長編漫画は冊数も多く手が出しにくいという方もいるのではないでしょうか。しかし長期間に渡り、愛され続けたストーリーは短編漫画では味わえない歴史や思い入れも生まれます。今回はそんな長編少女漫画のおすすめの名作をランキング形式でご紹介いたします。
主人公・つくしは玉の輿を望む母親の勧めで、お金持ちばかりが通う名門校「英徳学園高校」へと入学します。そこでは、学園に多額の寄付をしている名門家出身の生徒達、通称「F4」が学園内を牛耳っており、教師はもちろん生徒も歯向かうことを許されません。些細な事故から「F4」の反感を買ったつくしはリーダーの道明寺の手によって虐めのターゲットにされてしまいます。
- 著者
- 神尾 葉子
- 出版日
学園を仕切る「F4」達や、そのリーダー・道明寺の采配で、酷い虐めを受けるつくしが、持ち前の正義感で苦難に立ち向かう姿は、本作最初の見どころです。そんな彼女の姿に感化され、今まで通りの暴虐武人さが発揮されなくなっていく御曹司達。
次第に自分の思い通りにならない、つくしの強さに惹かれ始めます。主人公が執拗な虐めから逆境を乗り越えていくストーリーには、痛快さを感じる読者も多いでしょう。
アニメ化に加え、国内での2回のドラマ化と映画化。台湾、韓国、中国でもドラマ化されるなど、長年に渡りグローバルな人気を誇る『花より男子』。また、つくしを巡り繰り広げられる、前途多難な恋の行方にも注目です。
全員片想い、とよく評される『ハチミツとクローバー』。美大に通う主要人物たちは、皆一方通行の恋心を抱いています。報われない想いを胸に抱きつつ、お互いに認め合い、共に過ごしていく中で、深い絆で結ばれていきます。ただし、あっという間に過ぎ去っていく大学生活4年間で、少しずつ皆別々の道を歩んでいくことになるのです。
- 著者
- 羽海野 チカ
- 出版日
- 2002-08-19
全員片想いという切ない設定にやきもきしてしまう本作品。真摯に相手を思っているのに、届かない、報われない思いの連続に共感してしまい、切なくなります。美大という限られた環境の中で、やはり生じてしまうのが、優劣。才能という認識と羨望の気持ちです。友人でありながら、やきもきしてしまう気持ち、才能で通じ合い、深い絆なのに、恋に発展しないちぐはぐな関係、見ていて色々な要素がもどかしくも応援したくなるストーリーです。
また、大切な人を喪い、絶望していた状況から明るさを取り戻していくという再生の物語も内包しています。最後に待ち受けていた悲劇も一緒に乗り越えていこう、と言える存在に心温まります。うまくいくばかりではない、複雑な心情と不器用な愛情が交錯し、成長していく姿に感銘を受けます。この大学という時期にしか味わえない甘酸っぱさ切なさ、そして成長に青春が詰まった作品です。
『ハチミツとクローバー』についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
『ハチミツとクローバー』が無料!名作恋愛漫画の魅力をキャラクターから紹介
全員、片想い!? 決して思い通りにいかない青春群像劇に頭を抱える!そして、胸を締め付けられる。 美術大学に通う学生たちの恋愛模様を描いた漫画『ハチミツとクローバー』。彼らが繰り広げる甘くも苦い青春群像劇は多くの読者の心を掴み、アニメ化や実写映画化もされ、幅広い層の人気を得ました。 あっという間の大学生活。「青春」と呼ばれる時間の中で、彼らは何を見出すのでしょうか。 そんな本作は、スマホアプリで無料で読むことができます。ぜひチェックしてみてください。
いくえみ綾は1979年に「別冊マーガレット」でデビューを果たした少女漫画家です。彼女の独特な世界観の作品は女子高生からOLまで幅広い層に支持され、根強い人気を誇っています。この『潔く柔く』は講談社漫画賞少女部門の受賞作でもあります。
- 著者
- いくえみ 綾
- 出版日
- 2004-11-25
物語は、いくつかの独立したストーリーを並べて全体でひとつの作品にしたオムニバス形式です。物語は由麻編・カンナ編・瑞樹編・亜衣編・一恵編・禄編・百加編・音々編・朝美編・カンナ編の10編から成っています。
一見バラバラに見える登場人物たちが、高一の夏に交通事故で死んだハルタを巡って少しずつ繋がっていく様子が丁寧に描かれています。今の現状に満足していない者、過去を引きずっている者、恋が叶わない者……それぞれの物語の主人公が抱える想いは、一体どこへ辿り着くのでしょうか?
作品のはじめの方で「ハルタの死」というセンセーショナルなエピソードが投げ込まれます。ハルタにはカンナという幼馴染がいて、ハルタとカンナはお互い想い合っているものの言葉には出来ない関係を続けていました。一方マヤはカンナに想いを寄せており、カンナとマヤが花火を見ている時にハルタは交通事故で亡くなってしまうのです。
これによりカンナとマヤの、ハルタに対する罪悪感を抱えていく人生が始まります。この罪悪感を抱えるということは、ただ悲しみに溺れることとは違う、重い苦しみを伴うことでした。それが2人に、拭いきれない影を落として行くのです。
さらにその後の原作でのエピソードでは、ハルタだけでなく他の人も死んでしまいます。そうして死がもたらす影が、他の登場人物たちにも広がっていくのです。
この物語の大きなテーマは、ある者の死と残された者の苦しみと再生ではないでしょうか。残された者たちが様々な出会いや経験を通して、死んだ者への想いを昇華させていく。その過程で登場人物たちは苦しんだり葛藤しながら、それぞれの昇華の形を探して行く様子が人々の心を鷲掴みにします。
映画ではカンナが成長してから出会うロクという男とのラブストーリーとなっていますが、原作はさらに大きな「死」というテーマで物語が進んでいきます。そんな壮大なテーマを織り込んでいますが、重苦しく暗い物語なのではありません。
物語の中の死は、魅力的な登場人物を照らし、影を作り、さらに深みを加えています。絵も心情もとても繊細に描かれていて、まるで実在の人物が思い出を語っているよう。学生にも社会人にもおススメしたい漫画です。
『潔く柔く』についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
『潔く柔く』が面白い!原作漫画を名言や結末などからネタバレ考察!【無料】
物語では、ともすれば軽く扱われがちな、人の死。本作は「とある人物の死」を、周囲が乗り越えていく様子を描いた作品です。これだけでは「よくある話だな……」と思われるかもしれません。しかし、不安定でふるふるとした心の描写や、登場人物たちの言動がその人物の死に収束していく展開は、秀逸のひと言。今回は、13巻分を使って「死」というものを見事に描いた『潔く柔く』の魅力や名言、結末を考察していきます。 本作は、スマホの漫画アプリでも無料で読むことができるので、気になった方はそちらからもどうぞ!
二ノ宮知子作の『のだめカンタービレ』はクラシックをテーマにしたラブコメ作品です。主人公の野田恵(通称のだめ)と先輩である千秋真一は同じ音大に通う大学生。エリートで才能にも恵まれた千秋は指揮者の道を志すが、自身のトラウマが原因で夢への道が閉ざされてしまい自暴自棄になっていました。
- 著者
- 二ノ宮 知子
- 出版日
- 2002-01-08
そんな時に出会ったのが汚部屋で美しいピアノを奏でるのだめ。面倒見のいい千秋はガサツでだらしないのだめを放っておくことができず、またのだめの方も千秋の外見と才能に惹かれ、ふたりの奇妙なパートナー関係が始まります。変わり者の友人たちにも囲まれながら、のだめと千秋は自分の夢に向かって走り続けるのです。
クラシック音楽と聞くとちょっと敷居が高いと感じる方もいるかと思いますが、初心者でも全く心配いりません。楽器や曲名は出てきますが、難しい専門用語などはほぼ出てこないので読みやすいです。実際作者の二ノ宮知子も連載当初はクラシック音楽に関しては全くの素人だったといいます。むしろ全く知らないという方は実際にどんな曲なのか聴いてみようかな?という気になれるので、この漫画をきっかけに新しい趣味が増えるかもしれません。
『のだめカンタービレ』は、のだめと千秋の恋に関してはゆるく、おもしろおかしく描かれています。徐々にシリアスにもなっていきますが、ギャグとのいいバランスによってストーリーが展開されていくので波乱万丈過ぎると読んでいて疲れてしまう!という方にもオススメ。どちらかと言うと恋愛要素よりも成長ストーリーの方が強いのですが、俺様な性格の千秋にキュンとする場面もちゃんとあるという、バラエティに富んだ内容になっています。
クラシック音楽が好きな方、ギャグ漫画が好きな方、恋愛漫画が好きな方、成長物語が好きな方、どのジャンルから入ってきても楽しめる作品です。
男子が苦手な中学生だった吉岡双葉ですが、田中君という男子だけは平気で、特別な存在でした。しかしそんな彼は、両親の離婚によって長崎へ転校してしまいました。その後、男子は苦手だけれどモテてしまう双葉は女子からいじめられてしまいます。
そんな経験があったから、高校に入った双葉は、女子から嫌われないようわざとがさつに振る舞います。そんな双葉の前に、田中君が転校して帰って来ました。しかし、中学の頃の爽やかで照れ屋な優しい彼ではなく、クールで意地悪で口も悪い嫌な奴として。しかも苗字は田中から馬渕に変わっているのでした。
そんな2人の関係はどうなっていってしまうのでしょうか。
- 著者
- 咲坂 伊緒
- 出版日
- 2011-04-13
アニメ化、実写映画化、ノベライズ、「全国書店員が選んだおすすめコミック2012」では3位になるなど絶大な支持を得た人気作です。ちなみにタイトルの『アオハライド』は青春(アオハル)とRide(ライド)を掛け合わせた造語。
口は悪く意地悪なヤツになったけれど、実は非常に優しい男子である馬渕(旧姓は田中)と、がさつに見せているけれど実はとても乙女な双葉の、すれ違いながらも距離を縮めていく胸キュン青春作品です。
『アオハライド』に関してはこちらの記事で詳しく説明しています。
漫画『アオハライド』最終回までの見所をネタバレ紹介!無料で読める!
高校で初恋の人との再会を機に、主人公・双葉の恋心が動き出していく本作。映画化・アニメ化で話題の本作のあらすじや魅力を紹介します。 スマホのアプリでは無料で読めるので、気になった方はぜひそちらから読んでみてください。
2016年には実写映画化もされた人気作品。東京から父の故郷である田舎、浮雲町(うきぐもちょう)に引っ越してきた美少女・夏芽は刺激のない田舎町での生活に落胆します。ですが地元の少年・コウとの出会いをきっかけに夏芽の運命は大きく動き出します。
- 著者
- ジョージ 朝倉
- 出版日
- 2005-03-11
本作品『溺れるナイフ』というタイトルは「十代の自意識」であり、剥き出しの刃物のような危うさが鋭い切り口で描かれています。シリアスで暴力的な描写も多い本作ですが、綺麗事だけでは表現できない生々しい感情や、危険なもの、刺激的なものに惹かれ、溺れていくリアルな若者の心理が、巧みに描かれています。
ショッキングな描写も多く、読み手に衝撃を与える作品です。安定した日々を抜け出して、危険な恋に想いを馳せてみたい、そんな方にはぴったりの衝撃作ではないでしょうか。
高校1年生の水谷雫は、不登校気味になっていた隣の席の吉田春(通称ハル)の家にプリントを届けるよう、先生から言われます。参考書を買ってもらうという条件付きで渋々承諾し、彼の家に向かいました。
そこで会ったのは、ケモノのように雫を睨みつけてくる怖い人物。ハルは入学早々に上級生を3人も病院送りにし停学になり、その後は一度も登校しないまま、「幻の新入生」として噂の人物になっていたのです。
一方、雫は、幼い頃から「年収1千万」という夢を持っています。その夢を実現するため、今はひたすら勉強をすることしか興味がないという、冷めた女子高生でした。お互いの第一印象は最悪でしたが、ハルは雫がプリントを届けに来てくれたことを知り、なぜか彼女のことを「友達認定」してきて……。
- 著者
- ろびこ
- 出版日
- 2017-12-13
雫やハルは、傍から見ればかなり変わり者。そのため、読みはじめはキャラクターのインパクトに驚いて感情移入するのも難しいかもしれません。しかし、読み進めていくうちに、2人の不器用なかかわり合いがとても面白く感じられるでしょう。また、彼らを取り巻くキャラクターたちも惹かれる個性があり、どんどん引き込まれていくのです。
雫は小学生の頃にクラスで飼っていたウサギが死んだとき、少しも悲しさを感じませんでした。
「クラスでかわいがってたウサギが死んでも涙ひとつ見せない私を、クラスメイトはその後しばらく『ドライアイス』と呼んだ」
(『となりの怪物くん』1巻より引用)
クラスメイトにそんなあだ名をつけられるほど、どこか冷めた性格の彼女。一方、ハルも人との付き合い方がかなり極端。物語はもちろん恋愛ストーリーがメインなのですが、2人が成長していく様子が全体を通して描かれており、読後感はとてもさわやかです。
テンポが良くコミカルな部分もあり、楽しく笑いながら、それでいて不意に胸にグッとくるものがあります。もちろん胸キュンシーンもたくさん登場し、登場人物たちのさまざまな感情が入り混じります。最後まで一気に読みたくなる少女漫画です。
『となりの怪物くん』に関してはこちらで詳しく説明しています。
漫画『となりの怪物くん』のキャラ、最終回までの見所を全巻ネタバレ紹介!
2008年から2013年に「デザート」で連載された漫画『となりの怪物くん』。ユニークで魅力溢れるキャラと、胸キュン必至な展開が見どころです。アニメ化もされ、実写映画化もされる今作の魅力を、全巻通して徹底的にご紹介したいと思います。
雲田はるこ作の『昭和元禄落語心中』は、昭和を舞台にした一人の落語家の成長物語。「与太郎放浪篇」「八雲と助六篇」「助六再び篇」の3つの章から成り、それぞれ違うポイントに焦点を当てて物語は描かれています。
- 著者
- 雲田 はるこ
- 出版日
- 2011-07-07
「与太郎放浪篇」では元チンピラである主人公の与太郎が八代目有楽亭八雲に弟子入りし、落語を学ぶ姿が中心の物語。「八雲と助六篇」ではその八雲が襲名前の菊比古だった頃の過去編、「助六再び篇」では与太郎の成長した姿が描かれています。落語がテーマになってはいるのですが、落語のことを一切知らないという方でも大丈夫。初心者でも興味を持てるように描かれているので、落語の世界に入りやすい内容です。
見どころのひとつとして、与太郎と八雲の師弟愛が挙げられます。
「俺はアンタに心底惚れてる。これはもう自分の根っこみてぇなもんだから変えようがねぇんだ。でも師匠の落語は俺には絶対できねぇ。助六さんの落語が近い気もする。でもそれがやりたいのかまだ全然判らねぇんだ。判らねぇから側に居させてもらいてぇんだよ。頼む。俺をアンタと落語の側に居させてくれ。」(『昭和元禄落語心中』より引用)
これは与太郎が八雲の弟子になって間もない頃に、自身の居眠りが原因で破門を告げられたときの与太郎のセリフです。与太郎の情熱が伝わり破門されずに済むのですが、彼の師匠に対する尊敬の気持ちと、ダメな弟子に対する八雲の愛情の上に成り立つ関係性がよく伝わってくるセリフではないでしょうか。家族や恋人とはまた違うつながりに引き込まれること間違いなしです。
『昭和元禄落語心中』は、女性向け漫画にしてはめずらしく恋愛要素があまり多くありません。純粋に落語に全てをかける落語家たちの物語です。登場人物たちに明確な夢があり、迷いながらも進んでいくという成長の姿がメインとなっています。
女性向けの漫画雑誌「ITAN」で連載されていた作品ですが、男性でも楽しめる内容で、どちらかと言えば大人の男女をターゲットにした作品です。
声や動きですべてが作られる落語を、紙媒体である漫画で感じ取れる面白さは他にはない魅力だと言えます。落語の裏の世界や噺家が抱える苦悩がリアルに描かれており、落語を見る目が変わる『昭和元禄落語心中』。落語の難しさ、そしておもしろさを改めて知ることができ、寄席に行ってみたい!と思える作品なので、寄席デビューするきっかけになるのではないでしょうか。
『昭和元禄落語心中』に関してはこちらで詳しく説明しています。
漫画『昭和元禄落語心中』の最終巻までの見所を本気でネタバレ考察!
世の中には様々な漫画がありますが、ここまで落語を本格的に描き切った作品はそうないはずです。今回は漫画『昭和元禄落語心中』の魅力と見所を徹底的に考察していきます。
異性と抱き合うと動物に変身してしまう・草摩家の人々と、転がり込んできた主人公・本田 透(とおる)の心の交流を描くハートフルコメディです。草摩家の人間は十二支の物の怪に取りつかれており、その能力は「呪い」もしくは「絆」として語られています。
- 著者
- 高屋 奈月
- 出版日
全てを包み込むような優しさで満たされた作品です。主人公の生い立ちは決して恵まれたものとは言えません。ですが、彼女の優しさに心惹かれ、友人や理解者が集まり、相手の抱えた心の傷を癒していきます。「異性と抱き合うと動物に変身してしまう」という特異な設定ではありますが、その奇異な設定を越えて読者を虜にする「優しさ」こそが本作の魅力でしょう。
ほんの少し疲れてしまった人や、心が荒んでいると感じる人にぜひ読んでもらいたい。『フルーツバスケット』は、心からそう思えるような、とても優しい作品です。
『フルーツバスケット』に関してはこちらで詳しく説明しています。
漫画『フルーツバスケット』全巻の見所をネタバレ!アニメ化の名作が無料!
十二支の呪いを代々受け継ぐ草摩家の人々と、母娘2人で支えあってきた女子高生・透の、優しくも悲しい、それでいて幸せな物語『フルーツバスケット』。 透は草摩家の由希と、その天敵である夾との間に挟まれながら、彼らと生活をともにしていくようになります。そのなかで友情や恋愛を育み、ときには泣いて、嫌って、憎んで……そして愛を知っていく作品です。 そんな本作は2001年に続き、2019年4月からテレビアニメ作品が放送。ますます注目です。スマホアプリからは無料で読むこともできるので、ご利用ください。
クラスの女子から圧倒的な人気を誇る男子・矢野。主人公の七美も彼のことを好きなってしまいます。勇気を出しての告白にも軽薄な態度の矢野に、自分のことをちゃんと好きになったら付き合ってほしい、と言い切る七美ですが……。
- 著者
- 小畑 友紀
- 出版日
- 2002-10-26
2012年には実写映画化もされた本作。男女のすれ違いや抱えた過去、そして二人の未来を描いた切なさ溢れる恋愛作品です。高校生の等身大の葛藤が生々しく描かれており、「好きだから」という理由だけでは成り立たないリアルな恋模様が魅力です。
矢野と七美のすれ違いの恋を、長い時間をかけて描いた『僕等がいた』。大人になり切れていない高校生だった彼らが成長し、どんな顛末を迎えるのか。子供から大人へ、恋から愛へ。移り変わっていくラブストーリーに純粋な気持ちを思い出すことでしょう。
内気な少女・キラは自分とは正反対のどこか刹那的な雰囲気を持つ、バイクレーサーの・零と出会います。初めこそ合わないように見えた二人でしたが、同じクラスになったことで徐々に距離が縮まり、互いに惹かれあっていきます。想いを通わせた二人は自然に付き合い始めますが、そんな彼らの恋には大きな障害が待ち受けていました。
- 著者
- 惣領 冬実
- 出版日
まるで運命のように引き寄せられた二人の恋には、幾多の障害が待ち受けています。零の抱えたトラウマや、キラの過去に隠された壮絶な秘密。その心の傷を癒そうと寄り添う二人の間を引き裂こうとするように降りかかる様々な障害には、胸が痛むことが多いかもしれません。
ですが、これは傷ついた二人の男女が駆け抜けた「命懸けの愛の物語」です。戦の神『MARS』を題名に冠した本作は、彼らの前に降りかかる真実の愛を守るための「戦い」を描いた物語とも言えるでしょう。
北海道から東京へと転校してきた主人公・亜梨子(ありす)は、ある日学校で同級生の迅八(じんぱち)と一成(いっせい)の怪しい会話を聞いてしまいます。彼らは同じ夢を共有し、その世界では異星人として地球を観測する研究者だというのです。やがて亜梨子も「木蓮」という女性になり、月から地球を見ている夢を見たことで、物語は加速して行きます。
- 著者
- 日渡 早紀
- 出版日
前世の記憶を夢で共有する登場人物たちが織り成す、本格SF作品です。作品の中で描かれる様々な愛の形は、一つの答えに当てはめることが難しく、読者の価値観や着眼点によって様々な感想が出てくることでしょう。
「どーして前世なんか思い出しちゃったんだろー…」(『ぼくの地球を守って』より引用)
思わずそんな言葉が漏れてしまう。登場人物達の葛藤も本作では注目していただきたいポイントです。夢の中で語られる前世の記憶が、彼らの現実世界へと及ぼす影響は次第に大きくなっていきます。
また、本作の少女漫画の枠を超えた世界観に影響され、連載時には「自分にも前世の記憶や運命の相手がいるかもしれない」という思考が広まり、一つの社会現象にもなりました。それほどまでに、読者を引き付ける魅力を持った『ぼくの地球を守って』という作品に貴方はどんな感想を抱くでしょうか。
愛に飢え、愛を求め、その叫びが遠く離れた月を越え、時を越え、地球にまで伝わっていきます。前世から現世と続く壮大な愛の物語は1986年の作品発表から、現在に至るまで変わることなく読み手の心に残り続けています。
『ぼくの地球を守って』に関しては以下の記事で詳しく説明しています。
『ぼくの地球を守って』が全話無料で読める!名作SF恋愛漫画をネタバレ考察
前世の記憶をめぐる、一大SFロマン! 『ぼくの地球を守って』は、少女漫画らしく可愛らしい絵柄やロマンチックなセリフと、SF的テーマの壮大な世界観が見事に融合した作品です。前世の記憶に翻弄されつつも懸命に「今」を生きる少年少女の物語に胸が踊ります。 今回は「ぼく地球(ぼくたま)」の愛称で愛され続け、「前世」ブームをも巻き起こした昭和の名作漫画を徹底紹介します!スマホのアプリから無料で読むことができるので、ぜひチェックしてみてください。
「世の中は奇ツ怪なモノで溢れている」(『BLACK BIRD』より引用)
主人公・実沙緒は幼いころから、妖怪が見える力を持つ女子高生。恋愛に憧れ彼氏が欲しいと口にはしますが、子供の頃に初恋の少年に告げられた「いつかむかえにいくから」という言葉を忘れられず、異性からのアプローチにも、今一つ心を動かされません。
- 著者
- 桜小路 かのこ
- 出版日
- 2007-01-26
そんな彼女の前に待ち続けた初恋の相手・匡(きょう)が現れます。過去の約束を守ってもらえたことに喜ぶ実沙緒。しかし彼の正体は天狗の妖怪だったのです。妖怪達に力を与える「仙果の娘」という体質のため妖怪に狙われる実沙緒と、彼女を花嫁に迎えるため現れた天狗・匡の、異種族ラブストーリーです。
襲い来る妖怪達や、異種族故の障壁、惹かれあう二人を待ち受ける問題を乗り越えていく恋愛要素もさることながら、強く愛するが故に生まれる、悲しみや恨みの負の感情も描かれています。本編を通して愛を通わせる二人の心の成長にも是非注目してみてください。
人間と妖怪の垣根を越えて紡がれる恋愛譚。一筋縄ではいかない恋の行方には思わずひやりとさせられるかもしれません。妖しくも切ない、二人の愛の物語を是非ともご堪能ください。
主人公・雪野は絵にかいたような優等生。表の顔は文武両道・容姿端麗・品行方正。しかし、本性は他人からの賞賛と注目を浴びたいという虚栄心の塊でした。自分より周りの注目を集める、正真正銘の優等生・有馬をライバル視して並々ならぬ対抗心を抱きますが、彼と接するうちに演技ではない素顔の自分を露呈してしまいます。
- 著者
- 津田 雅美
- 出版日
優等生の仮面を被った雪野の独特な価値観や、彼女と交流するうちに自らの内面を見つめなおしていく有馬の心の変化が印象的な作品です。さらに二人を取り巻く友人達の抱えた問題など、それぞれの登場人物の「事情」も丁寧に描かれています。ストーリーとしてはシリアスな面も多いですが、アクの強いキャラクターや、周囲の人々の理解など、作品全体に込められた優しさを感じます。
『彼氏彼女の事情』というタイトルを冠するにふさわしい「事情」の数々に負けず、強く生きていく登場人物達。彼らの「事情」を読み解く中で、様々な価値観や、境遇、貴方が抱える「事情」に気付かされるかもしれません。
『彼氏彼女の事情』に関してはこちらで詳しく説明しています。
漫画『彼氏彼女の事情』はやっぱ名作!名言、感動のその後までネタバレ紹介
「本当の自分」になることを誓いあった彼氏彼女の事情とは……!? 優等生の仮面を被った宮沢雪野と有馬総一郎が自分らしく生きる事を決意し、友人達とともに成長していく青春ストーリー『彼氏彼女の事情』。連載終了から長い年月が経った現在も普遍的な悩みやテーマを描いた彼らの青春が色あせることはありません。 90年代少女漫画の代表作である本作は、スマホアプリで無料で読むことができます。この機会に、ぜひ読んでみてください!
ゴリラみたいな顔とマッチョな身体をもつ主人公・剛田猛男とクールなイケメンの砂川誠は子供の頃からの親友同士。猛男が好きになった女の子は、いつも必ず砂川を好きになり、毎回フラれていました。そんなある日、電車の中で痴漢を発見し、猛男が助けだした女子高生・大和凛子に猛男は一目惚れをします。
- 著者
- アルコ
- 出版日
- 2012-03-23
後日、お礼に訪れてくれた凛子に対して猛男は嬉しく思いますが、凛子もまた砂川を好きになったのだと勘違いしてしまいます。しかし彼女は、実は猛男のことが好きになっていたのでした。いつものパターンに慣れてしまっている猛男は、なかなか勘違いが解けませんが、砂川の協力もあり2人は恋人として結ばれました。
この漫画の見所は猛男の設定を生かした笑いが随所にちりばめられていまして、例えば、普通の人が小学校前で見張りとかしていても多少の違和感があるもののスルーされると思いますが、猛男が見張っていると警察呼ばれちゃいます。また、女性に接する事に慣れていない猛男の距離感であったり言葉の選び方に一般とのギャップが大きすぎて笑いに発展していきますね。
猛男は女子はキュンとして、男子はこんな奴友人としていたら楽しいだろうなと思うような真っ直ぐで純情な男、少女漫画ですが男女ともに楽しめる作品です。
『俺物語!!』に関してはこちらで詳しく説明しています。
漫画『俺物語!!』の魅力を全13巻ネタバレ紹介!
漫画『俺物語!!』の主人公は常人離れした力と恵まれた体格の「剛田猛男」。初めての彼女「大和凜子」と過ごす日々のなかで、一喜一憂する様子がとってもピュア!実写映画化では「剛田猛男」を鈴木亮平がかなりの完成度で再現し、坂口健太郎がイケメンサブキャラの「砂川」を演じたことでも話題になりました。美女と野獣カップルが主人公、「容姿より中身!」がメインテーマに見えますが、「人が人を好きになる瞬間」「人が人を信頼する瞬間」の丁寧な描かれかたにハマらずにはいられない作品です。少女漫画とは思えない表紙の原作『俺物語!!』の魅力を全巻ネタバレしつつ紹介していきます。
小学6年生の倉田紗南は、小さい頃から劇団こまわりに所属し、人気テレビ番組「こどものおもちゃ」にも出演している人気子役です。しかし、そんな華やかな世界にいる一方で、学校生活では、クラスの男子に「若い先生いびり」が流行り、授業もろくにできない毎日でうんざりしていました。
クラスの男子を仕切っているのは、羽山秋人という男子です。彼はどうやら先生の弱みを握っているようで、先生達もなかなか羽山のいびりを止めることができないでいたのでした。ある日、紗南は先生から羽山に握られている弱みを打ち明けられ、協力を求められるのですが……!?
- 著者
- 小花 美穂
- 出版日
1994年から、少女向け漫画雑誌「りぼん」に連載されていた作品で、1998年には講談社漫画賞少女部門を受賞しました。1996年にはテレビアニメ化されたり、また作中に登場する映画「水の館」が番外編として単行本化されたりと、その人気は各方面に展開されています。
主人公の紗南は、芸能界にも片足を突っ込んでいる女の子で、その型破りで元気いっぱいな性格は、周りを巻き込みながら様々なトラブルを解決していきます。そんな紗南のクラスメイトで、学級崩壊を引き起こしている張本人が羽山秋人という男の子なのですが、彼が荒れている理由は、家庭の問題に端を発していました。
しかし、問題を抱えているのは秋人だけではありません。一見、元気で華やかな生活を送っているように見える紗南もまた、過去に深い傷を負っていたのです。
そんな2人が互いに支え合いながら成長していく学園物語は、社会派なテーマも含んでいたり、エピソードによってはシリアスな雰囲気が続いたりしますが、主人公2人を中心に描かれる、懸命に自分の人生を生きようとするキャラクター達の姿に心を打たれる方も多いでしょう。
もちろんシリアスだけでなく、あちこちに散りばめられたギャグも光っているので、全編が暗いばかりではありません。むしろ明るく笑いながら、ふと考えさせられることもある作品なので、ぜひ一度は読んでみてください。
『こどものおもちゃ』に関しては以下の記事で詳しく説明しています。
漫画『こどものおもちゃ』登場人物の魅力をネタバレ紹介!
小学校を舞台に展開する『こどものおもちゃ』は、少年少女の淡い恋物語を軸に、随所に描かれるヘビーな内容がリアルだと話題を集め、今なお愛されている作品です。今回は、登場人物を紹介しつつ作品の魅力をお伝えしていきます。
舞台は京都の田舎町、東京に転校していった親友の蛍に会いたい一心で家を飛び出した、主人公・蜜柑が辿り着いた先は「アリス」と呼ばれる天性の能力を持った子供たちが集められた「アリス学園」でした。
常人には使えない超能力「アリス」を扱う個性的な生徒達に馴染めず、対立する蜜柑ですが、彼女の努力や人柄を通して次第にクラスメイトたちとの絆を深めていきます。
- 著者
- 樋口 橘
- 出版日
貴重な能力を持ち、世間から隔離され生きる、まだ幼い「アリス」達の生い立ちや葛藤が、丁寧な心理描写で描かれています。負けん気が強くひたむきな主人公が起こす大胆な行動は読者に笑顔と勇気を与えてくれます。
作者・樋口橘得意のギャグ色の強いエピソードに加え、本編全31巻の大ボリュームで語られる物語は読みごたえ抜群です。少女漫画では珍しい長期連載作品となった『学園アリス』。テンポのいいギャグとストーリー、どちらも楽しみたいという方にお勧めの作品です。
『学園アリス』に関してはこちらで詳しく説明しています。
漫画『学園アリス』キャラの魅力を最終回までネタバレ紹介!【学アリ】
選ばれたエリートしか通うことのできない「アリス学園」を舞台に描かれる本作。元気で裏表のない性格の小学生・蜜柑と、冷静沈着で美少女な蛍が、アリス学園で大暴れ!最初は蜜柑のことを敵対視していたクラスメイトも、彼女の行動力に魅了され、どんどん結束していきます。一生懸命で純粋な彼女たちの行動に、いくつになっても胸を打たれるでしょう。90年代生まれのバイブルをご紹介します。 この記事では、アリス学園でくり広げられる物語のあらすじや本作の魅力、主要なキャラクター、彼らの物語での役割などを、名言とともに紹介していきます。本作はスマホアプリで無料で読むこともできますよ。
歌舞伎の名門、木嶋屋の御曹司・恭之助。しかし本人は歌舞伎に対しての情熱を失い、半ば失望しながら舞台に立つ日々を送っています。いつものように気持ちが入らないまま舞台を終えた猛は、清掃員のアルバイトをしていた少女・あやめと出会います。
- 著者
- 嶋木 あこ
- 出版日
歌舞伎好きの彼女に自らの欠点を指摘され、消沈する恭之助ですが、ふとしたあやめの優しさに触れ、感情のまま彼女に好きだと告白をします。しかし、あやめは出身にも負けず歌舞伎の修行に励む幼馴染・一弥に想いを寄せていたのです。
2013年テレビドラマ化された作品。歌舞伎という特殊な業界に身を置く二人の青年と、歌舞伎好きの貧乏少女の三角関係を描く作品です。タイトルの『ぴんとこな』には、歌舞伎用語で「男らしく芯のある、二枚目」という意味があり、芸を極めそんな魅力的な人物に成長していく二人の青年、少女の心の揺れ動きには目が離せません。
一途に思い続けても伝わらない気持ちや、誰かの一番になりたいと努力するひたむきな姿。家柄を重んじる歌舞伎の世界ならではの葛藤など、歌舞伎という日本文化の艶やかな世界を背景に描かれる恋愛模様は、まるで読者が舞台を観劇しているような気分にさせられます。
様々な想いが交錯する恋の舞台。果たしてどのような終幕をむかえるのか、貴方もせひ観客になったような気持ちでご覧ください。
主人公は身長172cmの小泉リサで、準主人公は156.2cmの大谷敦士という、身長差が男女逆デコボココンビ。舞戸学園に入学当初から二人はケンカばかりですが、そのケンカ、やりとりは漫才のようにリズミカル、周りからは学園のオール阪神・巨人と呼ばれていました。
基本的にはリサがボケ担当で、大谷がツッコミ担当ですがたまに逆の時もある、そんな風な二人です。
- 著者
- 中原 アヤ
- 出版日
- 2002-03-25
この二人、趣味も性格もものすごく合うのです。共通の好きなアーティストのライブに行ったり、レストランの新作パフェでテンションが上がるのが同時というはまりっぷり。また、大谷は実はさりげに優く、いざという時は男らしい一面もあり……。その事に気づいたリサは少しずつ気になってきますが、身長が……。
他にも、大きなコンプレックスはないが標準的なラブラブカップルの石原信子・中尾平吉の2人や、普段おとなしいのにキレると怖い田中千春と体が弱くてややヘタレな鈴木涼二の2人にリサと大谷を合わせて6人が学校行事などでコミカルに動き回ります。
特徴的なキャラクターが他にも多数出てきて、舞台のように動き回ります。その設定を活かして涙を誘う場面もあったりで、単純なギャグ漫画という訳ではありません。リサと大谷のセリフをはじめとして、各キャラクターのセリフの掛け合いもポンポン進むので、気持ちよく読み進める事ができますよ。まさに、笑いあり、涙ありの作品です。
12歳の冬、両親の離婚をきっかけに母親の実家である島根に引っ越してきた植草杏は、田舎独特の雰囲気を快く思っていませんでした。そんな中、うさぎを狩っている北村大悟と出会います。同い年の彼と打ち解けることにより、徐々に田舎に慣れていくようになりました。
東京での仕事の時にも倒れていた母親は、島根での新しい仕事の時でも倒れてしまいます。医者に「がんばれと言ったらいかん」と言われて、その前にすでに「がんばれ」と言ってしまった自分を後悔し、責任を感じた杏は仕事を探そうとします。その際に大悟から教えてもらった仕事場が、村の地主の月島家で、杏は同い年の月島藤と月島椎香と出会う事になります。
彼ら4人を軸にして過去、現在、未来と話が進んでいくのですが、4人ともみんな一途なので、歯車が噛み合っていないような時には見ていてもどかしく感じます。もっと早く自分の気持ちに素直になれればいいのにと読んでいて思ってしまうのです。
- 著者
- 芦原 妃名子
- 出版日
- 2003-08-23
また、本作には”名言”が多く登場します。有名なところで言えば、「大事に想っとった気持ちを消そうとすんな!」でしょうか。筆者は、大人になった杏に主任が言った、「『歳を重ねる』って思い出が増えてくってことでしょう?今の自分は、あの思い出とあの思い出とあの思い出で出来ている。それらをなかったことにしちゃうのは勿体ない」というセリフが好きです。忘れたいくらいの過去もありますがそれも自分を構成しているもののひとつなんですよね。
彼らの物語もそうですが、こういった自分なりの名言を探してみるのもいいかもしれませんね。
高校1年生の与謝野すずめは、コンビニも信号もない田舎で育ち、そしてこれからも同じ場所でぼんやりと過ごしていくのだと思っていました。しかしある日突然、父親がバングラデシュに転勤することになります。母親も父について行くことになり、すずめは東京にいる諭吉おじさんの所へ預けられることになりました。
単身、東京へやってきたすずめでしたが、そこは育った田舎とはまるで違う異世界のような場所。迎えに来てくれるはずだった諭吉おじさんが仕事で遅れてしまうことになり、ひとりで家へ向かうすずめでしたが、すっかり道に迷ってしまった挙句、公園で熱を出して倒れてしまい……。
- 著者
- やまもり 三香
- 出版日
- 2011-10-25
田舎育ちの女の子が突然、親の都合で右も左もわからない東京へやってきて、新しい生活に新しい恋にと波乱万丈な日々を過ごす物語です。
田舎育ちのちょっとダサめの女の子が少しずつ可愛くなっていくという流れや、自分を助けてくれた人が学校の先生で、その人のことを好きになっていくなど、少女漫画の定番といっていいストーリー展開。すずめや、上京直後に倒れたすずめを助けてくれた獅子尾五月をはじめ、登場するキャラクター達の気持ちに嘘がなく生き生きしているのが魅力的です。
大きな事件が起こるわけではないのにドキドキしたり胸がときめいたりしてしまうのは、その辺りがしっかりと描きこまれているからでしょう。キャラクターの気持ちが自然であるために読者も感情移入しやすく、とても読みやすい作品です。
『ひるなかの流星』に関してはこちらで詳しく説明しています。
胸キュン恋愛漫画『ひるなかの流星』の厳選名シーンを考察!【ネタバレあり】
映画化が決定した大人気恋愛漫画『ひるなかの流星』。先生と同級生、そして友達との四角関係を描いた切ないラブストーリーです。今回は本作の名シーンを各巻ネタバレとともにご紹介します!
ある日、電車のホームでいきなり告白されたちひろ、通称チロは、小学校の頃から女子高育ちの女の子。もちろん異性と交際したことなどありません。突然の告白に戸惑うチロでしたが、告白してきた彼ハシモトと交流をするうちに、だんだんと彼のことを好きになっていきます。
そうしてチロとハシモトは交際を始め、初めてのデートをする2人ですが、友達と遭遇したり映画の好みが合わなかったりとすれ違いが重なってしまい……。
- 著者
- 桃森 ミヨシ
- 出版日
高校生の初めての恋愛を描いた初々しい少女漫画です。お互いに交際経験のないチロとハシモトは、ほんのちょっとしたことが舞い上がるほど嬉しかったり、反対にひどく落ち込むほど傷ついたり悩んだりします。チロにとっては、男の子のイメージといえば幼稚園児止まりで、ハシモトと付き合うものの、「オトコノコってなんでこんな遠くにおるんかなあ」と距離を感じてしまうのです。
とにかく純粋なふたりの恋愛は、あまりにも初々しくてもどかしさすら感じるほどですが、高校生の等身大の悩みに共感できる人は多いでしょう。だからこそ感情移入しやすく、読み進めているとついこっちが恥ずかしくなってしまうこともあるほどです。
また、登場するキャラクターはほぼ全編を通して関西弁で話しているのも特徴です。関西弁に馴染みのない方には少し違和感を覚えることもあるかもしれませんが、内容がわからないということはなく、むしろ作品にいい味を出しています。ホッと癒される恋愛漫画を読みたい方にオススメの作品です。
『ハツカレ』に関しては以下の記事で詳しく説明しています。
『ハツカレ』最終回までの見所ネタバレ!どこまでも初々しい!【無料】
主人公・ちひろ(通称・チロ)は、これまでまったく男子と縁のなかった女子高育ち。ある朝、急に男子校のハシモトくんに告白されます。何もかもが初めてのチロは、緊張して会話が弾まないことから、不安は募る一方で、人生で初の彼氏ができて……⁉初恋の話は、少女漫画ではよくあるものですが、本作は「初々しさ」「甘酸っぱさ」が段違い!読んでいるだけで、心が洗われるようなピュアさが魅力です。 『ハツカレ』は、スマホの漫画アプリでも無料で読むことができるので、気になった方はそちらからもどうぞ!
中学時代は部活に明け暮れていた長嶋晴菜は、生きがいであった少女漫画のような世界に憧れて、高校では恋に全力で打ち込むことを決意。しかし、モテ方が分からず空回ってばかりで、彼氏ができそうにもない日々を過ごします。
そこで偶然街で出会った高校の先輩であり、いかにも男のツボを知っていそうなモテる男、小宮山ヨウからモテコーチをしてもらうことになり……。
- 著者
- 河原 和音
- 出版日
- 2004-03-25
とても努力家で、一生懸命な晴菜。確かにモテようとする努力は読者にも痛いほど伝わってきます。しかし、どうもモテ方をはき違えているのか上手くいかずにナンパ待ち連敗、空回りまくりなシーンがあまりに可愛くて、ついつい笑いが込み上げてくること間違いなし!
最初はめんどくさいから、という理由でヨウは晴菜に自分を好きにならないことを条件にしてきます。ですが、次第に晴菜に対して真っ直ぐストレートに愛情表現していくようになるあたりは見所です。ときめかずにはいられない殺し文句が連発なので、楽しみに読んでください。
モテたくて必死すぎる晴菜に笑い、そして晴菜とヨウの恋の物語から胸キュンできる少女漫画です。モテるからこそ苦労してきたことのある小宮山ヨウ、モテ方がわからない晴菜。正反対な2人の恋の行方をぜひぜひ見届けてみてください。
『高校デビュー』に関してはこちらの記事をご覧ください。
漫画『高校デビュー』最終回までネタバレ紹介!ヨウがかっこよすぎ【無料】
実写映画化もされた本作は人気漫画家・河原和音によって描かれた、恋愛初心者な女子高生とイケメン男子高校生のビュアラブストーリーとなります。恋愛をしたい主人公とモテをコーチする先輩との笑いと愛が感じられる作品です。少女漫画らしい前向きに成長していく主人公に心が揺さぶられるでしょう。 今回は物語のあらすじや最終回の感想、登場人物の魅力を中心に紹介していきます。スマホの無料アプリで読むことができるので、気になった方はそちらからどうぞ。
アニメやゲームが大好きで、現実ではオタクとバカにされることも多いために3次元の女子に興味がなかった主人公の筒井光。ある日、学校で遅刻の罰としてプール掃除を一緒にすることになった派手でリア充感全開の美少女、色葉からなぜか猛烈なアプローチが……。友達も少ない、3次元の女子にはモテない、そんなつっつんこと筒井光のあまりに不器用な恋の物語!
- 著者
- 那波 マオ
- 出版日
- 2017-08-10
明らかにリア充とは縁遠いオタクの主人公、つっつんこと筒井光。そんな彼が、男癖が悪いと噂される美少女の色葉にアプローチされ、翻弄されまくり。あまりに不器用なつっつんを全力で応援したくなりますよ。少女漫画は女の子の主人公が多いイメージがありますが、主人公が不器用な男子高校生なので、男性にもおすすめしやすい作品です。
また、女性目線で見ても色葉が美少女過ぎるのです。つっつんに一途なあたりもギュッと胸をつかまれます。そして男性ならこんな美人で優しい彼女、欲しくないわけがない!不器用すぎる恋の物語、最後までぜひ見届けてください。
『3D彼女 リアルガール』に関してはこちらの記事で詳しく説明しています。
漫画『3D彼女』を最終巻までネタバレ紹介!ここを押さえればもっと面白い!
非リア充のオタク男子に、突然彼女ができちゃった! というオタク×リアルの恋物語を楽しめる恋愛漫画『3D彼女(リアルガール)』。今回は、甘酸っぱくて切ない、そして最後は深い物語の見所を結末までご紹介!ネタバレを含むので未読の方はご注意ください。
2020年、東京は他に類をみない犯罪都市になっています。ヤクザ同士の抗争で警官だった両親を亡くした主人公、司。路頭に迷う司兄弟は、よりによって九竜組組長・同級生の白神竜二の家でお世話になることに。
そして、司が隠してきた秘密、警官の母親に男の子として育てられてきたが実は女の子だということが、すでに知られていたと気づいてしまいます。竜二の父親を殺した犯人を捕まえる為、司は竜二のボディーガードとなり、竜二を守る事を決意します。
- 著者
- 仲村 佳樹
- 出版日
同じ抗争で父親と両親を亡くした、ヤクザの2代目と警察官の娘。そんな絶対に相いれることのない関係の2人だからこそ、少しずつ気持ちが通いあう姿が余計に盛り上がるのかもしれません。
一人は、幼いころから自分の意思などまかり通らぬ世界で生きてきて、感情に乏しく。一人は明るく、情にあついが恋もしたことがないお子様。そこに、立場の違いという大きな障害があれば、なおさら二人がお互いの大切さに気づくのはスムーズにはいきません。だから、時折見せる、相手への思いが溢れる瞬間の表情が胸キュンです。
幼馴染の伊藤ちひろと一緒に中学の入学式へ向かっていた主人公の鈴木輝は、ロールスロイスで登校してきた鈴木忍が女の子にキャーキャー言われているのを発見。輝は「同じ鈴木で同じチビなのに」とひがみます。
極度の恥ずかしがり屋の星野爽歌は、廊下を歩いている時に忍の前方不注意でぶつかり転倒し、忍から罵倒されますが、輝が助けに入ります。輝と忍がケンカになり、先生も止められない所にちひろが仲裁に入りました。
屋上にて、爽歌が昨日やっていたドラマのヒロインを演じていると、そこに輝が現れ、輝は爽歌に見入っていまいます。
「ドラマはつまらなかったけど、見入ってしまった。」と話す輝。そして、ふたりは笑顔になるのでした。その光景を校舎から見ていたちひろは切ない表情を見せます。そう、ちひろは輝が好きだったのです。また、ちひろの切ない表情を偶然見た忍は、胸の高まりを覚えます。
こうして、この4人の恋物語が幕を開けるのです。
- 著者
- 池山田 剛
- 出版日
基本的に明るい性格のキャラクターが多いからか、画風がキレイで爽やかだからか、読み終わったあとの爽快感がすごくてスッキリします。また、彼らの成長に合わせて、結婚・出産に至るまでも丁寧に描いていて、作者のキャラクターたちへの愛情が強く出ているのがわかりますね。最後は笑顔で読み終われる作品です。
高校生になったらバレーをしたいという夢から、親の反対を聞かずバレーの名門校へと入学する住吉のばら。しかし入学したのはいいけれど、なぜか女子バレー部が廃部寸前の残念な部になっていて……。
部の再建を目指すのばらの奮闘と、ドキドキの恋愛、キラキラした青春が輝かしく見えてたまらない物語です。
- 著者
- 高梨 みつば
- 出版日
箱根にある老舗料亭である清流の後継として住吉家に期待されているのばら。高校生になってバレーをしたいなどという夢に対して、母や祖母はもちろんいい顔はしません。そしてせっかくバレーの名門に入学したのにもかかわらず、そんな母の根回しによって女子バレー部は廃部寸前の部活になってしまっていたのです。
のばらは、叔母の桃子に泣きつきます。彼女は、高校の保健医をしているのでした。助けを求めるのばらに桃子は、バレーボール部の特待生用の寮を用意しました。しかし、その寮はなんと男子寮!
そしてその男子寮というのはクセものばかりが集まる、男嫌いののばらにとっては厳しい場所。男嫌いののばらですが部の再建を目指して、そこで寮母として住まう事になるのです。
しかし部の再建で熱くなりすぎたため、他の女子バレー部のメンバーと距離ができたときに支えてくれたのは、同じ寮に住む祐信や灰吹だったのです。その出来事をきっかけに、バレーボール部という高校生ならではの熱い青春物語の中に、祐信や灰吹との恋も発展していきます。
熱い青春やキュンキュンする恋のお話など、面白い要素満載のこの作品、気軽に読み始めても充分楽しめるのでぜひ一度読んでみてください。
木下まいるは、「毒キノコ」のニックネームを持つ女子高生。なぜそんなニックネームなのかといえば、キノコの傘のような髪型に眼鏡のドブスだったからです。まいる自身、自分のことをドブスと思い込み、世の中は見た目が全てなのだと、どんなに虐げられても逆らうつもりもありませんでした。
もちろん、自分が恋愛をするなんてことは一切考えていないまいるでしたが、ある日、男子から呼び出されて告白をされます。外見ではなく内面を見てくれた言葉に嬉しくなったまいるでしたが、まいるを待っていたのは落とし穴に落とされるという屈辱でした。泥だらけになって泣くまいるの前に、ひとりの男子生徒が現れて……?
- 著者
- 佐藤 ざくり
- 出版日
落とし穴に落とされたまいるは、それまで胸の内に秘めていた気持ちを声にして叫びますが、そこに現れた熊田天佑に、「ブスをいいわけに使うな。文句ならキレイになる努力をしてから言え。悔しかったら男に遊ばれるんじゃなくて、男で遊ぶぐらいの女になってみろよ」と言われ、一念発起。生まれ変わる決意をします。
ブスの女の子が可愛くなって恋をしていく……というストーリーは少女漫画では割とある流れですが、本作の特徴は、まいるがひとりの異性を好きになって一途に恋愛をするのではなく、何人もの異性と次々に付き合うところです。
割と短期間に彼氏が入れ替わるので、そういった流れには好みがわかれるかもしれませんが、メイクアップアーティスト志望の熊田天佑と、ご近所さんのニューハーフ香月ふわりに助けられながら少しずつ前へ進んでいくまいるの成長を、テンポの良い展開とコミカルなストーリーで楽しく読むことができます。読み終わった時、メイクってすごいな! と思ってしまうことが間違いなしです。
メイクや服装をビシッと決めた、スタイル抜群な女子高生・田宮仁香は、家にいるときなどは履き古したパンツ姿でだらけまくるなど極端な2面性があります。
タイトルのスイッチとは、みんなの前にいる時がonの状態で、才色兼備を演じているのですが、offの状態はお弁当にくさやや塩辛、もつ煮を入れてくるくらいのオヤジなのです。学校では唯一、幼稚園からの親友の二ノ原涼子(通称ニノ)の前だけはおならを平気でかけるくらいのoffモードになれます。
- 著者
- あいだ 夏波
- 出版日
日頃からoffの自分を出さないように、バレないように行動してきた仁香ですが、あるキッカケで男子転校生の神山新にあっさりとバレてしまってストーリーが進展していきます。
何と言っても、onとoffのギャップの描き分けがすごいです。言われないとわからないくらいの差があります。offの時の描き方が完全にギャグマンガのそれでありながら、onとなると、美少女と美少年が織り成す典型的な少女漫画になるのですから。
また、コメディー漫画の特徴、セリフの掛け合いが面白さとテンポのよさで、サクサク読み進めます。大仁田厚だとか高橋名人だとか、読者にわかりにくいネタも出てきたりしますし、作者自身が頻繁に漫画の中に出てくるのも面白いですね。遊び心満点な作品に作者が楽しく全開で書いたことが伝わってきます。
『スイッチガール!!』に関してはこちらの記事で詳しく説明しています。
『スイッチガール』が本当に笑えて泣ける。最終回までネタバレ紹介!【無料】
スーパー女子高生・田宮仁香が隠れイケメンと恋を育みながら、愛と友情のためにさまざまな困難にも立ち向かって打ち勝つ、青春物語。そのタイトル通り、仁香の外での誰もが憧れるキラキラな「オンモード」とズボラ感漂う「オフモード」の巧みな使い分けに笑い、そして彼女の一筋縄ではいかない高校生活に涙が止まらない作品なのです。 今回はそんな『スイッチガール』の作者・あいだ夏波の魅力と、最終巻の25巻を中心とした作品の魅力について紹介しましょう。
両親が警察官で兄も交番勤務の、主人公・蘭(らん)は、「渋谷最強のギャル」と名が知れたカリスマ女子高生で、家族の説得も聞かず「あたしはあたしの好きなように生きる『GALS!』から引用」」と渋谷で遊びまくる高校生活を送っています。
中学時代から蘭の親友であり、もと不良チームのリーダーだった美由は、蘭の兄に補導され、粘り強く説得されたことをきっかけに更生し、今は蘭の兄とラブラブで、無茶をする蘭をいつも近くで見守ります。
蘭が渋谷で遊んでいたある日、同級生の星野綾(あや)が援助交際をしているのを見かけます。綾は蘭と対照的で、大人しく学年トップの成績で、蘭と関わることのない人物でしたが、援助交際や盗みなど、間違ったことが大嫌いな蘭は、綾を叱ります。そのことで友情が芽生え、蘭と綾は親友になります。
- 著者
- 藤井 みほな
- 出版日
蘭は美由と綾と渋谷で遊んだり、学校に渋谷部を作ったり、恋に悩んだりと毎日大忙し。そんな蘭も高校3年生で進路を考える時期になり……。果たして渋谷最強のギャルが進む道はどこなのでしょうか?3人の友情、恋の悩み、家族や進路決めの葛藤、1990年代のギャルをコメディタッチで描いた、面白くも泣ける少女漫画です。
作中に出てくる懐かしアイテムも見どころで、蘭のファッションは、ギャルの象徴だったミニスカートにロングコートを羽織り、厚底ブーツを履き、他校の指定カバンを使うことがステータス。流行っていたダンスのパラパラのシーンを見て、昔を思い出してしまいます。
魔法使い見習いで、赤い頭巾をかぶっている主人公のチャチャは、世界一の魔法使いセラヴィーのもとで修業をしていますが、大失敗ばかりしています。ある日、幼馴染の彼氏兼ペットの狼男・リーヤと一緒に、魔女のドロシーの城へ行く途中、ドロシーの弟子、しいねちゃんに出会います。
チャチャにひと目ぼれしたしいねちゃんは、チャチャとリーヤにまとわりつくようになり、それから行動を共にします。
- 著者
- 彩花 みん
- 出版日
チャチャが使う召喚魔法は、いつも想定外のものが召喚されるのがお約束で、今度は何が出てくるのかな、と毎回楽しみです。また、リーヤが狼男に変身した後の姿が、狼ではなくて可愛い犬にしか見えないところも面白いです。
うらら学園で出会う先生たちやクラスメイトも強烈な個性を持っていて、毎日起こるハプニングや、恋模様もあり、明るいドタバタギャグ漫画で笑えてしまいます。
1992年から2000年までの連載で終わった作品ですが、2011年に『赤ずきんちゃちゃN』という続編の連載が始まりましたので、懐かしくて最初から読み返してみたくなりますね。
初恋を経験する年齢は様々。幼少のころに恋心を知る人もいれば、大人になってから初めての恋を知る人もいます。幼い時は幼いなりに、大人になってからでも恋を知るというのは新鮮な経験。世界が少しずつ変わっていく瞬間を、より強く感じることができます。
遅い初恋の場合、初恋の機会を逃していた理由は様々でしょう。『日々蝶々』のヒロイン、柴石すいれんは、あまりにも美少女であるがゆえに、初恋の機会を逃していたタイプです。妖精か天使か、というほど可憐な容姿に、浮世離れした雰囲気。恋という感情を知って戸惑う姿には、女子でも思わずかわいい、と声に出して言ってしまいます。
- 著者
- 森下 suu
- 出版日
- 2012-07-25
その可憐な容姿のせいか、男女ともに好かれすぎたため、無口で無表情になってしまったすいれん。過去に異性関係で色々とあったため、男の子に苦手意識を持っています。高校でも手の届かない、高嶺の花という意味で「高嶺ちゃん」と呼ばれていました。皆がすいれんの気を引こうとする中、顔を合わせても特に大きな反応を示さない、川澄泰一と出会います。
泰一は空手一筋に生きてきたせいか、異性と接する機会があまりないまま成長しました。そのため、硬派で女子と話すときは無口になってしまいます。男子に絡まれていたすいれんを助けたことで、交流を持つようになるのですが、すいれんに対しても最初は目も合わせらなかったほど。そんな泰一が少しずつ打ち解けていく姿にも、頬が緩んでしまいます。
異性が苦手だった者同士ということもあってか、すいれんと泰一の恋が進んでいく過程は、とてもゆっくり。穏やかな日常の中で育まれていく恋は、とにかく純粋で、陽だまりのような温かさを持っています。ふわりとして、恋模様もとにかく可愛い本作、ゆったりとした気持ちで読める少女漫画です。
『日々蝶々』に関しては以下の記事をご覧ください。
『日々蝶々』を最終回まで全巻ネタバレ!可愛すぎるすいれんの恋物語【無料】
主人公・柴石(しばぜき)すいれんは、その美貌から男女問わず人気者。しかし、人気がありすぎるせいで、喋ることも表情を変えることも極端に少なくなってしまいます。そんな彼女の前に、まるで態度を変えない男子生徒が現れて……⁉今回は、口下手同士のもどかしい純愛を描いた『日々蝶々』の見所を全巻ネタバレ紹介します。 本作は、スマホの漫画アプリでも無料で読むことができるので、気になった方はそちらからもどうぞ!
女子高生の松崎はとりは自分のことをヒロインだと信じて疑いません。幼馴染の寺坂利太はモテモテのイケメンなのですが、女の子と付き合ってもすぐに別れるということが続いています。そんな利太のことをはとりは小学校5年生の頃から想い続けていて、最終的に自分を選んでくれるものだと思っていました。
- 著者
- 幸田 もも子
- 出版日
- 2010-08-25
ですが、利太が不良に絡まれていた安達未帆を助けた縁でこの二人が付き合うようになったのですが、未帆もはとりと同じ考えを持っていることを知り、はとりは自分が本当のヒロインではないのではと気づきます。
ナレーションでクスッと笑える作品です。ジブリネタが挟んであるなとほのぼの読んでいたら、不良グループが北斗の拳という急展開っぷり。はとりの驚く顔もブッ飛んでますし、後半のはとりの行動なんてほぼストーカーですし。話自体は本当に王道の恋愛ものの少女漫画なのですが、ちょいちょい挟んでくる画であったり、ネタであったりが笑いを誘い、まさに王道のヒロインから外れたヒロインは読む価値ありです。
小学生の頃にテレビで甲子園の応援として演奏する吹奏楽部を見て、あこがれを抱いていたつばさ。高校に進学し、名門である吹奏楽部に唯一初心者として入部します。他の部員と同じく目指すは全国大会です!しかし、厳格な顧問の指導だけではなく、自分たちに厳しい部員たち。初心者は自分だけという孤独感、焦燥感が募ります。
- 著者
- 河原 和音
- 出版日
- 2008-12-25
この中で、何度もくじけそうになるつばさを励ましてくれるのが、クラスメイトの大介です。野球部の大介は、中学時代から名選手として知られていました。高校でも活躍するつばさとは対照的な存在です。
しかし、その裏表のない性格ゆえ、頑張るつばさのことを心から応援してくれるのです。大介のおかげで、意思表示が苦手で、すぐに落ち込んでしまっていたつばさもどんどん積極的に変わっていきます。
本気だからこそ生じる部員たちの軋轢、葛藤、真摯な姿勢には胸打たれます。上手くいかない自分に嫌気が差しても、何度挫折しても、諦めずにひたむきに努力するつばさは誰もが応援したくなることでしょう。こんなに熱中できるのも、技術面だけではなく、人間性も成長していくのも青春ならでは。誰もが体験した青春、「あの頃」に戻りたくなること必至です。
『青空エール』に関してはこちらの記事で詳しく説明しています。
漫画『青空エール』3つの見所を解説!あらすじ、最終回、その後もネタバレ
本作は、吹奏楽部員と野球部員の青春ラブストーリー。主要人物は、白翔高校の吹奏楽部に入部し、トランペットを始める小野つばさと、同級生で野球部員の山田大介です。名門吹奏楽部で、唯一の初心者としてトランペットに取り組むつばさと、甲子園を目指す大介。2人が挫折をくり返しながら、成長していく過程が描かれます。今回は、土屋太鳳と竹内涼真が主演で映画化もされた『青空エール』の見所を結末まで紹介します。 本作は、スマホの漫画アプリでも無料で読むことができるので、気になった方はそちらからもどうぞ!
会社の事務職をやっている青石花笑(あおいしはなえ)は、年齢=彼氏なしのOL。悲しみにくれながら33歳の誕生日を迎えるも、会社のアルバイトである大学生の田之倉悠斗(たのくらゆうと)と一緒に酒を飲みに行くことになりました。
そして酔っぱらった花笑が目を覚ましたときには、悠斗と一夜を共にしたあと。恋愛初心者の彼女の生活は、誕生日を境に一変してしまいました。
- 著者
- 藤村 真理
- 出版日
- 2012-04-25
藤村真理の代表作といえばこの作品です。2014年には綾瀬はるか主演でドラマ化も果たしました。
主人公が33歳で処女という少女漫画ではなかなか見ない設定ですが、基本的には年下の男子と年上でやり手の男性に翻弄されるヒロイン、という非常にシンプルな王道展開がくり広げられます。
一夜を共にしたことで付き合い始めた2人ですが、これまで経験したことのない数々に花笑はテンパりっぱなしです。しかし異性と付き合うことで垢抜けてきた彼女に、別会社のCEO、浅尾侑(あさおゆう)が興味を示しはじめて……。
33歳まで交際経験がない主人公が、男性に対して少し穿った見方をする描写は一見の価値あり。おすすめできる超王道な少女漫画です。
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綾瀬はるかは見る人を和ませる女優です。バラエティ番組では天然発言が飛び出ることもあり、周囲は思わずほっこり。そんな彼女も作品の中では違った一面を見せています。 この記事では綾瀬はるかが演じた役柄と作品について紹介します。コメディ作品が多いイメージですが、実は様々なジャンルの作品に出演していますよ。
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『仮面ライダーフォーゼ』でリーゼント姿のヒーロー役に大抜擢された福士蒼汰。これまでテレビドラマや映画で、二重人格やクレイジーな殺し屋、年上を翻弄する年下彼氏など様々な役柄を演じてきました。出演作品の大半が、なんと原作付きという彼。この記事では、そんな福士蒼汰が演じた役柄と作品について紹介します。
追求し続ける俳優・玉木宏。実写化した映画、テレビドラマの原作作品の魅力を紹介
テレビドラマや映画の第一線で活躍し続けている玉木宏。『のだめカンタービレ』の千秋や朝ドラの新次郎などのハマり役で女性を虜にしています。また役へのこだわり、芝居に対する姿勢が彼の人気を支えているのです。 この記事では、玉木宏が演じた役柄と作品について紹介します。
ヒロインの蕪木那伽(かぶらぎなか)は身長174㎝、スタイル抜群の美少女。そして「boom!」に所属する新米モデル。ふとした瞬間に見せる表情はまさに美少女そのものなのに、緊張するとどうしても犯罪者ヅラになってしまうことでオーディション通算19連敗中。ある日、同じ事務所に所属する超大人気美少女モデル・ウミの秘密、本当は男であることを知ってしまい、口止め料として大きな仕事をGETすることになり……。
- 著者
- 福山 リョウコ
- 出版日
ヒロインのナカは、緊張で犯罪者ヅラになってしまうためにオーディションは連敗続きで、事務所では彼女の合否を賭けに使われ、ついたあだ名はギャンブル。美少女で可愛げ満点なのに、ナカが緊張した際に見せる犯罪者のような笑顔に毎回笑いが込み上げてきます。面白くて可愛いナカをきっとすぐ応援したくなるはずです。
犯罪者ヅラと言われるナカの本来の可愛さをすぐに見出し、素直になれないながらも下手な愛情表現をしているウミにも胸キュン間違いなし!口が悪くてすぐに暴言は吐くし、暴力的だけど、好きだと自覚する前からヤキモチをやくような可愛い一面も。ナカを本当に大切にしていることが随所に見て取れます。
そんな2人のモデルとしてのお仕事、そして片思い同士の切ないすれ違い、晴れて付き合い出してからの日々、ドタバタな毎日に胸キュンが詰まっているので、ぜひぜひ読んでみてください。まさに悩殺ものです!
いかがでしたでしょうか。最高に面白い長編少女漫画特集。大ボリュームの作品からお送りいたしました。どの作品も読みごたえ抜群の名作ばかりです。巻数も多く長くすべて完結している作品なので、週に一冊、月に一冊という読み方で連載当時の感覚を楽しむこともできるでしょう。もちろん一気読みもおすすめです。