紹介するのはジャンル別に、【恋愛】【青春】【ファンタジー】【コメディ】【スポーツ】【芸術】【仕事】【ホラー・グロ】【バトル】【ミステリー】【歴史】。ぜひお気に入りの一冊を見つけてみてください。
ドラマ化されたことでも話題のいくえみ綾作『あなたのことはそれほど』。作者のいくえみ綾は、言葉で説明しづらい魅力を持つ漫画家です。それを象徴するのが、登場人物たち。
本作はダブル不倫をしてしまう有島と美都が、なかなかのクズ。美都は夫・涼太に無関心で扱いが雑すぎるし、有島もまた、美都に対して対応がぞんざいです。
しかしそんな2人を差し置いて、本作の中核をなすのは、実は涼太。彼がどんどんサイコホラーな展開を見せていくのです……。
そんな彼らの、一言で言い表せられない多面的な様子が、どこかいくえみ綾の言葉にしづらい魅力と似てます。ありきたりな言葉ですが、とてもリアルで、生々しいのです。静かに、でも長いこと心に残る空気感を味わってみてください。
もっと詳しく知りたい方は、漫画『あなたのことはそれほど』の魅力を5巻までネタバレ考察!の記事もおすすめです。
- 著者
- いくえみ 綾
- 出版日
- 2012-11-08
ヤンデレ好きにおすすめなのが『白磁』。隠れた名作です。
ヤンデレはいわば、究極の一途。その人じゃなきゃだめ、自分の抑えが効かなくなるほどに、相手を愛してしまう、そんな度を越した愛が、怖いと思いながらも惹かれてしまう理由ではないでしょうか。
そんな強すぎる愛に微エロを混ぜながら展開する本作。しっかりとした少女漫画で、お耽美な雰囲気なので女性におすすめですが、どこか青年漫画っぽいので、男性にもおすすめできます。
たとえば、王子様のセリフがこんな感じ。
「やっぱりぼくの好きな彼女はこれなんだ」
(『白磁』2巻より引用)
一見、単なる愛の言葉に思えますが、これ、24歳の青年が、セーラー服を着ているヒロインへ向けた愛の言葉なのです。……詳細は、本編でご覧ください。
いびつな関係が怖いのに、なぜが美しい。ヤンデレ好き必見のおすすめ漫画です。
- 著者
- モリエ サトシ
- 出版日
- 2009-06-19
とにかく、女性キャラがエロくて可愛い!また、それだけでなく、切ない恋物語を描いた作品です。
まずは何といってもヒロインの可愛さが本作の魅力。表紙が好きな方はそのまま読んで損はないかと思います。人によっては画力が気になるという方もいるかもしれませんが、その少し崩れた様子が、「いけそうな感じ」を色濃く表現しています。
そしてその「いけそうな感じ」に狂わされる主人公の恋心が切なく、より物語に引き込んでくる要素です。片思いの相手に彼氏がいることを分かっていながらも、気持ちのままに彼女を迫ってしまうのです。そのどうしようもない衝動に、きゅんとしてしまいます。
この「いけそうな感じ」、「どうしようもない感情」など、不安定で生々しい要素が本作の魅力です。本作が気になったら『うそつきパラドクス』の魅力を全巻ネタバレ紹介!の記事でも詳細がご覧いただけます。
- 著者
- ["きづき あきら", "サトウ ナンキ"]
- 出版日
- 2009-09-29
SMを題材にした漫画ではありますが、ここでは純愛漫画としてご紹介させていただきたい名作が『ナナとカオル』です。
お互いの気持ちに素直になれないものの両思い確定の幼馴染、ヒロインのナナと主人公のカオルが、SMを通して愛を深めていくという本作。繰り返しになってしまいますが、とにかく純愛です。
確かに性行為シーンはなくとも、エロい。エロくはあります。
しかしそのエロさは精神的な葛藤や、生々しい欲求が描かれていることに起因するもの。その心理描写が丁寧なので、ピュアさを感じられるのです。
嫌なのに嬉しい。やめてほしいようで、やめてほしくない。プレイのなかで表れる心のねじれが、人間らしさ、パートナーとの愛を感じさせる作品です。
詳細は漫画『ナナとカオル』の魅力をネタバレ紹介!エロいだけじゃないの記事でも読めます!
- 著者
- 甘詰 留太
- 出版日
- 2008-11-28
まずは、恋愛漫画の金字塔『花より男子』。
10年以上連載され、2005年にはドラマ化もされた人気作品です。
ドラマからも原作からも分かるのですが、本作はキャラが最大の魅力。主人公のつくしは、数ある貧乏ヒロインのなかでも、最もたくましい人物のひとり。努力の塊で、雑草のようにへこたれません。
また、恋のお相手となる2人も魅力的。道明寺のツンデレ、花沢類の不思議ちゃんにドキドキすること間違いなしです。
元気になりたい時、胸キュンしたい時におすすめの恋愛漫画です。
- 著者
- 神尾 葉子
- 出版日
矢沢あいの代表作のひとつ『ご近所物語』。夢を追う主人公の恋と夢を軸に青春を描いた作品です。
作者の他作品からも分かるファッションや世界観のオシャレ感をこれでもかと詰め込んだ世界観に憧れた女の子も多いはず。今見てもオシャレな登場人物たちの格好は参考にもなります。
矢沢あいの魅力のひとつは、ストーリーの重さにもあると思うのですが、本作はいい具合にポップさとシリアスさのバランスが取れており、誰でも読みやすい作品です。
女子の大好きな切なさ、可愛い世界観、恋などが詰め込まれた女子のための恋愛漫画の名作です!
詳細は『ご近所物語』のキュンとする名言ランキングベスト10!【ネタバレ注意】の記事からも読めます。
- 著者
- 矢沢 あい
- 出版日
学生時代からズルズルと関係を切れないでいる元彼、その元彼に片思いし続けている女子、同じ美大の同級生の友達2人、そして現在正式に付き合っているアメリカ人の彼氏……と、主人公えいこを取り巻く人間関係を描く恋愛漫画が『A子さんの恋人』。
元彼と現在の彼氏との三角関係の本筋ですが、本作の魅力はラブストーリーではなく、登場人物たちのキャラ。どこかにいそうで、でも独特のクセの強さがあります。
彼らはみんな、人間らしいダメさを持っています。
えいこに長年ズルズルと関係を切らせないようにしている、えい太郎。そして、えいこを少し下に見ながらも、結局は彼女に惚れ込んでいて、振り回されてしまう遠距離恋愛中の現恋人、エー君。
この他にも、モテるものの底意地が悪く、ダメンズ好きのけいこ、えい太郎につまらない人物だと思われていることを分かりながらも想いをあきらめきれず、えいこに意地悪してくるあいこなど、まったくの悪人ではないけれど、善人とも呼べないような人物が登場します。
彼らの言葉は、本当に生きている人のような、それぞれの背景を感じさせるもの。ただの甘い恋愛漫画に飽きたら、ぜひおすすめです!
詳細は『A子さんの恋人』の魅力をネタバレ紹介!半人前なアラサー恋愛漫画が面白いの記事からも読めます。
- 著者
- 近藤 聡乃
- 出版日
- 2015-06-15
パンチラから始まるラブストーリー、『いちご100%』。恋愛漫画、少年漫画の名作です。
本作最大の魅力は、やはりパンチラ。そしてタイトルどおり、キーとなるのが、いちご柄のパンツ。今時そんなの履いている女子高生などいないでしょう。いないでしょうが……オールドファッションなレア感、可愛さが感じられるのです。
しかし、ただパンチラすればいいってもんじゃありません。やはりヒロインたちが本当に可愛いからこそ、パンチラが引き立つってもんです。こちらは先ほどどご紹介した『らんま1/2』や「ひばりくん」とは異なり、現代的な作画のヒロインたちがとても可愛い。表紙が好きであれば、買いでしょう。
とにかく女子が可愛い。そしてパンチラが最高。これに尽きるラブコメです。
- 著者
- 河下 水希
- 出版日
- 2002-08-02
おすすめの恋愛漫画に関しては「完結済みの本当に面白い恋愛漫画おすすめ36選!【歴代名作】」でさらに詳しく紹介しています。
全日本ろうあ連盟監修で実写DVD化、映画化された名作が『聲の形』です。過去にいじめていた耳の聞こえない少女・梢子に主人公・将也が再会し、心の交流を深めていく様子が描かれています。
間接的なものも含めると、かなり多くの人がいじめに加担したことがあるのではないでしょうか。さらにいうと、いじめというものがそもそも、大人数でひとりをいじめるという構図なので、相対的に加害者側を経験していた人が多いでしょう。
将也はそのなかでも主犯格だった人物。しかし目立つ立場にいたことから、今度は逆に自分がいじめられる立場になってしまい、そこから高校生になるまで暗い気持ちで過ごしていました。
梢子と将也。それぞれのいじめというものへの割り切れなさ、罪悪感、心に負った傷が、生々しく描かれます。白黒つかない様々なものが、ないまぜになった感情がリアルです。
そしてそんな一言では表せられない気持ちを他者に伝えることの難しさ。時に言葉が足枷になることもあるのだと、考えさせられるものがあります。
いじめという事件をとおして人と人とのコミュニケーション、理解の難しさを描いた名作です。詳細は漫画『聲の形』の魅力をネタバレ徹底考察!伝えたい焦りと伝わらない口惜しさの記事でも読めます。
- 著者
- 大今 良時
- 出版日
- 2013-11-15
最強は、誰だ。
こんな単純ながら根強い疑問への答えを描いたのが、『喧嘩商売』。格闘漫画の名作です。
様々な格闘技がルール無用で戦ったらどうなるのか、というテーマで、何でもありの戦いを見せてくれる、夢のような作品です。喧嘩シーンも迫力があり、主人公の強さに爽快感を感じられます。
と、これだけ書くと正統派の喧嘩漫画と思われるかもしれませんが、本作はギャグ、ブラックユーモアがこれでもかと盛り込まれ、力まずに読むことができるのです。
そのギャグ展開は、1話目からトップスピード。担任が斜め前の可愛い女子に対して、「挿入できます」「処女だし」という出所の怪しい情報を出したり、主人公がその子を見ているだけで勃ってしまい、喧嘩を売られても立つことができなくなったりするのです。
いくら青年漫画とはいえ……。しかし気持ちいいくらいの盛りっぷり。格闘シーンもギャグ展開も、気持ちいいくらいの振り切った作品です。
- 著者
- 木多 康昭
- 出版日
ヤンキー・不良漫画の金字塔『ろくでなしBLUES』。強く、熱い少年たちの攻防に胸熱くなる作品です。
本作は熱量がずば抜けて素晴らしい。主人公はもちろん、その他のキャラたちも好きにならずにはいられない人物で、彼らがガチンコのバトルをくり広げるのですから、引き込まれないはずがありません。
ヤンキー・不良漫画に熱くなってしまうのは、真っ直ぐで、それでいて腕っ節も強いという、ヒーロー展開をファンタジーではなく、リアルの設定でやっているからかもしれません。
大人になって現実を知ると、ヒーローになるのはなかなか難しいと知ることが多いように思います。だからこそ、漫画の中であれ、リアルの世界で熱さを保ったまま生きる人物に諦めない気持ちを学ばされるのです。
キャラの魅力は、『ろくでなしBLUES』強さランキングベスト5!名言とともに紹介の記事でも紹介しています。
- 著者
- 森田 まさのり
- 出版日
鬱展開の先に光が見えてくる、読みごたえ抜群の漫画が、『ぼくらのへんたい』。ショッキングなタイトルと、可愛い絵柄に興味をそそられませんか?
本作の「へんたい」とは、サナギが蝶から羽化するような過程を指す「変態」の意味だと思われます。3人の女装男子がネットをきっかけに出会い、学生時代の変化の時をともに過ごす物語です。
全体を漂う雰囲気は、かなり重め。登場人物それぞれに胸が痛くなるような過去があるのですが、その弱点を逆手にとって相手を傷つけるという、思春期的な、暴力的なコミュニケーションのバトルロワイアルがくり広げられます。
登場人物全員の、今のこの状況から脱したい、変わりたい、でも苦しくて動けない、という声が聞こえてくるような作品。重い分、最後まで読むと、しっかりとしたカタルシスが感じられる、読みごたえのある内容です。
もっと本作のことを知りたい方は、『ぼくらのへんたい』切なくて泣ける隠れた名作を全巻ネタバレ紹介!の記事もおすすめです。
- 著者
- ふみふみこ
- 出版日
- 2012-08-10
おすすめの青春漫画に関しては「青春恋愛漫画ランキングベスト30!初々しくてかわいい!」で紹介しています。
考えるな、感じろ!
そんな名作が、『AKIRA』です。最近の漫画はストーリーやキャラの設定がつくりこまれている作品が多く、それが見所となっています。それに比べて本作は伏線が回収されることなく、あいまいな雰囲気のまま、結末へと向かいます。
それゆえに何が面白いの?という声も多いのですが、本作はそんな理詰めのストーリーを圧倒するだけの魅力があります。圧倒的な書き込みによる迫力、物語全体に漂う雰囲気の独特さ、唯一無二の世界観など、理詰めでなくとも、何かかっこいい!と思わせる作品なのです。
言葉にしづらい魅力なので、論理的な漫画が好きな方にはあまりおすすめできないかもしれません。しかし、ハマる人は、どっぷりハマる作品でもあると思います。
まずは読んでいただき、何か、好き!と思えれば、ハマるはず。考えないで、感じてほしい。独自の存在感を持つ名作です。
- 著者
- 大友 克洋
- 出版日
- 1984-09-14
宇宙を舞台にした群像劇を描くのが、『プラネテス』。宇宙を旅したり、そこで暮らし、仕事をしたりするのが当然となっている世界ということで、一見ファンタジー色が強く映るかもしれません。
しかしその本質にあるテーマは、現代の私たちと同じもの。愛する人のために悩んだり、自分の将来に悩んだりといった個人的なものから、社会の格差、貧困など、読者の私たちに身近な問題が描かれます。
しかしあくまで舞台は、時代的にも物理的にも遠いところ。そこで描かれることで、身近なテーマをまっさらな目でもう一度考え直すことができるのです。
まるで遠い宇宙から音波に乗ってメッセージが届いてくるかのような、静かで優しい魅力のある本作。大人におすすめの作品です。詳細は以下の記事からも読むことができます。
『プラネテス』を真面目に語る。評価の高い名作漫画はタイトルから深かった!
- 著者
- 幸村 誠
- 出版日
前世という言葉を一般的にしたほど、当時の少女たちに影響した『ぼくの地球を守って』。高校生の主人公と小学生の少年を中心に、前世からの繋がりが現世に関わってくる物語です。
本作は、前世の業を繊細な世界観で描くことで重くなりすぎないものの、しっかりとした読みごたえを感じさせる作品です。過去からの気持ちと現在の気持ちがからまり合う様子を、触れれば壊れてしまいそうな箱庭のように完成されて繊細な世界として描きます。
しっかりとしたストーリーがありつつも、おとぎ話のような雰囲気がある名作です。作品の詳細は以下の記事からも読めます!
- 著者
- 日渡 早紀
- 出版日
2018年にアニメ化もされた『デビルズライン』。吸血鬼の安斎と人間のつかさとの恋を描きつつ、安斎の過去にまつわる謎が絡むミステリー要素もある物語です。
本作は青年漫画ではありますが、切なさ満点のラブストーリーも魅力的。生物として捕食関係にある相手を恋愛対象にできるかという設定なので、主役の2人がお互いを思うほどに切ないのです。
また安斎が可愛い、というのも女性読者におすすめできるポイント。今まで誰かを好きになったことがない男性が運命の女性と出会い、理性で抑えられない恋を知る様子にキュンとしてしまいます。
ただし、ミステリー展開もとても面白いので、男性にもおすすめできます。本作の詳細は漫画『デビルズライン』の見どころを全巻ネタバレ紹介!【アニメ化】の記事からも読むことができます。
- 著者
- 花田 陵
- 出版日
- 2013-09-20
誰得な男体化魔法少女を描いたファンタジーギャグ漫画が『魔法少女俺』です。
主人公は魔法少女に憧れる売れないアイドルの少女・さき。ある日、家の前で扉を蹴りながら叫んでいるどう見てもヤのつく人を見かけ、彼を家に入れたことから、実は母親がかつて魔法少女だったことを知ります。
そのまま、流れでヤのつく人に言われるがままに契約書にサインし、魔法少女になることに。
さらに滅多に出ないという妖魔が当日に登場し、変身すると男体化した魔法少女?で……。
ここまでのあらすじだけで頭のおかしさが伝わったのではないでしょうか。このようにハイスピードで読者を置いていくようなストーリーが本作の魅力。
あらすじを説明するだけで面白い作品はなかなかないでしょう。とにかく上下巻完結で最後まであっという間に読めるので、ぜひこのカオスな世界観をご覧ください。
- 著者
- 毛魂一直線
- 出版日
『累』に続き、入れ替わりと美醜をテーマにした作品が『宇宙を駆けるよだか』。先ほどの内容が一般的な境遇とは少々異なったのに対し、本作は学校を舞台に描かれた身近なストーリーです。
主人公は、無自覚のカースト上位女子のあゆみ。見た目も性格もよく、幼馴染のイケメンと付き合い始めたばかりです。そんな彼女と見た目も性格も暗く、地味な然子が入れ替わるというストーリーなのですが、どちらかというと主人公よりも入れ替わった悪役の女子の方に感情移入していまう方の方が多いのではないでしょうか。
そのとおりで、本作は然子の心理描写が際立った面白い作品。主人公がありながらも悪役の方に感情移入する。近くにいたらあまりの敵わなさに自分が嫌になりそうです。
もし自分があの子だったら、あの理想的な見た目だったら、と考えたことのある人ならば、誰しも心に刺さる入れ替わり漫画です。詳細は以下の記事でも読むことができます。
漫画『宇宙を駆けるよだか』が3巻完結なのに面白すぎ!全巻ネタバレ紹介!
- 著者
- 川端 志季
- 出版日
- 2015-02-25
おすすめのファンタジー漫画に関しては「恋愛ファンタジーおすすめ漫画ランキングベスト14!異世界での恋」で紹介しています。
大家と読んでも過言ではない漫画家・高橋留美子の作品からは、『らんま1/2』をご紹介します。ラブコメを得意とする彼女の魅力のひとつが、ヒロインの可愛さではないかと思うのですが、本作はさまざまなタイプの女子が見られるのが嬉しいところ。
長女らしいしっかりとしたところとちょっと(かなり?)抜けたところのギャップがたまらないかすみお姉さん、一途すぎて演歌っぽい女らしさのある右京、中国娘の可愛さの王道をゆくシャンプー、ツンデレで純粋、THE正ヒロインなあかねなど、それぞれに魅力があります。
一度読んだことがあるという方も多いでしょうが、今再び読んでみると、また当時とは違ったヒロインにハマる、ということもありそうな作品です。読んだことのない方も、ぜひ。シンプルな書き込みでなぜこんなに可愛いのか、と思うこと間違いなしですよ!
#ギャグ漫画 #ラブコメ漫画 #少年漫画
- 著者
- 高橋 留美子
- 出版日
男の娘の元祖、そしてレジェンドともいえるのが、『ストップ!!ひばりくん!』のひばりくんでしょう。
天涯孤独の身となった主人公が居候することになった家にいたのがひばりくん。その家の姉妹のひとりで一番可愛い子が、実は男の子だったというストーリーです。可愛さを自覚している確信犯的な行動が目立つのですが、分かっていてもそれが逆に小悪魔的な魅力を生み出すのです。
1980年代の作品ということもあり、少しレトロな雰囲気は否めないのですが、圧倒的な可愛さがあります。
昨今増えてきている、描写力、書き込みがすごい作品に比べて、シンプルで素っ気ないほどのタッチなのですが……。分かりません、とにかく可愛い。こちらも『らんま1/2』と同じく、シンプルながらも不思議な可愛さがある作画です。
男の娘の危険な魅力が感じられる名作、ぜひ読んでみてください。
- 著者
- 江口 寿史
- 出版日
- 2009-07-16
『ごくせん』、『デカワンコ』、『アシガール』など数多くのヒット作、映像化作の原作者として知られる森本梢子の『高台家の人々』。本作はそんな彼女の独特の面白さがいかんなく発揮された内容です。
森本梢子の作品は、スピード感がないのになぜか笑える展開が多く、独特すぎて凡人が説明しようとすると途端に面白さが激減するという特徴を持っています。
それでもどうにか説明してみましょう。本作は妄想癖のあるヒロインが、人の心を読めるイケメン御曹司に恋をしてしまうという物語。彼女の脳内妄想が本作の面白さを生み出しているのですが、そのうちのひとつに「かわいそうなビョーン」という妄想があります。
かわいそうなビョーンの物語は、ストーリー性なし、救いなし、オチなし、という地獄のような内容。もうただただ、かわいそう。しかしそれがなぜかほんわかした雰囲気になって、クスリと笑えてしまうのです。
……言葉で説明するのがヤボになってしまうのが残念です。ぜひ、この不思議な面白さを実際に読んで確かめていただきたいです。
- 著者
- 森本 梢子
- 出版日
- 2013-09-25
アニメ化を希望する声が今なお続く、女体化漫画が『ボクガール』。本作も主人公が可愛い作品なのですが、爽やかで純粋に応援したくなる王道のラブコメ展開が見所でもあります。
女体化した主人公が、幼馴染のムキムキ男子ともともと好きだった清純派ヒロインとの間で揺れ動くという、不思議な三角関係のストーリー。登場する人物全員いいヤツで、しかも何だかほっとけない雰囲気を持っています。ついついみんなのことを応援したくなるのです。
読後感も爽やかで、理想的な結末だという声も多い、完成度の高い作品です。ちなみに主人公が可愛い、と少しでも思ったらそれだけでも読み進められる内容ですので、ぜひご覧ください。
本作が気になったらラブコメ漫画『ボクガール』がエロかわいすぎ!【ネタバレ注意】の記事もおすすめです。
- 著者
- 杉戸 アキラ
- 出版日
- 2014-05-19
コメディ漫画に関しては「ギャグ満載の笑えるおすすめ少女漫画8選!恋愛とコメディの相性は最高!」で紹介しています。
こちらも大家・あだち充の作品から、『H2』をご紹介します。あだち充の作品は『タッチ』が有名ですが、本作はそれよりも野球要素が強め。作者ならではの試合展開の運び方の上手さが際立ち、野球漫画好きにもおすすめです。
そんな見ごたえのある展開を彩る切ない展開も本作をおすすめしたい理由。幼馴染の比呂と英雄、ひかり、春華の4角関係にとにかく胸が痛みます。
主人公の比呂が幼馴染のひかりを親友の英雄に紹介した後、やっと彼女への恋心に気づいたところから物語が動き出します。しかし彼の一方的な片思いというわけでもなく、ひかりもまた英雄と付き合いながらも割り切れない気持ちを持っています。
さらにそこに比呂に思いを寄せる春華、時間が経過して彼女に惹かれつつもひかりへの思いも立ちきれない比呂など、誰が悪いというわけではないのに、物語はどんどん複雑に、切なくなっていくのです。
- 著者
- あだち 充
- 出版日
- 2004-08-06
スポーツ漫画、野球漫画というと、たいていは男性が主人公の作品が多いですが、ここでは女性にもおすすめできる『メイプル戦記』をご紹介します。
基本ギャグテイストの本作は、登場人物や設定にどう見ても……な、明確なモデルがいることが感じられ、そのメタ部分でも楽しめます。物語の舞台は札幌なのですが、後援企業がホワイトラングドシャのクッキーで有名なあの会社を想像させます。
そんなリアルな設定にも関わらず、物語はかなりのぶっ飛び具合。そんなことありえないよ、と突っ込まずにはいられない展開が多いのですが、それがまた面白い。
女性でも楽しめる、エンターテイメント野球漫画です。
- 著者
- 川原 泉
- 出版日
弱小クラブが、型破りな監督によって勝利を上げていくというストーリーの「ジャイアントキリング」。大番狂わせ、下剋上という意味のタイトルにふさわしい、胸熱な展開を見せてくれる作品です。
弱小クラブのリアルな様子を描き、それを戦略で乗り切る才能ある監督・達海が若い、というのが本作の特徴でしょう。
現実的に難しい部分をしっかりと描いたあとに、それを補強するだけの納得感のある戦略が打ち出され、だからこそ、下剋上のカタルシスがこれでもかとぶつかってきます。しかしただアツいだけではなく、達海がどこかつかみどころがない自由人で、肩の力が抜けているので作品全体には気負わない雰囲気があります。
男女、年齢関係なくおすすめできるサッカー漫画です!詳細は「ジャイアントキリング」の面白さ50巻までネタバレ紹介!名作サッカー漫画の記事からもご覧いただけます。
- 著者
- ツジトモ
- 出版日
- 2007-04-23
数あるサッカー漫画でも、ぜひ大人におすすめしたい作品が『1/11じゅういちぶんのいち』です。めちゃめちゃ泣ける作品です。
物語の始まりは主人公のソラが中学生の時点から始まります。彼が自分の才能に見切りをつけて勉強一筋になったとき、日本代表に選ばれた四季という少女が目の前に現れます。
なぜそんな有名人がソラの街にやってきているのかというと、実はある訳があって……。そしてソラはこの四季との出会いをきっかけに、サッカー選手になるという目標を再び掲げるのです。
そもそもこの始まりから切なく、それが物語全体をしっとりとさせています。
しかしただ暗いのではなく、夢を二度と諦めない、と決めたソラの粘り強さ、明るさが本作を深みのあるものにしています。彼は歳を重ねるごとに厳しい現実に打ちのめされるのですが、それでも今できることを着実に重ね、大きな夢へと歩み続けるのです。
歳を重ねた方なら、大それた夢を持ち続けること、語ることの難しさ、ソラの強さが痛いほどに分かるでしょう。キラキラなサッカー漫画ではない、ちょっとビターなおすすめ作品です。
- 著者
- 中村 尚儁
- 出版日
- 2010-12-03
『DRAGON JAM』はバスケットボールの一種・ストリートバスケを題材にした作品で、独特のかっこよさがたまらない作品です。
ストリートバスケは子供たちだけの部活とは異なり、大人と一緒にプレイしたり、興行、ビジネスとして行われることがあったりと、普通の青春スポーツ漫画にはない面白さがあります。
さらに肩の力が抜けたプレイスタイルも魅力。簡略化されたルールから見せられる、キャラそれぞれの独自の技や、ヒップホップなどの音楽に合わせたボール使ってのパフォーマンス・フリースタイルなど、勝敗と同じくらいに楽しむことが重視されているのです。
熱血!青春!なスポーツ漫画もよいですが、ちょっと肩の力を抜いて、楽しむことのすばらしさを感じさせてくれる漫画もいかがでしょうか。
- 著者
- 藤井 五成
- 出版日
- 2010-10-29
『DRAGON JAM』とは打って変わり、スポーツへの執念が恐ろしいまでに感じられる作品が『リクドウ』。主人公・リクの幼少期から始まるストーリーですが、その若さにも関わらず、彼の青春にはキラキラとしたものはなく、壮絶の一言です。
物語は、いつも暴力をふるってきていた父親が自殺したのを見つけたリクが、「いつもされてたことをやり返してみようかな」と思い、首つりで宙に浮いた父を殴り続けているところから始まります……。
この常軌を逸した精神性は青年になったあとも続き、それが彼の強さを生み出していました。しかし周囲に優しい人が増えるにつれて、彼にも変化が出てくるのです。しかし、だからといってすぐに光の射す物語というわけでもないのです……。
少年が自分の精神を向き合いながら人として、ボクサーとして成長していく姿を描いた本作。これでもかと過酷、克明につづられた物語をぜひご覧ください。
- 著者
- 松原 利光
- 出版日
- 2014-09-19
数あるゴルフ漫画のなかでも、群を抜いて個性的なのが『風の大地』。ゴルフ漫画としての面白さもあるのですが、本作はとにかく個性が強い。
まず有名なのがポエム。エピソードの終わりに綴られる格言のような言葉です。当初は深いなぁ、と思わされるのですが、徐々に使いまわしかな……よくわかんないかも……と謎が増えていくのがご愛嬌。
さらに登場人物たちもいろいろな意味ですごいです。
すれ違っただけの子の死の責任を負って7年ほど病んでしまうくらい繊細なのに、ゴルフのプレイは攻め続けるパワー系というギャップがある主人公。
彼といい感じだったのにこれからというところであっさり死んでしまうヒロイン。プロゴルファーを目指したものの実力不足で料理人になり、ガンで死んだ元研修生、そのライバルで最終的に不倫していた相手と北にかけおちした研修生など……。ネタには事欠きません。
少し茶化してしまいましたが、突っ込みながらもそのドラマチックな展開から目が離せない作品です。ゴルフが分からなくともまったく問題ないので、気になった方はぜひ。
- 著者
- 坂田 信弘
- 出版日
自転車漫画として、こちらでは『Over Drive』をおすすめさせていただきます。本作の魅力は何といっても自分を変えたいという気持ちが人一倍強い主人公です。
サッカー漫画『DAYS』の作者・安田剛士のデビュー作なのですが、彼は本当に「弱い主人公」を描くのがうまい。主人公の葛藤や衝動が力強い言葉と画面に表され、読者をグイグイと引き込んできます。
自転車という競技がそもそも自分と向き合う側面が強いスポーツですので、作者の特性とテーマがうまく合致した作品ともいえるでしょう。
好きな子に誘われて自転車を始めるということで、当初はラブコメ要素が多めですが、どんどんスポーツ漫画として熱くなっていき、展開の力強さで魅せてきます。気づけばその流れにのみ込まれてしまうパワーがある作品です。
- 著者
- 安田 剛士
- 出版日
- 2005-09-16
安定して面白いのが硬式テニスを題材にした『ベイビーステップ』。赤ん坊の歩みのように、少しずつ少しずつ成長していく様子が見所。
スポーツ漫画は有無を言わさぬスピード感、熱量で押し切るタイプの作品もありですが、本作ではこれでもかと鍛錬の様子が描かれます。最終的には世界までいくのですが、それも納得感があるほど、じっくり描かれるのです。
そのゆえんが、主人公がガッチガチの理詰めであること。もともと勉強ができるタイプで、それを生かしてテニスでもノートをつけて細かい点を的確に修正していきます。
また、戦略の建て方や実行方法、それがうまくいかなかった時の様子はビジネスに役立つ部分も多く、大人におすすめしたい作品です。詳細はこちらの記事からもご覧いただけます。
『ベイビーステップ』47巻までの見所を徹底紹介!【ネタバレ注意】
- 著者
- 勝木 光
- 出版日
- 2008-02-15
なかなか馴染みのない薙刀(なぎなた)というスポーツにぐんぐん引き込んでくるのが『あさひなぐ』。女子ばかりのスポーツで、ここまで熱くできるのか、というほど熱く、共感できる内容です。
作中で薙刀はアメリカンドリーム、と表されています。初心者でも勝つことが出来る可能性が高く、誰にでも門戸が開けているというのです。
そんなスポーツということで、まったくの初心者の主人公・旭が試合で頭角を現していくのもリアルです。ただし『ベイビーステップ』と少々異なるのが、旭が成長してもそこまで強くならないこと。中堅どころくらいのレベルで、そのなかでもがいている姿が本作の特徴で、共感できるポイントなのです。
作品の詳細は薙刀漫画『あさひなぐ』のキャラ名シーン紹介!【27巻ネタバレ注意】の記事からも知ることができます。
- 著者
- こざき 亜衣
- 出版日
- 2011-04-28
競走馬漫画の名作が『みどりのマキバオー』。可愛いのかブサイクなのかよくわからない馬・マキバオーが主人公なので、作画から興味をそそられないという方が多いかとは思いますが、まずは読んでいただきたいです。
たしかにおとぎ話のようなストーリーなので、マキバオーが飛行機に乗ったり、海を泳いだり、挙げ句の果てにはねずみまでも喋ったりと、真面目に読むとカオスに感じてしまうところはあります。
しかしストーリーは笑えて泣けて、心に残る、王道の名作なんです。
競馬という多くの観客がいる中での熱い戦い、挫折、トラブル、勝利、主人公以外のキャラたちの圧倒的存在感……。見た目からのギャップがありまくりの、骨太な内容。
スポーツ漫画好きの方は、作画で食わず嫌いせず、ちょっと読んでみていただきたい作品です。
- 著者
- つの丸
- 出版日
実際のバイク乗りの方からも評価が高いのが『ジャジャ』。
ストーリーは、フリーターの主人公と、彼の住む家の下でバイク屋を営んでいるヒロイン(イタリア産の旧車好きという筋金入りのバイク好き)のラブコメ。しかしバイクへの愛を感じる描写や説明が丁寧でそのラブコメを覆い隠してしまうほどの知識量です。
また、作中での説明や細かいところまで書き込まれたボディももちろんですが、バイク好きにおすすめしたいのは、単行本に収録されている作者のコラム。ストーリー上で説明しきれなかった内容がびっしりと書かれています。
作者は「本業は漫画化で二輪ジャーナリストではない」と言っていますが、このコラムを読むとそっち方面でも食べていけるんじゃないかと思うほど。
本格的なバイク好きにもおすすめできる作品ではないでしょうか。
- 著者
- えの あきら
- 出版日
おすすめのスポーツ漫画に関しては「絶対に感動するおすすめスポーツ漫画21選!競技別の人気・マイナー作を紹介」で紹介しています。
漫画には数多くの天才がいますが、女性の天才を描いた名作が『昴』。作者は『め組の大吾』や『capeta』を描いた曽田正人です。熱い男を描くのがうまい人物ですが、本作では天才と狂気が紙一重の、どこかひやりとさせる主人公を見事に描ききっています。
この作品の着想は、有名なダンサーのルドレフ・ヌレエと言われています。彼の「私がバレエを選んだのではない。バレエが私を選んだのだ」という言葉を聞き、まさに自分が描きたいのはそんな人物だ、と曽田が思ったのが作品の始まりだそうです。
その着想からも分かるように、共感できる部分よりも圧倒的に相容れないものを感じさせる主人公です。しかし憧れてしまうような才能を感じさせもし、天才とは、こういうものなのだろう、と自然と思えるのです。
暴力的なまでの才能を感じさせる天才ヒロインをご覧ください。
- 著者
- 曽田 正人
- 出版日
囲碁漫画では、名作の『ヒカルの碁』をおすすめさせていただきます。そもそも囲碁という競技自体がメジャーではないなか、ここまでヒットを飛ばしたことは異例でしょう。
本作がすごいのは、佐為という存在。超天才の師匠がずっとついているシチュエーションをファンタジーによって自然に可能にし、それによって成長スピードが格段に加速しました。そしてスピード感があることで、より圧倒的なカタルシスを得られるのです。
しかもただ天才というわけではなく、佐為はとっても可愛い!少し天然なところもあり、そこがまたうまくストーリーに緩急をつけています。
少し小難しく説明してしまいましたが、要するに普通よりもめっちゃ早くうまくなって、それが不自然じゃなくて、面白い。囲碁漫画の金字塔です。詳細は漫画『ヒカルの碁』の面白さを今もう一度、徹底考察!【ネタバレ注意】の記事からも知ることができます。
- 著者
- ["ほった ゆみ", "小畑 健", "梅沢 由香里"]
- 出版日
将棋漫画では、『3月のライオン』をご紹介します。
本作は羽海野チカの前作『ハチミツとクローバー』でも見られる、温かで爽やかな面と、過酷でシリアスな面がうまく融合した作品。
者が経ちは、悲しい始まりです。主人公の零は、両親、妹を失って天涯孤独の身になり、居場所を得るために「将棋が好き」という嘘をつき、そこからはただ生きていくために将棋にかじりついてきました。
その半生はモノローグによって描かれるのですが、白黒の世界観、あえて淡々と語られる様子に、彼の痛みがまだ癒えていないことを感じさせます。
しかし彼の根本にあるのは、まっすぐな心持ち。それに気づいた温かな人々が、彼に新しい居場所をつくるのです。
漫画好きでない人にもおすすめしたい、羽海野チカの力強い作品です。詳細は以下の記事からも読むことができます。
- 著者
- 羽海野 チカ
- 出版日
- 2008-02-22
かるたという競技をスポーツのように熱く、スピード感満載に描いたのが『ちはやふる』。かるたを題材にしているだけあり、言葉に色や温度があり、それが読者の心を揺さぶる作品です。
その魅力は序盤から感じられます。まだ何も夢がなかった主人公が、姉が有名になることを夢として語ったときに幼馴染のひとりが、「自分のことでないと夢にしたらあかん」と突きつけるのです。
この言葉から始まるということで、本作はひとりひとりが自分だけの夢を持って歩み続けます。自分の弱さと向き合い、周囲の力を借りながらも自分の足で立つ強さが感じられる人物だからこそ、響く言葉が多いのでしょう。
作品の詳細は、漫画『ちはやふる』の名言から最新34巻までネタバレ紹介!の記事からでも紹介しています!
- 著者
- 末次 由紀
- 出版日
- 2008-05-13
芸術漫画に関しては「芸術の域、絵が上手い漫画家おすすめ作品5選!」で紹介しています。
仕事にもっと真摯に向き合おう、と熱い気持ちにさせられるのが、『重版出来!』。ドラマ化でも話題になった、お仕事漫画です。
個々の作品の色は、当然ながら主人公によって決められますが、本作の主人公・黒沢は、主役らしい、熱い女。柔道のプロを目指したこともあるくらいなので、あきらめない力、まっすぐな気持ちなど、スポ根的な熱さを持って仕事にも打ち込みます。
しかし、お仕事漫画の金字塔ともいえる『働きマン』とは異なり、女っ気はほぼゼロ。むしろ「子熊」というあだ名がつくぐらい、ファニーな見た目と言動の人物です。
そんな熱く、明るく、仕事をまっすぐにこなす本作。明日も頑張ろう、という前向きな気持ちをくれます。
- 著者
- 松田 奈緒子
- 出版日
- 2013-03-29
多くのダメ人間が抱えているであろう、「働きたくない」問題。仕事に情熱を持っている方でも、今日は何だか気が乗らない、という時もあるでしょう。そんな時に読んでほしいのが、本作です。
表紙の2人の兄妹は、まったく働きません。しかも家にいてもくだらないことばかりしています。
多くの人が、彼らのような暮らしぶりをするチャンスがあったとしても、世間体や、将来性、身分がない状態への不安から実際にできないのではないでしょうか。彼らを見ると、ダメダメだなぁ、と思いながらも、どこかすごいな、とも感じてしまうでしょう。
そしてまるで日曜夕方に国民的アニメ番組を見るかのように、彼らが変わらずバカらしいことをしているのを見ると、どこかほっとするのです。
そんな「心のゆるみ」をつくってくれる、不思議な漫画です。詳細は以下の記事からもご確認いただけます。
漫画『働かないふたり』はニートなのになぜ幸せそうなのか【ネタバレ注意】
- 著者
- 吉田 覚
- 出版日
- 2014-05-09
お仕事漫画に関しては「女性におすすめのWEB漫画おすすめ10選!」で紹介しています。
主要なキャラ2人、両方とも壊れている、という異色の日常漫画が、『シュガーウォール』です。
読み始めるた当初はヒロインだけが壊れているように見えます。主人公に勝手にお弁当を作り続けたり、気づくと家にいたり、自分の料理を食べさせるために強制的に嘔吐させたり……。あくまで普通のことのようにしてくる彼女の笑顔が恐ろしく、でも目を離せない存在感を感じさせます。
しかし彼女が失踪し、戻ってきた後に徐々に主人公も壊れ始めるのです。彼女に首輪をつけ、拘束、監禁。そんな自分に少し戸惑いながらも、結局お互い核心に触れることはなく、平常運転で日常を送っていくのです。
どう考えても違和感や恐怖を感じる設定が、淡々と進んでいく雰囲気に引き込まれる本作。ゆるやかな狂気、という言葉がぴったりのサイコホラー感のある日常漫画です。作品の詳細は『シュガーウォール』ギャルゲ→鬱展開のホラー漫画ネタバレ紹介!の記事からもご覧いただけます。
- 著者
- ninikumi
- 出版日
- 2014-01-11
2018年に映画化したサスペンスホラー漫画が『累』。主人公の累(かさね)が、母からの形見の口紅を使って美人と入れ替わり、演劇界に波乱をもたらす物語です。
本作は人間の怖さ、底知れなさを見事に描き切っています。バケモノのように醜い容姿から、美人の顔を奪って持ち前の演技力でのし上がっていく主人公の累。
その演技、表情には、彼女が生きてきた人生のすさまじさが表れています。美醜に注目した作品ですが、造形的な美しさだけではない、内から溢れるパワー、才能が人間をつくるのだということを感じさせられるのです。
たかが漫画のキャラといってしまえばそれまでですが、本当にいい作品のキャラは、生きている。彼女の演技のすごさに息を呑み、そんなことを感じさせられます。
作品の詳細は漫画『累』の魅力を最終14巻までネタバレ考察!女って本当に怖い……の記事でも紹介しています。
- 著者
- 松浦 だるま
- 出版日
- 2013-10-23
さて、ちょっと変わった漫画が好きという方におすすめしたい作品が『嫌がってるキミが好き』です。グロ漫画も大丈夫という、中〜上級者向けとなっています。
どういうところが不快なのかというと、設定がまっったく万人ウケしないのです。グロ漫画的な描写もありますが、それ以前にスタート地点の設定からいただけないのです。
まず、ヒロイン・みことが見た目も、性格も可愛くない。大抵の漫画はツンデレ的な、よく知れば好きになってしまうキャラ設定なのですが、このヒロインはどこまでいっても性格がコスい。
今の彼氏と付き合ったのも、「恋人がいる」というステータスが欲しいから。そしていつも彼を見下し、仕方ないから付き合っているというスタンスなのです。(徐々に調教され、変化していきますが)
しかし彼氏のまことは、その上をいくクセ者。ヒロインのゲロや尿を喜んで浴びながらも、彼女が少しでも偉そうな態度をとると、容赦無く殴ります。そして彼女に執着しながらも、激しく軽蔑もしてもいるのです。
この感情移入しづらい主役2人に、グロ、鬱、鬼畜などの不快な要素てんこ盛り。なのに、なぜか読まずにはいられないのです。不思議で危険な魅力がある作品です。
本作の詳細は『嫌がってるキミが好き』がやばい!彼氏の異常嗜好にゾクリ【ネタバレ注意】の記事からもご覧いただけます。
- 著者
- 鬼山瑞樹
- 出版日
- 2017-02-17
サスペンス・グロホラー漫画のなかでも、凄まじい後味の悪さを残すのが『ブラッドハーレーの馬車』です。物語はブラッドハーレーというお金持ちの家に、毎年恒例、孤児院の少女たちが毎年大量に送られていく流れがある、ということから始まります。孤児たちは華やかな成功を夢見てそこへ向かうのです。
しかしブラッドハーレー聖公女歌劇団で華々しい舞台に立てるのは毎年3、4人。実は少女たちはブラッドハーレー家ではなく、刑務所に送られ囚人たちの脱獄を防ぐために性欲や暴力欲求のはけ口にされていたのでした。
このあらすじだけですでに気分が悪いかと思いますが、本作が巧妙なのでは、実際にそのシーンは描かれないということ。想像が広がり、言いようのない不快感が胸に広がります。
物語が転調するのは、主人公の少女が刑務所に送られたあと、1週間生き延びて舞台にたった人物のことを耳にしてから。彼女がたどる運命は、ある種成功なのですが、胸が苦しくなるものです。
鬱漫画ながらも、ただ胸糞悪くなるのではなく、読みごたえのある内容となっている本作。しんどい、と思いながらも読み進めてしまうところに、作者の力量を感じるでしょう。
- 著者
- 沙村 広明
- 出版日
- 2007-12-18
作者・鬼頭莫宏が病んでいた時に執筆されていたというのが『なるたる』。とにかくグロく、読んでいて辛い作品です。キャッチコピーは「未来に贈るメルヘン」なのですが、送られた方の未来の気持ちにもなってほしい……と思うほどのです。
本作は竜の子という生き物を巡って世界をリセットしようとする「リンク者」という者たちとの戦いに、少年少女が巻き込まれていく物語。
執拗なまでに少年少女がバッタバッタと死んでいき、しかもその死に様が克明に描かれます。さらにさらに、そもそも少年少女たちは、生い立ちやいじめという環境から病んでいる、という設定。物語のどこにも心が休まる場所がありません。
しかし、戦いの真の理由や仕組みが壮大な世界観で緻密に描かれていることから、ついつい先が気になって読み進めてしまうのです。
とにかく辛い、でも面白い。冒険心溢れるチャレンジャーにおすすめのダークファンタジー漫画です。ちなみにそのヤバさの詳細は『なるたる』5分でわかるグロシーン!鬱・胸糞展開につき閲覧注意【ネタバレあり】の記事でも紹介しています。
- 著者
- 鬼頭 莫宏
- 出版日
- 2017-06-23
ホラー・グロ漫画に関しては「グロくてエグい最強のスプラッタホラー漫画おすすめ5選!」で紹介しています。
ダークファンタジー、デスゲーム系でおすすめといえば『GANTZ』でしょう。怪しすぎる星人に全体に漂う不穏な空気が、怖いもの見たさで読むのをやめられなくなる作品です。
個人的に推しの星人は、やはりネギ星人。キモくてかわいそうで、序盤に出てきた雑魚キャラながら異様な存在感を放っていると思います。そもそもネーミング時点でどんなヤツなんだ、ってなりませんか?
映画化されたことでも話題となった本作ですが、やはり原作を読んでほしいです。作者の奥浩哉独特の無機質でクセのある雰囲気や、作品の魅力であるエログロ要素が漫画ではしっかりと描かれています。王道じゃないのに、どこか骨太な魅力のあるダークファンタジー漫画です。
- 著者
- 奥 浩哉
- 出版日
これこそヤンデレ!
そう叫びたくなる作品が『未来日記』。言うまでもなく、ヤンデレの祖ともいえるヒロイン・由乃のキャラが本作最大の魅力です。
先ほどもヤンデレの魅力は究極の一途という部分にあるのではないかと言いましたが、由乃もどこまでも主人公に忠実。その姿はまるでよく躾けられた狂犬のようです。
デスゲーム設定の物語なので、主人公の命を守るという至上命題を与えられている彼女。すべては彼のためという名目で嬉しそうに人を利用し、殺し、彼に褒められることだけを生きがいとしています。
驚異的な身体能力で次々と殺人を犯す様子は、怖いと思いながらも、なぜか魅力的。ヤンデレの一途さがヒロインによって極められた作品です。
- 著者
- えすの サカエ
- 出版日
- 2006-07-21
藤田和日郎のファンタジー漫画の名作といえば『うしおととら』。うしおという少年が、とらという妖怪とともに、白面の者という大妖怪と戦うという物語です。
泣ける作品としても有名で、結末のとらの名言は、最後まで読めばもはや字面だけでうるっとくるようになってしまうでしょう。
しかし本作の魅力は、伏線にもあります。上記でお伝えしたあらすじが、実は単純にそれだけのものではないのです。彼らが戦う理由、数多くの登場人物たちとのエピソードが大きなものに繋がっていきます。
伏線は回収するのが難しいですが、本作はそれが綺麗に収束されていった名作です。作品の魅力は以下の記事から詳しく読むことができます。
漫画『うしおととら』の名言&名シーン徹底紹介!最終回のあの泣ける言葉も
- 著者
- 藤田 和日郎
- 出版日
もはや王道となった作品のひとつが『鬼滅の刃』。ホンシェルジュでは、2016年に1巻が発売された漫画ランキングで2位にノミネートしていた作品でもあります。
少年漫画おすすめランキングベスト10!【ホンシェルジュ漫画大賞2016】
当初は独特の絵柄とギャグセンスで賛否が別れましたが、物語が進むにつれ王道の成長、泣けるストーリー展開で人気を博していき、週刊少年ジャンプの看板作品となりました。
本作は読者にどこか安心感を与える作品。残酷な物語を描いているのにとても優しい。そんな相反する要素をうまくまとめあげてひとつの物語に収束させていることが王道といわれるゆえんかもしれません。
- 著者
- 吾峠 呼世晴
- 出版日
- 2016-06-03
おすすめのバトル漫画に関しては「【頭脳派主人公特集】異能力バトル漫画おすすめ5選!頭を使って勝ち進む展開が激アツなワケ」で紹介しています。
ドラマ化されたことでも話題の入れ替わり漫画『ぼくは麻理のなか』。入れ替わりの仕組み、意味に焦点を当てた作品です。主人公の少年が、憧れの少女の体の中に入ってしまうということから始まります。
押見修造は、どこか生々しい描写で、読者をぞくりとさせる作家です。本作の他にも『ハピネス』、『血の轍』などの作品を手がけているのですが、特に血に関する描写は際立つ部分があります。
『ぼくは麻理のなか』では、生理についてのエピソードを展開させます。入れ替わり漫画ではよくある内容ですが、それがかなり生々しいのです。
初めて体験する生理というものに戸惑う少年。恥じらいを感じながらコンビニでナプキンを買う描写や、下腹部の痛み、血が出た時に感じる不快感などが、この人女性なのでは?と思うほどリアルです。
しかも入れ替わった少女が可愛いということもあり、コンビニ店員が何とも言えない顔をするのも、また面白い。
本筋である、入れ替わりの謎を解く様子ももちろんですが、こんなリアルな描写が押見修造ワールドといえるでしょう。作品の詳細は漫画『ぼくは麻理のなか』の魅力をネタバレ紹介!押見修造の話題作の記事からもご覧いただけます。
- 著者
- 押見 修造
- 出版日
- 2012-12-07
張り巡らせた伏線の大風呂敷を畳むのは難しいことなのだなぁ、といろいろな漫画を読んでいて思いますが、それが綺麗に回収された名作が『僕だけがいない街』でしょう。
本作は「何か悪いことが起こる」直前に発動する数分単位からの短いタイムリープの能力を使い、主人公が母や同級生を殺した犯人を探るという物語です。
アニメ化、映画化されたことから名前をご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、個人的には絶対に原作は読んでほしい!
ミステリーなので犯人が分かるまでの流れにハラハラするのはもちろんなのですが、本作は犯人がわかってからも見所となっています。
短い期間でのタイムリープということから二転三転する展開にさらに緊迫感が生まれ、終盤にかけてそれがどんどん加速していきます。
ネタバレになってしまうので多くは語れないのですが、終盤にかけての犯人と主人公の攻防はお互い相手の正体を知っているからこその手に汗握る展開となっています。
- 著者
- 三部 けい
- 出版日
- 2013-01-25
2019年に1巻が発売されたばかりにも関わらず、一気に注目度が高まってきている本作。『医龍』『幽麗塔』でファンをつけてきた作者の新作です。
本作の最大の注目ポイントは、連続殺人犯の犯人だとされている、品川真珠。4人もの男性をバラバラにした容疑で捕まった死刑囚です。
彼女はとにかく目撃者のイメージが一致しません。報道では太ったピエロ姿で遺体を切り刻んでいるところを発見されましたが、主人公のアラタが出会ったのは、一見すると高校生のような華奢の見た目。
そしてその姿は美少女ともいえる風貌なのに、歯並びはガタガタ。そして調べでは幼いころからいじめられ、頭も悪いということが分かっていたはずなのに、妙に切れ者なのです。
そんな彼女と成り行きで結婚を約束してしまったアラタ。そしてそれをOKした真珠は死刑が決まっているにも関わらず、刑務所を出ることを約束します。それには妙な説得力があり、読者はアラタとともにぞっとするのです。そして物語はどんどん動き出します……。
真珠の本当の正体は何なのか?結婚するという約束はどういう着地をするのか?連続殺人事件の真相とは?さまざまな謎が真珠を中心に絡まりあい、気づくとその不思議な魅力とミステリアスさにハマってしまう力作です!
- 著者
- 乃木坂 太郎
- 出版日
おすすめのミステリー漫画は「ミステリー漫画おすすめランキングベスト15!隠された謎に迫る!」で紹介しています。
ドラキュラのモデルになった人物で、「串刺し公」と呼ばれたヴラド3世が主人公の『ヴラド・ドラクラ』。彼がオスマントルコ帝国とハンガリーに囲まれた小国ワラキアの生きる道を探します。
本作は歴史漫画好き、それが苦手な方まで幅広くおすすめできる作品。しつこくない程度にその人物、時代の背景が説明されており、あっさりしているので、その流れが分からなくとも楽しめる物語となっています。
そして最大の魅力は、その時代を写し取ったかのような雰囲気。貴族の対立を題材にしているため、堅物の男ばかりが出てくるのですが、その水面下で火花散る様子が最高にスリリングなのです。
しかもその水が仄暗い。暗黒の時代ともいえる時代背景、思惑渦巻く黒い戦いがクセになってしまいます。主人公が美青年なので、女性の方にもおすすめですよ。
- 著者
- 大窪 晶与
- 出版日
おすすめの歴史漫画は「絶対にハズれないおすすめ歴史漫画16選!勉強になる、世界・時代別の名作!」で紹介しています。
今後もどんどん追加していく予定なので、ぜひまた見にきてください!