俳優ムロツヨシは面白い!出演した作品一覧と実写化映画、ドラマの魅力を紹介

更新:2021.11.9

柔軟に役に対応し、コントもシリアスもなんでもござれのムロツヨシ。面白いだけではなく、ひょうひょうとしたところがありながらも真摯に日々を生きる一般人を表現するのも上手な俳優です。2018年には戸田絵梨香と共演したドラマ『大恋愛』で、一途な作家役を演じ話題になりました。 この記事では、ムロツヨシが演じた役柄と作品について紹介します。

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ムロツヨシは俳優としてもすごいけど、人として面白い

まずは彼を語る上で欠かせないプロフィールからお伝えします。

ムロツヨシは1976年1月23日生まれ。神奈川県出身の2020年5月現在44歳です。

ムロツヨシは芸名で、本名を決して明かさないことでも有名な彼。その理由は、4歳の時に離婚した両親のため。別れた母が、息子が芸能人になったと知ったら「目ざわりだろう」と思ったそうです。

最終学歴は神奈川県立鶴見高等学校。一浪して東京理科大学に入学しますが、周囲の熱意と自分との間には違いがありすぎると退学してしまいます。そして俳優養成所に入団。

アルバイトで生計を立てつつ、さまざまな舞台に出演するものの、鳴かず飛ばずの日々。1999年から単独舞台を企画・運営しますが、下積み時代は続きました。

2005年に出演した映画『サマータイムマシン・ブルース』が転機となり、映画出演の機会を与えられるようになります。同年放送の『踊る大捜査線』シリーズからドラマ出演も続き、CMや舞台と活躍の場を広げていきました。

2013年からはNHKのコント番組『LIFE!』のレギュラーに。アドリブへの対応力も求められるコントを数多くこなし、「コントもできる俳優ムロツヨシ」のイメージが広く定着していきました。

2015年からはツイッターを開始し、2020年5月現在フォロワーは174万人を超えています。2017年にはインスタグラムを開始。開設後5時間でフォロワー数は5万人を超え、大きな話題になりました。2020年に入ってから、彼は頻繁にインスタライブを開催し、フォロワーと触れあう機会を設けています。

シリアスな作品にも多数出演し、かっこいい人物もユニークな人物もこなすムロツヨシ。「福田組」と呼ばれる、アドリブ満載の福田雄一監督作品にも欠かせない存在となりました。芝居と人間性のおもしろさで注目を集めています。

ムロツヨシの魅力は、知られざる下積みの努力から

ムロツヨシと言えば、どこかつかみどころのない雰囲気と、多くの共演者に愛される人柄が魅力です。気さくで飾らない人柄であることはインスタグラムやツイッターからもうかがい知ることができます。彼はなぜ、福田組のコメディから、恋愛ドラマでの美女の相手役までも違和感なくこなせるのでしょうか。

彼が現在のようになったのは、成育歴にも理由があるようです。

先述したように、4歳で両親が離婚。親権を獲得した父親も、すぐに別の女性と親密になったため、5歳年上の姉とともに親戚の家で育ったというムロ。本名を明かさないのも、家族の迷惑にならないようにするためと言います。なかなか複雑な家庭環境で育ったようです。

偏差値の高い大学に入り、いい会社に就職しようと考えて入学した大学時代。夢を持った人に遭遇したムロは、頭を殴られたようなショックを受けます。自分のこれまでの考え方を恥じ、「彼らのように夢を持つ側になりたい」と入学後3週間程度で退学しています。俳優養成所に入所したきっかけは、深津絵里を目当てに行った舞台。団田安則の芝居に感銘を受けてのことでした。

それが19歳の出来事で、以降ムロは「19歳の自分に恥をかかせてはいけない」と決めているそう。役が回ってこない時期には諦めずに自分から動き、仕事を獲得してきました。2008年から舞台「muro式」を定期的に公演しており、そこでは脚本・演出・出演を担っています。その経験から、幅広い役柄で自分を見せることに長けてきたのでしょう。

各種SNS、舞台やラジオ、テレビなど、様々な媒体で活動しているムロツヨシ。2017年には、初の書籍となる『ムロ本、』を刊行。月刊誌「プラスアクト」での連載に加筆し、自ら執筆した台本や俳優仲間との対談、エッセイなどが盛り込まれた読みごたえ満点の本になっています。「俳優・人間 ムロツヨシ」をもっと知りたい方は、ぜひ手にとってみてください。

著者
ムロツヨシ
出版日

ここからは、彼の俳優人生を作品ごとに振り返ります。原作がある作品を、彼の役どころとともに紹介していきます。

【映画原作】『特命係長只野仁』(2008年)

電王堂総務二課の係長・只野仁を主人公にしたヒューマンドラマです。普段は冴えないサラリーマンの只野ですが、実は電王堂会長の命令によって社内外の問題を解決する特命係長という裏の顔をもっています。昼の顔と夜の顔を使い分け、会長の命令によって様々な敵と闘う様子が痛快な作品です。
 

高橋克典を只野仁役としてテレビドラマ化され、シリーズとして人気を博しました。2008年には映画が『特命係長・只野仁 最後の劇場版』のタイトルで公開されています。ムロは、この作品では序盤に登場するサラリーマンを演じています。営業二部に所属する若いサラリーマン役で、気をつけていないと見逃してしまう自然な演技を見せています。

著者
柳沢 きみお
出版日
2000-12-15

【映画原作】『曲がれ!スプーン』(2009年)

上田誠による戯曲作品です。最初に舞台で公演され、テレビドラマ化、その4年後に映画化されています。
 

超常現象バラエティのAD・桜井米を主人公にくり広げられるコメディです。米は、視聴者からの情報を頼りに超常現象やエスパーを探す旅企画を任され、張り切って出かけるもののガセネタばかり。落ち込む彼女にもたらされたのは、エスパーが集うクリスマスパーティーの情報。張り切って取材に出向く米ですが、そのパーティーに参加しているエスパーにとってマスコミは敵。しかもメンバーに偽エスパーがいることがわかり……?大慌てで天敵のマスコミを帰らせようとするエスパー達と、米の攻防を描きます。

ムロは『サマータイムマシーンブルース』からの縁で、同作と同じ役でちらっと出演しています。同作のキャラクターが随所に出てくるので、『サマータイムマシーンブルース』を見た方や上田誠作品のファンにはたまらない作品です。

書籍としては、読みなれない人にはハードルが高いと思われがちな戯曲ですが、ぐいぐい引き込まれていきます。ぜひ手にとってみてください。

著者
上田 誠
出版日
ムロツヨシの出演映像を観る

【映画原作】『昆虫探偵 ヨシダヨシミ』(2010年)

昆虫や動物と会話ができる昆虫探偵・ヨシダヨシミの活躍を描いた漫画が原作。

5年前に爆発事故が起きて以降、荒廃してしまった新宿市に事務所を構えるヨシダ。彼の元に「人の顔のように見える虫を探してほしい」という依頼を持ってきた女性・小山田マリ。しかし、実際に見つけると彼女は逆ギレして立ち去ってしまいます。後日ある出来事で逮捕されてしまったヨシダと彼女は再会します。彼女は刑事だったのです。

彼女から聞かされたのは、ヨシダが5年前の事件で失踪した伝説の刑事・田中で、彼女と田中は恋人だったということ。驚くヨシダは、釈放された後に虫食い男や未来予知ができるタマムシなどに次々出会い、思わぬ事態へと巻き込まれてゆきます。果たしてヨシダは本当に田中なのか、マリとの恋の行方は……?

ムロはこの映画で、主人公ヨシダヨシミの捜査に協力する警備員を演じています。ヨシダを演じる哀川翔を喰ってしまわんばかりのコミカルな演技が光っています。原作は独特なタッチとストーリーで、笑いを誘う作品。疲れた時にもちょうどいい脱力した雰囲気の作品です。

 

著者
青空 大地
出版日

【映画原作】『恋愛戯曲』(2010年)

恋をしないと書けない脚本家と、冴えないテレビプロデューサーの恋を描いた、鴻上尚史による戯曲作品。

テレビ局の威信をかけたスペシャルドラマの担当になったプロデューサー・向井正也が送りこまれたのは、もはや落ち目の脚本家・谷山真由美の部屋でした。脚本があがってこないとドラマは制作できません。「書いてくれるなら何でもする」と言う正也に、真由美が出した条件は「自分と恋におちること」でした。果たして脚本は無事に完成するのか、2人の恋の行方はいかに。

芸能業界に長く身を置いてきた鴻上だからこそ書ける作品で、芸能業界の舞台裏がこれでもかというほど出てきます。なぜスランプ中の真由美の元に正也が送りこまれたのかが判明するラストは圧巻。映画は、『恋愛戯曲~私と恋におちてください』というタイトルで制作され、ムロはテレビ局の田淵プロデューサーを演じています。

著者
鴻上 尚史
出版日

【映画原作】『パーマネント野ばら』(2010年)

とある田舎の漁師町で細々と経営している「パーマネント野ばら」を舞台に、女達がさまざまな生きざまを見せる漫画作品です。

作者の西原理恵子らしいワケアリのキャラクターだらけですが、彼女達が語る人生はどれも時に目を背けたくなるほど苦しく、しかしとても愛おしいものばかり。アルコール依存症者の家族として生き延びてきた西原らしい切り口と視点で、女たちの生きづらさとたくましさを描きます。

ムロは、この映画化作品でこれまでに観たこともないような「ザ・イヤな奴」という役どころで登場します。きっと意外すぎる芝居に驚くはずです。

著者
西原 理恵子
出版日
2009-03-02

【映画原作】『大奥』(2010年)

男子のみが罹る疫病で急速に男性が減ってしまった江戸が舞台となった、よしながふみによる漫画作品です。

当時の儒教思想などの概念はそのままに、すべての役職・歴史的事実が男女逆に置き換えられて進行します。男女逆ではありますが、読めば歴史の勉強にもなってしまう秀逸な作品です。

映画は第1巻の「水野・吉宗編」を実写化したもので、ムロは主人公・水野をとにかくいじめる副島という役どころ。大奥に入った初日の水野に、難癖をつけるシーンのイヤミくささがたぐいまれです。

原作は、数々の賞を受賞して話題になっている作品。ジェンダーの観点からも、大変興味深く読むことができます。読んでおいて損はない作品です。

原作の詳細が気になった方はこちらもぜひご覧ください。

<よしながふみ作の漫画『大奥』を最新16巻まで徹底考察!時代別の魅力とは?>

著者
よしなが ふみ
出版日
2005-09-29
ムロツヨシの出演映像を観る

【映画原作】『闇金ウシジマくん』(2012年)

10日5割の利息を取る超暴利闇金融『カウカウファイナンス』の経営者である丑嶋馨と、カウカウファイナンスの利用客とその関係者の人間模様を描いた作品。真鍋昌平による漫画が原作です。
 

映画は原作に忠実に制作され、特に主演の山田孝之が漫画から出てきたかのようにそっくりなことが話題になりました。ムロはこの作品で、イベントサークルの代表・純の先輩で広告代理店に勤務する上原という男性を演じています。無茶苦茶なことをする純を心配する役どころを好演しています。

原作は、絵がきれいであることがストーリーの残酷さを際立たせ、お金と生き方について考えさせられる作品です。読みやすいので、女性ファンも多い作品。

原作の詳細が気になった方はこちらもぜひご覧ください。

<「これは反則」『闇金ウシジマくん』のイメージが変わる4つのエピソード>

著者
真鍋 昌平
出版日
2004-07-30

【映画原作】『横道世之介』(2013年)

吉田修一による小説です。

バブル期の日本を舞台に、長崎から状況してきた横道世之介が出会う様々な人と織りなす青春小説。流されやすくお人よし、人に愛されるキャラクターの横道世之介という人物について、彼を愛する人達が語るお話。とても読みやすい文体で書かれているので、特別な出来事がなくても楽しく読み進められる吉田修一らしい作品です。

映画では、ムロはラジオディレクターの前原という男性を演じています。ノリの軽い男性を、コミカルに演じています。

著者
吉田 修一
出版日
2012-11-09

【映画原作】『芸人交換日記〜イエローハーツの物語〜』(2013年)

お笑いコンビの「イエローハーツ」は、結成11年目になるも日の目を見ることもなく、その気配すらないまま30歳を目前に控えていました。ツッコミの甲本の提案で、お互いに向き合おうと交換日記を始める2人。日記を通して本音をぶつけ合うようになった2人に、お笑いコンテスト出場の機会が与えられます。
 

放送作家の鈴木おさむ作品らしい読みやすい文体で、分かりやすい喩でそれぞれの心情を表現しています。映画は『ボクたちの交換日記』のタイトル。コンビ名を「イエローハーツ」から「房総スイマーズ」に変更するなどの違いがありつつ、雰囲気は小説原作に忠実に制作されてました。

ムロは「BB(ビューティフルボーイズ)」というコンビのツッコミ担当・福田を好演。本当にお笑い芸人にしか見えない演技を見せています。その姿には「やろうと思う」ことと「実際にやる」ことの大きな差について考えさせられます。

著者
鈴木おさむ
出版日
2013-02-05

【映画原作】『究極‼変態仮面』(2013年)

拳法部のエースで正義感にあふれる高校生・色丞狂介には、人には言えない秘密が。それは、女性のパンティを頭に被ると、「変態仮面」という超人に変身すること。彼が恋している同級生・姫野愛子のパンティを偶然入手した狂介は、様々な必殺技を駆使して街にはびこる悪人を退治してゆく、というストーリーです。
 

SM嬢の母親と刑事の父親という両親を持つ狂介。変態仮面として生きることへの葛藤を抱えながらも、変身中には微塵も迷いを見せずに変態的必殺技を繰り出すシーンはつい笑ってしまいます。

映画は『HK 変態仮面』のタイトルで制作され、原作漫画ではチョイ役だった大金玉男をムロが演じました。映画は原作のようにコメディタッチで制作されており、主人公の狂介を演じた鈴木亮平の肉体改造も話題になっています。

著者
あんど 慶周
出版日

【映画原作】『俺はまだ本気出してないだけ』(2013年)

漫画家を目指して40歳にして会社を辞めた大野シズオと、彼を取り巻く人々を描いた青野春秋による漫画作品です。
 

映画ではシズオが42歳という設定に変わっており、いくつかの設定変更が見られますが、おおむね原作に忠実につくられています。堤真一のこれまでになかったコミカルな演技が話題となった今作。ムロは不動産屋を演じ、福田雄一監督作品常連として存在感を見せました。

原作は、画風も相まって淡々と読めてしまう作品。しかし、描かれている内容はなかなかのヘヴィで、画風のもつ淡泊な雰囲気が悲壮感を打ち消し、読者を引き込んでいきます。

著者
青野 春秋
出版日
2007-10-30

【映画原作】『小野寺の弟・小野寺の姉』(2014年)

西田征史による小説です。片桐はいりと向井理のW主演はそのままに、舞台化された後に映画化されました。若くして両親を亡くした姉弟の慎ましやかな暮らしが、悲喜こもごも描かれます。

タイトルからして意味が深い作品で、家族の在り方や「誰かとともに生きること」、その幸福とそこに至るプロセスのむずかしさについて優しい切り口で表現されています。平易な日本語で、語り部が一節ごとに入れ替わるのも読みやすく、表現の一つひとつが作者らしさを出しています。

ムロは、この映画化作品で弟である小野寺進の親友・河田耕輔を演じています。売れない役者で、父親から役者の夢は諦めろと言われ続けているという役どころです。終盤、小説とはまた違ったエピソードが入っているのですが、そのシーンのムロの表情は必見です。役者・ムロツヨシに少し触れられたような感覚になるはずです。

原作小説も映画も、観終えた時にはほっこりしている、そんな作品。「暮らし」への向き合い方を考えさせてくれる力があります。

向井理のその他の実写化作品が知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

向井理のおすすめ実写化映画10選、テレビドラマ20選!異色の経歴を活かした役柄に注目

著者
西田 征史
出版日

【映画原作】『幕が上がる』(2015年)

北関東にある高校の弱小演劇部を舞台にした物語。あるカリスマ指導者に出会ったことで部員たちが成長してゆく姿を瑞々しく描いた、平田オリザによる小説です。主演をももいろクローバーZで映画化されました。
 

ムロは、演劇部の顧問である溝口先生を好演。弱小部である時から、全国大会を目指してめきめきと成長してゆく部員達をあたたかく見守る役どころです。

原作の雰囲気を忠実に制作されてはいますが、いくつかの設定やラストが異なったりと、その差を観てみるのもたのしい作品。原作の文章が大変読みやすく、風景が思い浮かぶ描写は必見です。

著者
平田 オリザ
出版日
2014-12-12

【映画原作】『ヒメアノ〜ル』(2016年)

何も起こらないことに焦りを感じる清掃員・岡田進と、同僚の安藤勇次の恋愛話を主軸に、異常者・森田正一のサイコキラーな日々を描いた作品です。自分の変わらなすぎる生活に危機感を抱き、職場の先輩である安藤に相談をする岡田。安藤は恋をしていると言い、岡田に協力を求めます。安藤の恋の相手はカフェ店員のユカ。安藤に協力するつもりが、岡田はユカに告白されて……。

ムロは安藤を演じ、最初はモジャモジャヘアだったのを途中から坊主頭になるなど、大きな容貌の変化を見せました。「職場のキモイ先輩」である安藤を、鬼気迫る演技で体現しました。

映画版では、ユカのストーカー・森田が主人公として描かれ、その狂気に迫るストーリーになっています。しかし原作漫画では、岡田を主人公に物語が進み、彼の人生と森田の狂気じみた殺人鬼としての側面とが交錯してゆく展開。漫画ならではの心情吐露が満載で、岡田の焦りが手に取るように感じられます。絵がきれいなので、安藤のキモチワルさも森田の不気味さもありありと感じられます。

著者
古谷 実
出版日
2008-11-06

【映画原作】『金メダル男』(2016年)

ウッチャンナンチャンの内村光良による小説。元々は、2011年に行われた内村によるひとり芝居『東京オリンピック男』を小説化したということでも話題になった作品です。

1964年の東京オリンピックの時代に長野県に生まれた秋田泉一の、一等賞を追い求める人生の物語。友達は少なく、チームプレイが苦手な泉一が、懸命に一等賞を追い求める姿が胸を打ちます。

この映画化作品で、ムロはゲイで泉一に迫って振られる村田俊太郎を演じています。色気をめいっぱい出して泉一に迫るシーンは必見。そしてその後の転身ぶりにも注目です。

原作は、主人公泉一が自分の半生を語る、という形で進んでいきます。情報雑誌の取材に応えるという設定のため、読書の習慣がない方でもとても読みやすくなっています。作者・内村光良がコントをやっている様子を想像される方も多いのではないでしょうか。

 

著者
内村 光良
出版日

【映画原作】『疾風ロンド』(2016年)

東野圭吾による長編サスペンス小説です。

医科学研究所が国家に秘密裏に開発した生物兵器が盗まれるところから始まる物語。犯人死亡、隠された兵器を見つけるミッションを与えられた冴えない研究員の苦労と、彼に協力する人々との関わりを描いた作品です。東野圭吾らしいユーモアや人間のおかしみが随所に見られ、一気に読める作品となっています。

この映画化作品で、ムロは偽名「ワダハルオ」を名乗り、栗林を監視する折口栄治を演じています。コミカルな動きと若干不審な行動が、ムロらしさを表現しています。この撮影で練習したことがきっかけで、現在のムロの趣味はスキーなのだそう。

著者
東野 圭吾
出版日

【映画原作】『銀魂』(2017年)

空知英秋による大人気少年漫画です。幕末に活躍した坂田銀時を主人公に、彼が営む万屋とそこに関わる様々な人々との物語を描いた作品。天人(あまんと)と呼ばれる宇宙人が江戸末期に地球にやってきた、というエピソードがベースにあり、天人との闘いと銀時の仲間達との絆が描かれます。

映画『銀魂』は10巻~12巻のエピソードを映像化したシリーズで、ムロは平賀源外を演じています。原作の平賀源外は高齢である意味化学者らしい外見ですが、映画の源外も忠実に再現されています。ムロは「いざ現場に入ると意外とハゲの髪型とヒゲが似合うので、ゆくゆくはこの髪型にしたいと思っています」とコメントしています。

原作は絵が美しくも淡泊な印象なので、女性ファンも多い作品。概ねドタバタコメディが続きますが、人物の背景など深刻なエピソードもあるので、油断できないところも魅力です。

原作の詳細が気になる方は、こちらもぜひご覧ください。空知英秋という漫画家のことも含めて理解できます。

<空知英秋の意外な6つの事実!コメントのセンスが天才!代表作品は『銀魂』>

著者
空知 英秋
出版日
2005-12-02

【映画原作】『斉木楠雄のΨ難』(2017年)

麻生周一によるギャグ漫画作品です。生まれつき強力な超能力を持つ斉木楠雄の苦労と、彼を取り巻く人々の物語。

とにかく目立たずに普通の高校生として暮らそうとする楠雄ですが、周囲には不思議な人が集まってきてしまいます。映画では文化祭を大きな出来事の舞台に、楠雄に地球滅亡の危機が降りかかる、というエピソードが描かれています。

ムロは、マジシャンである蝶野雨緑を演じています。福田監督作品らしいドタバタコメディで、奇抜な設定や服装もサラッと噛み砕き、彼らしい演技を見せています。

原作漫画は基本的に1話完結で、楠雄がいかに平凡に暮らしたいと思っているのかを淡々と描きます。楠雄という人物の淡々とした語り口と出来事のギャップに笑ってしまう作品です。原作の詳細が気になった方は、ぜひこちらもご覧ください。

<漫画『斉木楠雄のΨ難』の浮世離れなキャラの魅力徹底紹介!【ネタバレ注意】>

著者
麻生 周一
出版日
2012-09-04

【映画原作】『鎌倉ものがたり』(2017年)

西岸良平による漫画作品です。西岸は『三丁目の夕日』の作者としても有名ですが、こちらもあたたかい雰囲気の作品です。

ミステリー小説家の傍ら、「人ならざるもの」が関わる事件の捜査に協力する一色正和と、彼の元に嫁いできた亜紀子の物語。賑やかな暮らしを続けていた2人ですが、不慮の出来事で亜紀子が黄泉の国に行ってしまいます。亜紀子を取り戻すため、黄泉の国に行くことを決意した正和ですが……?

映画はタイトルを『DESTINY 鎌倉ものがたり』とし、『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎監督が製作。ムロはヒロシという青年を演じています。不思議な「人ならざるもの」がたくさん出てくる原作を、圧倒的な美しい映像で魅せた作品になっています。
 

原作の詳細が気になった方はこちらもぜひご覧ください。

<漫画『鎌倉ものがたり』の魅力を34巻までネタバレ紹介!不思議で優しい物語>

著者
西岸 良平
出版日
1985-05-19

【映画原作】『空飛ぶタイヤ』(2018年)

池井戸潤と言えば巨大企業の闇と、そこに立ち向かう名もなき人々との闘いを描くのが上手な作家。今作も小さな運送会社が巻き込まれたリコール隠しがトピックとなっています。銀行の担当者が助太刀するのも池井戸作品の大きな特徴で、今作も銀行担当者や事故調査の担当者とともに諦めずに巨悪を訴えていきます。

この映画化作品で、ムロはトラックの製造元で事故調査を担当した「ホープ自動車」の車両製造部の課長・小牧を演じています。自分が製造に関わったトラックで事故が起きたという複雑な役どころを、持ち味であるコミカルさは封印して好演しています。

リアルな社会派エンタメとして、情報量が多い本作は目で文字を追うことができる原作がおすすめ。原作の詳細が気になった方は、ぜひこちらもご覧ください。

<小説『空飛ぶタイヤ』が一部関係者の反感を買っている理由とは⁉>

著者
池井戸 潤
出版日

【映画原作】『ヲタクに恋は難しい』(2019年)

ゲームオタクの男性と隠れ腐女子の不器用すぎる恋愛を、コミカルに描いた漫画作品です。

SNSのpixivというサービスから誕生した作品で、書籍化前から多くのオタク趣味を持つ女性から支持されていました。アニメ化、映画化と広く知られるようになり、男女問わずファンを広げています。

主人公の桃瀬成海は、交際していた同僚に腐女子であることがバレて破局し、転職。その転職先で再会したのが幼なじみで重度のゲームオタクの二藤宏嵩。成海はそんなつもりはなかったものの、自分とつき合うとどんなメリットがあるのかをプレゼンされ、交際することにする。しかし、人間関係に不器用な2人のこと、順調に交際が進むわけもなく……。

福田雄一監督作品となる映画作品には、「福田組」常連である賀来賢人や佐藤二郎とともにムロも出演。ムロは2人が通うバーのマスター役を演じ、味わい深い演技を見せています。

原作の詳細が気になった方は、ぜひこちらもご覧ください。原作の持ち味が余すところなく理解できます。

<漫画『ヲタクに恋は難しい』のキャラが最高!実写化前に原作漫画の魅力を予習>

著者
ふじた
出版日
2015-04-30

ここからは、テレビドラマの原作について紹介していきます。

【テレビドラマ原作】『2ndハウス』(2006年)

妻子に見放されて家に居場所を失った三澤耕一は、同僚と自由奔放に過ごせる場所を作ろうと部屋を借ります。しかし、その部屋は女優を目指して上京してきた中嶋亜希が狙っていた物件だったのです。ひょんなことから一緒にその部屋に暮らすことになった2人の物語です。
 

ムロは、耕一と一緒に部屋を借りる計画を立てる同僚・須藤を演じました。家での居場所がなく、はけ口を探しながら仕事はきちんとする、という普通のサラリーマンを好演しています。

原作漫画は、とても読みやすく人物紹介も分かりやすい作品です。何かと気忙しく、家庭と仕事の両立を男女ともに考えていかなくてはならない時代ならではの作品です。

著者
["樫田 正剛", "七瀬 あゆむ"]
出版日

【テレビドラマ原作】『Xenos』(2007年)

村生ミオによる青年漫画作品です。読みは「クセノス」。美しい絵と細やかな表現、エロティックな描写が特徴の作品です。

ルポライターの石崎直人に訪れた、驚愕の出来事。最愛の妻・早紀が突如失踪するのです。行方を探すうち、彼女が実は偽名だったことや、自分の記憶が一部欠けていることなどを知る石崎。彼は記憶を取り戻し、また妻を取り戻すことができるのでしょうか。

このドラマでムロは、秘密クラブ「Xenos」の支配人・徳久一樹を演じています。主人公・石崎の小学校時代の同級生で、当時は周囲にバカにされていたという人物。毎話登場し、物語のキーパーソンになっています。髪型なども原作に近づけ、怪しい雰囲気の役どころを見事に演じ切りました。

 

 

著者
村生 ミオ
出版日

【テレビドラマ原作】『探偵学園Q』(2007年)

中学生の天才的ひらめきを持つキュウが主人公。幼い頃に遭った誘拐事件から救出してくれた探偵に憧れ、「世界一の探偵」を志している少年です。夢を叶えるために難関校である探偵養成学校DDSに入学するところから始まるストーリー。
 

基本的には1話完結で、登場人物の成長と事件の解決をからめており、話の終盤には登場人物には大きな変化が訪れているように作られています。

ムロは、このドラマの第8話に出演。浅野拓郎という人物の友人役を演じました。メイドカフェのメイドの熱狂的なファンで、そのとてつもない熱量を見事に表現しています。

著者
さとう ふみや
出版日
2001-09-17

【テレビドラマ原作】「ガリレオ」シリーズ(2007年)

東野圭吾によるミステリー小説の人気シリーズです。

天才化学者・湯川学が、刑事・内海薫の依頼で捜査に協力する物語。様々な事件に潜むトリックや、絡み合う人間模様を湯川がほどいてゆくさまが小気味よい作品です。文体も東野圭吾らしくコミカルで読みやすく、引き込まれてしまう作品。

連続テレビドラマは2シーズン、映画化もされて大ヒットを記録しています。

ムロはこのテレビドラマの第1シーズンで、クリーニング屋の店員として登場しています。事件の事情聴取をされるという短いシーンで、うっかり見逃さないように注意が必要です。

著者
東野 圭吾
出版日
2002-02-10

【テレビドラマ原作】『ザ・クイズショウ』(2008年)

及川拓郎による小説で、原案はテレビプロデューサーの森谷雄。架空のテレビ番組『ザ・クイズショウ』に訪れるゲストの闇をあばいていくサイコサスペンスです。

毎回違うゲスト回答者がやってきて、クイズに参加しながら自らの闇を露呈されてしまうという物語。その鮮やかな手法には背筋が寒くなるシーンも。

ドラマは原作に概ね忠実に制作されています。ムロはテレビドラマシーズン1の4話で、占星術師・スマイリー北島が師匠とあおぐ柳家源五郎の息子役で出演しました。亡き父を利用して成り上がってきた北島への怒りを燃やしながら登場する役どころ。憮然とした表情を終始保つ姿は、彼の芝居のなかでも珍しいといえるでしょう。思わせぶりに何かを口にしようとしますが、結局は言葉を飲み込んで立ち去ります。その様子は役の持つ怒りを的確に表現しています。

著者
及川 拓郎
出版日

【テレビドラマ原作】『流星の絆』(2008年)

東野圭吾による推理小説です。

幼少時に両親を惨殺された三兄弟が、詐欺を働きながら犯人を追いつめてゆく復讐の物語。洋食屋「アリアケ」に生まれた三兄弟は、詐欺のターゲットを大手洋食チェーン店の社長に定めますが、彼が両親が殺された日に店から出てきた男に酷似していることに気付きます。そのハヤシライスの味は、まぎれもなく「アリアケ」のもの。彼が犯人だと確信する兄弟ですが、あろうことか末妹・静奈が跡取り息子に恋をしてしまうというハプニングが。兄弟は無事に両親の仇を討つことができるのでしょうか。

仇に妹が恋をしてしまうという重苦しいエピソードを含みながらも、東野圭吾らしいユーモアも交えながら、鮮やかな手法で読者をラストへと導きます。兄弟の苦悩、兄が妹を思う気持ちなども鮮やかに表現されており、幸せとは何なのだろうと読者に問いかけてくる作品です。

ムロはこのテレビドラマの第3話に登場します。役どころは二男・泰輔の小学校時代の担任教師です。優しい眼差しで子どもを見つめる演技が印象的です。

著者
東野 圭吾
出版日

【テレビドラマ原作】『男装の麗人』(2008年)

満州国建国を陰で協力し、戦後処刑された清朝王女・川島芳子の生涯を描いた小説です。歴史に翻弄されながら、兄とともに国を思い、平和を願いながら生きた彼女の悲しい生涯を重厚な中にも瑞々しい表現で描きました。

テレビドラマは、単発のスペシャルドラマで『男装の麗人~川島芳子の生涯』というタイトルで制作されました。原作におおむね忠実に制作されていますが、芳子と兄が紫禁城で遊ぶ、というシーンは完全なフィクションです。当時、芳子と家族は旅順に亡命しているため、歴史上ありえないのです。しかし、この無邪気なシーンは視聴者の胸を打つシーンとなりました。

ムロは主要な役ではありませんが、少しだけ出演しています。

著者
村松 友視
出版日

【テレビドラマ原作】「火災調査官」シリーズ(2009年)

鍋島雅治原作、田中つかさ作画の漫画作品です。家事で妻を亡くした主人公・紅蓮次郎が「火を弄ぶ人間は許さない」という信念のもと、放火や殺人の捜査を行っていく物語です。

テレビドラマは『火災調査官・紅蓮次郎』というタイトルでシリーズ化され、全15回放送されました。テレビドラマ制作にあたって、主人公の名前と職業以外は概ね別の設定になっており、根本にある雰囲気は残しつつも、誰でも観やすい内容になっています。ムロはこのシリーズの9作目に出演。紅蓮次郎の亡き妻・順子の親友の弟という役どころです。

原作は、重厚な大人の漫画という雰囲気の作品です。1話完結形式のため誰でもとっつきやすいですが、40代後半からの男性に特にオススメです。

著者
["鍋島 雅治", "田中 つかさ"]
出版日

【テレビドラマ原作】『小公女』(2009年)

フランシス・ホジソン・バーネットによる児童文学作品です。

19世紀のイギリスが舞台。インドで育った資産家の娘・セイラが父の故郷であるロンドンにあるミンチン女学院に入学するところから始まる物語です。特別寄宿生として暮らすセイラは、その境遇を鼻にかけずに誰にでも平等に接する性格。そのため誰からも愛されるようになりますが、それを快く思わない人間も多く、嫌がらせを受けます。父が事故で急逝して資産が凍結されてからは待遇も一転。使用人になるのですが、持ち前の明るさと想像力で耐えます。セイラの苦労が報われる日はくるのでしょうか。

ドラマは『小公女セイラ ~リトルプリンセス~』というタイトルで、現代の日本に舞台を移し、セレブの集まる全寮制女学校を舞台に制作されました。原作とはもちろん名前も変え、オリジナルキャラクターも多く登場。ムロはこのドラマの9話に出演しています。警備会社の人間を装いながら、実は学院の実態の調査をする立石という役どころ。ひょうひょうと嘘をつきつつ、セイラの状況に心を痛める立石を演じました。

原作は、セイラの想像力がすばらしく、力をもらえる作品です。原作の詳細が気になった方は、ぜひこちらもご覧ください。

<小説『小公女』の意味やあらすじ、登場人物を解説!おすすめ絵本も紹介>

著者
["フランシス・ホジソン・バーネット", "小西 英子", "脇 明子"]
出版日

【テレビドラマ原作】『福助』(2010年)

亡くなった祖母の遺品整理をしていたら、小さな木箱を見つけた主人公の千晶。恋人の子どもを身ごもったものの、産むことも関係を続けることも拒絶され、おまけに暴力をふるわれて顔に傷を作ってしまいました。そんな彼女が「福助」と書かれたそれを開けると、中から胎児が出てきて、千晶の頬に触れて傷を治します。そして千晶を「節」と呼んだ福助。祖母と親しかった様子の彼は、どんどん成長して美しい男性へと変貌していきますが……?

ドラマは単発のスペシャルドラマとして制作され、原作とは主人公の名前や境遇にかなり違いがあります。主人公は五十嵐るみ子と龍彦という姉弟に変更し、福助の箱は彼女達の祖父母宅の蔵から龍彦が見つけるというところも大きく違います。両親が離婚訴訟に踏み切った姉弟を助ける、という「悲しみや孤独感を持った人を救う」という流れは汲んで、新しい物語が展開します。ムロはこのドラマで、姉弟たちの母・由季子が働くコンビニのスーパーバイザー役で登場しています。

原作は伊藤静の初連載作品です。きれいな絵と、私達の身近に潜む闇とそこからの救済というテーマのストーリー展開がおもしろい作品。とても読みやすく、幸福について考えさせられる作品になっています。

著者
伊藤 静
出版日

【テレビドラマ原作】『フリーター、家を買う』(2010年)

有川浩による小説です。
 

大学卒業後、就職した会社に馴染めずに3か月で退社してしまった主人公・武誠治。彼はその後も就職できずにフリーターとして暮らしますが、ある日母親がうつ病になってしまいます。そのことをきっかけに、今まで知らずにいたことがいろいろと分かる誠治。家族のためにと一念発起した誠治は、仕事に母の看病にと奔走する、という物語です。

テレビドラマは原作に概ね忠実に制作され、ムロは第6話から訪問販売員役で出演しています。言葉巧みに表札や印鑑を売りつける役どころです。

原作は、有川浩らしい読みやすい文体で、「家族」と「働く」ということについて考えさせられる作品になっています。

著者
有川 浩
出版日
2012-08-02

【テレビドラマ原作】『謎解きはディナーのあとで』(2011年)

宝生グループ令嬢で国立署刑事であるヒロイン・麗子が関わる事件を、宝生家執事である影山が解決してゆく物語です。毎回、麗子に暴言を静かに吐いた後に「謎解きはディナーの後に致しましょう」と言う影山。麗子を見守り続けるものの、基本的には自由な影山と、時々ドジをやらかしながらも仕事に邁進する麗子との関係性が痛快な作品です。
 

テレビドラマは原作におおむね忠実に制作され、ムロは第2話に若林圭一という役で出演。殺人事件の被害者の長男で内科医という役どころです。近年では白衣姿のムロも見慣れてきましたが、まだまだこなれていない頃の彼が観られます。

原作は、東川篤哉らしいユーモアを交えたミステリー。読みやすく、すぐに惹きこまれてしまう作品です。

著者
東川 篤哉
出版日
2012-10-05

【テレビドラマ原作】『逸脱 捜査一課・澤村慶司』(2013年)

堂場瞬一による警察小説です。
 

不眠症治療で現場を離れていた刑事・澤村慶司の活躍を描く作品で、これまでに3作品出版されています。『逸脱』は、猟奇殺人の3件目が起きて、内勤になっていた澤村が捜査に駆り出されるところから始まります。遺体の首に「舌」と刻印されているナイフが刺さっていることから、未解決事件を思い出す澤村。捜査チームのメンバーと衝突しながら、真実へと向かっていきます。

テレビドラマは反町隆史を主演に、スペシャルドラマとして制作。ムロはこのシリーズで捜査一課情報分析官の橋詰真之を演じています。

著者
堂場 瞬一
出版日

【テレビドラマ原作】『執着 捜査一課・澤村慶司』(2014年)

「逸脱」に引き続き、堂場瞬一による警察小説です。
 

今作は、シリーズ3作目で、澤村が神奈川県警から港湾署に異動になるところから始まります。本牧埠頭で焼死体が発見され、その捜査に神奈川県警からも澤村と旧知のメンバーがそろいます。焼死体の捜査の影には、港湾署における刑事の在り方が問われるような出来事が頻発していることに気づく澤村。彼はこの場所でどう仕事をしていくのかが描かれた物語。

テレビドラマは前作と同じ主要メンバーで固められ、ムロは再び情報分析官として出演します。冷静にプロファイリングをおこなう芝居が見応え充分な作品です。

著者
堂場 瞬一
出版日

【テレビドラマ原作】『猫弁と透明人間』(2013年)

大山淳子による推理小説です。シリーズもので、今作は2作目にあたります。
 

ペット訴訟を主に引き受けている弁護士・百瀬太郎。40歳になるまで女性と縁がなかったものの、ある日、登録している結婚相談所の職員から逆プロポーズを受けます。その矢先、不思議なメールが届きます。それは、「山田サトシという気象予報士が飼っているタイハクオウムが心配だ」という内容。どういうことか調査を始める百瀬ですが……。

テレビドラマは原作に忠実に制作され、ムロは気象予報士・山田サトシを演じました。コンビを組んでテレビ出演していたタイハクオウムの杉山が、役に立たなくなったとオウムをぞんざいに扱ってしまう役どころ。トレードマークになっているふわふわヘアをストレートのマッシュルームカットにして臨んでいるムロは必見です。

原作はとても読みやすい文体で、情景が思い浮かぶ表現力が高い大山淳子の魅力があふれた作品です。

著者
大山 淳子
出版日

【テレビドラマ原作】『空飛ぶ広報室』(2013年)

有川浩による小説が原作。航空自衛隊の広報室を舞台にくり広げられるヒューマンドラマで、新垣結衣と綾野剛が主演でドラマ化されました。

不慮の事故でパイロットから外された空井大祐空尉2等が配属された広報室。航空自衛隊に関する様々な広報活動をする部署で、事故の傷つきから完全に回復していない彼は、それでも懸命に仕事に励みます。そこへ、報道から外されてしまった稲葉リカが航空自衛隊つきの記者として配属されます。

しかし、航空自衛隊そのものによいイメージがないリカは、ことあるごとに空井に反発。2人はついに大きな衝突をしてしまいます。しかし、そのことが逆にリカと空井、および広報室の面々との距離を近づけることに……。お互いの仕事を通し、心を通わせてゆく人々の物語です。

ムロはこのドラマで、空井の教育係である比嘉1等空曹を演じました。比嘉は穏やかな人柄で、広報室の仕事の重要性を感じており、転勤せずにいられるように昇進試験を受けずにいる役どころ。空井を教育しながら影に日向にサポートし、あたたかい眼差しで空井とリカの恋を見守ります。

この時の演技はこれまでの作品とは違った雰囲気で、福田作品から彼を知った人には驚きを与えました。ムロの自然な笑顔と優しい口調と、愛妻家という設定がすばらしく似合っています。

著者
有川 浩
出版日
2016-04-12

【テレビドラマ原作】「真夜中のパン屋さん」シリーズ(2013年)

営業時間が23時から朝5時までのパン屋「ブーランジェリークレバヤシ」を舞台にくり広げられるヒューマンドラマ。主人公の暮林の亡き妻の妹だという女子高生が「ここに置いてほしい」と店を訪ねてくるところから動きだす物語で、個性豊かな客との交流を描く作品です。
 

テレビドラマは原作に概ね忠実に制作され、ムロは3話から登場しています。演じているのはニューハーフのソフィアという役どころ。ニューハーフとして店にたち、パン屋の常連として暮林達に関わってゆくやさしいソフィアを演じるムロはどこか哀愁を感じる芝居を見せています。

やさしい文章で書かれた本作は、とても読みやすい作品です。それぞれのキャラクターを尊重しながら進む物語の読後はあたたかい気持ちが残ります。
 

著者
大沼 紀子
出版日

【テレビドラマ原作】『名もなき毒』(2013年)

宮部みゆきによる推理小説。杉村三郎を主人公に描かれる物語で、今作は2作目となります。

「あおぞら書房」編集員から大手企業の娘と結婚・広報室で活躍の後離婚、そして探偵へ、という紆余曲折をたどる杉村三郎。彼が遭遇する事件についての物語です。

今作は、杉村がまだ大手企業の広報室にいる時の物語。義父の個人運転手を務めていた男性が事故死したところから始まり、その死を不審に思った三郎が調査に乗り出します。そして、普通の人々が孕む様々な「毒」に出会ってゆくストーリーです。

テレビドラマは原作とはいくつか設定が異なり、ムロはドラマオリジナルのキャラクター。社内報「あおぞら」の編集員・手島を演じています。弱い者には強く、強い者には弱く接するタイプ。ムロらしい演技が光る作品です。

著者
みゆき, 宮部
出版日

【テレビドラマ原作】『ペテロの葬列』(2013年)

宮部みゆきによる推理小説で、杉村二郎シリーズの3作目にあたります。
 

杉村二郎がバスジャック事件に巻き込まれ、その調査を進めるなかで、昭和に起きた大事件にいきつく物語。日本という国家や、人間の抱える闇に触れ、杉村の人生における一大転機が起きるストーリーです。

テレビドラマは前作『名もなき毒』と同じ設定を引き継ぎ、内容は原作に忠実に制作されています。ムロは前作と同じく社内報「あおぞら」編集部員・手島です。杉村とともにバスジャック事件に巻き込まれる芝居に彼らしさが光りました。

著者
宮部 みゆき
出版日

【テレビドラマ原作】『アオイホノオ』(2014年)

島本和彦による学園青春漫画作品です。

芸大生の主人公・焔燃が、漫画家を目指して奮闘する物語です。島本自信の漫画家デビューまでのエピソードを基にしている自叙伝的作品になっています。自信過剰な焔が、同じ学校に通うあだち允をはじめとする若手漫画家の実力に触れ、現実を突きつけられます。それでも諦めずにプロを目指して奮闘する焔の努力と苦悩を勢いのある描写で表現しています。

テレビドラマは、原作に忠実に制作されており、再現率の高さが話題になりました。ムロは、裕福な家庭に生まれ、自分が描くというよりもプロデューサーを目指す山賀ヒロユキを演じました。人の隠れた才能を見抜くのがうまく、人を褒めて伸ばすタイプ。福田組らしく勢いのあるドラマの中にありながら、求められる冷静で計算高い山賀をしっかり演じています。

原作は、現在の漫画界・アニメ界を牽引する実在の人物がたくさん登場します。いささか誇張しているところはあるものの、漫画・アニメ界の歴史を学べる作品にもなっています。

著者
島本 和彦
出版日
2008-02-05

【テレビドラマ原作】『ウロボロス―警察ヲ裁クハ我ニアリ―』(2015年)

幼い時に大切な存在だった女性を殺された2人の男性が、証言を隠蔽した警察組織に復讐をもくろみ、また彼女の死の真相を求めてゆく物語です。少年時代に見た「金時計をつけた男」を探しだして警察組織に復讐を近い、警察官になる龍崎イクオと、事件の実行犯を見つけ出すためにヤクザになる段野竜哉の2人を主人公として物語は進んでいきます。

テレビドラマは『ウロボロス~この愛こそ、正義。』のタイトルで制作されました。ムロはこのドラマで、竜哉が若頭を務める松江組の組員を演じています。竜哉のために手足となって働く腹心の部下という役どころ。持ち味のコミカルさは一切封印し、若頭を支える組員を演じ切っています。

原作は、『不能犯』も知られる神埼裕也ですので、時折コミカルなシーンをはさみながら重厚なストーリが展開していきます。原作の詳細が気になった方は、こちらもぜひご覧ください。

<「ウロボロス」の見所を最終回までネタバレ考察!無料で読めるドラマ化漫画!>

著者
神崎裕也
出版日
2009-06-09

【テレビドラマ原作】『悪党たちは千里を走る』(2016年)

つまらない騙しを繰り返している詐欺師コンビの物語。真面目に生きていても無駄だと気づいた2人は、仕事先で知り合った女性と手を組んで、豪邸に飼われている犬を誘拐して大金を手にしようと計画します。しかし、これがとんでもない事態に発展していくストーリー。

テレビドラマは、主人公をドラマディレクターとアシスタントディレクターの2人に変更し、いくつかの設定が変わっていますが、内容は原作に忠実に制作されました。ムロはこの作品で主演を果たし、会社を辞めるハメになった上に借金を抱える元ドラマディレクター・高杉篤郎を演じています。不測の事態に振り回される高杉を表情豊かに演じ切りました。

原作は、詐欺師コンビが巻き込まれる事件の展開が非常にスピーディかつ緻密に計算された展開がとてもおもしろい推理小説です。

著者
貫井 徳郎
出版日
2011-06-09

【テレビドラマ原作】『ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~』(2016年)

松駒によるツイートをコミカライズした漫画作品。彼が就職浪人中にアルバイトをしているコンビニに、新人バイトの仁井が入ってくるところから始まる物語です。仁井の言動は接客業にはありえない「気に入らない客は排除」というものでした。彼の行動に興味をもった松駒は、彼をひそかに「ニーチェ先生」と名付けて観察することに……。
 

テレビドラマでは、『ニーチェ先生』というタイトルに。いくつかの設定の変更はありつつ、おおむね原作に忠実に制作されました。ムロは友情出演として小銭囲碁の客を演じています。福田雄一監督らしいコミカルな作品で、彼の持ち味が存分に生かされています。

原作は、絵がきれいで、元々のツイートの愉快さも手伝い、思わず笑ってしまう作品に仕上がっています。

著者
出版日
2014-01-27

【テレビドラマ原作】『重版出来!』(2016年)

松田奈緒子による漫画作品です。幼い頃から柔道一筋だった主人公・黒沢心が、大手出版社に就職し、漫画編集部員としてクセの強い作家達と関わりながら編集部員としても成長してゆく姿が描かれます。

テレビドラマは、原作に忠実に制作され、ムロは大御所漫画家・三蔵山のチーフアシスタントの沼田渡を演じました。沼田はとても穏やかな性格で、新人アシスタントとして入った中田の面倒も見つつ、その才能に気付いて嫉妬しつつも表に出さずに苦悩するという難しい役どころでした。沼田の苦悩や悲しみを見事に表現しています。

原作は、テンポがよい明るい雰囲気の作品です。明るいだけでなく、それぞれの苦悩や人との関わりの温かさも描いた作品となっています。

著者
松田 奈緒子
出版日
2013-03-29

【テレビドラマ原作】『三億円事件奇譚 モンタージュSINCE1968.12.10 』(2016年)

実際に起きた三億円事件をモチーフとして、三億円事件の犯人の息子であるとある老刑事から言われてしまった少年の運命が動き出していくストーリー。手に汗握る展開で、思いもしないラストへと向かいます。

テレビドラマはミステリー漫画の原作におおむね忠実に制作され、スペシャルドラマ『三億円事件奇憚 モンタージュ』として放送されました。ムロは、主人公2人が逃亡してゆく中で出会う博多の刑事・水原を演じました。正義感あふれる警察官という役どころを好演しています。

原作は、大きな謎を残した事件を優れた構成で描き出しています。三億円事件を知らない人でも読みやすく、事件の理解も進みます。

著者
渡辺 潤
出版日

【テレビドラマ原作】『キッドナップ・ツアー』(2016年)

角田光代による児童文学作品です。
 

別居中のだらしない父親と、ちょっとクールな小学5年生の娘が織りなすひと夏の「ユウカイ」事件を描いた作品。失踪中の父が娘を誘拐するという、ちょっと不思議なストーリーですが、この「旅行」に心躍らせる主人公・ハルがほほえましい作品です。

単発ドラマとして放送されたこのドラマ。ムロは、ハルが旅行中に出会う大人の中のひとり、佐々木を演じています。

一見カッコ悪い父親の描かれ方ですが、娘への愛情をひしひしと感じる作品です。子どもの目線でストーリーが展開していきますが、大人でも自戒の気持ちで読むことができます。

著者
角田 光代
出版日
2003-06-01

【テレビドラマ原作】『愛を乞うひと』(2017年)

下田晴美による長編小説で、作画を曽根冨美子が担当して漫画化された作品です。
 

10歳まで孤児院で育ち、実母に引き取られるがそこで虐待を受ける主人公・照恵。虐待を受けながらも母に愛してほしいと渇望し、成長してゆく彼女が、母を知るための旅に出ます。そこで出会う人や、知らなかった母の姿。ふとしたきっかけで、母の気持ちが理解できるような気持になった照恵は、自分の人生を取り戻してゆきます。

テレビドラマは、単発のスペシャルドラマとして原作におおむね忠実に制作され、篠原涼子が2役演じたことでも話題になりました。ムロは、主人公の父親違いの弟・和知武則を演じています。幼い頃に虐待される姉をただ傍観しているしかできなかった弟という難しい役どころを、見事に演じ切っています。

著者
["下田 治美", "曽根 富美子"]
出版日

【テレビドラマ原作】『中年スーパーマン左江内氏 』(2017年)

藤子不二雄によるSF漫画作品です。
 

ごく平凡なサラリーマン・佐江内はある日、「スーパーマン」を自称する老人に付きまとわれ、さらにす―パーマンを継いでくれと懇願されます。相手にしなかった佐江内ですが、娘の危機が迫っていると聞いてうっかり引き受けてしまいます。そこから始まる彼の日常的なトラブル解決の日々を描いています。

テレビドラマは『スーパーサラリーマン佐江内氏』のタイトルで、原作の基本設定は取り入れながら、福田雄一監督らしいコメディに仕上がっています。ムロは小池刑事を演じ、持ち味のコミカルさを存分に発揮しています。

著者
藤子 不二雄
出版日

【テレビドラマ原作】『孤独のグルメ』(2017年)

原作・久住昌之、作画・谷口ジローによる漫画作品です。個人で輸入雑貨商を営む井之頭五郎が、商談で行く先々で美味しいものを食べまくるストーリー。

テレビドラマ化は長いシリーズとなり、ムロはこのシーズン6の12話で「食堂とだか」のマスターを演じています。風変わりなお店で、注文を紙に書くシステムを取り入れています。慣れた様子で客の注文をさばいていくマスターを好演しています。実際にこんなお店があったら行ってみたいと思うことでしょう。

原作は、食べ物の描写がとにかく美しく、どれもとにかく美味しそうです。原作の詳細が気になった方は、こちらもぜひご覧ください。

<漫画『孤独のグルメ』の名言20選からお一人様の流儀を学ぶ!>

著者
["昌之, 久住", "ジロー, 谷口"]
出版日

【テレビドラマ原作】『ハロー張りネズミ』(2017年)

『人間交差点』でも定評のある弘兼憲史による漫画作品です。あかつか探偵事務所を舞台に、そこを訪れる依頼人が持ちこむ様々なトラブルと、解決に向けて活躍する探偵事務所の面々を描きます。

テレビドラマは2回制作されており、ムロは2017年版に出演しています。群馬県の県議会議員候補の伊佐川良二を演じ、そのクリーンなイメージの裏にはある秘密が隠されている、という役どころ。クリーンなイメージの政治家らしい表情と、それとは違う裏の顔を見事に演じ分けています。

人間の愚かな面を描きますが、その裏のやさしさもしっかり感じ取れるため絶望的ではありません。じっくり人間の深い部分を味わいたい方におすすめです。

著者
弘兼 憲史
出版日

【テレビドラマ原作】『きみが心に棲みついた』(2018年)

天堂きりんによる漫画作品です。下着メーカーに勤める今日子が、過去のトラウマティックな体験から回復し、恋をして成長してゆく物語です。

今日子の職場に、かつて彼女が恋をした男性・星名が入ってきて、過去と向き合うことから逃れられなくなる今日子。一方、はっきりものを言う漫画編集者の吉崎との出会いから、自己評価の低さから回復してゆく様子が瑞々しく描かれます。

テレビドラマは、原作におおむね忠実に制作され、ムロは吉崎が担当する漫画家・スズキ次郎を演じました。今日子と吉崎の恋を見守り、時にアドバイスをする穏やかで明るいスズキ。ムロの持ち味を存分に生かしながら、また新しい一面を見せています。

原作は、自信を持てない女性のコンプレックスをよく描いている作品です。原作の詳細が気になった方は、こちらもぜひご覧ください。

<漫画『きみが心に棲みついた』が無料!全巻の魅力をネタバレ紹介!>

著者
天堂 きりん
出版日
2012-01-13

【テレビドラマ原作】『細雪』(2018年)

旧家の4姉妹を中心に、彼女達の日常生活の悲喜こもごもを綴った作品ですが、テレビドラマは『平成細雪』というタイトルで制作されました。舞台を昭和初期からバブル崩壊後に、女性達がしたたかに生き延びてゆく様子を描きました。
 

ムロは最終話に出演。旧子爵家の生まれで、大手広告代理店に勤めているという御牧久麿を演じています。ジャケットにネクタイ、半ズボンという服装でお見合いに現れ、旧子爵家の出とは思えない食事マナーを見せた御牧。お見合いしたのは4姉妹次女の雪子で、2人のおしゃべりが盛り上がっている様子が映し出されていました。

原作は、谷崎潤一郎による小説です。 現代からは遠くなってしまった昭和初期を舞台にしています。当時の様子がありありと描かれた作品で、歴史や文化の勉強にもなる作品です。

著者
谷崎 潤一郎
出版日
1955-11-01

【テレビドラマ原作】『今日から俺は‼』(2018年)

ツッパリ全盛期の1980年代を舞台に、平凡な高校生だった三橋貴志は、転校を機会にイメージチェンジを図ります。彼がなりたかったのは、金髪の生粋のツッパリ。しかし、金髪にした翌日に学校に行って、三橋は驚きの再会を果たします。その再会した相手とは……?というところから始まるストーリー。現在もしばしば見受けられる「高校デビュー」から巻き起こる様々な出来事と、それに関わり友情を育む登場人物が魅力的な作品です。
 

テレビドラマは、原作にかなり忠実に制作され、福田雄一が監督を担当。福田組常連のキャストが固めた今作は大人気となりました。ムロは、お調子者の長髪の三橋の担任教師・椋木を演じ、職員室や教室にとどまらず、乱闘シーンにも登場しています。

原作は西森博之による漫画作品。少年漫画らしいタッチで三橋たちのツッパリ人生をユーモラスに描いています。原作の詳細が気になった方は、こちらもぜひご覧ください。

<原作『今日から俺は!!』が最高に面白い!登場人物の名言、名シーン徹底紹介>

著者
西森 博之
出版日

【テレビドラマ原作】『二つの祖国』(2019年)

山崎豊子による小説です。太平洋戦争期の日系二世の悲劇を描いた作品で、山崎らしい重厚な物語。

主人公は日系二世の兄弟・天羽賢治、忠、勇。アメリカで育ちながら、日本人とアメリカの間で揺れ動く苦悩と、家族が日本人というだけで収容所に送られた理不尽な歴史を描いています。

テレビドラマは2回制作され、ムロは2019年版に出演。物語の重要な位置にいるチャーリー田宮を演じました。チャーリーは、同じく日系二世の天羽賢治を親友と呼びながら、自分に危機が及ぶとあっさり賢治を敵に売ったり、行動のすべてがアメリカでの成功という野心に基づいた人物。結婚や離婚すらも自分の野心のために行い、愛情というものが欠如しているかのようなこれまでになかった役どころを見事に演じています。

原作は、綿密な取材に裏付けされ、昭和近代史の勉強にもなる作品です。原作の詳細が気になった方は、ぜひこちらもご覧ください。

<原作小説『二つの祖国』を5分でネタバレ解説!山崎豊子の名作がドラマ化!>

著者
山崎 豊子
出版日
2009-09-14

【テレビドラマ原作】『Iターン』(2019年)

広告代理店に勤務する主人公が、ヤクザだらけの「修羅の街」と呼ばれる支社に転勤したことから始まる物語。ふとしたきっかけで、2人の組長に毎日のように選択を迫られる様子を描いています。
 

ムロはこのドラマで、主人公である狛江光雄を演じています。野心があるにも関わらず、ミスで望まない単身赴任を強いられ、さらに赴任先でミスのためにヤクザから借金をするハメになる光雄。2人のヤクザの間で翻弄されながら、平凡な生活に戻りたいと願う様子は鬼気迫るものがありました。

福澤徹三の小説が原作で、大槻閑人によってコミカライズもされました。一見すると悲劇でしかない状態を、時にコミカルに描いている作品です。小説版の表紙の狛江光雄の表情がなんとも趣深いです。

著者
福澤 徹三
出版日
2013-02-08

こやす珠世

【テレビドラマ原作】『病室で念仏を唱えないでください』(2020年)

僧侶でありながら救命医をしている松本を主人公に、病院という組織で切磋琢磨し、成長してゆく人々と救命医の置かれた過酷な環境について詳細に描いた作品。「僧医」という職業でありながら、なかなか煩悩を捨てられない松本の人柄が魅力的な作品です。
 

ドラマでは、名字以外不明だった登場人物全員にフルネームが与えられていることや、松本をめぐる三角関係についてはエピソードが省かれたりといくつかの相違点がありました。

ムロは、このドラマで天才心臓外科医・濱田達哉を演じています。原作では関西弁の濱田ですが、ドラマでは独特の口調ではありつつも標準語で話しています。これまでになかった天才で美形で大変なあまのじゃくの性格という役どころを好演しました。

原作は専門用語も満載なのですが、分かりやすいようにルビをふってくれたりと、一般人にも読みやすい作品です。治療場面以外での医師たちの軽口も楽しい作品となっています。

著者
こやす 珠世
出版日
2013-04-30

【出演作品一覧】ムロツヨシはコメディにシリアス……映画やテレビドラマに欠かせない人気俳優

彼がどんな作品に出演したきたのかを見ていきましょう。

【映画】

『サマータイムマシン・ブルース』(2005年)

『踊る大捜査線シリーズ』(2005年)

『交渉人 真下正義』(2005年)

『踊る大捜査線 THE MOVIE3』(2010年)

『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(2012年)

『ピーナッツ』(2006年)

『UDON』(2006年)

『龍が如く 劇場版』(2007年)

『少林少女』(2008年)

『R246 STORY-弁当夫婦-』(2008年)

『特命係長・只野仁 最後の劇場版』(2008年) 原作『特命係長只野仁』

『アフタースクール』(2008年)

『劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事』(2008年)

『誰も守ってくれない』(2009年)

『ヤッターマン』(2009年)

『呪怨 白い老女』(2009年)

『大洗にも星はふるなり』(2009年)

『曲がれ!スプーン』(2009年) 原作『曲がれ!スプーン』

『昆虫探偵 ヨシダヨシミ』(2010年) 原作『昆虫探偵 ヨシダヨシミ』

『シュアリー・サムデイ』(2010年)

『恋愛戯曲』(2010年) 原作『恋愛戯曲』

『パーマネント野ばら』(2010年) 原作『パーマネント野ばら』

『大奥』(2010年) 原作『大奥』

『シャッフル』(2011年)

『闇金ウシジマくん』(2012年) 原作『闇金ウシジマくん』

『鍵泥棒のメソッド』(2012年)

『横道世之介』(2013年) 原作『横道世之介』

『コドモ警察』(2013年)

『ボクたちの交換日記』(2013年) 原作『芸人交換日記〜イエローハーツの物語〜』

『HK 変態仮面』(2013年) 原作『究極‼変態仮面』

『HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス』(2016年)

『俺はまだ本気出してないだけ』(2013年) 原作『俺はまだ本気出してないだけ』

『薔薇色のブー子』(2014年)

『女子ーズ』(2014年)

『小野寺の弟・小野寺の姉』(2014年) 原作『小野寺の弟・小野寺の姉』

『幕が上がる』(2015年) 原作『幕が上がる』

『明烏』(2015年)

『ヒメアノ〜ル』(2016年) 原作『ヒメアノ〜ル』

『金メダル男』(2016年) 原作『金メダル男』

『疾風ロンド』(2016年) 原作『疾風ロンド』

『銀魂』(2017年) 原作『銀魂』

『銀魂2 掟は破るためにこそある』(2018年)

『斉木楠雄のΨ難』(2017年) 原作『斉木楠雄のΨ難』

『DESTINY 鎌倉ものがたり 』(2017年) 原作『鎌倉ものがたり』

『50回目のファーストキス』(2018年)

『空飛ぶタイヤ』(2018年) 原作『空飛ぶタイヤ』

『ダンスウィズミー』(2019年)

『最高の人生の見つけ方』(2019年)

『FOR REAL-戻らない瞬間、残されるもの。-』(2019年)

『ヲタクに恋は難しい』(2020年) 原作『ヲタクに恋は難しい』

『新解釈・三國志』(2020年)

 

【テレビドラマ】

『前日も交渉人 真下正義』(2005年)

『逃亡者 木島丈一郎』(2005年)

『2ndハウス』(2006年) 原作『2ndハウス』

『役者魂! 』第2話(2006年)

『Xenos』(2007年) 原作『Xenos』

『仮面ライダー電王 第23話 - 第24話』(2007年)

『探偵学園Q 』第8話(2007年) 原作『探偵学園Q』

『ガリレオ』第1話(2007年) 原作「ガリレオ」シリーズ

『SP 警視庁警備部警護課第四係』第1話(2007年)

『ロス:タイム:ライフ』 第7節(2008年)

『7人の女弁護士』 第6話(2008年)

『CHANGE 第7話』(2008年)

『ザ・クイズショウ』第4話(2008年) 原作『ザ・クイズショウ』

『33分探偵』第8話(2008年)

『Room Of King』(2008年)

『流星の絆』 第3話(2008年) 原作『流星の絆』

『相棒 season7 最後の砦』(2008年)

『男装の麗人〜川島芳子の生涯〜』(2008年) 原作『男装の麗人』

『チャンス!〜彼女が成功した理由〜』(2009年)

『土曜ワイド劇場 火災調査官・紅蓮次郎 9』(2009年) 原作「火災調査官」シリーズ

『サムライ・ハイスクール』(2009年) 原作『小公女セイラ ~リトルプリンセス~』

『小公女セイラ 第9話』(2009年)

『東京DOGS 最終話』(2009年)

『福助』(2010年) 原作『福助』

『卒うた』 第1〜3夜(2010年)

『蛇のひと』(2010年)

『絶対零度〜未解決事件特命捜査〜 第2話』(2010年)

『プロゴルファー花』(2010年)

『 豆腐姉妹』(2010年)

『うぬぼれ刑事』(2010年)

『フリーター、家を買う。』 第6〜9話(2010年) 原作『フリーター、家を買う』

『CONTROL〜犯罪心理捜査〜 第10話 - 最終話』(2011年)

『階段のうた Season3』(2011年)

『BOSS 2ndシーズン』 第3話(2011年)

『生まれる。』 第4話 (2011年)

『勇者ヨシヒコと魔王の城』(2011年)

『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』(2012年)

『勇者ヨシヒコと導かれし七人』(2016年)

『ピースボート -Piece Vote-』 第7〜11話(2011年)

『謎解きはディナーのあとで』 第2話(2011年) 原作『謎解きはディナーのあとで』

『家族のうた』(2012年)

『世にも奇妙な物語 2012年 春の特別編「7歳になったら」』(2012年)

『メグたんって魔法つかえるの?』(2012年)

『ウレロ☆未完成少女 第2話』(2012年)

『平清盛』(2012年)

『おんな城主 直虎』(2017年)

『ピン女のメリークリスマス 〜恋したい、恋しようとしない、恋できない。〜』(2012年)

『逸脱〜捜査一課・澤村慶司』(2013年) 原作『逸脱 捜査一課・澤村慶司 』

『執着〜捜査一課・澤村慶司2』(2014年) 原作『執着 捜査一課・澤村慶司』

『猫弁と透明人間』(2013年) 原作『猫弁と透明人間』

『空飛ぶ広報室』(2013年) 原作『空飛ぶ広報室』

『真夜中のパン屋さん』(2013年) 原作「真夜中のパン屋さん」シリーズ

『ぐいぐいゾンビ』(2013年)

『名もなき毒 』(2013年) 原作『名もなき毒』

『ペテロの葬列』(2014年) 原作『ペテロの葬列』

『天魔さんがゆく』 第1、2、8話(2013年)

『ごちそうさん』(2013年)

『実験刑事トトリ2 第5話』(2013年)

『裁判長っ!おなか空きました! 』(2014年)

『新解釈・日本史』(2014年)

『アオイホノオ』(2014年) 原作『アオイホノオ』

『金曜ドラマ ウロボロス〜この愛こそ、正義。』(2015年) 原作『ウロボロス―警察ヲ裁クハ我ニアリ―』

『恋愛あるある。「同棲恋愛あるある」』(2015年)

『ナポレオンの村』(2015年)

『世にも奇妙な物語 25周年記念!秋の2週連続SP「バツ」』(2015年)

『悪党たちは千里を走る』(2016年) 原作『悪党たちは千里を走る』

『ニーチェ先生』(2016年) 原作『ニーチェ先生』

『トライベッカ 第4回 - 』(2016年)

『重版出来!』(2016年) 原作『重版出来!』

『モンタージュ 三億円事件奇譚』(2016年) 原作『三億円事件奇譚 モンタージュ 』

『キッドナップ・ツアー』(2016年) 原作『キッドナップ・ツアー』

『山田孝之のカンヌ映画祭』 第1話(2017年)

『愛を乞うひと』(2017年) 原作『愛を乞うひと』

『スーパーサラリーマン左江内氏』(2017年) 原作『中年スーパーマン左江内氏 』

『孤独のグルメ Season6』 第12話(2017年) 原作『孤独のグルメ』

『ハロー張りネズミ』 第6話(2017年) 原作『ハロー張りネズミ』

『きみが心に棲みついた』(2018年) 原作『きみが心に棲みついた』

『平成細雪』 最終話(2018年) 原作『細雪』

『大恋愛〜僕を忘れる君と』(2018年)

『今日から俺は‼』(2018年) 原作『今日から俺は‼』

『二つの祖国』(2019年) 原作『二つの祖国』

『Iターン』(2019年) 原作『Iターン』

『世にも奇妙な物語 '19秋の特別編「コールドスリープ」』(2019年)

『病室で念仏を唱えないでください』(2020年) 原作『病室で念仏を唱えないでください』

『まとわりつくオンナ - 五つの地獄編』 第3話(2020年)

『三浦部長、本日付けで女性になります。』(2020年)

『今だから、新作ドラマ作ってみました 第3夜「転・コウ・生」』(2020年)

『親バカ青春白書』(2020年) 

今回は、ムロツヨシという役者が辿ってきた作品を、実写化された作品とともに振り返ってきました。 
小さな役からコツコツと、丁寧にキャリアを積み重ねてきた努力が分かりました。こうして小さな繋がりを積み重ねてきたからこそ、今や共演者に愛される現在の彼ができあがったのですね。 
様々な苦境にあっても楽しめることを探して、インスタやツイッターなど、様々な媒体でも動き続けるムロツヨシ。今後も彼の活躍には期待大です。

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