鮮烈な印象を残す名作を次々と生み出していく、コメディの奇才・福田雄一。彼はこれまでオリジナリティあふれるセンスで、インパクトのあるテレビドラマや映画を作り上げてきました。手がけた作品は、瞬く間に次々とヒットしています。この記事では、そんな福田雄一が監督や脚本・演出を手がけた作品について紹介します。
人々を惹きつける作品を生み出し続ける福田雄一とは、いったいどんな人物なのか?ここではそのヒミツに迫りたいと思います。
福田雄一が、作品をつくる面白さに目覚めたのは小学校の頃。お楽しみ会の台本を福田雄一が手がけ、自分の作品を人々が見てくれる喜びを体感しました。
大学に進学し、プロゴルファーになりたいという夢をかなえるべくゴルフ部に所属。しかし、様々な壁が立ちはだかり、プロゴルファーになる道を断念することに。夢をあきらめふさぎがちだった頃に、小劇場ブームのニュースを見て、舞台の世界に興味を抱きます。
演劇部に入部し自身の劇団を旗揚げ、全作品の構成と演出を手がけるようになった福田雄一。舞台を手がけながら放送作家として、『笑っていいとも!』などのバラエティ番組制作にかかわったのち、テレビドラマや映画の制作へと活動の場を広げていきました。
また福田雄一を語る上で、嫁の存在も重要なポイント。福田雄一の妻は脚本に辛辣な評価をしたり、キャスティングに助言をしたりと、作品をつくる上で大きな力となっている存在です。
福田雄一の作品に多数出演している俳優・女優は福田組と呼ばれ、橋本環奈や山田孝之、賀来賢人などが名を連ねています。
80年代のツッパリの世界を描いたドラマ『今日から俺は!!』をはじめ、独特の世界観を持つ作品を違和感なく実写化し話題を呼んでいます。
福田雄一の作品は、とにかく面白い。ここではなぜ、そんなに面白いのか?を紐解いていきたいと思います。
まず福田雄一作品を語る上でかかせないのは、出演者たちが生き生きと演じていること。肩の力が抜けた空気が漂い、リラックスして役づくりに挑んでいます。その自由さのため多彩なアドリブがくり広げられ、類を見ないエッセンスとなっています。
また役を演じる俳優たちの持ち味を生かし、クセのあるキャラクターと融合させていく福田雄一の手腕はさすがの一言につきるでしょう。作品を見た家族が作品について話し、親と子の会話が生まれることも意識して作り上げているのだとか。テレビドラマは深夜帯に放送されることも多いですが、エロさやニッチな笑いではなく、あえて誰にでもわかりやすいコメディにこだわります。
大人気漫画や小説が原作の作品を、多く手がけてきた福田雄一。原作がある作品を実写化する上で彼は原作ファンに、どういう所に惹かれて作品を読んでいたのか聞いているのだそう。自身が手がける作品の原作が愛されるワケを追求し、実写化するにあたってやってはいけないことを念頭において制作に挑んでいます。
原作ファンを大切にし、自分なりの味=アレンジを加えて実写化していく。そんな作品づくりへの思いが、多くの人に愛されるヒット作を生み出しているのではないでしょうか。
正統派の2枚目やヒロインを演じることが多かった役者たちが、新しい一面を開花していく。そんな様子が存分に楽しめる福田雄一作品から、今後も目が離せません。
福田雄一が手がけた映画・テレビドラマについてご紹介するまえに、筆者のおすすめ作品について触れたいと思います。
筆者がおすすめする作品は、テレビドラマ『勇者ヨシヒコと魔王の城』です。
いざないの剣に選ばれ勇者となった、ヨシヒコ。ヨシヒコは村人たちを助けるための薬草と行方不明の父を探す旅に出ます。冒険の旅の途中でバンジョー、ムサラキ、メレブと出会いパーティとなるヨシヒコ一行。やがて魔王を倒す使命を得るのですが……。
本作は今まであるようでなかった、RPGゲーム・ドラゴンクエスト(通称・ドラクエ)のようなドラマ。衣装をはじめ、出てくるモンスターや効果音まで、ドラクエをプレイしたことがある人は思わずテンションが上がってしまう演出がちりばめられています。
ちょっと脱力系なところもある冒険者たちですが、昔思い描いた世界がそこにあるように感じてしまうかもしれません。
ここからは、福田雄一が手がけた作品の中から、原作があるものをピックアップ!見どころとあわせてご紹介します。
本作は『アオイホノオ』などで知られる島本和彦が描いた、ちょっとありえないことが続々起こる野球漫画です。
全力学園野球部のキャプテン・不屈闘志は、ある日校長に呼ばれ野球部の廃部を告げられてしまいます。いきなり訪れた逆境に思わず不屈は、校長室に甲子園の優勝旗を持ってくると宣言してしまいます。かなり無謀と思える大風呂敷に、挑戦することとなった全力学園ナイン。次々と訪れる逆境に、打ち勝つことはできるのか?
本作は玉山鉄二が主人公・不屈闘志を演じ、福田雄一が脚本を手がけました。原作はリアクションや喜怒哀楽が激しく描かれていて、強烈なキャラが多く感じます。ちょっと実写化が想像しにくいように感じる作品ですが、原作を知っていてもスッと入ってくる映画になっています。
ちょっと暑苦しいけれど、魅せ場で教訓めいたことも示めしてくれる熱血コメディを求めている方におすすめの作品です。
- 著者
- 島本 和彦
- 出版日
ブログ内の小説として執筆されクチコミで話題となった『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』は、駐在さんと高校生たちがくり広げるイタズラ合戦物語です。
天才的な発想力でイタズラを思いつく、田舎町の高校生ママチャリ。イタズラに関しては素晴らしい頭脳を開花するが、勉強についてはふつう。ママチャリには小柄でキュートなジェミー、武道に長けた西条くん、名家の息子でイケメンのグレート井上たちといった仲間がいて、イタズラする日々に明け暮れています。そんな彼らとこの町の駐在さんが、イタズラの攻防戦をくり広げていきます。
主人公・ママチャリを市原隼人、駐在さんを佐々木蔵之介が演じ、福田雄一は脚本を担当。バカバカしさを感じる日々の中に、心温まる青春を描いた作品です。
- 著者
- ママチャリ
- 出版日
本作は『先生!』や『俺物語』などのヒット作を生み出した、河原和音による少女漫画です。
長嶋晴菜は中学時代は部活に青春をささげ、高校では恋愛しようと意気込んでいました。しかしモテるためにいろいろ挑戦してみるものの、なかなか彼氏ができません。そんななか、男にウケる女性がわかる小宮山ヨウと知り合い、コーチをお願いすることに。高校デビューを目指す女の子の成長を描いたラブコメディです。
本作の映画版では小宮山ヨウを溝端淳平、長嶋晴菜を大野いとが演じました。福田雄一は脚本を担当。ちょっぴり不器用なキャラクターたちがくり広げる、恋愛模様をどのように表現しているのかに注目です。
「モテ」は男女問わず普遍の悩みの種。だからこそクスりと笑いがこみあげるドタバタラブコメを読みたい方は、手に取ってみてはいかがでしょう?
- 著者
- 河原 和音
- 出版日
- 2004-03-25
正義を重んじる高校生・色丞狂介の父は殉職した刑事、母はSM嬢。そんな両親の血を受け継いだ狂介は、パンティを頭に被ると変態性と正義感を持ち合わせた「変態仮面」へと変身します。本作は究極の変態的な戦法で、この世の悪と戦う異色のヒーロー物語です。
奇抜なルックスやセリフの数々により、実写化が難しいと思われていた本作。『HK変態仮面』というタイトルで映画化され主演・鈴木亮平、監督&脚本・福田雄一で制作されました。演じている方も笑いがこみ上げてしまうのではないかと思うほどの、ギャグとエロ要素がぎっしりつまった本作品。屈辱的な気分を味あわせる、強烈な必殺技など見どころが満載です。
原作と映画では登場人物が少し異なり、映画はオリジナルストーリーとなっています。原作の特徴を踏襲した映画の世界と、個性的でパワフルな原作の世界を比べて楽しんでみてはいかがでしょう。
- 著者
- あんど 慶周
- 出版日
漫画家になる夢をかなえるべく、突然会社を辞めた大黒シズオ。シズオはバツイチで父と娘と一緒に暮らしていますが、自分を甘やかすダラけた生活を送ってしまいます。そんなシズオに、家族にはあきれ気味。ダラけつつもシズオは漫画を描き、作品の持ち込みをし続けます。行き詰まりそうになりながらもポジティブに生きるシズオの、ちょっぴり哀愁ただようコメディ漫画です。
主人公の大黒シズオを演じたのは堤真一、福田雄一が監督&脚本を担当しました。山田孝之や指原莉乃、賀来賢人、ムロツヨシといった福田雄一作品に多数出演している俳優が多く出演しているのもポイントの1つ。
何気ない日々の中で、夢と向きあうのに年齢は関係ないと思わせてくれる。そんな作品に触れてみたい方におすすめです。
- 著者
- 青野 春秋
- 出版日
- 2007-10-30
『銀魂』は空知秀秋が描く、SFと歴史をかけあわせたコメディ漫画です。
攘夷戦争に敗れ、多くの天人たちが闊歩する世の中となった江戸の町。廃刀令により、侍たちも姿を消しつつありました。かぶき町でどんな依頼も請け負う「万事屋」を営む坂田銀時は、志村新八や夜兎族の神楽、巨大犬・定春たちと出会い3人と1匹で日々依頼をこなしていきます。
脚本・監督を福田雄一が務め、主人公・坂田銀時を小栗旬、志村新八を菅田将暉が演じました。神楽役の橋本環奈が鼻をほじるシーンがあるなど、今までのイメージを覆すキャラを演じたことでも話題になりました。ちなみに原作には小栗旬之介という、小栗旬をモデルにしたキャラも登場します。
コメディ要素たっぷりの中に、シリアスなストーリーが盛り込まれ読みごたえたっぷりの本作。史実をもとにしたエピソードや有名作品のパロディもたっぷりで、ツッコミどころ満載の作品です。
本作に興味のある方には、銀魂のキャラクターを徹底考察したこちらの記事もおすすめです。
- 著者
- 空知 英秋
- 出版日
- 2004-04-02
最強の高校生・斉木楠雄。何が最強かと言うと、持って生まれた超能力の強さ。代表的といえるテレパシーや透視といった超能力のほか、あらゆる必殺技が使えてしまいます。頭にアンテナのような装置をつけ力を制御し、目立たないように日々の生活を送る斉木。個性的な友人たちに囲まれ、心の中でツッコミをくり広げる日々を送るのですが……。
山崎賢人が主人公・斉木楠雄を演じ、橋本環奈や賀来賢人がクセの強いキャラを演じています。本作で福田雄一は脚本・監督を担当しました。この作品はキャラクターが軽快なテンポで、とにかくよく喋ります。また強烈な個性のキャラクターたちは、見ていて頭から離れなくなってしまうかもしれません。
日常の学園ライフの中に、個性的な人間模様とサイキック要素が加わった作品です。原作の詳細が気になった方は、登場人物の魅力に迫ったこちらの記事もご覧ください。
<漫画『斉木楠雄のΨ難』の浮世離れなキャラの魅力徹底紹介!【ネタバレ注意】>
- 著者
- 麻生 周一
- 出版日
- 2012-09-04
腐女子な趣味を持つ、桃瀬成海。成海は自身が腐であることを、ひた隠しにしていましたが彼氏に知られ別れることになります。職場に居づらくなり、転職を決意する鳴海。転職先で幼なじみの二藤宏嵩と再会し、2人はやがて付き合うことになるのですが……。本作はSNSサービスのひとつpixiv(ピクシブ)で生まれ、クチコミを元に一躍人気作となりました。
桃瀬成海を高畑充希、二藤宏嵩を山崎賢人が演じています。脚本・監督として福田雄一が手がけた本作は、ヲタ芸やミュージカル要素など音楽との融合シーンが多い点も見どころ。
不器用な2人のヲタクが、ちぐはぐな恋愛を展開していくさまに注目です。 読んでいて笑顔がこぼれてしまうような漫画を求めている方に、おすすめの作品です。
この作品に興味がある方は、こちらの記事もご覧ください。
<漫画『ヲタクに恋は難しい』のキャラが最高!実写化前に原作漫画の魅力を予習>
- 著者
- ふじた
- 出版日
- 2015-04-30
中国の歴史を語る上でもっとも有名な作品のひとつである三国志は、中国統一を目指し覇権争いが続いていた後漢の三国時代を陳寿が綴った歴史書です。
魏・呉・蜀の英雄たちが繰り広げる覇権争い、様々な思惑をもとに戦術を張り巡らせる世界感に多くの人が今もなお惹きつけられ続けています。
福田雄一は『新解釈・三國志』というタイトルで、三国志の映画化に挑みました。主役の劉備玄徳を大泉洋、諸葛亮孔明はムロツヨシ、関羽を橋本さとしが演じます。山田孝之や城田優、橋本環奈も出演。壮大な三国志の登場人物たちを福田流に解釈、実写化された本作では今まで英雄たちに抱いていたイメージを覆す世界感を感じるかもしれません。
ポップに脚色された福田雄一作品を見たうえで、中国の壮大な歴史のなかでも根強い人気を誇る作品にもっと触れてみたい方は、読んでみてはいかがでしょう?
- 著者
- 横山 光輝
- 出版日
- 2002-11-01
『シャザム』はアメリカンコミックと呼ばれるアメリカの漫画が原作。ビリー・バットソンは両親を亡くし、孤児として生きる孤独な少年。ビリーはある日声をかけてきた男に連れられ、不思議な文字が刻まれた列車に乗ることになります。7つの大罪を表した石碑が並ぶ洞窟の先で、シャザムという人類を護り続けてきた魔術師と出会うビリー。この出会いをきっかけに、キャプテンマーベルという名のスーパーヒーローに変身する力を手に入れます。
福田祐一は吹き替え監修・演出として、映画の吹き替え制作に携わりました。ビリー・バットソンを演じたのはアッシャー・エンジェル、日本語吹き替えは緒方恵美、魔術師シャザムをザッカリー・リーヴァイが演じ、日本語吹き替えを菅田将暉が演じています。
大のアメコミファンである福田雄一が、どのように日本語吹き替え版を演出したのかに注目です。
- 著者
- ["ジェフ・ジョーンズ", "ゲイリー・フランク", "中沢俊介", "内藤真代"]
- 出版日
ここまで福田雄一が手がけた、原作付きの映画作品について触れてきました。ここからは福田雄一が手がけたテレビドラマ作品の中で、原作がある作品を紹介していきます。
本作はロドリゲス井上が描いた、結婚を夢みる27歳独身・彼女なしの3人の男性がくり広げる婚活奮闘漫画です。同じ会社の同僚である小柄でぽっちゃり系男子の田巻俊平、髪の毛の薄さが気になる菊原はじめ、小柄なムキムキマン高津戸健一郎。3人は結婚する未来を夢見て一緒に、合コンやナンパに挑んでいきます。
ヘタレだったり、夢見がちに妄想したり、時には傷ついたりする3人。そんな彼らの姿に思わず共感してしまうかも⁉
本作は『独身3!!』とういうタイトルで、ドラマ化されました。田巻俊平を極楽とんぼの山本圭壱、菊原はじめをココリコの遠藤章造、高津戸健一郎を山崎樹範が演じ、福田雄一が脚本を手がけました。芸人ならではのリアリティある存在感や間のうまさを活かした面白さが味わえます。
等身大の主人公がコンプレックスを抱きながら奮闘する姿に、ツッコミたくなりつつも頷いてしまう。そんな作品と思うかもしれません。
- 著者
- ロドリゲス 井之介
- 出版日
本作は『犬夜叉』など多くの人気漫画を生み出した高橋留美子が、一風変わったボクサーを主人公にくり広げるラブコメディです。
試合に向けて過酷な減量期間を乗り越えなくてはいけないのに、誘惑に負けてごはんを食べてしまい周りを不安の渦に巻き込む畑中耕作。耕作は根性は薄くどこか情け無いけれど、負けずギライでポジティブ思考の持ち主。シスター・アンジェラに思いを寄せる、耕作の恋の行く末からも目が離せません。
畑中耕作を亀梨和也、シスターアンジェラを黒木メイサが演じています。独特のギャグセンスとシリアスさを兼ね備えた高橋留美子ワールドを、福田雄一が脚本に起こしています。
軽快なリズムで描かれたスポーツを題材にした作品を読んでみたいという方に、おすすめの作品です。
- 著者
- 高橋 留美子
- 出版日
父親が鍵屋で自身も鍵屋の仕事をこなす、高校生の猿丸耶太郎(通称:サル)。童貞率80%の高校に通うサルは、名付けて「チェリーボーイズ」の卒業を夢見ているけれどなかなかうまくいきません。そんなサルですが開けられない鍵はないほどの、ピッキング能力の持ち主でもあります。そのピッキング能力で仲間のピンチを救い、時には命の危険にさらされることも。
市原隼人が主人公の猿丸耶太郎を演じ、福田雄一が脚本を手がけました。テレビドラマと原作漫画で年齢などの設定が異なり、テレビドラマに登場しない原作のキャラクターが多数います。
鍵開けを軸にスリリングな展開や、熱い絆が描かれる本作。実写と漫画でそれぞれ違った表現をしていますが、その違いの面白さを味わってみてはいかがでしょう?
- 著者
- 芹沢 直樹
- 出版日
本作は『ドラえもん』で知られる藤子・F・不二雄が描いた、中年スーパーマンが日常の平和のために奔走するSF漫画です。『スーパーサラリーマン左江内氏』というタイトルでテレビドラマ化されました。
万年係長のさえない中年のサラリーマン・左江内。彼はある日突然、見知らぬ初老の男にスーパーマンにならないかと言われてしまいます。一度は断ったものの、娘の危機を知りしぶしぶ引き受けることに。スーパー服を着ると様々な能力を発揮し、日常に起こる揉め事を次々と解決していきます。
主人公の左江内英雄を演じたのは、堤真一。脚本・演出を福田雄一が手がけ、賀来賢人が演じたアドリブたっぷりの強烈キャラ池杉照士など、福田雄一ワールドならではの要素がたっぷりつまっています。原作には藤子・F・不二雄の代表作のひとつ『パーマン』に登場するキャラクターも登場します。
- 著者
- 藤子・F・ 不二雄
- 出版日
『謎解きはディナーのあとで』で知られる東川篤哉の小説「烏賊川市(いかがわし)」シリーズは、架空の街・烏賊川市を舞台にくり広げられるユーモアたっぷりの本格ミステリーです。
変装や声まねが得意な私立探偵・鵜飼杜夫、殺人事件に巻き込まれたことをきっかけに鵜飼の探偵事務所に勤めることになった戸村流平、烏賊川市署の凄腕刑事・砂川警部、砂川警部の相棒であり部下の志木刑事といった個性たっぷりな人物たち。この4人が烏賊川市で次々と起こる事件の謎に、試行錯誤しながら挑んでいきます。
「烏賊川市」シリーズの中の1作、『私の嫌いな探偵』が表題となってドラマ化されました。主演は剛力彩芽、鵜飼杜夫を演じたのは玉木宏。福田雄一は脚本を担当しました。
笑いがこみ上げるストーリー展開の中にも、トリックが仕掛けられている本作。意外性を兼ね備えたミステリー小説を求めている方におすすめの作品です。
- 著者
- 東川 篤哉
- 出版日
『程度の問題』は、星新一の短編小説『ボッコちゃん』に収録されている作品の中の一編です。事務系の仕事をしていたエヌ氏は、疑り深い性格を買われてスパイ活動をすることに。しかし執拗なまでに疑り深い性格が災いして、失態の連続となってしまいます。度を超えてるエヌ氏の行末はどうなるのか?タイトルに込められた意味とは?ショートショートで知られる星新一が描く、ちょっとシュールな短編作品です。
オムニバス形式で制作されたテレビドラマ『星新一ミステリーSP』の中の一作として、『程度の問題』が放映されました。主役のエヌ氏を演じたのは、岡田将生。脚本を手がけたのが福田雄一です。
短いストーリーにも関わらず、思わず考えさせられてしまう。そんな作品を読んでみたいという方は、手にとってみてはいかがでしょう。
- 著者
- ["星 新一", "和田 誠"]
- 出版日
漫画『アオイホノオ』は、島本和彦の大学時代を元に描かれた自伝的漫画です。
大作家芸術大学に通う焔燃(ほのおもゆる)は、どこからやって来るのかわからない強い自信の持ち主。自分の才能を過信し、いつでもプロの漫画家になれると思っていました。しかし同級生の才能を目の当たりにしたり、プライベートで傷ついたりなどの挫折を味わい、自分が進むべき道や方向性を見出していきます。
柳楽優弥が主役の焔燃を演じ、脚本・演出を福田雄一が担当しました。本作は主人公の心の声と葛藤するシーンがとにかく多く、そんな場面が見どころだったりもします。また才能あふれる同級生の中に『新世紀エヴァンゲリオン』で知られる庵野秀明がいたり、あだち充や高橋留美子などの魅力について島本和彦流に触れている点も見どころポイントです。
こちらの作品が気になった方は、島本和彦の人気作について名言を交えて触れたこちらの記事もおすすめです。
<島本和彦のおすすめ漫画ランキングベスト!熱い名言が魅力!>
- 著者
- 島本 和彦
- 出版日
- 2008-02-05
『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』 は、独身のプロであるジェーン・スーが綴る恋愛指南書ならぬ結婚指南書です。女性が無意識のうちに彼氏に対して、おこなってしまいがちな行動などプロポーズしてもらえないに至る101の理由を、わかりやすく深堀りした1冊です。
テレビドラマでは原作に収録されている全101エピソードのうち、48エピソードが制作・放映されました。そのうち福田雄一が演出・脚本として携わったのは、シーズン1の第10話と第14話。第10話は大和田美帆と川久保拓司、第14話は木南晴夏と戸塚純貴が主要人物を演じています。
女性はもちろん男性も楽しめる、共感することあり、考えさせられることありの1冊です。こちらの作品が気になる方は、作者のおすすめ作品ついて触れたこちらの記事もおすすめです。
<ジェーン・スーのおすすめ本5選!悩める女の救世主?コラムやラジオで大活躍>
- 著者
- ジェーン・スー
- 出版日
- 2013-10-11
本作は原作・松駒、作画・ハシモトによる、コンビニを舞台にくり広げられるコメディ漫画です。
就職浪人中の松駒がバイトするコンビニに、大物といえる新人バイトがやってきた。新人バイトの名前は、仁井智慧(通称・ニーチェ先生)。ニーチェ先生はお坊さんになることを目指している、仏教学部の大学生。何事にも真っ直ぐな性格で、客に辛辣な言葉をあびせることもある個性的な新人なのでした。
『ニーチェ先生』というタイトルで、テレビドラマ化された本作。主人公の松駒を浦井健冶が、仁井智慧を間宮祥太朗が演じました。福田雄一は脚本と演出を担当。
原作者の松駒が、実際にバイトしていたコンビニでの経験を元に描かれている本作。実体験を元にした作品のため身近に感じる部分が多くあり、ジワジワこみ上げてくるかもしれません。
間宮祥太朗が出演した作品を見たい方は、こちらの記事もおすすめです。
<間宮祥太朗は実写化の達人!出演映画、テレビドラマの原作作品の魅力を紹介>
- 著者
- 出版日
- 2014-01-27
『今日から俺は‼』は西森博之が80年代のツッパリたちをコミカルに描いた、笑いたっぷりシリアスもありのギャグ漫画です。
平凡な高校生だった三橋貴志は転校を機に、自分を変えることを決意します。金髪&パーマをかけ、今日からツッパリにな変身。床屋で居合わせた冴えない男・伊藤真司もツンツン頭に変身し偶然にも2人は、同じ高校の同じクラスに転校します。実直な伊藤と、ヒキョーの代名詞かのような三橋。今までケンカをしたこともなかったのに、意外にも強かった2人は学校一強い不良として名を馳せていきます。
三橋貴志を賀来賢人、伊藤真司を伊藤健太郎が演じ、ビジュアルを含め再現力の高さで話題となりました。本作の脚本と演出を福田雄一が手がけました。原作とテレビドラマどちらも笑いの要素がたっぷりですが、それぞれの個性が生かされているので、見比べてみるとより楽しめるかもしれません。
2020年には映画化もされ、福田雄一の知名度をさらに高めました。原作の詳細が気になった方は、見どころがよくわかるこちらの記事もご覧ください。
<原作『今日から俺は‼』が最高に面白い!登場人物の名言、名シーン徹底紹介>
- 著者
- 西森 博之
- 出版日
不安だった世紀末を乗り越え、有給休暇をつかって下界にバカンスしに来たブッダとイエス。東京都立川市にアパートを借り、下界の生活を満喫する日々を送っていきます。
正体は仏様と神の子なので、軌跡を起こせる力を多数もっていますが極力発動しないように気をつけて生活を送っています。時折天界から天使や菩薩がやって来ることも。
ブッダを染谷将太、イエスを松山ケンイチが演じました。監督・脚本を福田雄一、制作統括を山田孝之が手がけています。テレビドラマ版は、ほぼブッダとイエス2人のみで話が進行していきます。
ちょっとのんびりしているブッダとイエスに、ほっこり気分を感じる本作。下界の人間たちが送る日常に興奮する聖人たちの姿を、ほほえましく感じ癒されるかもしれません。
こちらの作品が気になる方は、登場人物の魅力について紹介するこちらの記事もおすすめです。
<漫画『聖☆おにいさん』25人のキャラと魅力をガチ語り。14巻ネタバレ注意>
松山ケンイチが出演した作品を見たい方は、こちらの記事もおすすめです。
松山ケンイチは実写化がハマる!出演映画、テレビドラマの魅力と原作作品を紹介
- 著者
- 中村 光
- 出版日
- 2008-01-23
【映画】
脚本
『逆境ナイン』(2005年) 原作『逆境ナイン』
『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』(2008年) 原作『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』
『非女子図鑑「死ねない女」』(2009年)
『かずら』(2010年)
『高校デビュー』(2011年) 原作『高校デビュー』
『任侠野郎』(2016年)
『だCOLOR?〜THE脱獄サバイバル』(2016年)
脚本・監督
『大洗にも星はふるなり』(2009年)
『劇場版 ミューズの鏡〜マイプリティドール〜』(2012年)
『コドモ警察』(2013年)
『HK 変態仮面』(2013年) 原作『究極!!変態仮面』
『HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス』(2016年)
『俺はまだ本気出してないだけ』(2013年) 原作『俺はまだ本気出してないだけ』
『薔薇色のブー子』(2014年)
『女子ーズ』(2014年)
『明烏』(2015年)
『銀魂』(2017年) 原作『銀魂』
『銀魂2 掟は破るためにこそある』(2018年)
『斉木楠雄のΨ難』(2017年) 原作『斉木楠雄のΨ難』
『50回目のファーストキス』(2018年)
『ヲタクに恋は難しい』(2020年) 原作『ヲタクに恋は難しい』
『新解釈・三國志』(2020年) 原作『三國志』
監修
『シャザム!』(2019年) 原作『シャザム』
『バーン・ノーティス 元スパイの逆襲』(2009年)
【テレビドラマ】
脚本
『ギンザの恋』(2002年)
『独身3!!』(2003年) 原作『リーマン戦記・独身3』
『ラスト・プレゼント』(2005年)
『ココリコミラクルタイプドラマスペシャル』(2006年)
『ですよねぇ。』(2006年)
『和田アキ子殺人事件』(2007年)
『1ポンドの福音』(2008年) 原作『1ポンドの福音』
『帰ってくるのか!? 33分探偵』(2009年)
『猿ロック』(2009年) 原作『猿ロック』
『東京DOGS』(2009年)
『バーン・ノーティス 元スパイの逆襲』(2009年)
『同期』(2011年)
『私立探偵★真壁リュウ』(2012年)
『TOKUNOSHIMAエアポート』(2012年)
『コドモ警視』(2013年)
『都市伝説の女(第2期)』(2013年)
『私の嫌いな探偵』(2014年) 原作『烏賊川市シリーズ』
『星新一ミステリーSP「程度の問題」』(2014年) 原作『程度の問題』
『恋の合宿免許っ!』(2014年)
『時効警察はじめました 第二話』(2019年)
脚本・演出
『いぬ会社』(2007年)
『33分探偵』(2008年)
『帰ってこさせられた33分探偵』(2009年)
『プロゴルファー花』(2010年)
『勇者ヨシヒコと魔王の城』(2011年)
『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』(2012年)
『勇者ヨシヒコと導かれし七人』(2016年)
『ミューズの鏡』(2012年)
『コドモ警察』(2012年)
『メグたんって魔法つかえるの?』(2012年)
『天魔さんがゆく』(2013年)
『裁判長っ!おなか空きました!』(2013年)
『新解釈・日本史』(2014年)
『「the TEAM NACS perfect show」〜なんでこんな時に〜』(2014年)
『アオイホノオ』(2014年) 原作『アオイホノオ』
『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(2014年) 原作『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』
『ニーチェ先生』(2016年) 原作『ニーチェ先生〜コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた〜』
『スーパーサラリーマン左江内氏』(2009年) 原作『中年スーパーマン左江内氏』
『今日から俺は!!』(2018年) 原作『今日から俺は!!』
『聖☆おにいさん』(2019年) 原作『聖☆おにいさん』
【ネットドラマ】
『宇宙の仕事』(2016年)
『銀魂-ミツバ篇-』(2017年)
『銀魂2 -世にも奇妙な銀魂ちゃん-』(2018年)
『聖☆おにいさん』(2018年)
『聖☆おにいさん 第Ⅱ紀』(2019年)
原作つきの作品たちを、多く実写化してきた福田雄一。原作ファンの気持ちを第1に考え、そこに福田雄一流のアレンジを加えて作品を実写化してきました。そんな作品にかける思いが、見る人を強く惹きつける原動力になっています。キャラが生き生きと動きまわり思いがけないエッセンスが生まれている、福田雄一が制作に携わった作品たち。実際に原作を読むことで、原作の世界がどのように生かされているのかより具体的に見えてくるのではないでしょうか。