おすすめ音楽漫画12選!胸が熱くなる青春!

更新:2016.5.10 作成:2016.5.10

漫画で音をどうやって表現するのですか?実際に音が聞こえないのに、漫画にしても面白くないのではないですか?なんて声が上がりますけど、そんなことはありません!漫画の表現方法は無限と言っていいくらいで、音楽漫画というジャンルでもアツい作品はいっぱいあります!

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目次

音楽漫画の金字塔『BECK』

どこにでもいるような平凡な中学生、田中幸雄(通称コユキ)は変わりがない日常に不安を抱いていました。何をするでもなく、また何をしたいでもなく、ただただ流されているだけの日々で良いのかと思っていたのです。そんなある日、ベックという名の犬を散歩していた南竜介と出会います。

竜介はニューヨークで暮らしていた帰国子女で、超絶なギターテクを持ち、世界的に有名なダイイング・ブリードのギタリスト、エディ・リーと一緒にバンドを組んでいたこともあったのです。竜介の存在は、コユキにとっての刺激そのものでした。

コユキは、1つ年上の幼馴染の石黒泉が貸してくれたCDがきっかけとなり洋楽に目覚め、竜介が貸してくれたギターで本格的に練習に打ち込むことになります。時を同じくして、同級生で7歳からドラムをやっていた桜井裕志(通称サク)と出会い、その後ふたりは絶対的な親友となっていきます。
 

著者
ハロルド 作石
出版日
2000-02-15


カリスマ性抜群のヴォーカルでMCの千葉恒美、ファンキーなベースの平義行、そして竜介のバンドBECKにサク、コユキがサポートメンバーで入ることになります。はじめはギターが下手で相手にされていなかったコユキですが、サクとのセッションにてその歌声を聴いた竜介がサクと共にメンバーとしての加入を認めたのです。そして、この5人でのストーリーが進行していきます。

自分たちの実力不足による挫折や事務所の権力による壁など、ストーリー展開は実にリアル。34巻の長期連載にも必然があります。

キャラクターやバンドが成長していく過程も面白いのですが、特にライブシーンの描写は圧巻です。まるで、本当に音が聞こえてくるかのよう。5人が揃った時には信じられないような奇跡が起きるのです。この5人だからこその化学反応を楽しんでください!

『BECK』について紹介した<漫画『BECK』6の魅力!あらすじ、最終回、名言をネタバレ紹介!【無料】>の記事もあわせてご覧ください。

世界一のジャズプレイヤーになる!『BLUE GIANT』

宮城県仙台市に住んでいる高校生の宮本大は真っ直ぐな性格の持ち主ですが、将来なにをしたいのかが分からずに学生生活を送っていました。そんなある日、友達の近藤周平の家でジャズのCDに出会い、周平と一緒に行ったジャズ喫茶店で直接ジャズを聞き、ジャズにうたれてしまいます。それから広瀬川の土手でずっと練習を続けます。そして、サックスプレイヤーを目指していくのです。

スケールやコード、五線譜なんて見たことがある程度の主人公が独学でサックスを吹いているのですが、初めての観客である周平はその音に大の思いを受け取ります。

「お前、あの日こんな感じだったんだな。」と言い、「俺は世界一の医者になるぞ!」と決意を固めます。大のサックスには人の心を動かす何かがあるようです。
 

著者
石塚 真一
出版日
2013-11-29


大は、渡米しジャズに没頭した過去がある由井と出会い、その才能を発掘されジャズのことを叩き込まれ、その由井をして「お前のほうが上だ」と言わしめます。アメリカの有名なバークリー音楽大学出身の由井がそのセリフを言うだけでも大のスゴさが伝わってきますね。

その後、凄腕ピアニストで辛辣な意見を述べる沢辺は、大のサックスに涙しコンビを組むことを提案。その提案を受け取った大はふたりでジャズバーやクラブで演奏する事になります。そこに、大の高校の同級生の玉田が素人ながらもドラマーとして加わり、猛練習により成長していきます。そして、この3人でプロを目指していくことになるのです。

大の演奏でもそうだったのですが、沢辺のソロで飛躍の音階をバックとした背景であったり、玉田のソロでのバックのベタからの熱量が漂っていたりというものが、音を描かないことで音が読み手に伝わってきます。ジャズに詳しくなくても面白く読める一冊です。

世界一カッコ悪いロックスター伝説『日々ロック』

勉強もスポーツも出来ないいじめられっ子の高校3年生・日々沼拓郎は、「日々ロック」というバンド名で、ライブハウスで歌っていました。しかし、盛り上がることはなく、誰からも共感されずに終わるというライブが続いていたのです。

そんな日々を過ごしていたある日、同じいじめられっ子で同級生の草壁まもるからバンドの話を持ちかけられ、「ザ・ロックンロールブラザーズ」を結成します。そこに同じく同級生の依田明がドラムとして加わり、3人での活動が始まっていき……。
 

著者
榎屋 克優
出版日
2010-10-19


本作は、歌詞が飛び出すように表現されているのが特徴です。しかし、その歌を歌うまでの過程があるから、その思いを歌に乗せやすく、より感情移入しやすくなっています。読者の中で言葉にできない思いがあるなら、日々沼が代わりに吐き出すように歌ってくれると思いますよ。

お互いを助け合う絆の物語『この音とまれ!』

時瀬高校筝曲部は、3年生の卒業によって部員1名となり、廃部の危機にさらされていました。唯一の部員である2年生の倉田武蔵は、箏曲部を占拠していた不良たちに絡まれている時に、地元で名の知れた不良である新入生の男の子・久遠愛に助けられ、突然「筝曲部に入部する」と宣言されます。

武蔵は、不良である愛を信じられないと一度は拒絶しますが、愛と愛の友達の高岡哲生と接する中で愛の箏に対する真剣な思いを知り、入部を受け入れる事になりました。

愛の入部を皮切りに、琴の名門鳳月家の跡取り娘で天才箏奏者の鳳月さとわや、愛の友人達と部員も増えていきます。そして、全国1位を目指す為、各学校のライバルを追い越す為に、部員ひとりひとりの目標や課題に立ち向かっていくことになりました。
 

著者
アミュー
出版日
2012-11-02


琴の音の表現は文字で語られることが多いですが、みんなで息を合わせるシーンなどは画面に引き込まれる感じがします。息が合わなかった場面があるのですが、そのあとのリカバリーも迫力があって、メンバーの以心伝心さが伝わってきて、見終わったあとには爽快感をもたらしてくれます。

琴を題材にした漫画ですが、少年漫画の王道を進んでいる漫画です。キャラクターのひとりひとりにトラウマな過去や自信を喪失するようなストーリーがあり、それをみんなで乗り越えていき、絆が強く深くなっていくからです。誰でもそうだとは思いますが、頑張っている人は応援したくなりますよね。この作品もそんな一冊です。

岩岡ヒサエが描く青春ストーリー『オトノハコ』

本作は、高校の合唱部を舞台に繰り広げられる青春学園ストーリーです。

物語は、主人公の田辺きみが、どこからともなく聞こえる歌声に惹かれて合唱部の扉を開くところからスタートします。

部員わずか数名の合唱部は、存続の危機。廃部をまぬがれるため、合唱コンクール入賞を目指して奮闘するきみと、合唱部の仲間達との心の交流が描かれています。

著者
岩岡 ヒサエ
出版日
2008-03-31

弱小合唱部の個性的な面々が、練習を通じて上達し、コンクールに向けて気持ちを一つにしていく様子は、読者を感動させます。

もちろん全てが順調すすむわけではありません。衝突することや、練習場所の確保に奔走することなど小さな合唱部には問題もたくさんあります。苦難にぶつかるきみたちの、明るくひたむきに合唱に取り組む姿を見ていると、きっと応援したくなってしまうでしょう。一人ではなく、みんなで声を合わせることの楽しさや歌うことのよろこび、もどかしさなど、部活動に明け暮れた学生時代を懐かしく思い出す、まさに青春物語です。

さらに、やさしい先輩、パワフルな部長、思わぬ才能を見せる同級生といった合唱部の仲間たちとの恋、友情が織りなす心模様も見どころの一つですよ。

青春まっただなかの人にも、青春を懐かしむ年になった人にもおすすめしたい作品です。

ありそうでなかった三味線音楽漫画『ましろのおと』

知る人ぞ知る津軽三味線の名人・澤村松吾郎を祖父にもつ主人公・澤村雪は、その祖父の死をきっかけに上京します。しかし、目標としていた祖父の音を聞けなくなったことで、自分の居場所をも見失ってしまいます。そんな中、松吾郎の音が雪の中にあると信じている雪の母親・梅子から言われて梅園学園へ転入することになり……。
 

著者
羅川真里茂
出版日
2010-10-15


梅園学園で出会った女の子・前田朱利は三味線同好会のメンバーとして活動していました。朱利が三味線をやるきっかけとなったのは、彼女の祖母が子供の頃に聞いたという津軽三味線の曲を探して、それを聞かせてあげたいというものでした。その曲とは、松吾郎が30年かけて作り上げた即興曲「春暁」の一部だったのです。この願いは、雪が自分なりの解釈をいれた「春暁」を演奏することで叶えられました。そして朱利は雪の腕前に近づこうと津軽三味線を続けることを決意します。

この後、梅子が開催した津軽三味線甲子園「松吾郎杯」に向けてストーリーは進展していくのですが、この漫画の音の表現方法は独特です。基本的には背景を音のイメージする景観に例えていて、言葉は味つけ程度です。それが、各キャラクターの出す音とマッチしていて、それぞれのキャラクターの味の深みにもなっています。キャラが音を立て、また音もキャラを立て返す関係性が見ている人の心にスッと入ってきます。こちらも津軽三味線がよくわからなくても面白く読める音楽漫画です。

最も美しい嘘を巡る音楽漫画『四月は君の嘘』

本作はあることがきっかけで自身のピアノの音が聞こえなくなり、ピアノから遠ざかっていた中学生・有馬公生が、幼馴染の澤部椿を通じて、ヴァイオリニストの宮園かをりと知り合うところから始まります。

唯我独尊、暴力上等、性格最低と、かをりの第一印象は最悪でしたが、かをりの自由な演奏に魅了され、公生は憧れを抱くようになります。モノクロだった公生の日常は、かをりとの出逢いによってカラフルに色付いていき……。

著者
新川 直司
出版日
2011-09-16

この物語はどこにでもいる少年少女のお話です。確かに演奏者として秀でている彼らですが、当たり前のことで喜び、当たり前のことで悲しみ、そして、当たり前のように恋をする普通の少年少女になります。

もちろん、物語ですので、彼らには多くの苦悩が待ち構えており、時には挫折し、前へ進むことが出来ないことも多いです。しかし、彼らには支えてくれる人達がいます。

自分が立ち止まった際は手を差し伸べてくれる仲間、背中を押してくれる大人、自分がそこに来るのを待ってくれているライバル、多くの人たちの支えによって彼らは、前へと進んで行きます。

支えてくれた想いを、音楽を通じて伝えていく少年少女の物語を、ぜひこの機会に一度読んでみて下さい。きっと彼らと会えてよかったと感じることでしょう。

音楽による喧嘩!『坂道のアポロン』

物語の舞台は1960年代の長崎県佐世保市。主人公の西見薫は父親の仕事の都合で親戚の家に居候することになりました。佐世保東高校への転校初日、薫はクラスで不良と恐れられている・川渕千太郎と出会います。

ある日、千太郎に自身が弾いた曲はジャズではないと挑発される薫は、対抗心を燃やし、猛練習する内にジャズに魅了されていきます。ジャズを通して薫と千太郎は友情を深めていく姿に目が離せません。

著者
小玉 ユキ
出版日
2008-04-25

本作の魅力は薫と千太郎の喧嘩です。喧嘩と言うと物騒な響きに聞こえますが、本作はお互いに本音を語り合う喧嘩、ジャズでのセッション(演奏者が集まって演奏すること)です。普段は建前や気持ちが邪魔をして、なかなか本音を言い出せない薫と千太郎ですが音楽を通じることで自分達の想いを全力で伝えていきます。

もちろん、本音には良いものばかりではありません。相手に対する不満なども伝えていき、それがきっかけで本当の喧嘩になることだって少なくありません。しかし、最後はまた喧嘩(セッション)して笑顔で仲直りし、お互いの理解を深めていく薫と千太郎。ふたりの音楽を通じた喧嘩を是非、堪能して下さい。

おバカ=素直に気持ちが伝えられるわけではない!『のだめカンタービレ』

千秋真一はピアノ科に所属しながらも指揮者を目指すエリート音大生です。容姿端麗、頭脳明晰と、絵に描いたような美男子ですが、将来に行き詰まり、思い悩む日々を送っていました。

将来のことで悩み、ヤケ酒を飲んでしまい、自宅の目の前で寝てしまう千秋。目が覚めるとゴミ、虫、悪臭の満ちる部屋で、美しいピアノソナタを奏でる女性・野田恵(以下、のだめ)と出会うというところから物語が始まります。

著者
二ノ宮 知子
出版日
2002-01-08

のだめは基本的におバカで、自分の気持ちを千秋に素直に伝えます。しかし、勘違いしないで下さい。おバカだから気持ちを素直に伝えられるわけではありません。

確かに、のだめは素直な気持ちを語ります。しかしながら、全ての気持ちを語れるわけではありません。のだめにはのだめなりの苦悩があります。

いえ、本作は色々な登場人物が様々な苦悩を抱えています。色々な悩みを抱えながらも、音楽の道を志していく若者たちの物語です。最後まで彼女らの勇姿を見守ってあげて下さい。

足掻く姿は醜いが、その先の光景は美しい『いつもポケットにショパン』

自身の不器用さにコンプレックスを抱く須江麻子と、幼馴染の緒方季晋は同じピアノ教室に通う仲で、いつも一緒に行動していました。

小学6年生の頃、季晋は西ドイツへ留学し、二人は離れ離れになるが、あることがきっかけで高校生の時に季晋と再会します。ずっと季晋に会いたかった愛子ですが、季晋はそれを拒絶、お互いの仲に深い溝が出来てしまい……。

著者
くらもち ふさこ
出版日

本作の最大の魅力は不器用ながらも前に進む麻子のキャラクターでしょう。麻子は不器用だから勘違し、から回って失敗することも少なくなりません。

時には大きな失敗をしてしまい、塞ぎ込んでしまう麻子ですが、最後まで足掻き続ける麻子の姿に、凍っていた季晋の心は愛子の頑張る姿によって溶かされていきます。

きっと、麻子の足掻く姿は、見る人によっては醜く映ると思います。それでも、その醜さがあってこそ、その先は美しいと思えるはずです。

音楽は人を幸せにしてくれる『ピアノの森』

本作の主人公・一之瀬海(以下、カイ)は森の端という歓楽街に生まれ、小学5年の時に風俗の雑用係やホステスの客引きなどを強いられていました。そんな彼が唯一心を癒せていたのが、自宅の近くにある森の中にあるピアノを弾くことです。

小学5年生の時、カイは生涯のライバルである雨宮修平と出会います。修平と出会ったばかりの頃は森の中のピアノを弾くことが自分にとって一番楽しいことだと考えていましたが、阿字野草介(当時、カイの通う小学校の音楽教師でしたが、実は世界的に有名な元ピアニスト)に才能を見出され、成り行きでコンクールに出場することになり……。

著者
一色 まこと
出版日
2005-04-14

カイを支える周囲に温かさが何よりも本作の魅力です。カイは歓楽街に生まれ、娼婦の息子の為、社会的に後ろ指を指される存在でした。それでも、カイは自身の心境を恨みもせず、前だけを見て歩いてきました。

小学生のカイには限界があり、いつ谷底に落ちても仕方がない状況でしたが、多くの人がカイに手を差し伸べてくれたのです。

母親、友人、師、多くの人がカイに手を差し伸べてくれたからこそ、カイは音楽を通じて多くの人に特別な何かを残すことができるのです。この作品を読んだら、貴方の心にも特別な何かが残るかもしれません。

天才音楽少女の物語『さよならピアノソナタ』

杉井光の原作による『さよならピアノソナタ』を、赤坂アカがコミカライズしたのが本作です。

音楽評論家の父を持ち、機械いじりが趣味という主人公の桧川直巳は、廃材置き場でパーツを選んでいるとき、若き天才ピアニストの蛯沢真冬に出会いました。

2人の出会いをきっかけに、淡い恋の物語は始まっていきます。 

著者
杉井光
出版日
2011-07-27

直巳の通う学校に、転校生としてやってくる真冬ですが、彼女は人を寄せつけずに1人で空き教室に籠って、なぜかエレキギターを弾いてばかりいます。

真冬に占拠されてしまった空き教室を愛用していた直巳は、真冬を音楽で「ぶっとばす」ことによって奪還しようと目論むのですが……。

2人のささやかな交流に、先輩や幼馴染なども関わり、いつしかバンド活動を始め、2人の距離も縮まってゆくのですが、真冬はある秘密を隠しているのでした。

直巳と真冬、2人ほのかな恋模様に切なくなったりキュンとしたりできる珠玉のラブストーリーです。音楽に打ち込む青春時代のバイオグラフィをぜひ堪能してください。

普段、自身の想いを溜め込んでしまう方、人と関わりたいけど、苦手だと感じている方には共感出来る作品となっていると思います。ぜひ、この機会に読んでみて下さい。