完結済みの名作少年漫画おすすめランキングベスト30!

更新:2020.12.14 作成:2017.3.25

「名作の少年漫画を、最終巻まで一気に読みたい!」という方は必見!完結している少年漫画のうち、特に「名作」だと思える作品をご紹介いたします。知る人ぞ知る漫画や、誰もが知っている有名な名作まで様々です。

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目次

【1〜5位】名作揃い!おすすめの少年漫画

1位:ボクシング漫画の不朽の名作『あしたのジョー』

東京・山谷――そこに、ひとりの貧乏な不良少年がいました。喧嘩屋として暴れまわっていた彼の名前は、矢吹丈(やぶきじょう)です。

ある日、ジョーは丹下段平という男と出会います。段平を一方的にボコボコにしたジョーでしたが、段平はジョーにボクシングの才能を見出し……。

著者
ちば てつや
出版日
2000-06-01

たとえ読んだことがなくても、この作品名を知らない人は少ないのではないでしょうか。かつて社会現象をも巻き起こした、名作中の名作です。

主人公のジョーは、貧乏長屋出身の不良で、町では喧嘩屋と恐れられるほど手の付けられない少年でした。そんな彼にボクシングの才能を見出したのが、元ボクサーでいまはアルコール中毒になっている丹下段平です。

段平はジョーをボクサーにしようと熱心に誘いはじめますが、ジョーはそんな段平を逆に利用して、お金だけせびって遊び回まわったあげく、警察に連行されてしまいました。しかし、これが後に彼をボクシングの世界へ導くきっかけになるのです。

貧困生活のなかで生きる意味や目的がなく、そんなうっ憤を暴力でしか発散できなかった少年が、ボクシングをとおして人生を見つめ直し、人生のどん底から世界チャンピオンへと這い上がっていくという、まさに下剋上のスポーツ漫画になっています。

しかし本作の魅力は、それだけではありません。

ジョーのボクシングに対する努力や、師匠となる段平への信頼なども見どころですが、そのようなキレイなものばかりでなく、貧しさや裏切り、嘘など暗い部分も徹底的に描かれています。人間の裏も表も描いているからこそ、読者を惹きつけてやまないのかもしれません。

2位:ジャンプの王道バトル漫画『ドラゴンボール』

世界中に散らばっている7つすべてを集めると、神龍が現れどんな願いも叶えてくれるという伝説の玉、ドラゴンボール。

山奥にひとりで暮らしている少年・孫悟空は、ある日、そんなドラゴンボールを探しているブルマという少女と出会いました。

祖父の形見として持っていた玉がそのうちのひとつだと知った悟空は、ブルマとともに残りのドラゴンボールを探す旅に出かけるのです。

著者
鳥山 明
出版日

世界的にも圧倒的な人気と存在感を示す『ドラゴンボール』。主人公の孫悟空は、尻尾を持った不思議な少年として登場します。

初登場の時点ですでにかなり強く、ドラゴンボール探しをしていたブルマがボディガードにちょうどいいと考えたほどです。

旅に出た悟空は、その後師匠となる亀仙人や、兄弟弟子で無二の親友となるクリリンなど、さまざまな仲間と出会い、次々に現れる強敵との戦いに身を投じていくことになります。

30年以上におよぶ長い連載のなかで、悟空の前に立ちはだかる敵は実に多種多様。最初は地球規模だったものが、しだいに宇宙規模となり、敵の強さは物語が進むにつれて際限なく上がっていきます。

新しい敵が現れると、最初は悟空たちの手も足も出ないことがありますが、それでも修行をくり返して再び挑んでいく姿は、普遍的な魅力があります。だからこそ、日本を飛び出して世界中の人に受け入れられているのかもしれませんね。

3位:バスケ漫画の金字塔『スラムダンク』

『バガボンド』などたくさんのヒット作を持つ人気作家、井上雄彦による作品『スラムダンク』。90年代を代表するスポーツ漫画と言っても過言ではない、まさに誰もが知ってる名作中の名作です。

赤い色の髪がトレードマークの不良、桜木花道の成長と仲間たちとの友情を描いたスポーツ漫画です。神奈川県の湘南が舞台になっています。

桜木が恋する美人ヒロインの赤木晴子。その兄でゴリラのような風貌であり、全国制覇を狙うバスケ部主将の赤木剛憲。クールなスーパープレイヤー流川楓。小柄な宮城リョータ。一度は怪我のため、バスケを断念した三井寿。湘北バスケ部の個性的なメンバーが、本作の魅力といえます。

著者
井上 雄彦
出版日

神奈川県予選を勝ち進み、全国大会への出場権を獲得する湘南バスケ部。しかし念願の全国大会2回戦でいきなり日本一の高校と対戦することになってしまいます。全国大会の途中で物語が終わるという点も、この作品のカリスマ的な人気の一因ではないでしょうか。

三井がプライドよりもバスケを選択し「先生バスケがしたいです」のセリフに涙をした人も多いことでしょう。他にも「負けたことがあるというのが いつか 大きな財産になる」や「あきらめたらそこで試合終了ですよ……?」(一重括弧内すべて『スラムダンク』より引用)など心に響く名言や、名場面が多い本作。アニメ化もされ、漫画も単行本初版が当時の最高記録を叩き出すなど、社会現象ともいえるような大ブームを巻き起こした作品をお楽しみください。

『スラムダンク』に関しては「漫画「スラムダンク」を徹底考察!名言・物語の続き?作者の才能、豆知識…」の記事で詳しく解説しています。

4位:世界的に人気な少年忍者漫画『NARUTO』

人間離れした忍術や体術を駆使して任務をこなす忍。そんな忍たちが暮らす里のひとつである木ノ葉の里に、うずまきナルトという少年が住んでいました。

忍になるための学校へ通うナルトは、里の長であり1番の忍である「火影」になることを夢見ています。しかし彼は学校一の落ちこぼれ。そのうえなぜか、里中の人間から蔑まれる存在で……?

著者
岸本 斉史
出版日

1999年から「週刊少年ジャンプ」で連載され、2014年にその長いストーリーの幕を閉じた人気作品です。忍が存在する架空の世界を舞台に、忍術を駆使した忍たちの派手なバトルをはじめ、里同士の争いや、仲間との絆、裏切りを描いています。

忍というと和風なイメージがありますが、本作では日本の民俗や伝承などを取り入れつつも、独特な世界観を作り上げています。海外にも多くの読者がいて、連載を終えた後、主人公たちの子供世代が活躍する続編も制作されました。

ナルトは学校で教わる基本的な忍術も使えない落ちこぼれでしたが、その夢は里1番の忍である「火影」になり、里の人間全員に自分の存在を認めさせること。というのも、彼はなぜか里の人間から嫌われ、迫害されていたからです。

実は、ナルトにはかつて里を壊滅の危機に陥れた尾獣と呼ばれる化け狐・九尾が封印されていたのです。かつて自分たちの仲間や家族を殺した九尾が体に宿っているナルトのことを、里の人間たちは受け入れることができないでいました。

生まれながらに過酷な運命を背負わされたナルトは、努力と負けん気で力をつけ、仲間を増やし、強敵と戦いながら物語が進んでいきます。

同じくジャンプの看板作品『ONE PIECE』が世界を冒険するストーリーなのに対し、『NARUTO』はただひたすら生まれた里を守る物語です。対照的と言っていい2作品が同時代の2大ヒット少年漫画になったのはなかなか興味深いものがあります。

5位:錬金術で弟を救え『鋼の錬金術師』

累計発行部数が7000万部(2017年3月時点)を突破した不朽の名作!「ハガレン」の略称は、誰もが1度は耳にしたことがあると思います。世代を超えて愛されている文句なしのファンタジー漫画です。

少年時代に最愛の母を失ったエドワードとアルフォンスのエルリック兄弟は、錬金術の最大のタブーと呼ばれる「人体錬成」によって母を生き返らせようとします。しかし人体錬成は失敗に終わり、母は生き返らず、兄のエドワードは左足を、弟のアルフォンスは全身を奪われてしまいます。

全身を失ったアルフォンスは生死をさまよっていましたが、エドワードは自分の右腕を差し出す代わりに、弟の魂を金属の鎧に定着させ、何とかアルフォンスは「鎧」として生き延びることが出来ました。

エドワードは自身とアルフォンスの体を元に戻すため、錬金術を用いながら長い旅に出かけるのでした……。

著者
荒川 弘
出版日

作品の魅力は、なんといってもエルリック兄弟の絆の強さです。背の低い錬金術師の兄と、鎧の体をもつ弟という奇妙な組み合わせですが、お互いを思いやる気持ちは非常に強いです。

兄のエドワードは弟の体を元に戻すため、危険を冒してでも手がかりを探していきます。一方アルフォンスは時に人間の姿でないことに思い悩みながら、兄を全面的に信頼し、兄とともに戦いに挑みます。

ときにエルリック兄弟は残酷な運命に巻き込まれてしまいますが、負けじと力強く生きる姿には感動するはず。もちろん仲間同士や親子、敵同士の絆にも心打たれます。

また人間たちの「弱さ」も巧妙に描かれています。タブーを冒して「人造人間」をつくろうとする欲深さ、人の命を奪う残酷さや弱さなど、人間の心理が丁寧に表現されているのも本作の魅力です。

全27巻というボリュームですが、あっという間に読んでしまうほどテンポがよく、完成された作品といえます。感動のラストシーンもお見逃しなく!

【6〜10位】青春に感動する少年漫画

6位:漫画に青春を捧げた少年たちの物語『バクマン』

「俺と組んでマンガ家になってくれ」(『バクマン。』より引用)


クラスの優等生からいわれた思いがけない一言がきっかけで、主人公の人生が大きく変わります。『DEATH NOTE』を手がけた大場・小畑の2人による作品。マンガ家を目指す2人の青くて熱い青春漫画です。

中学生の真城最高(ましろもりたか、通称サイコー)は、変わり映えのしない毎日をなんとなく過ごしていました。サイコーは同じクラスの亜豆美保(あずきみほ)のことが気になるものの、声もかけられずノートに亜豆のイラストを描いているだけ……。

ある日サイコーは、亜豆のイラストを書いたノートを、成績学年1位の高木秋人(たかぎあきと・通称シュージン)に見られてしまいます。シュージンはノートの件を黙っている代わりに、ある条件をサイコーに提示します。それは「一緒にマンガ家になる」というものでした。

サイコーは「そんな夢叶うはずがない」と一度は断るものの、シュージンの熱い気持ちに心動かされてマンガ家になる決意をします。しかしマンガ家になる道は決して楽ではなく、さらにはサイコーたちと同世代の天才マンガ家・新妻エイジの存在も立ちはだかります……。

著者
小畑 健
出版日
2009-01-05

 

サイコーたちがマンガ家を目指し、ライバルのマンガ家たちと競い合っていく過程が丁寧に描かれているのが特徴です。中学生からマンガ家を目指し始めたサイコーとシュージンは、寝る間も惜しんで全力でマンガを書き上げていきます。

それでも上手くいかず、マンガの人気が落ちたり、連載打ち切りを言い渡されることもあります。マンガ家のリアルな日々がここまで丁寧に熱く表現されている作品はめったりありません!

作品に登場するキャラクターも魅力的です。天才マンガ家の新妻エイジをはじめ、個性豊かなマンガ家たちが丁寧に描かれていて、サイコーとシュージンのよきライバルとして物語をよりおもしろくしています。

特にかわいい女性キャラクターが多く、サイコーが好きな亜豆や、シュージンの彼女である見吉香耶(みよしかや)の存在で、物語が暑苦しくなりすぎず、楽しみながら読むことができます。

サイコーとシュージンがマンガに打ち込む様子にワクワクして読んでいると、あっという間に全巻読み終えてしまいます。物語の中の伏線もしっかり回収していて、読み応えは十分あります。とにかくおもしろくて熱くなれるマンガが読みたい!という人には、ぜひおすすめの作品です。

『バクマン』に関しては「漫画『バクマン。』の魅力を徹底考察!【ネタバレ注意】」の記事で詳しく解説しています。

7位:バンドと出会い音に向き合った青春『BECK』

非凡な才能に気づかず、平凡な生活を送っていた高校生のコユキ。ある日、なぜか人を惹きつける魅力を持っている竜介と出会い、その人生が一変します。ニューヨークでバンドをやっていた竜介の影響でコユキも音楽の世界へのめりこんでいくのです。

著者
ハロルド 作石
出版日
2013-12-12

コユキは、竜介たちが結成していたBECKというバンドにサポートメンバーとして加わりました。そこでその非凡な歌唱力を発揮し、正式メンバーとなります。そして、メンバー5人全員が8年間努力を重ね、アヴァロンフェスティバルでその集大成を飾るのです。

まず、漫画という音声情報の無い媒介を用いて、ロックバンドを表現する、という点で表現の難しさ、矛盾を感じます。しかし、『BECK』を読んでみると、まるで音楽が聞こえてくるかのような臨場感のあるタッチで描かれています。

観客の表情であったり、演奏中の動きであったりと、非常に繊細に描かれており、その熱狂に惹き込まれる圧巻の作品です。自分もライブ会場にいるかのように鳥肌が立ってしまいます。

『BECK』の魅力は表現力だけではありません。その人間味あふれる人物も魅力のひとつです。バンドは、基本ひとり一役の個人の集団です。個々の力と集団としての力双方が求められます。BECKのメンバーはひとりひとりがバンドのために修行を行い、努力を重ねています。全てはバンドのため、BECKのためなのです。

そうして培った個人の力の上に、個々を尊重し、理解し、協力していくことで個人の力を超えた相乗効果を生み出していくのです。このメンバーでなければダメなんだ、という信頼感に胸を打たれます。挫折してもそこから大事なものを見出し、前進していくBECKメンバーの姿に勇気をもらえる作品です。

『BECK』に関しては「漫画『BECK』6の魅力!あらすじ、最終回、名言をネタバレ紹介!【無料】」の記事で詳しく解説しています。

8位:ラブコメ野球漫画の名作『タッチ』

これは野球漫画でありつつ、主人公上杉達也とその双子の弟・和也、ヒロインである朝倉南の幼なじみ3人の心の動きにフォーカスを当てた作品です。野球での苦難や成長を描きながらも、同時に達也と和也そして南の恋模様や、様々な心理描写まで細密に描かれた物語です。 

著者
あだち 充
出版日
2012-10-12

ラブコメディ漫画の旗手とも言えるあだち充が描いた、野球を通した青春漫画は画から伝わるその雰囲気が素晴らしい。その言葉以外の場面や表情で伝わる空気感には連載当時から多くのファンの心を掴んだ作品です。時に熱く、時に甘酸っぱい、そんな色鮮やかな感情が絵から伝わって来ます。

また、その内容が野球だけでなく登場人物たちの日常にまで迫ているのもこの漫画の醍醐味と言えるでしょう。多くの野球漫画は、その練習風景や白熱した試合などにフォーカスされますが、この作品では日常の場面が優しく、少し切なく入って来ます。彼らの青春が部活や家での出来事を通して描かれた恋×野球の青春漫画です。

『タッチ』に関しては「漫画『タッチ』の12の事実!あらすじ、声優、結末、その後などを紹介」の記事で詳しく解説しています。

9位:一度は読むべき名作少年漫画!『幽☆遊☆白書』

『幽☆遊☆白書』は、主人公の浦飯幽助が死んでしまうところから始まり、そこから試練を経て生き返り人間界や魔界、霊界の者たちと関わりながら成長していくバトル漫画です。この作品は大きく分けて「霊界探偵編」「暗黒武術会編」「魔界の扉編」「魔界編」の4つの章があり、それぞれがまるで別の漫画作品のように雰囲気が違います。

著者
冨樫 義博
出版日

「霊界探偵編」は、コミカルでテンポ良く話が進んでいきます。クスッと笑える場面や感動的な場面が多く、バトルも早く決着がつくので世界観に入りやすい展開です。「暗黒武術編」以降は少し雰囲気が変わり、濃いバトルがメインになっていきます。圧倒的な力の差で勝ち目のなさそうな戦いをどうひっくり返していくのか……。本作の魅力のひとつは、想像できないバトル展開といえます。

また登場人物に、魅力あるキャラクターが多いのも人気の理由ではないでしょうか。飛影や蔵馬などはクールで女性に人気が高く、幽助や桑原は、不良ならではの男くさい性格で男性支持者も多いことでしょう。たとえば主人公幽助の熱い性格がよく表れているシーンとして、蔵馬との出会いの場面が挙げられます。命を捧げれば何でもひとつ願いを叶えてくれる暗黒鏡を使い、自らの命と引き換えに病気の母親を助けようとする蔵馬に、幽助はためらうことなく自分の命までも捧げようとするのです。

「彼女が助かったって、お前が死んだら何にもなんねえじゃねえか」 
「息子が死んだ後の母親の泣き顔、あれは見られたもんじゃねえぞ。あんなバツの悪いもんはねえぜ」 
(『幽☆遊☆白書』より引用)

と言い、自分の命を分けてやるから蔵馬の命を全部とらないでやってくれ、という思いで手を差し伸べます。一度死を経験し、その時の母親を見ている幽助だからこそできた行動ではないでしょうか。

「ああいう場面だとつい後先考えずに動いちまう」 
(『幽☆遊☆白書』より引用)

と本人も言っているように、情が動いたら体が勝手に動いてしまうタイプで、仲間思いで自己犠牲も厭わない男気は、誰もが憧れる主人公像。

『幽☆遊☆白書』という名前は知ってるけど読んだことはない方も、いるのではないでしょうか? 設定なども難しくなく読みやすいので、漫画好きな方にはもちろんのこと、普段あまり漫画を読まないという方にもおすすめです。

10位:嘘と音楽が紡ぐ感動ストーリー『四月は君の嘘』

幼い頃から母から厳しいピアノのレッスンを受けていた有馬公生は、数々のコンクールで優勝を果たし、将来を期待されていましたが、11歳の時に母が亡くなったことをきっかけにピアノを弾かなくなってしまいました。

14歳になった公生は、ある日、幼馴染の澤部椿と渡亮太と一緒に遊びに出かけることになります。待ち合わせ場所に向かった公生でしたが、そこにはまだ誰もいません。1人で待っていると、どこからともなくピアニカの音が聞こえてくることに気が付きました。誘われるように音の元へと歩いて行くと……。

著者
新川 直司
出版日
2011-09-16

「君嘘」の略称で親しまれているこの漫画は、「月刊少年マガジン」で連載され、コミックス全11巻で完結しています。2012年にはマンガ大賞にノミネート、2013年には講談社漫画賞少年部門を受賞。アニメ、映画、小説にもなった人気作です。

主人公の有馬公生は、世界的なピアニストになるという母の夢を引き継ぎ、幼い頃から厳しいレッスンを受けてきました。しかし、そのために染みついた正確無比な演奏は、コンクールでは評価される一方、感情がないなどの批評を受けることになりました。そんな彼は母の死がきっかけで、自分の弾くピアノの音が聞こえないという症状を発症してしまうのです。

そんな公生が友達を通して出会ったのが宮園かをりです。ヴァイオリニストである彼女は、かつての公生とは正反対の感情的かつ個性的な演奏をします。それは、正しく弾くことを求められるコンクールではあまり評価されませんでしたが、人々には大きな感動を与えるものでした。

少年漫画ではありますが、公生の性格や恋愛シーンの描写、ストーリー、絵柄などは少女漫画の方がイメージが近いと思う方もいるかもしれません。だからといって、この作品が少女漫画なのかというともちろんそうではなく、恋愛よりも音楽、そして自分や過去と向き合おうとする姿が丹念に描かれています。

また、タイトルにもあるように、この作品のキーワードの1つに「嘘」があります。この嘘はかをりに深く関わっており、クライマックスへと繋がっていきます。驚きを隠せないその結末を、どうぞ手に取って確認してみてください。

【11位〜15位】アツい戦いあり、恋ありな少年漫画

11位:妖怪退治で芽生えていく友情『うしおととら』

『うしおととら』は、寺に生まれた蒼月潮とその蔵に500年間封じ込められていた妖怪とらが、妖怪退治をしていく冒険物語です。物語の最初は、潮ととらは敵対していました。とらは潮や周りの人間を食ってやろうと潮に取り憑き、潮はそうはさせまいと、獣の槍という妖怪退治のための武器で対抗してばかりの毎日。しかし共に妖怪退治をしていく中で友情が芽生え、2人は「2体で1体の妖」と呼ばれるほどの戦いぶりを見せ始めます。ケンカばかりしている2人ですが、時には助け合い、支え合いながら絆を深めていくのです。

著者
藤田 和日郎
出版日
2015-05-18

潮は正義感が強くまっすぐな性格で、ついつい応援したくなるような存在です。どんなに恐ろしい妖怪にも勇敢に立ち向かう姿は、どれだけ周りの人や妖怪を救ったことでしょう。そんな潮をいつも間近で見てきたとらは、潮に対する思いが次第に変わっていくことを感じるのです。

とらは見た目こそ大きくて怖いのですが、どこかお茶目で憎めない妖怪。500年も蔵に封じ込められていたため、世の中のことに興味津々で、子どものようにはしゃぐ姿が可愛らしく描かれています。他にも登場する妖怪たちは悪い妖怪ばかりではなく、動物のように親しみを持てるものや人間のように美しいキャラクターも登場するので、飽きずに楽しめる作品です。

大妖怪「白面の者」との戦いは名シーンばかりの長い戦いになっています。潮の生い立ち、母の正体、とらの過去、獣の槍の秘密……。所々に隠されていた伏線がすべてこの戦いでつながるのです。そしてこの長い戦いの末に潮ととらを待っていた運命とは……。

胸が熱くなる戦いだけでなく、潮ととらのやりとりにクスりと笑える『うしおととら』は、誰もがハマれる傑作です。

12位:刀を使った戦闘シーンがアツい『るろうに剣心』

舞台は明治時代。ヒロイン・神谷薫が、「不殺」の誓いを立て逆刃刀を使う剣客・緋村剣心と出会うところから物語は始まります。薫と剣心は、弥彦や左之助らの仲間と出会い、志々雄真実一派をはじめとした強敵達に立ち向かっていくというストーリーです。

著者
和月 伸宏
出版日
2006-07-04

舞台が明治時代であることから、「難しそう」と思ってしまう方もいるかもしれません。たしかに、新撰組や大久保利通など、歴史上の人物達も現れます。

しかし、メインのストーリーは剣心が強敵と戦い、倒していくという王道少年漫画なので、歴史に詳しくなくても楽しめます。逆に、歴史ものならではの華麗な衣装や、刀を使った戦闘シーンにハマってしまうかもしれません。

『るろうに剣心』をきっかけに歴史に興味を持つ方もいるかもしれませんし、もともと歴史好きの方なら当然、大久保利通のシーンなどで「そうきたか!」と思ったりするかもしれません。

何より作者・和月伸宏の描くアクションシーンが熱いです!和月は代表作『るろうに剣心』に続いて『武装錬金』も描いており、アクションシーンにかけては当代随一といっていいでしょう。

また、和月伸宏の個性あふれるキャラクターデザインにも注目です。『るろうに剣心』は主人公サイドのキャラクターはもちろん、異形の志々雄真実や少年剣士・瀬田宗次郎など、個性あふれる強敵達も魅力にあふれています。

歴史ものでありつつ、アクションシーンが熱い王道の少年漫画でもあるというのが『るろうに剣心』の魅力といえるでしょう。歴史もの好きの方にも、少年漫画好きの方にもおすすめです!

13位:不器用な二人が歩み寄る『聲の形』

この物語は、主人公石田将也が探し人と再会するシーンから始まります。彼女は小学生時代の同級生・西宮硝子。将也がいじめて転校させた少女です。将也は彼女ともう一度会って、いったい今更何をしたいのか? その目的は、罪を償うことでした。

著者
大今 良時
出版日
2013-11-15

硝子は他の人と違うところが一つだけあります。それは先天性の聴覚障害を持っていること。その違いは小学生のクラスメイトにとって彼女を「異物」として認識してしまうには十分な理由だったのかもしれません。かくして、始まる硝子へのいじめ。その中心人物が将也だったのです。

再会を果たした将也は硝子への罪悪感で走り回ります。でも、硝子が望んでいたものは全く違うもので、二人の気持ちはすれ違い続けます。読んでいるとやきもきするのですが、硝子をいじめていたという事実に、単にうまくいけばいいとも言えない心境にさせられます。

すれ違いながらもふたりの気持ちは純粋そのものです。いくら周りが許そうとしなくても、拒絶しようとも、硝子だけは将也に手を差し伸べ続けます。逆に、硝子が下を向いてしまったときは、将也が前を向かせようと必死に駆けずり回るのです。

不器用で不格好で、それでも一生懸命にもがき続ける二人を見ていると、いつの間にか「幸せになってほしい」と願っている自分がいるのです。二人の歩みの行く末を見届けたとき、胸に穏やかな感動が生まれる作品です。

『聲の形』に関しては「漫画『聲の形』の魅力をネタバレ徹底考察!伝えたい焦りと伝わらない口惜しさ」の記事で詳しく解説しています。

14位:思春期男子のバイブル『いちご100%』

中学3年生の真中淳平が、ある日学校の屋上で「いちご柄のパンツ」を履いた美少女を目撃してしまうことから始まるこのストーリー。その美少女は東城綾だったのですが、勘違いして学年のマドンナ西野つかさだと思い込み……。

著者
河下 水希
出版日
2002-08-02

屋上に落としていたノートの名前から、美少女は東城だと思っていた真中ですが、学校での東城の姿をみた真中は、この人ではないと勘違いすることに。実は、東城綾は学校内ではとても地味な女の子で、メガネを外し髪の毛を下ろすと誰もが驚く超美人なのです。その事実を知らない真中は勘違いしたまま西野に告白し付き合うことに……⁈

思春期の恋愛の中にある様々な気持ちがぎゅっと詰まっているストーリー。葛藤や幸せ、喜び、そして切なさ、ドキドキ、ワクワクなどいろいろな感情の中で登場人物1人1人の幸せとは一体何なのか、悩んだ先にある幸せの形とは……?といったことを考えさせられる作品になっています。みんなこんな風に悩みながら大人になっていくんだなと思えるこのストーリーをぜひ読んでいただきたい!輝ける青春のバイブルと言ったらこちらで決まりです!

15位:魔物と人間の友情ファンタジー漫画『金色のガッシュ』

稀代の天才だが周囲の人と馴染めず不登校となっていた中学生・高嶺清麿。鬱屈した彼の日常に突然現れたのは記憶を失っていた所を清磨の父親に助けられたという謎の少年・ガッシュでした。彼の唯一の持ち物の赤い本にかかれた呪文を読み上げると、口から雷を吐き出すガッシュを不審に思いつつ彼らは友情を深めていくのですが……。

著者
雷句 誠
出版日

記憶喪失のガッシュと清磨の前に魔界から送られてきた魔物の子供が現れ戦いを挑んできます。彼らの目的は100人の魔物の子供が戦い、勝ち残った一人が次の魔王になるバトルロイヤルでした。

魔界から次の王の候補として送られてきた子供たちの中には、争いを好まない者もいます。ガッシュと清磨が出会った魔物の少女・コルルは自らの意志と関係なく暴走し、消える際に本作のキーとなる言葉を残しました。

「魔界にやさしい王様がいてくれたら…こんな…つらい戦いはしなくてよかったのかな…?」(『金色のガッシュ!!』より引用)

コルルの想いをきっかけに自分が「やさしい王様」となるため戦うことを決意したガッシュは清磨はパートナーとして共に王座を目指すことになります。仲間になる魔物の子供とパートナーたちの絆や、それぞれの想いに涙せずにはいられないでしょう。感動的な場面とは対象にギャグパートもかなり力強いので出先で読むにはおすすめできないかもしません。笑いも涙も耐え切れなくなってしまう不朽の名作です。

【16位〜20位】壮大な物語が魅力のおすすめ少年漫画

16位:愛する人を救え!過去を繰り返す『僕だけがいない街』

主人公藤沼悟、28歳。職業「漫画家」は名ばかりで、ピザ屋のアルバイトで日々を食いつないでいました。そんな冴えない男、悟は特殊能力を持っていました。それは時を遡る力でした。悟が「再上映(リバイバル)」と呼ぶその能力は、事故や事件などの悪いことが起こる原因が排除されるまで、その直前の時間までタイムスリップするというもの。

著者
三部 けい
出版日
2013-01-25

ある日、母・佐知子は、悟との買い物中に怪しい男を目撃します。洞察力に優れる彼女は、その男が誘拐犯であること、そして過去に起こった連続小学生誘拐殺害事件の犯人と同一人物であることに気付きました。その結果、正体に気付かれた犯人は佐知子を殺害します。

いつの間にか悟は母親殺しの濡れ衣を着せられ、追われる身に。追われながら、彼は強くリバイバルが起こるように祈ります。そして目を覚ますと彼がいたのは1988年。連続小学生誘拐殺害事件がまだ起こっていない日でした。そして悟は母親を救うため、殺された子供たちを救うため、事件の真相を解明する決意をするのです。

この漫画は何と言ってもじわじわと迫ってくる緊迫感がたまりません。悟の「未来を知っている」というアドバンテージを持ってしても犯人の手口はとても巧妙。始めは冴えなかった悟が「みんなを助けたい」とあがく姿は感情移入しやすく手に汗握ります。伏線は丁寧にいくつも張られていて、まるでミステリー小説を読んでいるよう。

この物語のタイトルの意味がわかったとき、きっと皆さんの胸に広がるものがあるはずです。

17位:青春野球漫画の金字塔『ドカベン』

今更説明の必要がないほどの名作、日本における野球漫画の礎を築いた古典野球漫画『ドカベン』です。野球漫画における先駆けともいうべき漫画家、水島新司の代表作ですね。主人公の山田太郎ことドカベンを中心に岩鬼正美や殿馬一人また里中智、微笑三太郎など個性豊かなチームメイトと繰り広げる青春野球漫画の金字塔です。

実はこの物語は当初、主人公の山田太郎は柔道部に属していました。当初は彼と岩鬼、そして妹サチ子を物語の主軸とした柔道漫画のようなスタートだったのです。しかしコミックス7巻目で高校入学を期に山田太郎が柔道部から野球部へと移籍します。これは作者がいきなり方向を転換したのではなく、よく読んでみると野球漫画として成り立つような伏線があり、驚かされます。 

著者
水島 新司
出版日

そして高校に入り山田は明訓高校のキャッチャーとして甲子園を目指していきます。この時代の野球漫画としてはとても珍しかったのですが、ピッチャーの配球の読みや、第4アウトなどの野球のリアルな描写で読者を物語に熱中させました。

また、物語を一躍有名なものとしたのは柔道部時代からの仲間である岩鬼の存在であるとも言われています。破天荒で型破りな彼の存在はストーリーの面白さを引き立てました。実直で真面目な山田太郎と、正反対の岩鬼正美という二人の性格によるコントラストは読者を引きつけてやまない魅力的なものでした。

野球漫画『ドカベン』にはオリジナルの最初の作品のほか、『大甲子園』や「プロ野球編」また「スーパースターズ編」、「ドリームトーナメント編」など、ファンの多くの要望から数々の続編が描かれています。

今も昔も変わらずファンから愛されてやまない、そんな野球漫画におけるパイオニア的作品と言えるでしょう。

『ドカベン』に関しては「漫画「ドカベン」のキャラクターを31巻までネタバレ紹介!名言やモデルも!」の記事で詳しく解説しています。

18位:半妖と少女が四魂の玉を求めて冒険『犬夜叉』

『犬夜叉』は、妖怪と人間の間に生まれた半妖である犬夜叉と、現代から犬夜叉のいる戦国時代へタイムスリップした日暮かごめが、妖怪の持つ力を強くする四魂の玉を探して旅する物語です。戦闘ばかりしているストーリーではないので、バトルものが苦手な方にもおすすめできます。戦闘シーンはもちろんありますが、その背景にあるキャラクターたちの決意や信念が強く心に残りとても引き込まれる作品です。

著者
高橋 留美子
出版日

『犬夜叉』の見どころのひとつが、かごめと犬夜叉の恋の行方。二人はお互いに出会ったころの第一印象が悪く旅をするのも嫌々でしたが、次第に惹かれ合っていくことになります。実はかごめは、犬夜叉がかつて恋仲であった桔梗という巫女の生まれ変わりで、桔梗が蘇生した際には犬夜叉の心も揺らぎました。しかしそのことが彼らの絆をより深めるできごととなり、お互いがかけがえのない存在になっていくのです。

「かごめは俺に教えてくれた。笑顔を。人を信じる心を」 
「かごめがいたから仲間ができた。仲間に頼ることも、人のために流す涙も、本当の強さも優しさも、みんなかごめが教えてくれた 。かごめは俺に会うために生まれてきてくれたんだ」 
(『犬夜叉』より引用)

このセリフは、敵妖怪たちの「かごめは四魂の玉の一部になるために生まれてきた」という言葉に対して出した犬夜叉の答えです。かごめが犬夜叉にとってどれだけ大切な存在なのかがよく分かる言葉ですよね。どうしても譲れないものがあること、大切な人を守ろうとする気持ちは誰もが持っているものではないでしょうか。そういった描写が多く、共感できるポイントがたくさんある点も本作の魅力といえます。

連載は少年漫画誌でしたが、作中の恋模様は少女漫画の要素が含まれているので女性にもおすすめしたい作品。笑いあり涙ありの『犬夜叉』は、老若男女誰もが楽しめるストーリーです。

19位:大高忍の解釈で描かれる千夜一夜物語『マギ』

人気作家・大高忍の描くアラビアン風ファンタジー漫画。金持ちの客相手の御者として生活していた青年・アリババの下に不思議な力を持った少年・アラジンが現れます。彼は「創世の魔法使い」として世界の王となるものを選抜し導く役目を持ったマギという特別な魔法使いでした。

著者
大高 忍
出版日
2009-12-18

アラビアンナイトをモチーフとした世界観のイメージが色濃く反映され、空飛ぶターバンや金色の笛から出てくる魔人のウーゴくんなどの不思議な魔法が登場します。共に旅をすることになったアリババとアラジンが各地で虐げられている人々を救いながら彼ら自身の目標を見つけていくファンタジー冒険譚です。

ギャグ要素が多く読者を和ませる序盤の展開から徐々に奴隷や、国家の転覆、世界に秘められた運命などシリアスなテーマになっていきます。可愛らしい絵柄ながらも迫力満点のアクションシーンなど、さすがは大高忍!と舌を巻く事でしょう。

『マギ』に関しては「漫画『マギ』をストーリーの面白さから読む!【~37巻ネタバレ注意】」の記事で詳しく解説しています。

20位:マガジンの王道を切り開いた名作『RAVE』

生まれ育った島でいつものように釣りをしていた主人公・ハル。しかし釣り上げたのは魚ではなく、いつも小刻みに震えている謎の生き物プルー。そして謎の老人シバと出会います。

著者
真島 ヒロ
出版日

50年前の戦争の際、魔石ダークブリングから世界を守った聖石レイヴを受け継いで、レイヴマスターとなった青年・ハルが世界を救う旅に出るファンタジー冒険譚です。主人公のハルの出生や、共に旅をすることになった記憶喪失のヒロイン・エリーの謎。テンポの良いギャグ展開を挟みつつ、登場人物たちが世界の核心にせまっていく連載当初のマガジンでは異色のポップな王道ファンタジーとして人気を博しました。

全35巻と読み応えのあるボリューム、迫力のバトル、魅力的なキャラクター、真島ヒロ作品に多く登場するマスコットキャラ「プルー」のキモ可愛さも必見です。彼らの物語を読み進めるうちに登場人物たちと冒険しているような、わくわくした気持ちにさせてくれることでしょう。

【21位〜25位】王道から個性派まで。おすすめの少年漫画

21位:スポ根漫画の王道!野球と成長を描いた『ダイヤのA』

野球を通して主人公の成長を描く、王道スポ根マンガです。主人公の沢村栄純が名門の青道高校・野球部でエースピッチャーになるまでの道のりを描いた物語です。

強豪校・青道高校では野球のスポーツ推薦などによる入学制度があり、夢を抱きこの高校に入学したいと思う者も少なくありません。そういった事情からこの高校の野球部は100人を超える巨大な組織となっています。その中で苦難を乗り越え様々な創意工夫や気付きを経て登り詰める主人公の情熱的な姿が描かれます。 

著者
寺嶋 裕二
出版日
2006-09-15

沢村栄純は仲間思いの性格で、後ろを守ってくれる他の選手を信じ、打たせて取るという信条を持つピッチャーです。多くのライバルがいる巨大な組織となった部活でこの守備的な戦法によって次第に頭角を表していきます。自分の実力を見せつけるようなワンマンピッチャーではなく、チームワークと信頼感を重要視した彼の姿は青春そのもので、見ていて胸が熱くなります。王道の良さがいかんなく発揮された漫画と言えるでしょう。

タイトルは野球の内野部をダイヤモンドと呼ぶこと、そしてピッチャーであり主人公の沢村が「ダイヤの原石」のようであるという2つの意味合いから名付けられたそうです。そんなまだ原石の彼が成長していく様子が描かれた王道スポ根漫画です

 

22位:妖怪退治が家業⁉︎『結界師』

『結界師』は、代々妖怪退治を家業とする墨村家の跡継ぎである墨村良守が、結界師として成長していく物語です。幼馴染でライバルの雪村時音に幼き日に大怪我を負わせてしまって以来、時音や周りの人間が傷つかないように、結界師として強くなると心に決めた良守。烏森という妖怪の力を高める特別な地で、才能にも恵まれた良守は確実に力をつけていきます。

著者
田辺 イエロウ
出版日
2004-02-18

『結界師』で印象的な良守と志々雄限の友情。2人は最初こそ烏森の土地の保護を巡って対立する仲でしたが、戦いを経て互いを尊敬し合うようになり、友情が芽生えていくのです。

また良守は雪音に対して恋心を抱いており、幼き日に彼女が食べたいと言ったお菓子の城を食べさせたいといつもお菓子作りに勤しんでいます。そのうちお菓子作りが趣味になり、懸命に作っては時音に食べさせる姿は、微笑ましく感じられることでしょう。その上お城の設計図まで書いて、日々頑張る良守。しかし時音は良守のことを煙たがっており、なかなかうまくいきません。しかし時音は本当は、良守のことを誰よりも大切に想っているのです。

「あんたが傷つくことで傷つく人もいるのよ」 
「もっと自分を大事にして」 
(『結界師』より引用)

普段は強がって冷たい態度の時音が、無理して戦った良守を抱きしめながら言ったセリフです。この隠しきれない優しさを見せた場面では、2人の絆の強さを再確認できるはず。

自分の弱さや友の死を乗り越え成長してく良守の姿は誰もが元気をもらえる作品です。

『結界師』に関しては「『結界師』5分でわかる見所!中学生が夜な夜な妖退治【全巻ネタバレあり】」の記事で詳しく解説しています。

23位:伊坂幸太郎原作のハイテンポミステリー『魔王』

高校生の安藤は、自分の考えを他人にしゃべらせる「腹話術」の能力を持っていました。安藤が住む猫田市では、新都心計画が進められていた最中、突如自警団の「グラスホッパー」が登場。自警団を率いるカリスマリーダーの犬養は、新都心計画への批判を力強い言葉で訴えかけ、市民の思想をあっという間に反対派へ傾けてしまいます。

しかし安藤は、犬養や「グラスホッパー」には裏の恐ろしい顔があることを知り、犬養達に立ち向かう決心をしました。周りは皆犬養のカリスマ性に陶酔する中で、安藤は犬養やグラスホッパーに対して孤独な戦いに挑んでいきます……。

著者
["大須賀 めぐみ", "伊坂 幸太郎"]
出版日

『魔王 JUVENILE REMIX』は、主に伊坂の小説『魔王』と『グラスホッパー』が原作になっているといわれています。伊坂の作品らしいテンポのいいストーリー展開や巧妙な伏線、少し理屈っぽい魅力的なセリフは残しながら、原作とは少し違ったストーリーになっています。

「死んでるみたいに生きたくないならどうすりゃいいか考えろ」(『魔王 JUVENILE REMIX』より引用)

作品中に登場するセリフには、大きい権力に流されるように生きている人々への痛烈な批判が込められています。安藤が持つ「腹話術」の能力は、決して特別強い能力ではありません。しかし世界を救うため、安藤は1人で立ち向かっていくのです。恐怖や臆病を乗り越え、安藤がグラスホッパーに立ち向かっていく姿が非常にかっこよく、見ていて痛快です。安藤は犬養に勝つことが出来るのでしょうか。

全10巻で、比較的サクッと読める作品。伊坂幸太郎ファンはもちろん、ミステリー好きにおすすめです。

24位:脱出系ミステリー『百万畳ラビリンス』

作品の舞台は、無数の畳で埋め尽くされた謎の空間。主人公たちは、不思議な空間の謎を少しずつ解いていきます……。

「マンガ大賞2016」にノミネートされた『百万畳ラビリンス』。作品の知名度はそれほど高くないものの、知る人ぞ知る脱出系ミステリーです。

人と関わることが苦手な礼香は、ゲーム会社でルームメイトの庸子とともに、ゲームの「バグ」を見つけるアルバイトをしていました。ところが礼香と庸子は、気づくと謎の木造迷路に迷い込んでしまいます!

辺り一面に敷き詰められた畳や永遠に続くらせん階段、見たこともない地球外生命体など……。出口のない場所に閉じ込められてしまった礼香と庸子は、ゲーマーとしての経験を活かしながら、少しずつ不思議な世界の謎を解いていきます。

著者
たかみち
出版日
2015-08-10

 

漫画の冒頭から、作品が持つミステリアスで異色な雰囲気に一気に引き込まれます。出口がなく、永遠に続くらせん階段があったり、地球外生命体が空間そのものを食い尽くしてしまったり、唯一連絡が取れる人物「多神」は、何かを知っているはずなのに全然助けてくれない……普通の人であれば、絶望のあまり発狂してしまいそうな状況です。

しかし礼香は驚くほど楽天的で、「実世界のバグ空間」をゲーム感覚で楽しみます。

礼香は、周りのアイテムを使って、鍛え上げたゲーム脳で次々に謎を解いていきます。現実では周囲とうまくコミュニケーションが取れず、ゲームしか取柄がない礼香が、バグ空間ではゲームのように楽しんでいる様子がとても印象的です。

非常に複雑で特殊な設定ながら、伏線はしっかり回収し、ストーリーの矛盾点も見当たらないよく練られている作品。全2巻のため、あっという間に読み切ってしまいます。ゲームのような世界観を味わってみたい方にはおすすめです!

『百万畳ラビリンス』に関しては「『百万畳ラビリンス』で少女は自由になる。じわじわ売れ続ける名作を考察!」で詳しく解説しています。

25位:先生が悪霊から生徒を守る『地獄先生ぬ〜べ〜』

「この世には目には見えない闇の住人たちがいる(中略)彼は…そんな奴らから君たちを守るため地獄の底からやってきた――正義の使者――なのかもしれない……」(『地獄先生ぬ~べ~』より引用)

作品の主人公は、生徒たちから「ぬ~べ~」の愛称で親しまれる小学校教師・鵺野鳴介。一見どこにでもいる熱血教師ですが、なんとぬ~べ~は「鬼の手」を持つ霊能力者!ここぞというときに、ぬ~べ~は鬼の手の力を発揮し、生徒たちを危機から救います。

著者
["岡野 剛", "真倉 翔"]
出版日

ぬ~べ~の魅力は強いだけでなく、生徒への愛が深いことです。

作品にはあらゆる妖怪が登場し、時には鬼の手の力さえ敵わないような強敵が生徒に襲い掛かります。はたから見れば勝ち目のない戦いでも、ぬ~べ~は強敵に果敢に挑みます。ぬ~べ~の男らしさや優しさに、時には悪霊さえ心を動かされることもあるほどです。

『地獄先生ぬ~べ~』は全31巻の中で、幅広いテーマを扱っています。友情や努力、勝利など少年ジャンプらしいテーマはもちろん、夢に出るような怖い話から、ドキッとするようなお色気のストーリーも!

全巻を通していろいろなテーマを描いているので、老若男女から愛されている作品です。基本的には1話完結形式のため、気になる話だけ読んでもOK!少しでも気になる方は、試しに1話だけでも読んでいただきたい作品です。

【26位〜30位】少年漫画らしいギャグ漫画から癒され漫画まで

26位:毎週君と友達になる。青春漫画『一週間フレンズ。』

一週間で大切な友達の記憶がなくなってしまう少女に、何度忘れられても友達になる少年を描いたラブストーリーです。何があっても人を思いやることの素晴らしさがテーマとして描かれています。

主人公の長谷祐樹は、ずっと前から気になっていたクラスメイトの藤宮香織に「友達になってほしい」と声をかけます。しかし藤宮は「うれしいけどごめんなさい」と言い放ち、長谷と友達になることを拒みます。

著者
葉月 抹茶
出版日
2012-06-22

長谷はあきらめきれずに何度も藤宮に声をかけ続けると、実は藤宮が昔の交通事故の影響で友達の記憶が一週間しか保てず、あえて友達を作らなかったことを知ります。しかし長谷はそんな藤宮を受け入れ、ふたりは晴れて友達になります。月曜日には先週までの長谷との記憶が消え、藤宮は長谷に冷たい態度をとりますが、長谷は再び「友達になってほしい」と声をかけ、友達になるのです。

毎週藤宮に優しく声をかけ、友達として藤宮を献身的に支える長谷。そして長谷の優しさに一生懸命こたえようとし、思い出や友達を作っていく藤宮。「忘れる」「忘れられる」怖さを感じながら、ふたりでかけがえのない思い出を作ろうとするけなげな姿が胸にグッときます。

また長谷も藤宮も高校生とは思えない純粋な性格で、時には歯がゆささえ感じますが、読んでいてとても和やかな気持ちになります。特に藤宮の純粋な言動には、男性だけでなく女性さえも思わずキュンとしてしまうものばかりです。

1週間という壁に立ち向かい、少しずつ友情をはぐくむ長谷と藤宮。藤宮の失われた記憶は元に戻るのか、長谷と藤宮の関係は恋愛に発展するのか、先の展開が気になる作品です。ピュアな気持ちで満たされたい方におすすめです。

『一週間フレンズ。』に関しては「『一週間フレンズ。』の魅力を全巻ネタバレ紹介!人気の切ない青春漫画が無料」の記事で詳しく解説しています。

27位:ぬらりひょんの血を継ぐ少年が、妖怪の首領に『ぬらりひょんの孫』

普段はどこにでもいる普通の少年ですが、正体はなんと妖怪の首領ぬらりひょんの孫!?雪女や首無、烏天狗、一つ目小僧などあらゆる妖怪を率いる総大将となった少年は、人間界までも巻き込みながら、最恐の妖怪たちに挑んでいきます。

主人公の奴良(ぬら)リクオは、妖怪の総大将である「ぬらりひょん」の孫で、妖怪の一派である「奴良組」の3代目です。人間と妖怪のクォーターであるリクオは、昼はどこにでもいる頼りない少年の姿ですが、夜にはなんと妖怪の姿に覚醒するのです!

リクオは百鬼夜行を率いる立派な主になるため、奴良組や全国あらゆる妖怪たちに向き合いながら、人や妖怪を襲う悪霊たちと闘っていきます……。

著者
椎橋 寛
出版日

リクオは人間でも妖怪でもない自分自身に葛藤しますが、周りの妖怪たちに支えられ、人間と妖怪の血を持つことの強みを見出していきます。リクオは修行や妖怪との戦闘を通し、妖怪たちの主になることの意味を少しずつ理解し、成長していきます。

そして徐々に、奴良組の妖怪たちもリクオの大将としての器に魅せられていきます。妖怪とリクオがお互い思いやる気持ちが強く、全体的に人情深い作品になっています。

全25巻からなる『ぬらりひょんの孫』は、登場するキャラクターが非常に魅力的です。奴良組にはリクオを一途に守る側近・雪女のつららや、「暗殺破壊僧」の異名を持つ黒田坊、首がないイケメンの首無など、個性豊かなキャラクターが属しています。

またリクオの敵キャラも迫力ある描かれ方をしています。作品の中盤で登場する羽衣狐(はごろもきつね)は、セーラー服に黒髪のロングヘア―という可憐な姿ながら、京都の荒くれ者の妖怪たちを率いる最強の主です。羽衣狐のカリスマ性や強さが上手く描かれていて、リクオと羽衣狐との戦いのシーンはスリル満点!敵キャラでありながら、ファンからの人気が根強いキャラクターです。

リクオを筆頭としたかっこいいキャラクターが敵を次々と倒していく様子は非常に壮快です。妖怪好き、バトル漫画好きには楽しめる作品になっています。

28位:隣の席の女子はからかい上手⁉︎『からかい上手の高木さん』

同じクラスの高木さんは超がつくほどからかい上手。西片が仕返しをしようと試みても、仕返しにたどり着く前にまんまとやり返される始末です。そんな高木さんですが言葉の中に西片の事が好きであるような思わせぶりな発言が⁈果たして高木さんの真意は……⁈

著者
山本 崇一朗
出版日
2014-06-12

からかい上手な高木さんは、頭も良く外見も可愛らしい女の子です。そんな彼女は、とにかく毎日毎日事あるごとに西片をからかってはクスクス笑う、ちょっと変わった趣味の持ち主。2人のやり取りのほとんどはコミカルな面白い会話ですが、高木さんが時々いきなりぶっ込んでくる思わせぶりな発言によって、一気に甘酸っぱさ全開な雰囲気になるというこのギャップがものすごくイイ!

男の子が好きな子に意地悪したりからかったりしてしまう、それの男女逆転バージョンのような雰囲気を持つこの作品。可愛らしい女の子にからかわれる西片の様子や感情が、わかりやすい表情で描かれているので騙されたりからかわれたりした時の面白さがダイレクトに伝わりクスッと笑えます。中学での日常の出来事が描かれているので、主人公の西片と高木さんの思春期ならではの微妙な距離感もまたリアリティーがあふれていますよ!

この2人はどうなっちゃうの?付き合うの?友達でもない、カップルでもない、ちょっとだけ特別な感じの距離感からどんな風に進んでいくのかが気になって仕方なく、ついつい続きを読んでしまう作品です。

『からかい上手な高木さん』に関しては「漫画『からかい上手の高木さん』の可愛さに叫びたい!全巻名シーンネタバレ!」の記事で詳しく解説しています。

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29位:ギャグ満載のほっこりファンタジー『魔法陣グルグル』

『月刊少年ガンガン』で約10年間連載しただけあり、ギャグがシュールでとてもおもしろい!ギャグも冒険ファンタジーも楽しみたい!という人には、ぜひおすすめしたい漫画です。

ジャムジャム大陸のジミナ村という小さな村に、突如「勇者募集!!魔王を倒した者に金5万R(リン)を与え、コーダイ国の王子とする」と書かれた看板が立ちました。看板を見た勇者マニアのバドは、息子のニケを無理矢理勇者として旅立たせます。

ニケとともに旅をすることになったのが、魔法使いの少女ククリ。ククリはグミグ族という種族だけが使える「グルグル」という魔法を使うことが出来ます。こうして勇者ニケと魔法使いククリは、魔王のギリを倒す旅に出かけていくのでした……。

著者
衛藤 ヒロユキ
出版日

作品の中でファンタジー要素以上に強いのが、シュールなギャグ要素。シュールで独特なギャグがセリフや絵柄など、いたるところに練り込まれています。

例えば謎の「キタキタ踊り」を愛するキタキタおやじは、おにぎりをなんと脇で握るシーンがあります。想像するとただただ気色悪いですが、実際に漫画を読むとくすっと笑えます。1つ1つのギャグがハイレベルで、子どもはもちろん、大人も思わずくすっと笑ってしまうはず。

ニケの勇者としてのレベルはなかなか上がらないため、本格的な冒険漫画が読みたい人には少し物足りないかもしれません。しかし作品中でキャラクターの死がないため終始明るい作風で、ニケとククリがいろいろな世界をゆるく旅する様子は読んでいてとてもワクワクします。ギャグ漫画好きの方は、ぜひ読んでみてください。

30位:臆病な少女の心に秘めた思い『心が叫びたがっているんだ』

主人公の成瀬順は、子供の頃に憧れの場所がありました。山の上にあるその建物は、まるでおとぎ話に出てくる王子様のお城のようでした。ある日、順はお城から自分のパパが知らない女の人と出てくるのを見かけます。パパは王子様だったんだ! そう思って大喜びでママに報告します。

しかしお城は実はラブホテル。順は悪意なく、父親の不倫をばらしてしまったのです。「本当にお喋りだな。全部、お前のせいじゃないか」それは、第三者から見ればきっと身勝手な言葉です。でも、父親からの言葉の刃は順の心を刺しました。それ以降、順は何か言うたびに酷い腹痛に襲われるようになってしまいます。

著者
["阿久井 真", "超平和バスターズ"]
出版日

そして高校2年生になった順は「一言も喋らないおかしな子」になっていました。そんな中、順はクラスメイトである坂上拓実、田崎大樹、仁藤菜月と地域ふれあい交流会実行委員に任命されてしまいます。担任は交流会の出し物にミュージカルを提案します。順の気持ちは揺れましたが、他のメンバーの反応は悪く……。

喋らないおかしな子。人と距離を置く冷めた少年。夢破れた野球少年。真面目な優等生。クラスメイトである以外ほとんど接点のない、バラバラの個性の四人が交流会の準備を通して心を開いて仲を深めていく……。要素だけを拾っていけばよくある青春漫画。ですが、その一つ一つが丁寧に描写され、いつの間にか彼女らに感情移入してしまいます。

本来おしゃべりな女の子が、言葉で家族を傷つけてしまったことで一言も話せなくなる。言葉を抑えて殺してきた彼女が、お腹が痛くなることも忘れてでも伝えたい気持ちに気付いたとき……。果たしていったい何が起こるのでしょうか。臆病ば少女から抑えきれなくなった溢れる想いの様子に胸が苦しくなります。切なくて、甘酸っぱい、大人になって忘れた気持ちを思い出させてくれる物語です。