互い違う立場の2人が奇妙な絆で繋がっていくヒューマンドラマです。

沢田は理想に燃えるジャーナリスト。梅山は、革命を起こすと、それぞれの理想を追い求めます。葛藤や激動の世の中を2人が駆け抜けていく様子がこの作品の見所になっています。やがて、梅山が「赤邦軍」という組織を作り自衛隊員を襲撃する計画を立て、物語はあらぬ方向へ進んでいくのでした。

松山ケンイチが、梅山役。沢田役には妻夫木聡。若手実力派俳優の共演で、映画はシリアスに展開していきます。青年たちの覚悟や挫折を、ダイナミックに演じました。学生運動の時代について文学的な視点で学びたい方や、マスコミ志望者にも原作がおすすめです。

 

著者
川本 三郎
出版日

【映画原作】松山ケンイチの育児や仕事の奮闘ぶりを応援『うさぎドロップ』(2011年)

 

宇仁田ゆみの人気コミックが原作の映画です。ほっこりするようなヒューマンドラマで、最後は心温まる物語です。

祖父の葬儀のために帰郷したサラリーマンのダイキチ。実家の庭で遊ぶ少女が、目に入ります。なんと、その子は、祖父の隠し子だと聞かされます。親族は、その少女・りんを施設に預けようと目論みますが、不憫に思ったダイキチは引き取って育てることに。

保育園の送り迎えや食事など、育児に奔走するダイスケは、リンとの時間を大切にするため出世コースからも外れてしまいます。ダイスケのりんに寄り添うやさしい気持ち。そうして2人には、親子同様の絆が生まれていきます。

しかし、そんな時にりんの母親が姿を現すのでした。そこで見せるダイスケの言動が見所になっています。りん役に芦田愛菜。ダイスケ役に松山ケンイチが抜擢され、育児に苦戦するダイスケがハマリ役です。

昔に読んだ方も、時を経て家庭環境が変わってから読むとまた一味違います。原作についてより詳しく知りたい方は、こちらもの記事もどうぞ。

<『うさぎドロップ』結末が賛否両論?ラストはなぜああなったのか考察【無料】>

 

著者
宇仁田ゆみ
出版日

【映画原作】大事な決定が、こんな人間的事情に左右されていいのか⁉『清須会議』(2013年)

 

三谷幸喜が17年ぶりに書き下ろした小説を自らが映画化した作品です。時は安土桃山時代、亡き織田信長の後継ぎを決めるべく実際にあった清須会議が舞台となっています。

信長の後見に、筆頭家老の柴田勝家と羽柴秀吉が名乗りを上げます。物語は、互いに織田家の重要人物を味方につけ、双方の複雑な思惑が交錯していく様子を描いています。

また、三谷幸喜ならではの世界観で、歴史的に有名な登場人物をコミカルに描かれているのがポイント。歴史上の清須会議と、現代社会で起こる似たような駆け引きを、意図的に重ねて見えるように描写しています。

松山ケンイチは、堀秀政という織田家家臣。何事もそつなくこなし清須会議においても宿老の接待を担当するという登場人物をコミカルに演じています。

 

著者
三谷 幸喜
出版日
2013-07-26

【映画原作】立山連峰の自然のなかではぐくむ家族の絆『春を背負って』(2014年)

 

  1. 笹本稜平の同名小説が原作の山岳映画です。原作では奥秩父が舞台ですが、映画は立山連峰の大汝山の美しい景色がロケ地に選ばれました。

金融業界で組織の歯車として働いていた主人公・長嶺亨が、父の死で故郷に帰り、父の運営する山小屋を継ぐ決心をします。厳しい山の世界、父の友人・ゴロ、山小屋を手伝う女性・愛を通じ、父の夢を背負い亨自身も人間性を取り戻していく物語です。

元々、父に反発して上京し、金融業界に入った亨が、亡き父を理解し変化していく姿が見所。その主人公・長嶺亨を松山ケンイチが演じました。心の葛藤や、自然の中で生きる姿を絶妙に演じています。

1年に及ぶ撮影で、四季折々の美しい情景も楽しめます。原作は、山小屋経営の日々の描写がリアルですので、本格的に登山が好きな方はどれだけ正確か確認してみては。

 

著者
笹本 稜平
出版日
2014-03-07

【映画原作】松山ケンイチが真面目におかしい天使に『天の茶助』(2015年)

 

映画監督であるSABUの小説が原作になった映画です。本人の監督、脚本により映画化された作品で、『蟹工船』を手掛けたSABUならではの世界観が堪能できます。

天界では、地上で生きる人々の人生を決める「シナリオ」が書かれていました。そこでお茶汲み係の茶助が、シナリオ担当に不用意な発言をしてしまい、ユリという女性がシナリオ上、交通事故で亡くなることになってしまうのでした。それを知った茶助が、ユリを助けるために人間界に降りて奮闘するという物語です。

主人公・茶助役を松山ケンイチが、面白おかしく演じています。背中から羽が生えているというシュールな設定ですが、一途で昔かたぎな茶助の一生懸命な姿に勇気をもらえます。

ユリと茶助の行方がどうなるか、脚本を書き変える事ができるのかが気になる作品です。

 

著者
SABU
出版日

【映画原作】戦時中の日本を考えるための必読書『日本のいちばん長い日 運命の八月十五日』(2015年)

 

映画『日本のいちばん長い日』は半藤一利の小説『日本のいちばん長い日 運命の八月十五日』が原作です。

第2次世界大戦。日本の敗色が濃厚となる中、日本は、ポツダム宣言を受諾するか、本土決戦に突入し国民総玉砕を遂げるべきかを決めきれずにいました。戦争を終わらせるのは簡単なことではなかったのです。

そういった状況の中、原爆投下や空襲が行われ、たくさんの国民や兵士が命を落としていきます。しかし、戦争を終わらせ平和を求める側と、最後まで戦い抜こうとする側の駆け引きが行われ決断が遅れていきます。そうした終戦前日の8月14日から15日正午までの様子を描いた作品です。

政治の中心で揺れ動く主要人物の動きや、クーデターを起こす若手将校達が力ずくで戦争継続を画策する場面が見所になっています。現代から考えれば、実態のない「神話」を信じ、人命が軽んじられていたことがわかるでしょう。

松山ケンイチは、佐々木武雄という陸軍大尉の役で、特別出演を果たしています

 

著者
半藤 一利
出版日

【映画原作】松山ケンイチの体を張った実写ビジュアルに注目『珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-』(2016年)

 

漫☆画太郎のギャグ漫画が原作の映画です。西遊記をモチーフにしたパロディ的な作品で、同じく少年ジャンプで掲載されていた漫画のパロディも原作・映画に散りばめてあり楽しい作品となっています。

孫悟空的存在の傍若無人な主人公・山田太郎。僧侶の玄奘と天竺を目指し旅に出る物語で、前述のパロディの他、ご下劣ネタが満載で笑える作品を探している方にぜひ、おすすめの作品です。

西遊記同様、山田太郎の妖力を玄奘によって封じられている設定で、パンツ一丁の主人公・山田太郎を松山ケンイチが体当たりで演じています

原作では掴みどころのない子供っぽい山田太郎の喜怒哀楽を、好戦的ながら優しさも見せている場面。松山ケンイチの演技力の高さを感じます。そんな、おバカ全開な演技と、おバカな世界観が見所になっています。

 

著者
漫 画太郎
出版日
2009-05-19

【映画原作】真犯人を考察しながら没入『怒り』(2016年)

 

吉田修一の同名小説が原作の映画です。ある日起こった、残忍な殺人事件。事件の犯人は1年経っても未だ捕まっていません。事件現場には、血のりで壁に描いた「怒」の文字。それは何を意味するのでしょうか。

そんなある日、東京・千葉・沖縄それぞれに、素性の分からない青年3人が現れます。作品は、その3人それぞれのエピソードが並行して進んでいきますが、作中交わることは無く特徴のある映画になっています。

大手企業に勤めるゲイでサラリーマンの優馬の前に現れた直人。千葉の漁港で働く田代、親の都合で沖縄に引っ越してきた泉と出会う田中。松山ケンイチは、作品の主要な登場人物である、千葉の漁港の田代を作風に合わせて演じ切りました。彼らは、1年前に起こった殺人事件のモンタージュ写真の犯人と似ていたことから、それまでの計画に綻びが見えてきます。

不詳な3人と事件が、いかに繋がっているのかが見所。「人を信じる事」について描かれています。シリアス且つミステリアスなタッチで、次の展開が早く見たくなる没入感のあるおすすめの作品です。

 

著者
吉田 修一
出版日
2016-01-21

【映画原作】対局シーンの駒を叩きつける音まで松山ケンイチが再現『聖の青春』(2016年)

 

日本将棋連盟の出版部に勤めていた大崎善生のデビュー小説が原作で、実在した棋士・村山聖を題材とした作品です。映画には、執筆者大崎善生も橋口と言う名前で登場しています。

物語は、29歳という若さでこの世を去った村山聖が、幼少時から患っている難病と闘いながらも、将棋の盤上で戦い突き進む姿を描いています。村山聖は、将棋界では羽生世代の棋士の1人。「東の羽生、西の村山」と言われた程で、羽生同様に異例のスピード昇格を果たしていきます。

しかし、病気であるがゆえに体調不良での不戦敗などが響き、戦績では羽生に後れをとっていました。そんな村山は、爪や髪の毛にも命があるという考えから、伸ばしたまま将棋を指すという特徴的な棋士でもありました。

そんな村山聖の苦病と盤上での生きを、松山ケンイチが演じ、この役作りのために20Kgの増量をしています。並々ならぬ演技への想いを感じずにはいられませんが、本作もう1つの注目点は、東出昌大扮する羽生善治。東出昌大もまた羽生の素振りを研究しているのが随所にわかり、演技力の高さを感じる作品です。

 

著者
["大崎 善生", "YUME"]
出版日

【映画原作】松山ケンイチが直江兼続のイメージを変えた『関ヶ原』(2017年)

 

司馬遼太郎原作の歴史小説が原作です。石田三成と徳川家康を中心にした関ヶ原の戦いまでを題材にしている作品です。女忍である初芽が諜報要員として重要な役割を果たすとともに、初芽と光成の恋心も描かれている点が特徴です。

豊臣秀吉に見出された石田三成は、秀吉への忠誠心が誰よりも熱く、秀吉の死後、天下取りを狙う徳川家康と敵対していきます。2人の対立はしだいに大きくなり、ついに東軍と西軍に分かれての関ケ原の戦いへ突入していきます。

小早川秀秋が東軍と西軍どちらに付くか最後まで決められず、決戦の行方に大きな影響を与えていく場面が見所になっています。

松山ケンイチは、石田三成の盟友で上杉家家老の直江兼続役。今までの直江兼続のイメージとよい意味で少し離れた演技を見せてくれています。

 

著者
司馬 遼太郎
出版日

【映画原作】欠落した人間の苦悩と救済『ユリゴコロ』(2017年)

 

沼田まほかるのミステリー小説が原作です。

レストランを営む主人公・亮介が、実家で見つけた『ユリゴコロ』と書かれたノート。誰が書いたとも分からないそのノートには、凄惨な殺人の記録と「私」と言われる人物が人とは違う人間である事が記されていました。

ノートの一部を呼んだ亮平は、奇妙な感覚に襲われます。そして実家の父が留守の間を狙ってノートを読み進め、ノートに記された内容の真相に迫っていくのでした。ノートに記された内容と、亮介自身や身の回りで起こることがしだいに重なっていき、亮介自身のルーツが暴き出されるというストーリーです。

抜群のミステリータッチと、しっかりしたストーリー。最後まで観て納得の展開が訪れます。

松山ケンイチは、亮介が小さい頃の父・洋介を演じています。この若かりし頃の洋介は、物語に大きな影響を与える重要な役で、繊細な演技に目が離せません。

 

著者
沼田 まほかる
出版日
2014-01-09

【映画・テレビドラマ原作】共感できないと話題の主人公の先輩役『宮本から君へ』(2019年)

 

新井英樹の漫画が原作の映画です。文具メーカーに勤める主人公の宮本浩は、正義感は強いが営業スマイルすらできないダメサラリーマン。そんな宮本と恋仲になる靖子、2人に降りかかる試練に立ち向かっていく奮闘を描いた作品です。

会社の元先輩である神保の知人の靖子。宮本は、靖子の元カレに「靖子は俺が守る」と言い放ちます。しかし、ある酒の席で宮本は酔いつぶれ眠ってしまい、同席していた靖子が拓馬にレイプされてしまいます。

ショックで宮本の前から姿を消す靖子。宮本も、靖子を守れなかった事を思い悩み、復讐のため拓馬に決闘を挑むのでした。情けなくとも泥臭くとも、愚直に生きようとする宮本の姿が見所になっています。

松山ケンイチは、会社を独立した元先輩である神保役。かっこいい先輩像の演技で存在感を出しています。

原作についてもっと知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

<漫画『宮本から君へ』の魅力をネタバレ!中二病の青年がアツい!【無料】>

 

著者
新井 英樹
出版日
2009-01-17

【映画原作】『ホテルローヤル』(2020年)

 

原作は、桜木紫乃による同名の自伝的代表作。北海道・釧路湿原を背に立つラブホテルを舞台にそれぞれ問題を抱えた宿泊客や従業員、経営者家族の姿を描いた七編の連作小説です。

映画ではホテルローヤルの一人娘・雅代を主軸に、過去と現在を交錯させたストーリーに再構築しています。美大受験に失敗した雅代に残された選択肢は、家業のラブホテル経営を継ぐのみ。

閉塞感がある日常のなかでアダルトグッズ営業の宮川に恋心を抱きつつも、気持ちを伝えられずにもどかしい日々を送っていた彼女のもとに、突如事件が起こります。その事件をきっかけに彼女はついに自分の殻を破り、「自分の人生」に向き合い始めるのでした。

松山は、雅代に恋心を抱かれる営業の宮川を演じます。温和で真面目な性格の宮川をどう演じているか必見です。

2020年11月13日からの公開に先立ち、予告動画が公開されていますのでまずはこちらをご覧ください。

 

 

 

著者
桜木 紫乃
出版日
2015-06-25

【映画原作】松山ケンイチが織田信長となって待ち構える『群青戦記』(2021年公開予定)

 

笠原真樹の漫画が原作の映画です。高校生アスリートと戦国武将が戦うという変わった設定の作品です。

ある日、星徳高校に怪現象が起こり、学校の校舎もろとも戦国時代にタイムスリップしてしまいます。命がけのやり取りが当たり前の戦国時代のため、高校生達に襲いかかってくる足軽や農民達。相当な被害を受けるも、しだいにその時代に順応していく高校生達。

元々、スポーツ強豪校として有名だったこともあり、各部活のアスリート高校生達は、弓道や剣道、部活で鍛えた武器を手に取り戦い始めるというストーリーです。

高校生たちがそれぞれの得意分野を活かしてどう立ち向かっていったのがが見所になっています。現代の学校生活にはびこる問題が、タイムスリップを通し変化していく様子に注目して観るとさらに面白い作品です。

松山ケンイチは、高校生に立ちはだかる戦国武将の織田信長を堂々たる演技で魅せてくれました

原作についてもっと知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

<『群青戦記』第一部 結末までの見所ネタバレ考察!ラストに残ったのは…?>

 

著者
笠原 真樹
出版日
2014-01-17

ここからは、テレビドラマの原作をまとめて紹介していきます。印象に残っている実写化作品はどれでしょうか。

【テレビドラマ原作】大人気作品に金髪の松山ケンイチも出演『ごくせん』(2002年)

 

森本梢子の同名漫画が原作の人気作品です。映画の他、テレビドラマは第3シリーズまで制作され、6本のスペシャルシリーズまで誕生しました。

任侠集団・大江戸一家で育った山口久美子・通称ヤンクミは、自身の素性を隠し、高校教師として教鞭煮立ちます。任されたクラスは、不良揃いの3年D組。最初は受け入れられなかったヤンクミが、持ち前の熱血指導で、生徒との信頼関係が生まれていき、荒れたクラスが変わっていくストーリーです。

時折、不意に出てしまう極道口調と、強すぎる腕力に周囲が唖然としてしまう所が人気を集めるポイントです。松山ケンイチは、第1シリーズの生徒、毛利研一役を演じています。役の毛利研一もまた荒くれ者で、金髪姿の10代の松山ケンイチを見ることができます。

 

著者
森本 梢子
出版日

【テレビドラマ原作】80年代を代表する不良漫画『ビー・バップ・ハイスクール』(2004年)

 

きうちかずひろの大人気漫画が原作のテレビドラマで、1980年代に6本の映画が公開され、いずれも大ヒットとなった作品です。テレビドラマでは、映画シリーズの高校与太郎哀歌をベースに、原作にあるエピソードとオリジナルエピソードを混ぜて制作されています。

愛徳高校に通う、留年コンビ・ヒロシとトオルが、喧嘩に明け暮れる姿を描いた物語で、他校の強敵と男と男の勝負をくり広げます。喧嘩のスケールが大きい点と、一度はやられてしまうヒロシとトオルが、這いつくばりながらも強敵に勝とうとする場面が、見所になっています。

松山ケンイチは、川端純というヒロシとトオルと同学校のツッパリな不良を演じています。尖がった眉毛が特徴です。原作は80年代当時に読んでいたという方もいるでしょう。まさにこんな学生時代だったという方も、そうでない方もぜひ。

 

著者
きうち かずひろ
出版日

【テレビドラマ原作】こぶしとこぶしでぶつかり合う『リターンマッチ』(2004年)

 

後藤正治の『リターンマッチ』が原作になっています。

妻の死でボクシングを辞めようとする高校教師の滝田のもとに、ボクシングとケンカの違いも分からない個性豊かな入部希望者がやってきます。滝田の熱い指導によって、生徒達に変化が見られ始めるというストーリーです。

松山ケンイチは小栗旬らとともに挫折を乗り越えリターンマッチに挑むボクシング部員の内海昇を演じました。迫力あるボクシングシーンのため、1か月ほどトレーニングを積んだそう。

県大会を目前に控え、とあるトラブルにより県大会出場が危ぶまれます。果たして滝田と生徒たちは、タイトルにもあるリターンマッチできるのかが見所になっています。滝田も生徒も「このままでは、いけない。自分を変えたい」という思いをもって集っています。挫折から立ち直ろうとする滝田と生徒の姿が胸を打つ、おすすめの作品です。

 

著者
後藤 正治
出版日

【テレビドラマ原作】想像を絶するノンフィクションの力を原作で『1リットルの涙~難病と闘い続ける少女亜也の日記~』(2005年)

 

木藤亜也の実際の日記を元に書かれた小説が原作。中学3年生の時に、体の運動機能を全て奪われてしまう脊髄小脳変性症を発病してしまう木藤亜也が25歳で亡くなるまで生き抜いた様子を描いた感動の作品です。

主人公・亜也の苦闘も去ることながら、周囲が何もしてやれてない悔しさや苦悩が涙を誘います。原作とは、亜也が通った学校など、若干の設定に変更がされていて、原作にはない亜也の恋愛もテレビドラマでは追加されています。

また、原作の著書巻末には、亜也の主治医だった山本紘子教授の回顧が寄稿され、実話の物語性に圧倒されます。

松山ケンイチは、河本祐二という、亜也が中学時代から憧れていた先輩役を演じています。バスケ部に所属し亜也とは、近い間柄になっていましたが、亜也の病気の進行に自身も困惑する難しい役を演じています。

 

著者
木藤 亜也
出版日

【テレビドラマ原作】松山ケンイチのファンは必見の初々しさ『翼の折れた天使たち』(2006年)

 

Yoshiの小説が原作のテレビドラマです。テレビドラマは、4夜連続でオムニバス形式で放送されました。 

第二夜の「ライブチャット」は、彼氏である真吾の浮気に逆上し、真吾を包丁で刺し重い障害を持たせてしまう優奈が、過去の過ちに苛まれながら生きるヒューマンドラマです。 

周囲の中傷などで引きこもるようになった優奈は、生計を立てるために始めたライブチャットでタローに出会います。 優奈は過去の出来事をタローに話し相談に乗ってもらううち、彼のことが気になり始めます。 ある日、タローが口を滑らせたある一言で彼の秘密に気づいた優奈は……。

優奈に刺されてしまう真吾役を松山ケンイチが演じています。もうお分かりだと思いますが、松山ケンイチはもう一役演じています。 ぜひ、原作でも確認してみてください。

 

著者
Yoshi
出版日

【テレビドラマ原作】ロボットオタクの松山ケンイチ『セクシーボイスアンドロボ』(2007年)

 

黒田硫黄の漫画が原作です。中学3年生の林二湖・通称ニコと、ロボットオタクのフリーター須藤威一郎・通称ロボが、謎の老人の依頼を受けスパイとして活動し怪事件を解決していく新感覚の推理ドラマです。

笑いと感動の冒険活劇という作風もあり、見やすい作品です。ニコは、七色の声を操る少女で、洞察力にも優れ、問題解決の糸口を見つけていくのがポイントで、2人が泣いたり笑ったり、時にはぶつかりながらも、事件を解決に向かって進んでいく姿が見所です。

松山ケンイチは、須藤威一郎役を演じています。活発なニコとは対照的にロボットオタクで気弱な青年。バランスの取れたコンビで、作品の面白さを引き立てています。

 

著者
黒田 硫黄
出版日

【テレビドラマ原作】『銭ゲバ』(2009年)

 

ジョージ秋山の漫画が原作のテレビドラマです。貧しい家に生まれ、父はろくでなしで母は病弱という境遇の蒲郡風太郎。大人になった風太郎は、金のためなら殺人も犯す「銭ゲバ」として生きる姿を描いた作品です。

風太郎は、母が病院にさえ行けず病死してしまった時、やさしく接してくれていた近所の青年を殺めてしまいます。それをきっかけに、故郷を出て大企業の社長の一家に取り入り、金のために殺人を繰り返します。会社を乗っ取り、政界へも進出した風太郎ですが、まさかの展開が待っています。

風太郎役を松山ケンイチが演じ、幸福とは何かを考えさせてくれています。

原作漫画は衝撃的な死体の描写や荒廃した街など、たった1シーンでも次の展開を予想させるような雰囲気に満ちた作画にも定評があります。原作についてもっと知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

<『銭ゲバ』怖くて切ない!登場人物、結末までの名言をネタバレ紹介!【無料】>

 

著者
ジョージ秋山
出版日

【テレビドラマ原作】日本人なら知っておきたい『オリンピックの身代金』(2013年)

 

奥田秀朗の小説が原作のテレビドラマです。

異父兄の死をきっかけに、東京と地方の格差に憤りを感じていた主人公の島崎国男。昭和39年の東京オリンピック開催阻止を企てる島崎と、オリンピックのボイコットという国家の危機を回避しようと捜査を進める警察の物語です。

東京オリンピックに沸く東京には、建設ラッシュのために地方からたくさんの出稼ぎ労働者が働いていました。長時間の過剰な労働で疲れ果てる労働者の中には、疲労を忘れるために薬物に手を出す者も少なくありませんでした。そんな状況を目の当たりにした島崎は、東京にオリンピック開催の資格は無いと、爆破事件を実行していくのでした。

この物語の見所は、警察の捜査が着実に島崎に迫っていくところです。松山ケンイチは雰囲気ある島崎国男を演じ、刑事役の竹野内豊とともに作品をグッとよいものにしています。

農村と都市との対比は、現代の日本について考える際にも示唆に富んだ内容だといえそうです。

 

著者
奥田 英朗
出版日

【テレビドラマ原作】もう1つの『火垂るの墓』ともいうべき事実『満州の星くずと散った子供たちの遺書 新京敷島地区難民収容所の孤児たち』『戦場のサブちゃんとゴン』『約束』(2014年)

 

原作は、増田昭一で、3作品を元にしたテレビドラマが『遠い約束~星になったこどもたち~』です。

たくさんの犠牲者を出した第2次世界大戦。戦争終了時、満州にいた日本人孤児達は、日本へ帰り損なってしまいます。その事で、子供ながらにして悲惨な体験をし、それでも生きようとする子供達を描いたヒューマンドラマ作品です。

子供たちに寄り添う松山ケンイチ扮する関東軍中尉・戸田英一と、二階堂ふみ扮する小学校教諭・水野有希子。子供たち、英一、水野が日本を目指す姿や子供たちの境遇が、あまりにも悲しく涙を誘います。

夢と憧れを抱いて満州に渡ったはずの日本人達の末路の行方が見所の作品です。
 

 

著者
昭一, 増田
出版日

【テレビドラマ原作】松山ケンイチが早乙女太一とタッグで脅さず殺さず『ふたがしら』(2015年)

 

オノ・ナツメの漫画が原作のテレビドラマです。江戸時代が舞台。盗賊の赤目一味である弁蔵と宗次が、一味を辞め生きて行く姿を描いた時代劇盗賊エンターテイメントと言うべき作品です。

弁蔵と宗次は、赤目一味の頭・辰五郎が息を引き取る際、一味を託されたはずでした。しかし姐さんの一声で状況は一変。納得のいかない2人は、旅に出る事になります。

豪快な弁蔵とクールな宗次の相反する性格のコンビが織りなす、巧妙な駆け引きや騙し合いが見所になっています。松山ケンイチが、痛快に主人公・弁蔵役を演じています

2人のうち1人は、同作者の『さらい屋 五葉』にも登場しているのではないかという噂も。漫画でありながらコマ割りや描写の行間にわびさびを感じる作風が人気です。原作についてもっと知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

<『ふたがしら』が無料!オノナツメの名作漫画について最終回までの5つの考察>

 

著者
オノ ナツメ
出版日
2011-12-27

【テレビドラマ原作】大人になった懐かしのあのキャラを松山ケンイチが実写化『ど根性ガエル』(2015年)

 

吉沢やすみのギャグ漫画が原作のテレビドラマです。テレビアニメでお馴染みの作品でもあります。

おっちょこちょいな中学生・ひろしが、転んだ際にカエルの上に倒れてしまい、カエルがシャツに生きたまま張り付いてしまいます。物語は、ひろしと平面ガエルとなったピョン吉がドタバタな生活を送るというものです。

テレビドラマでは、ピョン吉と出会った中学時代から16年後を描いています。ひろしは定職にもつかず自堕落な生活を送っていて、ピョン吉もシャツから剥がれつつあるのでした。

一心同体ともいえる状態のひろしとピョン吉。ピョン吉が剥がれかかっている事に、ひろしがどう対処していくかが見所です。また、ひろしやピョン吉の周りには愉快で個性的な仲間も多数登場し、作品を盛り上げています。

30歳になった主人公・ひろしという難しい役ですが、経験を積んだ松山ケンイチが演じています。テレビアニメで親しんでいた層も、子どもの頃の純粋さを思い出すような楽しみができるのではないでしょうか。

 

著者
吉沢 やすみ
出版日

【テレビドラマ原作】松山ケンイチが主役の一歩手前で受け身を取るライバルを名演『白い巨塔』(2019年)

 

山崎豊子の長編小説が原作です。映画化1回、テレビドラマ化が6回でいずれも話題を呼んだ作品です。野心に燃える財前五郎が、浪花大学第一外科教授の席を巡り、金と権力争いの中で戦い身を滅ぼしていく姿を描いています。

食堂噴門癌のオペを得意とし、超一流の腕をもつ財前五郎は、かつての医者としての情熱を忘れ権力という魅力に取り憑かれてしまいます。同病院の第一内科助教授・里見脩二は、同期で財前と性格は正反対。見境なく権力闘争に身を投じる財前を案ずる里見でしたが、ある医療事故を機に状況は思わぬ方向に動き出していくのでした。

教授の席と医療裁判、そして財前の健康の3つが複雑に交差していき、目まぐるしく状況が変化していくところが見所です。松山ケンイチは、財前のライバルで医療裁判にも影響を及ぼす里見脩二を演じています。医者目線で進む物語ですが、患者も医者任せにせずに思考する必要があるのでは、と感じたそうです。

原作についてもっと知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

<小説『白い巨塔』あらすじなどをネタバレ解説!財前にはモデルがいた⁉>

 

著者
山崎 豊子
出版日

【テレビドラマ原作】メディアの在り方をあらためて考える『歪んだ波紋』(2019年)

 

塩田武士の短編小説が原作のテレビドラマです。元々、新聞記者による誤報を題材にした5つの物語で構成された作品ですが。テレビドラマでは、5作品を融合し制作されています。

ひき逃げ事件の被疑者として報じられた女性が風評被害に苦しむという筋書き。その後誤報であったと分かるも、一度広まった噂はなかなか覆りません。ガセネタを掴まされた新聞記者も、それに苦悩します。
 

松山ケンイチは、誤報を出してしまった記者の大学時代の同期で、ネットニュース編集長の三反園役を演じています。スーツを着こなし、いかにも頭がキレる人柄であることを仕草でも表現しました。

原作では、誤報によって人生を大きく変える事になる物語が5本立てで収めてあり、テレビドラマを見た方も答え合わせをするように違いを楽しめます。原作についてもっと知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

<塩田武士『歪んだ波紋』の面白さを全編ネタバレ!NHKでドラマ化の原作小説>

 

著者
塩田 武士
出版日
2018-08-09

【テレビドラマ原作】松山ケンイチが立川のイエス・キリストに!『聖☆おにいさん』(2020年)

 

中村光のギャグ漫画が原作のテレビドラマです。なんとブッダとイエスが有休休暇を取り、人間界にバカンスに来るというコメディセンスが話題を生みました。

世紀末を無事乗り切り、仕事に一区切りしたブッダとイエス。東京の立川のアパートの1室をシェアしバカンスを過ごします。細かいお金を気にするブッダと、衝動買いが多いイエス。そんな2人のユルい日常生活が描かれた作品です。

松山ケンイチは、イエス役を演じていて、ブッダ役の染谷将太との実力派コンビの名演技は必見です。イエスのイメージを完全に具現化した松山ケンイチのビジュアルと、コミカルなキャラクターのギャップは必見。

本来敵対する宗教同士の神である事や、その他の宗教の神々が登場する点も作品の面白いところです。原作漫画ではコマの細部まで、「神」にまつわるネタが満載。ぜひ一字一句見逃さず楽しんでみてください。こちらの記事でも魅力を伝えています。

<漫画『聖☆おにいさん』25人のキャラと魅力をガチ語り。14巻ネタバレ注意>

 

著者
中村 光
出版日
2008-01-23

【出演作品一覧】映画やテレビドラマの実写化で松山ケンイチの右に出る者はいない!

【映画】  

『アカルイミライ』(2003年)  

『完全なる飼育 秘密の地下室』(2003年) 原作『秘密の地下室 完全なる飼育』 

『偶然にも最悪な少年』(2003年) 原作『偶然にも最悪な少年』 

『かまち』(2004年) 原作『かまちの海』 

『ウイニング・パス』(2004年)  

『渋谷怪談2』(2004年)  

『茶の味』(2004年)  

『リンダ リンダ リンダ』(2005年)  

『NANA』(2005年) 原作『NANA』 

『不良少年』(2005年) 原作『不良少年(ヤンキー)の夢』 

『カスタムメイド10.30』(2005年)  

『男たちの大和/YAMATO』(2005年) 原作『決定版 男たちの大和』 

『デスノート』(2006年) 原作『DEATH NOTE』 

『デスノート the Last name』(2006年)  

『L change the WorLd』(2008年)  

『デスノート Light up the NEW world』(2016年)  

『親指さがし』(2006年) 原作『親指さがし』 

『ユメ十夜 第十夜』(2007年) 原作『夢十夜』 

『蒼き狼 〜地果て海尽きるまで〜』(2007年) 原作『地果て海尽きるまで 小説チンギス汗』 

『神童』(2007年) 原作『神童』 

『ドルフィンブルー フジ、もういちど宙』(2007年) 原案『もういちど宙へ : 沖縄美ら海水族館人工尾びれをつけたイルカフジの物語』 

『サウスバウンド』(2007年) 原作『サウスバウンド』 

『椿三十郎』(2007年) 原作『日日平安』 

『人のセックスを笑うな』(2008年) 原作『人のセックスを笑うな』 

『デトロイト・メタル・シティ』(2008年) 原作『デトロイト・メタル・シティ』 

『ウルトラミラクルラブストーリー』(2009年)  

『カムイ外伝』(2009年) 原作『カムイ外伝』 

『カイジ 人生逆転ゲーム』(2009年) 原作『賭博黙示録カイジ』 

『笑う警官』(2009年) 原作『笑う警官』 

『誰かが私にキスをした』(2010年) 原作『失くした記憶の物語』 

『ノルウェイの森』(2010年) 原作『ノルウェイの森』 

『GANTZ / GANTZ PERFECT ANSWER』(2011年) 原作『GANTZ』 

『マイ・バック・ページ』(2011年) 原作『マイ・バック・ページ』 

『うさぎドロップ』(2011年) 原作『うさぎドロップ』 

『僕達急行 A列車で行こう』(2012年)  

『清須会議』(2013年) 原作『清須会議』 

『家路』(2014年)  

『春を背負って』(2014年) 原作『春を背負って』 

『ゲキ×シネ蒼の乱』(2015年)  

『天の茶助』(2015年) 原作『天の茶助』 

『日本のいちばん長い日』(2015年) 原作『日本のいちばん長い日 運命の八月十五日』 

『の・ようなもの のようなもの』(2016年)  

『珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-』(2016年) 原作『珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-』 

『怒り』(2016年) 原作『怒り』 

『聖の青春』(2016年) 原作『聖の青春』 

『関ヶ原』(2017年) 原作『関ヶ原』 

『ユリゴコロ』(2017年) 原作『ユリゴコロ』 

『宮本から君へ』(2019年) 原作『宮本から君へ』 

『ホテルローヤル』(2020年)原作『ホテルローヤル』

『ブレイブ 群青戦記』(2021年公開予定) 原作『群青戦記』 

  

【テレビドラマ】  

『ごくせん』(2002年) 原作『ごくせん』 

『ごくせん スペシャル さよなら3年D組〜ヤンクミ涙の卒業式 』(2003年)  

『キッズ・ウォースペシャル~これでファイナルざけんなよ~』(2003年)  

『ビー・バップ・ハイスクール』(2004年) 原作『ビー・バップ・ハイスクール』 

『ビー・バップ・ハイスクール2』(2005年)  

『リターンマッチ 〜敗者復活戦〜』(2004年) 原作『リターンマッチ 』 

『ディビジョン1 ステージ15』『お台場冒険王SP 彼氏宣誓‼』(2005年)  

『1リットルの涙』(2005年) 原作『1リットルの涙~難病と闘い続ける少女亜也の日記~』 

『翼の折れた天使たち』 第二夜「ライブチャット」(2006年) 原作『翼の折れた天使たち』 

『マチベン』 第1話(2006年)  

『その5分前 「或る夜の出来事」』(2006年)  

『セクシーボイスアンドロボ』(2007年) 原作『セクシーボイスアンドロボ』 

『銭ゲバ』(2009年) 原作『銭ゲバ』 

『TBS開局60周年記念ドラマ 99年の愛〜JAPANESE AMERICANS〜』(2010年)  

『大河ドラマ 平清盛』(2012年)  

『オリンピックの身代金』(2013年) 原作『オリンピックの身代金』 

『遠い約束〜星になったこどもたち〜』(2014年) 原作『満州の星くずと散った子供たちの遺書 新京敷島地区難民収容所の孤児たち』『戦場のサブちゃんとゴン』『約束』 

『紅白が生まれた日』(2015年)  

『ふたがしら』(2015年) 原作『ふたがしら』 

『ふたがしら2』(2016年)  

『ど根性ガエル』(2015年) 原作『ど根性ガエル』 

『A LIFE〜愛しき人〜』(2017年)  

『隣の家族は青く見える』(2018年)  

『宮本から君へ』(2018年) 原作『宮本から君へ』 

『白い巨塔』(2019年) 原作『白い巨塔』 

『歪んだ波紋』(2019年) 原作『歪んだ波紋』 

『聖☆おにいさん 第III紀』(2020年) 原作『聖☆おにいさん』

いかがだったでしょうか?名作揃いのなか松山ケンイチの魅力が理解できたでしょう。2020年6月には、小説『ホテルローヤル』の実写化映画に出演することも決定しました。松山ケンイチの演技やキャラクターによって、さらに盛り上がりが増す映画やテレビドラマばかりです。一方、原作には表現やリズムなど、著者の純度100%の良さがあります。そのよさもぜひ体感してみてください。

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